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31-02
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NIC いろいろ
HighPing無害説の話を記述中に面白い御質問を頂きました。
Gaming NICって効果あるのか?
持っていないどころか使ったこともありませんので、あくまでも理屈で回答させて頂きます。
以前にIntelNICの価値について似たような御質問を頂いたことがあります。
以前にIntelNICの価値について似たような御質問を頂いたことがあります。
何かの記事で使った、WindowsのPerformanceMonitorのSSに
IntelNICの型番が写っていたのが原因だったような...
IntelNICの型番が写っていたのが原因だったような...
昔から高性能NICとして有名なのはIntelのPRO/100/1000シリーズですが、
いわゆるGamingNICが高性能と主張している理由は全く別のところにあるようです。
いわゆるGamingNICが高性能と主張している理由は全く別のところにあるようです。
それ系のNICを販売しているメーカのサイトを偵察してきましたので
個人的見解をまとめてみます。
個人的見解をまとめてみます。
まずはIntelNICから
そもそも「現代」に於いてIntelNICが高性能とされている理由は
サーバ機での採用率が極めて高いことが原因です。
サーバ機での採用率が極めて高いことが原因です。
x86系アーキテクチャのサーバであればIntelNICの採用率は台数ベースで99%を超えていると思います。
しかし、サーバ機に搭載されているIntelNIC(実際にはチップがオンボード実装されている)は
Intel PRO/1000 Server Adapterなどの名称で販売されているサーバ専用の商品であり、
PC用のNICとは全くの別物です。
Intel PRO/1000 Server Adapterなどの名称で販売されているサーバ専用の商品であり、
PC用のNICとは全くの別物です。
皆さんも良く御存知の通り、
サーバ機はPCとは異次元の性能や信頼性を求められる事もあり、
性能を重視するのであれば1枚のNICでは帯域が不足し、
信頼性を重視するのであれば1枚のNICが故障すればサーバダウンとなる。
サーバ機はPCとは異次元の性能や信頼性を求められる事もあり、
性能を重視するのであれば1枚のNICでは帯域が不足し、
信頼性を重視するのであれば1枚のNICが故障すればサーバダウンとなる。
どちらにせよNICが2つ以上欲しくなります。
Intelは早い時期からこの点に目をつけ、
NICを2枚一組で利用するBonding(Teaming)をサポートしてきました。
NICを2枚一組で利用するBonding(Teaming)をサポートしてきました。
性能重視なら2枚のNICで並列送受信を実施し2倍の帯域を確保出来ます。
(ストレージ技術のRAID0と同じような考え方です)
(ストレージ技術のRAID0と同じような考え方です)
また信頼性を重視するなら2枚のNICが常に同じ情報を送受信する方式や、
片方を非常事態に備えて待機させるなどにより
どちらか一方が故障しても機能的な損失が発生しない構成が可能です。
(ストレージ技術のRAID1と同じような考え方です)
片方を非常事態に備えて待機させるなどにより
どちらか一方が故障しても機能的な損失が発生しない構成が可能です。
(ストレージ技術のRAID1と同じような考え方です)
このようにサーバ機特有の機能と性能を備え、
そして期待通りに稼働してきた実績により
IntelNICは高性能NICの代名詞となりました。
そして期待通りに稼働してきた実績により
IntelNICは高性能NICの代名詞となりました。
ではPC用に使っても無意味なのか?
3つの点でアドバンテージがあるのは事実ですが...
