登場作品 |
機動戦士ガンダムSEED |
形式番号 |
FX-550 |
全高 |
12.46m |
重量 |
不明 |
所属 |
地球連合軍 |
搭乗者 |
ムウ・ラ・フラガ/ネオ・ロアノーク カガリ・ユラ・アスハ トール・ケーニヒ
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武装 |
20mm機関砲×4 中口径キャノン砲×2 砲塔式大型キャノン砲 ウェポンベイ×2(対艦ミサイル×各1) |
特殊武装 |
各種ストライカー |
【設定】
地球連合大西洋連邦のP・M・P社が、同社製の地球連合軍主力制空戦闘機スピアヘッドをベースに
ストライクの戦術支援用に開発した戦闘機。地球連合軍上層部のMSの有用性を疑問視する声に応えて次期主力戦闘機としての運用も視野に入れられている。
最新鋭の戦闘機として多数の武装を搭載するが、最大の特徴はストライカーを標準で装備する事が可能な事。これにより(航空力学的には微妙なものが多いが)ストライカーの強力な武装や機能を使用する事が可能。更に前線で僚機にストライカーを供給する兵装運搬機としても機能する。
また、G兵器開発のノウハウがインターフェイスに活かされた事で極めて良好な操縦性を持ち、錬度の低い初心者パイロットでも操縦する事ができ、専用のシミュレータなども用意されている。
重武装・多機能の制御を考慮して、コクピットはスピアヘッドと同じタンデム複座が踏襲されている。機首の造形もスピアヘッドとあまり変わらないが、カナード翼は極端に縮小された。
スピアヘッドと同じくVTOL機であり、機体胴部腹面前後端に可動式のエンジンノズルを2基備え、これを任意の角度に動かして噴射する事によって、垂直離着陸、ホバリング、微速後退などができる他、発進の際にカタパルトを必ずしも必要としていない。
ストライクが地球連合軍から失われたため一時は運用そのものが危ぶまれたが、同様に相性抜群なダガーや
ダガーLの配備に伴い、制式機がほぼ同仕様のままグレーを基調色として量産される事になった。
DESTINYでは影も形もないが、ストライカー対応MSを飛行可能にさせるジェットストライカーが登場したため御役御免となったのかもしれない。
バリエーションとして専用の新型エールストライカー(コスモストライカーとも)装備を含む改修により宇宙での運用に特化させ、メビウスに代わる主力航宙機を目指したコスモグラスパーが存在する。
【武装説明】
20mm機関砲
機種付近の左右に4門内蔵された機関砲。
中口径キャノン砲
翼部の付け根に内蔵された大型機関砲。装弾数は多くない。劇中では機関砲の様に描写されていた。
砲塔式大型キャノン砲
コクピット後方の上部に内蔵された大型砲。キャノンと付いているがビーム砲であり固定火器の中でも破壊力に優れる。
ウェポンベイ
胴体下部に設置されており、ミサイルや爆薬など装備選択が可能。劇中ではミサイルが使用されていた。
エールストライカー
航続距離が伸び、加速性が向上し、ビームライフルとシールドを両翼端に装備する。機動性の底上げがメインか。
ソードストライカー
シュベルトゲベールで斬りつけたり、パンツァーアイゼンで相手を固定して旋回するなど、戦闘機らしからぬトリッキーな戦い方がメインとなる。
ランチャーストライカー
重さというデメリットを戦闘機としての飛行性能で補い、アグニによって火力が大幅に向上し、攻撃機としての役割を持たせる。
【原作内での活躍】
アークエンジェルが地球に降下する際、第8艦隊から補給物資と共に2機搬入され、ストライクと共に活躍した。
1号機はムウが、2号機にはカガリが搭乗。カガリがオーブで艦を降りてからはトールが搭乗した。
1号機はランチャーストライカーを標準装備として、機体の機動力を活かしてアグニを撃ち込む機会を伺う戦闘攻撃機の様に運用され、ピートリー級陸上戦艦ピートリーに大打撃を与える、ボズゴロフ級潜水母艦クストーを沈める、
バスターを中破させて鹵獲に繋げるなど大きな戦果を上げた。
HDリマスターでは新規カットによりストライクを超えるんじゃないかという勢いでザフトMSのディンや
ジンを多数撃墜した。
2号機もソードストライカーを使って
レセップスとピートリー級ヘンリー・カーターにダメージを与えている。
その後、トールの初陣ではストライクを無事援護するが、北太平洋の戦闘において、ニコルを殺されて激昂するアスランの駆る
イージスにシールドを投擲され衝突、撃墜された。
DESTINYでは40話でザフトのオーブ侵攻の際にオーブ軍司令部の動きの遅さに痺れを切らしたカガリが乗って駆けつけようとしたが周囲に制止され、
アカツキ登場の前ブリとなった。
