【設定】
地球連合軍の強襲機動特装艦。
ザフト軍のモビルスーツの有用性を認め、それに対抗するべく開発されたG兵器の運用母艦として共に建造された。
地球連合軍においては初の対MS戦を想定した艦であり、陽電子破城砲『ローエングリン』をはじめとする多彩な武装とビームに強い耐性を持つラミネート装甲を採用している。
あらゆる任務に対応するためか、地球連合軍においては初めて地上と宇宙の両方で運用が可能となっている。
ほぼ同一仕様の2番艦として、白を黒に置き換えた見た目の『ドミニオン』が建造された。
C.E.73年ではオーブで改修され、単独での大気圏離脱が出来る様になり、更に何を想定していたのか潜水航行まで出来る様になっており、万能性が向上している。
更に長期航行のケアのためか温泉が増設された他、食堂にきつねうどんが出る様になっているなど、所々にオーブの要素が現れている。
【武装】
75cm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン
G兵器などにも採用されているCIWS。
近接防御火器システムとして運用され、敵のミサイルなどを打ち落とす。
110cm単装リニアカノン バリアントMk8
アークエンジェルの副砲。
艦尾両舷に1基ずつ装備されている。DESTINY時には水中でも使用可能になっていた。
対空防御ミサイル ヘルダート
艦橋の後方に装備されている16門の艦対空ミサイル。
Nジャマーの存在もあり、レーザー誘導も可能。
艦尾大型ミサイル発射管
主に艦尾に設置されている全24門の大型ミサイル発射管。艦対艦ミサイル スレッジハマーは対艦攻撃用、対空防御ミサイル コリントスM114と大気圏内用ミサイル ウォンバットと対空榴散弾頭ミサイルは主に迎撃用に使用された。
アンチビーム爆雷
両舷に4門ずつ設置されている射出機から発射された弾頭が爆発して粒子が散布され、その周囲ではビームが拡散される防御用の兵装。見た目や効果は宇宙世紀のビーム攪乱幕と同様。
フレア弾や信号弾も同一の射出機から発射される。
魚雷発射管
C.E.73年時に追加されていた武装。
バリアントMk8と合わせて水中戦のための武装。
225cm2連装高エネルギー収束火線砲 ゴットフリートMk71
アークエンジェルの主砲。
アガメムノン級の実績から艦首両舷に1基ずつ装備されている2連装ビーム砲。
ガーティ・ルー級にも採用された。
陽電子破城砲 ローエングリン
両艦首に1門ずつ装備されている対要塞用陽電子砲。
アークエンジェルの武装の中では最大の火力を持つが、放射能による大気汚染の危険性があるため、地上では使用制限がかかっていた。
後にオーブで放射能の発生を抑えた新型に交換され、地上での使用が可能となった。
使用は数少なく、しかも攻撃目的での使用はヴェサリウスおよびドミニオンへの攻撃時のみで第二次連合・プラント大戦では一度も使用していない。
【原作の活躍】
SEED
オーブの中立コロニー『ヘリオポリス』で秘密裏に建造が行われていたが、ザフトのクルーゼ隊の襲撃によりG兵器は奪取され、本来のクルーの大半は戦死。
残ったクルーと奪取を免れたストライク等と共に崩壊するヘリオポリスから脱出した。
当初は月面プトレマイオス基地を目指したものの、合流するはずだった第八艦隊がザフト艦隊の襲撃を受けて壊滅した事で進路を連合本部のあるアラスカに変更。
地球に降下することになったものの、戦闘中に帰還出来なかったストライクの回収を優先したため、アフリカ砂漠という敵地ど真ん中に到着することになった。
砂漠の虎、紅海の鯱、ザラ隊といったザフトの追撃から逃れ続け、最後にはストライクを失いつつもなんとかアラスカ基地にたどり着く。
だが、
ストライクダガーの運用の目処が既に付いて役割の必要性を失っていた事もあり、ザフトを誘き寄せるための囮として捨て駒にされてしまうも、