1.チェックサムオフロード
サーバ用NICで史上を独占する前のIntelNICはこの機能が売りでした。
「チェックサム」を適当に調べて頂くと良いかも知れませんが、
簡単に言ってしまえば「ネットワーク上を流れるデータが壊れていないかを
チェックするためのハードウェアがNIC上に実装されている」ことを意味します。
「チェックサム」を適当に調べて頂くと良いかも知れませんが、
簡単に言ってしまえば「ネットワーク上を流れるデータが壊れていないかを
チェックするためのハードウェアがNIC上に実装されている」ことを意味します。
このエラーチェック機構は必須なのですが通常はCPUがソフトウェアで実現しています。
以前は必ずしもCPUの能力に余裕があったわけではないため、
少しでもCPUの負荷を抑えるためにエラーチェックをNIC側に任せられるのは一つのメリットでした。
以前は必ずしもCPUの能力に余裕があったわけではないため、
少しでもCPUの負荷を抑えるためにエラーチェックをNIC側に任せられるのは一つのメリットでした。
しかし、現代のCPUは高クロックかつマルチコアが当然となり、
チェックサムによるエラーチェック程度であれば
ほとんどCPUにとって負荷にはならない程度の処理になっています。
チェックサムによるエラーチェック程度であれば
ほとんどCPUにとって負荷にはならない程度の処理になっています。
10Gbpsなら話は別ですがPC用として実用化されるにはもう少し時間がかかるでしょう。
2.高スループット
1GbpsのLANであれば理論的には110MB/Sec程度の通信が可能です。
しかし、実際にこれだけの速度を実現するには相応の性能を持ったNICが必要であり、
少なくともIntelNICであれば十分にこの性能を達成可能です。
しかし、実際にこれだけの速度を実現するには相応の性能を持ったNICが必要であり、
少なくともIntelNICであれば十分にこの性能を達成可能です。
現代の「蟹」なら110MB/Secが実現出来るのかもしれませんが、
昔の「蟹」ではこの半分ぐらいしか達成出来ませんでした。
昔の「蟹」ではこの半分ぐらいしか達成出来ませんでした。
但し、ゲームを前提に考えるのであれば全くこのような高スループットは無用であり、
「蟹」でも十分すぎるほどの性能です。
「蟹」でも十分すぎるほどの性能です。
3.ドライバ
新しいOSへの移行などでも比較的困らずに済むのがIntelNICです。
多くの場合、OS標準でドライバが添付されているため、
OSのインストールディスクだけで用が足りてしまいます。
多くの場合、OS標準でドライバが添付されているため、
OSのインストールディスクだけで用が足りてしまいます。
「取り敢えずOSだけインストールしてドライバはネットからダウンロード」と
言いたいところですがNICが動かないPCではネットに接続出来ませんから...
言いたいところですがNICが動かないPCではネットに接続出来ませんから...
結局のところゲーム用に使ってもあまり効果は無さそうです。
(長文になってきたので時短モード)
さて問題のGamingNICですが、いくつかの商品のHPを拝見いたしました。
予想に反し残念なことにゲームプレイに直結する性能を謳っているところは見当たりませんでした。
全ての商品がVoIP(SkypeやTS3などのVC)をハードウェアでサポートする点を主張していました。
全ての商品がVoIP(SkypeやTS3などのVC)をハードウェアでサポートする点を主張していました。
確かにNICでラグが減るとかフレームレートが上がるなどと言うことは、
現代の通信環境ではまず考えられませんからね。
現代の通信環境ではまず考えられませんからね。
ちなみにNIC上に大容量の受信バッファを搭載していると宣伝している機種もありましたが、
このバッファは基本的にCPU負荷が高くなっており受信したパケットをCPUが処理しきれない場合に、
一時的にNIC上に蓄積しておくものです。
このバッファは基本的にCPU負荷が高くなっており受信したパケットをCPUが処理しきれない場合に、
一時的にNIC上に蓄積しておくものです。
でも受信パケットを処理出来ないようなCPUを使っているなら、
GamingNICを購入する予算でCPUをグレードアップすることをお勧め致します。(笑)
GamingNICを購入する予算でCPUをグレードアップすることをお勧め致します。(笑)
結論的には「VCを使うなら価値があるかも」と言ったところですが、数万円の価値があるかどうかは疑問ですね。
「蟹」で充分だと思います。
(昨日「蟹って何?」との御質問を頂きましたが...)
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