42話ではアークエンジェルから釈放されたネオに与えられたが、「
ミネルバが嫌い」という建前でミネルバに襲いかかるが迎撃されて被弾し、アークエンジェルに戻った。
なお、これらの際にアークエンジェル艦長のマリュー・ラミアスからは、カガリの時には「そんな無茶よ!スカイグラスパーでなんて!」、ネオの時には「戦闘機だけど用意したから」と割とぞんざいな発言が出ていた。周囲も訂正しなかった辺り、飛行型量産MSが各勢力で運用されている時勢の中では戦闘用としては時代遅れ扱いされていたのだろう。
【パイロット説明】
ムウ・ラ・フラガ
CV:子安武人
宇宙では
メビウス・ゼロに搭乗していたが、地球降下後は大尉から少佐への昇進と共にスカイグラスパー1号機に乗り換えた。
本人曰くモビルアーマー乗りとの事だが難なく乗りこなし、大型目標への攻撃や僚機のフォローや指示もこなしつつ奪取されたガンダム達とも渡り合ってみせた。
アラスカ基地では教官としてカリフォルニアへの転属命令を受けるが、大規模な基地からの人員移動を不審に思った事をきっかけに基地内を探索し、サイクロプスによる広域自爆で味方ごとザフトを殲滅する作戦を悟ると、守備隊として奮戦するアークエンジェルの危機を救うために命令を無視して合流し、そのまま地球連合軍から離反した。
その後は艦と共にオーブへ身を寄せ、キラが
フリーダムガンダムに乗り換えた事で修理されるもパイロット不在となった
ストライクを乗機とする事になる。
【原作名台詞】
- 「マニュアルは夕べ見たけど、中々楽しそうな機体だねえ。しかしまぁ、ストライカーパックも付けられますってのは、俺は宅配便か?」
- 第15話より。試作されたばかりの機体を目の前にして。機体の役割も理解しており、こう言いながらも後にストライクの換装アシストもしている。
- 「うひょー!やるねぇお嬢ちゃん。落ちるなよ!」
- 第21話より。勝手に出撃したカガリの行動は大問題ではあるが、ムウにも現場主義な面もある事とキラも過去に問題行動を起こしていた事から慣れていたのか、すぐに切り替えて僚機として扱っていた。その後もカガリが機体に乗りたがった際には弁護したり被弾の際には帰艦を促すなど各所でフォローしていた。
- 「そう緊張するな。上空からストライクの支援だけやればいい。行くぞ!落ちるなよ!」
- 第29話より。出撃前に緊張するトールへ。戦闘中も声をかけて気遣っていた。
- ムウ「ほら、頼むよ!」
マリュー「少佐!発進は許可致しません!整備班を、もう休ませて下さい!」
ムウ「オーブからは、まだ何も言ってきてないんだろ?」
マリュー「ええ、でも…」
ムウ「船はもう大丈夫なんだ。ならいいじゃねぇかよ」
マリュー「いえ、認めません!」
ムウ「けど!あいつら、もし脱出してたら…!」- 第31話より。アラスカ基地の防空圏へと逃れた後、MIAとされたキラ達の捜索へ向かおうとしてスカイグラスパーの用意を手伝う様に整備班にせがんでいた。数少ない軍人としての域を超えてワガママを言うシーン。
完全に唯一の艦載機パイロットとなってしまった以上は艦を空ける訳に行かず、マリューの説得もあって最後には引き下がった。
カガリ・ユラ・アスハ
トール・ケーニヒ
CV:井上隆之
ヘリオポリスの工業カレッジの学生で、キラ・ヤマトと友人であり、ミリアリア・ハウとは恋人同士。
ザフトによるヘリオポリス襲撃の際に他の仲間達と共に
アークエンジェルに避難し、人手不足の中で副操縦士を担当する事になった。
シミュレーションで中々の好成績を出した事から、後にスカイグラスパー2号機のパイロットにも志願する。
初陣では相手がザラ隊ながらにしてそれなりの活躍を見せたが、次の出撃では先の戦闘で戦死した
ニコル・アマルフィの敵討ちに燃える
アスラン・ザラのイージスの投げたシールドが直撃し戦死。 享年16。
彼の死は友人達、特にキラやミリアリアに大きな衝撃を与え、恋人だったミリアリアは当初は戦死の事実を認められずにいた。
【原作名台詞】
- 「ああ、そりゃ心配無いでしょ。近いったって、ウチは中立だぜ。オーブが戦場になる事は、まず無いって」
- 第1話より。ニュース映像で、故郷のオーブから近い台湾・高雄がザフトの襲撃で陥落寸前になっている事を知って。過酷な戦争の現実から遠い環境に住む一学生だからこその発言だが、その時すでにトール達が暮らすコロニー・ヘリオポリスにはザフトが迫っていた。
- 「な、何なんだよそれは!コーディネイターでもキラは敵じゃねえよ! さっきの見てなかったのか!どういう頭してんだよ、お前らは!」
- 第3話より。キラがコーディネイターだと知られるや否や、キラに対し銃を向けるなど掌を返した連合兵の態度に憤りを感じて。銃を構えた軍人の前でも物怖じせず、また差別意識も持たずこのような発言が出来る事から、トールが見かけによらず非常に豪胆でしっかりした人物である事を印象付ける場面でもあった。