フリーダムガンダムの救援もあり辛くもアラスカを脱出。
その後は地球連合軍を離反し、
色々あって道中で寄港したオーブに身を寄せる。
しかし時を置かずオーブにマスドライバーを求めた地球連合軍の大規模攻撃を受け、防戦に協力するも戦力差から対抗しきれず、オーブの協力もあって宇宙に脱出する。
共に脱出したクサナギと、ザフトから離脱してきた
エターナルと共に、連合でもザフトでもない第三勢力を形成。ドミニオンやクルーゼ隊にちょっかいを出されつつも終戦への道を探った。
最終決戦の第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦ではドミニオンと本格的に対峙。大きな犠牲を払ったが撃沈に成功し、終戦まで戦い抜いた。
SEED DESTINY
第一次連合・プラント大戦後はオーブに隠されていたが、
ラクス・クライン暗殺未遂事件を機に行動を開始。
キラの意思を受け、手始めに結婚式の最中だったカガリを半ば強引に保護した。
カガリ合流後はカガリの意思を受け、どの軍にも属さない勢力として、オーブが関わる連合軍とザフトの戦いへの介入行動を行う事でオーブの地球連合への協力をやめさせようとするが、結果叶わずオーブ艦隊は壊滅してしまった。
ベルリンでの
デストロイ出現の報を受け、その進行を食い止めるために急行し、ザフトと消極的に協力しつつフリーダムが撃破した事で目標を達成した。
その後ザフトから隠密に撃沈目標に指定(「エンジェルダウン作戦」を発令)された事で襲撃を受け、地上部隊や
インパルス&
ミネルバによって大ダメージを受けたが何とか離脱に成功し、オーブまで撤退した。
その後、オーブにジブリールの引き渡しを求めるザフトの大規模進行の際に再び戦場に現れ、カガリがオーブに帰還する事もあってオーブ軍に協力し、ボズゴロフ級セントへレンズを撃沈したり、
ミネルバと対峙して抑え込んだりした。
なお、この時から敵艦への直撃を辞さない戦闘スタイルに切り替えている。
デュランダルの野望を食い止めるべく、カガリ復帰に伴い意を同じくすることになったオーブ軍に所属。アラスカ脱出後以来の正規軍扱いとなる。
最終決戦のメサイア攻防戦ではレクイエムの破壊に向かう際に再び
ミネルバと対峙。タンホイザーによって
エターナル共々あわや撃沈の所まで行ったが、
シラヌイアカツキが割って入ったお陰で形成が逆転。
最後はバレルロールからのバリアントによって決着を付け、そのまま戦い抜いた。
SEED FREEDOM
C.E.75年ではコンパス立ち上げに伴い、各種装備はそのままにオーブ軍から出向。
艦体そのものは健在なものの、同年の最新技術と比べるとさすがに見劣りし始めている模様。
劇中では序盤のオルドリン地区戦後に登場。ヤマト隊の面々を収容した。
続くエルドア地区戦では、ミレニアムから出撃したヤマト隊と共に前線に向かう。
しかし、
キラが突如暴走したことを口実としたブラックナイトスコードによる執拗過ぎる攻撃、同時に発生した通信障害という混乱の最中、ファウンデーションの核発射の自演工作を目撃してしまったために彼らからの強襲を受けてしまう。
回避もままならない渓谷地帯、かつ旧式となった今では最新鋭中の最新鋭であるブラックナイトスコードには手も足も出ず、ほぼ全ての武装を破壊された上に護衛のマーズ機・ヘルベルト機も撃破されたことでマリューは退艦命令を下す。
苦節4年、不沈艦アークエンジェルも遂に最期を迎えることとなった。
…が、やはりただでは転ばず、
- 艦の横幅ギリギリの渓谷であったにも関わらず、ノイマンの操舵により慣性と揚力だけで姿勢を保ったまま不時着することに成功
- マーズ・ヘルベルトの奮闘のおかげでアスラン&メイリンの救援が間に合い、クルーは脱出出来た
- マリューのみ逃げ遅れたものの、ムウのムラサメ改が救出し無事生還
