柊、四四八……

発言者:黄錦龍

静乃の急段に酔いを覚まされ、さらに生涯初めての痛みを受けた黄錦龍。
彼の無敵に傷が入り、酔いが覚めたことで崑崙宮殿の結界も解かれた。
そのチャンスを逃すまいと現れる、二人の盧生
だが酔いが覚めた黄錦龍であろうと、そんなものは彼の敵では無かった。しかし・・・

黄の背後から響いてきたのは一つの靴音。
これまで魔王死神を前にしてすらどこか他人事のようにしていた仙王が、ただそれだけで弾かれたように振り向いた。

一歩、そしてまた一歩。霧の晴れた崑崙を踏みしめながら、
ここに顕象したのは第二の盧生。
今こそ万仙陣を崩すため、時代を超えて仁義八行の勇者が現る。

「柊、四四八・・・・・・」

もはや黄は彼しか見ていなかった。
目の前の存在を確と認識したうえで、己の天敵がやって来たのを自覚している。

+ 黄錦龍にとって柊四四八がどれだけ特別な存在か
「ああ思えば、俺が他者というものに本当の意味で向かい合ったのは、それが初めてだったかもしれない」
「彼の名前は柊四四八。俺が向き合い、言葉を交わしたいと思った人物。対話を望んだ個人とやらは後にも先にも彼一人のみだったよ」

「当日には、あぁ、彼と俺を除いておそらく十数人はいたと思うが……まあ、しかし二人きりだったのだろう。なにせ俺が覚えているのは柊四四八だけなのだから」
そのとき、彼の回想に伴って当時の情景がより明確に投射されていく。
要はそれほど、他者に興味を持たない黄にとって重い意味を持つということなのだろう。
在りし日の柊四四八が鮮明に再生される。

四四八以外の面々を案山子や石ころとさえ見ないまま、一歩雄々しく前に出た会話相手を眺めている。

差し出した阿片に対して四四八の失望が深まっていくことを、黄はどこか残念そうに肩を竦めてへらりと笑った。
そう、残念だったのだ。驚くべきことに彼はその時、眼前の男が理解に至ってくれない事実を自分なりに惜しんでいた。
傍からみれば壊滅的なやり取りでも、先ほど語った論説には他者が読み解ける理が一定以上含まれている。
それ自体がすでに驚くべき異常事態と言っていい。
常に一人芝居をしていた黄錦龍にとって、こういった議論をすること自体が
凄まじく稀有というか人生初の出来事であり、つまりそれだけ柊四四八という男のこと認めている証である。

甘粕とクリームヒルトの圧迫面接を前にして、何とも思ってない錦龍の剛毅さを示すシーン。
そしてそれと対比して黄錦龍が四四八をどれだけ特別に認識してしまっているかが解るシーン。

なお黄雪麗が居なかった場合、
八層の試練を超えた時に、黄錦龍は四四八への客観視を断ち切り、
正真正銘完全に盲目白痴達の盧生(ヒーロー)になっていたらしい。

  • このおじさんも中々の四四八ファンだよな -- 名無しさん (2017-02-17 20:19:10)
  • 本物の四四八がようやく舞台に上がるシーンでもある。今までは静乃に作られた四四八なのと回想にしか登場しないからな -- 名無しさん (2017-02-17 20:27:26)
  • BGMのアラヤも合わさって盛り上がりが凄かったわここら辺 -- 名無しさん (2017-02-18 09:52:08)
  • 雪子がいなければ~、っていうのは本編で語られてたことやっけ?なんやかんやで万仙陣ももう2年前だから記憶がおぼろげになりつつある -- 名無しさん (2017-02-18 12:20:17)
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最終更新:2020年01月14日 21:37
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