- 「志願したんですよ。俺だって頑張んなきゃ!」
- 第29話より。スカイグラスパー2号機のパイロットになった事を命令ではなく自らの意志だと語る。
- 「いや~もう最初はビビったよ! 発進してすぐ一発目のビームが来た時はさぁ…けど、ああいうのもシミュレーションやってたからさぁ。もう咄嗟にスティック引いて、こう…」
「えへへ、大丈夫だって。支援だけなんだからさ!ミリィは心配し・過・ぎ」- 第30話より。自分の身を案じるミリアリアに対して言った台詞。初陣の様子を得意げに語っていたりと、どことなく危うさも漂っている。
- 「スカイグラスパーで出ます! 危ないですよ、このままじゃ!」
- ザラ隊の猛攻に晒され、アークエンジェルも大きなダメージを負い、マリューの制止も聞かずに出撃を決める。だが、これがアークエンジェル隊のメンバーと交わした最後の会話となった。
- 「えっ…!?」
- 最後の台詞。アスランに苦戦するキラを援護しようと、スカイグラスパーでイージスを攻撃するが、イージスがシールドを投擲し、トールの首を撥ねながらスカイグラスパーを撃ち落とした。なお、この戦死場面はニコルと同じく回想シーン内において多く使用されている。
- 「キラ、俺からのプレゼント落とすなよっ」
- ボンボン版でストライカーパックの換装を行った時に。キラも「おうっ!」と快活に返答している。アニメではムウの方が似た様な台詞を言っている。
【ゲーム内での活躍】
連合VS.Z.A.F.T.シリーズ
AC版では敵専用機だったが、家庭版ではプレイアブル機として使用可能。
家庭用VS.シリーズではお馴染みの戦闘機系。
エール、ランチャー、ソードの3種類でコストはいずれも210(Ⅱでは200にコストダウン)。
PSP版ではミッションモードで初期機体として無装備版も使用できたが、機動性を落としただけのエールといった所。
ちなみにⅡでも引き続きトールは参戦しているが、キラ達と同じオーブ陣営になっている。
GVS.
こちらもエール、ランチャー、ソードの3機が登場。
ストライクガンダムのストライカーとして登場する他、トライアルバトルでは敵専用機として登場する事も。
EXVS2
GVSの流れで
メビウス・ゼロに代わる形でストライクのアシストに。
レバー入れでエール、ソード、ランチャーと打ち分けが可能で、呼び出しと同時にストライクも換装する。
【その他活躍】
ガンダムビルドファイターズトライ アイランド・ウォーズ
暴走した人工結晶体に操られたガンプラとしてエールストライカー装備機が登場。
BB戦士ファルコンモードの
シナンジュとムーバブル・シールド・バインダーの代わりにシールド・ブースターを装備したギャプランTR-5[フライルー]と共にライトニングガンダムストライダーにすれ違い様に破壊された。
ガンプラ
ストライカーパックを装着できる仕様のためか立体化の機会は非MSの割に多め。
パーフェクトストライクっぽい全部乗せができるBB戦士、RG(ソード、ランチャーパック付)、PGなど。
とはいえ1/100サイズが未だに発売されていない事がファンから嘆かれている。
SDガンダムワールドヒーローズ
本機を基にした「シャイングラスパードラゴン」が登場。
デザインは正直名前以外は別物で『遊☆戯☆王5D's』に登場する「スターダスト・ドラゴン」のような見た目となっている。
ストライクを基にしたナイトストライクが乗る以外あんまりスカイグラスパーとの共通点はなさそうだが…
SDにはよくあることだろう。
なお、シャイングラスパードラゴンと対をなす存在として「ダークグラスパードラゴン」も登場。見た目がますます『遊☆戯☆王』の「真紅眼の黒竜」に近い
こちらは何の因果かウォーロックイージスが使役している。
スーパーロボット大戦
使用できる作品は意外に多く、使おうと思えばけっこうなポテンシャルを秘めた機体。
初参戦した「第三次α」でSEED最終決戦時にムウを乗せておくとスカイグラスパーでドミニオンのローエングリンを防いで機体が爆発したのちしれっと帰ってくる(正確に言えば機体はなんでもいい)。
トールはパイロットとして使用できる作品はないが「W」では条件を満たすと生存する。
その際には奇しくもニコルと「話してみたらいい奴だ」と親しくなり、お互いに連合とザフトの認識を改めるようになり、ディアッカとは最初はディアッカが複雑な心境になるも三角関係になることはなく、後に「いいコンビになりそう」と言われる程に仲良くなるなど救われる展開となった。
最終更新:2025年03月17日 09:49