…という、ほぼ完璧な退艦に成功した。
その後間もなく核ミサイルが撃ち込まれ、辺り一帯は軒並み焦土と化したものの、アークエンジェルは残骸が確認できるレベルまで耐えたとのこと。
【搭乗員】
マリュー・ラミアス
CV:三石琴乃
強襲機動特装艦アークエンジェル艦長。
地球連合軍の技術士官で階級は大尉。
元々はアークエンジェルの副長であったが、コロニー・ヘリオポリスでのザフト軍のG兵器奪取で殆どの正規クルーを失ってしまい、なし崩し的にアークエンジェルの艦長となった。
当初は軍事機密であるG兵器に触れたキラ・ヤマト達を拘束するなど、軍人としての行動をとるが、基本的に情に厚い人物で次第に理解を示し彼らと共闘するようになる。
偶然、アークエンジェルに乗り合わせる事になった
ムウ・ラ・フラガとはのちに恋仲になっている。
軍人としての本分よりも情に流される面も見られ、副長兼兵器管制担当のナタル・バジルールと対立する事もしばしばであった。
しかしだからこそ、任務遂行を最優先とするナタルと相互に補完し合うことで局面で的確な判断を下し、ザフト軍の執拗な追撃を凌ぎながらアークエンジェルをアラスカ基地まで辿り着かせる事が出来たと言える。
C.E.73年ではバルトフェルドやマードックらと共にオーブへと亡命し、「マリア・ヴェルネス」を名乗りモルゲンレーテ社の造船課にエンジニアとして勤めていたが、ラクス暗殺の一件で再びアークエンジェルの艦長を務める。
オーブ軍加入時の階級は一佐。
C.E.75年では
ラクス・クラインが総裁を務めるコンパスに所属。
引き続きアークエンジェルの艦長として登場する。階級は大佐。
白兵戦が異様に強く、ヘリオポリスではキラの警告もあったとは言え、ラスティを含むザフト兵相手にストライクを守りきり、ラクス暗殺未遂事件では同じくコーディネーターの暗殺兵相手に普通に勝っている。
彼女は遺伝子操作を受けていないナチュラルであり、遺伝子だけが優劣を決することではないことを既に示していたのかもしれない。
【原作名台詞】
- 「回避ィ―!」
- ブライトの「左舷弾幕薄いぞ!」並にマリューといえばほぼこれ(?)な指示。大体目視や報告を受けてから出しているが、本来ならほぼ回避不可能なタイミングである。
もっとも、これはアークエンジェルに限った話ではないのだが、本艦の場合は指示がやや大雑把な事と、ノイマンの操艦技術もあり指示すれ大抵は回避、もしくは被弾を最小限にしてみせるためやたらとネタにされやすい。
- 「貴女ならきっといい艦長になるわね」
- 軍のあるべき姿を説いたナタルに対して、感謝の言葉を述べる。しかし、皮肉にも二人はこの後敵対する事になるうえ、ナタルもアズラエルの横暴やドミニオンブリッジクルーの訓練時の不甲斐なさに苦悩する事に。
- 「整備班! どっかの馬鹿が一機突っ込んで来ようとしているわ! 退避!」
- アラスカでの防衛戦中、スピアヘッドが無理な着艦をしようとしているので即時指示を出す。救援も望めず、ザフトの猛攻に晒され、艦の損傷も甚大でいつ沈んでもおかしくない状況の中でコレなので、マリューらしからぬ乱暴な言い方になっている。なお、マリューはそのスピアヘッドに、転属したはずのムウが乗っている事を知らない。
- 「ザフト軍を誘い込むのがこの戦闘の目的だと言うのなら、本艦は既にその任を果たしたものと判断致します!」
- そしてムウからアークエンジェルを含めたアラスカ防衛部隊の目的が自爆装置サイクロプスの囮である事を知らされ、独断ながら連合からの離反を決断する。
- 「私のような頼りない艦長にここまでついて来てくれて…ありがとう」
- オーブ戦前、アークエンジェルはもはや連合所属ではなくなったため、その配慮からクルーへ退艦を勧めると共に頭を下げる。
本来マリューは頭を下げるような立場ではないのだが、自分を卑下しているのはナタルの存在からだろうか?
しかし、クルー達はそんなマリューを信頼してついて来たのも事実であり、引き続き参加する者も多かった。
- 「わ、私はモビルアーマー乗りは嫌いです…」
- ムウにキスされた時の返し。ぶっちゃけモビルアーマー乗りは戦死率が高いので分らんでもない。しかしマリューは満更でもなかったようで。
尚、本人も言っているようにムウはこの時点でモビルスーツ乗りに転向している。しかしこの後、クルー達が入ってきてこの光景を見て驚いていた。
- ちなみにマリューにはかつて戦死したモビルアーマー乗りの恋人がおり、思い出の品としてロケットペンダントを所持している。
- 「ローエングリン…照準ッ……!!」
- ドミニオンのローエングリンから庇った事で目の前でムウが撃墜された後、反撃を指示する。
ドミニオン内でのナタルとアズラエルの対立を知らないマリューにしてみれば、「脱出艇で気を引いてローエングリンで不意打ちを仕掛け、そのせいで目の前で戦友かつ恋仲であったムウを失った」も同じで、悲しみと怒りで声を震わせ、涙ながらにナタルを撃つのだった…。
- なお、マリューが攻撃目的でローエングリンを使用した唯一の場面である。
- 「連合かプラントか、今また二色になろうとしている世界に、本艦はただ邪魔な色なのかもしれません。ですが、だからこそ今ここで消えるわけにはいかないのです。願わくば、脱出を許されんことを…」
- エンジェルダウン作戦で、キラからの進言もあり信念に従う事を選び、ミネルバからの投降勧告を拒否する。
ナタル・バジルール
CV:桑島法子
地球連合軍の女性士官で、代々続く軍人家系の出身。
アークエンジェルの搭乗員であったが、ザフトの襲撃により本来のクルーの大半が戦死したことにより、副長兼CICの統括となった。
軍人としての冷徹さや厳しさを併せ持っており、艦長となったマリュー・ラミアスとの対立は絶えなかったが、心の中ではマリューを認めている部分もあった。
アラスカ到着後は船を降りアークエンジェルの同型艦『ドミニオン』の艦長に任命される。
結果裏切者となったアークエンジェルとの交戦を行い、同時にオブザーバーとして乗艦しているブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルに悩まされた。
最後は正気を失ったアズラエルを道連れにアークエンジェルによって討たれた。
【原作名台詞】
- 「痛いのか?ほら、もう泣くな。そうだ、いいものをやろう。美味しいぞ?」
「…そんなにはないんだ。あはは、困ったな…。」- アフリカにて。子供を慰めて、持っていたレーションを与える。しかし、この後美味しいものがあると聞き付けた他の子供達に囲まれてしまう。
軍務では見せない表情で接しているあたり、案外子供が好きなのかもしれない。普段は厳格なナタルの意外な一面が垣間見える。
- 「軍には厳しく統制され、上官の命令を速やかに実行できる兵とそれに広い視野で情勢を見据え、的確な判断を下すことのできる指揮官が必要です。でなければ、隊や艦は勝つことも生き残ることもできません」
- マリューに語った「軍のあるべき姿」。規律を厳守する生真面目なナタルらしい持論でマリューからも「いい艦長になるわね」と評されるが、どうやら後に自身も目の当たりにする事になる「もしも上層部が腐敗していたら?」という事を想定していなかった様子。
- 「三人ともパイロットではなく装備なのか…。消耗パーツ扱いとはな…」
- ドミニオンの艦載機となるカラミティ、フォビドゥン、レイダーのパイロットたちの記録を見て、彼らの扱いに愕然とする。
- ナタル「あなたは此処で死すべき人だ、私と共に!!」
アズラエル「何だと…!?ふざけるんじゃないよ…! ドアを開けろぉぉぉ!!」- アークエンジェルを墜とそうと命令するアズラエルをブリッジに閉じ込める。
- ナタル「あなたの負けです。」
アズラエル「お前ぇぇぇぇーッ!!」- ムウの捨て身の防御でアークエンジェルへの攻撃が失敗したアズラエルに向けた言葉。なおも激高するアズラエルは拳銃でナタルを撃つが…
- 「撃てぇーっ!マリュー・ラミアスーーーッ!!」
- アズラエルに撃たれ、瀕死の状態のナタルは、自分を含めた2人に引導を渡すべくマリューに命令を叫ぶ。
ミリアリア・ハウ
CV:豊口めぐみ
アークエンジェルの通信士。
元々はコロニー・ヘリオポリスの工業ガレッジに通う学生であったが、ザフトのG兵器奪取に巻き込まれアークエンジェルに避難、その後は志願してクルーとなった。
中盤で恋人の
トール・ケーニヒの死を目の当たりにし、すぐには受け入れられず、茫然自失としたまま、自分の恋人を死に追いやったかもしれないザフトの捕虜
ディアッカ・エルスマンに挑発され、 錯乱状態で彼を刺殺しようとするまでに精神的に追い詰められてしまう。
しかし、
フレイ・アルスターが同じように憎しみをあらわに銃を向け、撃とうとするのを目にした瞬間、『今の自分やフレイのような憎しみの連鎖こそ、この戦争の原因なのではないか』と気付き、咄嗟にディアッカを庇った。
その後もアークエンジェルのクルーとして、最終戦である第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を戦い抜いた。
また共に戦うことになったディアッカのことも少しずつ受け入れられるようになった。
C.E.73年では戦場カメラマンとなって世界を駆け巡っていたが、情勢が悪化したのに伴い、再び管制官としてアークエンジェルに搭乗する。
ディアッカのことは「振っちゃった!」とのことだが、戦場に行くことを心配して口うるさく言われたことが理由らしく、十分関係修復の目はあるらしい。
劇場版ではアークエンジェルを降りオーブでサイと共にオーブ軍で働いており、カガリの出撃準備が整ったことを報告していた。
ちなみに入場特典では帰ってきたカガリとアスランをサイと共に出迎えていた。
料理が非常に不味いらしく、彼女が料理を作ると聞いた瞬間に恋人のトールが「俺は何も聞いていない。作らせたのはお前(キラ)だから責任を持って(料理を)処理しろ」的な事を言うほど。
キラは不味いと評し、それでもなお食べ続けると倒れて医務室に送られる。
ちなみに、その不味い料理が出来たのは軍用の濃縮調味料を薄めずに使ったからで、料理上手のマリューが手直しすると一転して美味しい料理となった。
【原作名台詞】
- 「トールがいないのに、何で…何でこんな奴がここにいるのよ!」
- 恋人であったトールがMIA認定され、悲しみに暮れていた時、捕虜となっていたディアッカの軽はずみな発言に殺意を抱いて、彼を刺し殺そうとした際の台詞。
ディアッカとしては冗談のつもりだったのだが、完全に的中してしまい、殺されかけた。
- 「私たち軍人だから…死ねと言われたらそこで死ななきゃいけないの…?」
- アラスカ戦でムウからの情報で、自分達が囮にされている事を知ってショックを受ける。この際、事情を知らずに戦い続ける友軍が救援を求めながら撃墜される内容の通信がブリッジ内に響き渡るのがなんとも生々しい。
アーノルド・ノイマン
CV:千葉一伸
アークエンジェルの操舵士。
ザフト軍のG兵器強奪作戦の際に生き残ったアークエンジェルの正規クルーの一人。
他のブリッジクルーより階級が上で、地球降下後はキラと同じ少尉となる。
C.E.73年でも引き続き操舵士を担当するが、潜航出来るようになるあたり、操艦全般に嗜みがあるのかもしれない。
C.E.75年も引き続きアークエンジェル操舵士として登場。マリューらと共にコンパスに出向しており、階級は大尉。
その技量は凄まじく、「
ガンダム界で最強のMS/パイロット/戦艦/艦長は?」という尽きない話題において、「最強の操舵士は?」と言われたら真っ先に挙がり、ほぼ殿堂入り状態にある凄い人。
具体的には、
- 全長400m以上あり本来宇宙戦艦であるアークエンジェルを、冷や汗かきながら重力下でバレルロールさせる荒業をやってのける
- ジャミング&吹雪で視界が悪いなか、山影から突如現れたミネルバのイゾルテを独断で回避。90°傾いた姿勢のまま、艦橋を山肌に、艦底をミネルバにぶつけそうになるギリギリのコースをすり抜ける
- これまたミサイルの爆風で視界が悪いなか、バレルロールしながらミネルバ直上を通り抜ける
- 劇場版でも上記の通り、エンジンなしの慣性と揚力のみで、艦体ぎりぎりの狭い渓谷に完璧な不時着を決める
- ファウンデーション王国に入国する際にミレニアムが派手に水飛沫を上げて着水したのに対し、アークエンジェルは艦尾からきれいに着水し、水飛沫も最小限
- 乗り込んで1時間も経っていないであろうミレニアムの操舵士に"当然"着任。かの『レクイエム』の直撃コースを寸前で急制動をかけて回避しつつ、艦首を鉛直まで持ち上げるコブラ機動をやってのける
…などなど。彼はナチュラルです
アークエンジェルを不沈艦たらしめた功労者のひとりでもあり、ナタルはドミニオン艦長就任後のシミュレーションで彼を始めアークエンジェルクルーの高い技量を思い知ることになった。
ちなみにナタルに片想いしており、GBAの「君と友と戦場で」では条件を満たせばナタルと結ばれる。
【原作名台詞】
- マリュー「回避!」
ノイマン「駄目です、間に合いません!」- ヤキン・ドゥーエ戦にて、アズラエルが座乗するドミニオンから放たれるローエングリンに対して。ドミニオンは直前にアークエンジェルに向けて救命艇を発進させていたこともあり、まさか撃ってくるとは思わずノイマンの腕をもってしても回避不可能だったが…?
- 不意討ちだったとはいえ操舵手として神業を見せるノイマンをして、回避不可能と言わしめる一撃を放ったアズラエルの凄さが相対的に見てとれる。
- 「すみません…」
- エンジェルダウン作戦を発動したザフト軍との戦闘にて。
吹雪の見舞う山間部という視界の悪い状況に加えて、ミネルバのジャミング弾により熱センサーが麻痺した中で突如として現れたミネルバから副砲イゾルデが放たれるが、咄嗟の操舵で艦を90°近く傾けてイゾルデを回避しつつ山肌とミネルバの間をすり抜けた。
この時に独断で無茶な機動を行った為に謝罪をしている。
コジロー・マードック
CV:中嶋聡彦(TV) / 田中美央(FREEDOM)
アークエンジェルの整備士。
職人気質な性格で、整備要員でありながら叩き上げの軍人でもある。
口の悪さを窘められる事もあったが、(階級的には上である)キラ・ヤマトを「坊主」と呼び、キラも彼を始めとした整備クルーを信頼し、親しい関係を築いていた。
C.E.73年でも整備士としてアークエンジェルに乗艦した。
ダリダ・ローラハ・チャンドラ2世
CV:鳥海勝美
アークエンジェルのCIC電子戦担当。
モジャ毛とサングラスが特徴で、数少ない正規クルー。
電子工学のスペシャリストでザフト用のソナーをアークエンジェルに取り付ける、フリーダムにNJCが付いている事を聞いただけで即座に核動力であることを察するなど頭脳明晰な様子。
仰々しい名前だが学生であるサイ達の良き兄貴分でもあり至って普通の大人。
C.E.73年でもブリッジクルーとして乗艦した。
- 「久しぶり!エルスマンは?」
- C.E.73年、ミリアリアがアークエンジェルに合流した際に。再会早々にこんな話が出来る辺り、彼の人となりや仲の良さが窺える。
フレイ・アルスター
CV:桑島法子
ブルーコスモスの一員であり大西洋連邦事務次官でもあるジョージ・アルスターの娘。
キラ・ヤマトの友人であるサイ・アーガイルの婚約者でもある。
父親の影響でコーディネーターに偏見を持っていたが、父親の死をきっかけにコーディネーターを憎むようになり、復讐の為に同じコーディネーターであるキラを利用しようと考える。
最も、それでキラに近づいた結果キラのことを理解してしまうのだが。
なお、工学生であったキラや友人たちとは異なり知識も技術もない素人だったため、地球降下後は専ら洗濯などの雑務を担当していた。
アークエンジェルのアラスカ基地帰還に伴い部隊転属となるも、それを拒んだ彼女はアラスカでの戦闘のどさくさに紛れて脱走する。
しかし、基地内部に侵入していた
ラウ・ル・クルーゼに拉致されてしまい、以降はザフトの捕虜としてクルーゼの付き人として生活。
終盤ではクルーゼから『戦争を終わらせる鍵』を持たされて戦場に送り出され、ドミニオンに回収される。
この時、アークエンジェルの副長であったナタル・バジルールとの再会を果たす。
しかし、混迷を極める最終決戦で追い詰められた事で、狂気的な本性を現したブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルが暴走しナタルに銃口を向ける姿を見たフレイは、ブルーコスモスの真実を知る。
ついに反旗を翻すことを決意し、アークエンジェルに「逃げて!」と通信を送ったのち、ナタルの計らいでドミニオンを脱出してアークエンジェルに向かうも、キラの目の前でクルーゼによってシャトルは沈められ、命を散らした。
皮肉にもそれは父親と同じ死に方であり、父の本当の仇でもあったクルーゼに父娘二代で殺されるという悲しい最期であった。
この際フレイの魂がキラの前に現れ、今までの行いを謝罪し「わたしの本当の想いがあなたを守る」と願い消えていった。
この時の彼女は生前のようなものとは違うとても素直な表情であった。
悲しいことにキラにはフレイの姿や声が見えず、戦後も傷ついた心が完全に癒されることはなかった。
【原作名台詞】
- 「あんた、自分もコーディネーターだからって本気で戦ってないんでしょ!?」
- 父親であるジョージが死亡した時の怒りと悲しみをキラにぶつけてしまう。
- 「私、持ってるわ!この戦争を終わらせる『鍵』を!」
- クルーゼによってもたらされた『鍵』、その正体はニュートロンジャマーキャンセラーのデータ。
クルーゼの目論見通りにそのデータはアズラエルの手に渡り、戦争は終わるどころか泥沼化してしまう。
- 「ずっと謝りたかった。苦しかった。怖くて、ずっと知らなかったから。私、何も解ってなかったから。」
「でも今、やっと自由だわ。とても素直にあなたが見える。だから泣かないで。」
「あなたはもう泣かないで。守るから。私の本当の想いが貴方を守るから…。」- プロヴィデンスに撃墜された後、幻影としてキラの前に姿を現す。これだけの想いを吐露したにもかかわらず、キラには一切届いていないのはなんとも無情である…。
【その他名台詞】
- 「キラ、こんな風にあなたと話せるなんて」
- ゲーム『スーパーロボット大戦DD』より。ストライクフリーダム用の支援キャラとしてガチャで実装された。同作ではSEED後DESTINYに突入した上、この台詞が見られるのはストライクフリーダムのキラなため、見た目はSEED時代だがDESTINY設定のフレイともとれる。
【VS.シリーズの活躍】
連合VSZAFT
CPU専用の戦艦として登場。
ゴットフリート、バリアントによる攻撃を仕掛けてくる。
EXVS
ステージ・アフリカ砂漠の背景に登場。
スカイグラスパーを出撃させている。
家庭版EXVSではCPU専用の戦艦として登場。初めはミサイルやゴッドフリートで攻撃し、一定時間後にローエングリンを撃ってくる。
フルブーストでは
ステージ・ヘリオポリスの背景に登場し、外周を回っている。マキシブーストでは試合開始前に
ステージを通り過ぎる。
EXVS.FORCE
部隊戦の戦艦として登場。
【その他の活躍】
ガンダムビルドファイターズ
珍庵が好きな女性キャラクターとしてマリューを挙げており、イメージシーンでブリッジ部分が登場した。
マリュー役の三石氏がイオリ・リン子役でレギュラー出演しているため「てぇ!」と被弾時の「ぐっ!」だけだが台詞もあり、三石氏がナレーションを担当したSEEDの次回予告の再現を行ったこともある。
ガンダムブレイカー2
ストーリーパートにおけるプレイヤーの母艦として抜擢される。ちなみに敵側にもドミニオンが登場。
アークエンジェル艦上を舞台に
アルヴァトーレと戦うステージがあるが、ゲーム上の都合や「艦の被害は気にしなくてもいい」と言われたとはいえ、
アルヴァトーレがどれだけ攻撃してもアークエンジェルは全くの無傷と原作も真っ青の不沈艦と化している。
プトレマイオスが不憫である
SDガンダム GGENERAITON
シリーズを通して高額の万能戦艦として登場する。
『CROSSRAYS』ではSEED
ステージのほとんどに登場し、中盤以降のDESTINY
ステージにも登場する。
同じく主人公サイドの旗艦である
プトレマイオス2や
プトレマイオス2改に比べると地形適正では劣るが、艦載機が存在する為、戦艦連携でGETゲージを稼ぎやすい(これはDESTINYの
ミネルバも同様)。
また、本艦を生産登録するとマリュー達アークエンジェルのクルー(SEED版)をスカウトできるようになる。
『DS』ではルートによってはナタルが主役格として活躍する。
宇宙世紀とも世界観を共有しているため
ティターンズ所属となっている。
アズラエルの横暴を目の当たりにしながらも従わなければならないと苦悩していたが、アズラエルに我慢出来なくなった
ジェリドの離反を皮切りに、かつて汚れ仕事を押し付けられた過去を持つ
シーマに説得され、ついにアズラエルに反旗を翻す。
なお、ブーステッドマン達は敵対したままなので説得せずに撃墜すると死亡し永久離脱、その場合はラスボスが仲間にならないので注意。
フレイはパイロットとして使用出来ることがあるが作品によっては台詞が前半の不安定な時期の台詞が多く、原作未視聴だと強化人間みたいに見えることも。
上記のようにナタルが活躍してブーステッドマン3人がきれいになるルートのある『DS』だとキラと和解でき、パイロットとしても使用出来ることも。
スーパーロボット大戦
自軍の母艦として運用できるがSEED時代で参戦の場合ストーリーが進むと精神要員が減る、加入が遅い、他に特殊能力もりもりの優秀な戦艦がいるなどの理由で使われないことも。
DESTINY原作終了後の設定では登場すらしないなどと全体的に不遇な扱いとなっている。
戦艦を操作できないソシャゲ系では出番も見せ場もけっこうある。
Gジェネと違い艦長以外のステータスは設定されていないためノイマンの能力は反映されていない。
今後の登場ではどうなるか注目が集まるところ。
ナタルは融通の利かない面が強調されがちで『第3次α』および『J』では原作同様に戦死するが、『W』と『DD』では生存することに。
『W』では救出された後、ブルーコスモスの所業を告発して一掃に一役買う事になる。
『DD』では救出された後に治療されて再びアークエンジェルの副長に復帰、DESTINY時代に突入するがグラフィックの都合上連合の服のまま。
フレイもナタルと同じく『第3次α』および『J』では原作通りにクルーゼの手にかかり死亡する。
しかし『W』ではクルーゼによってNJCのデータを持たされた状態で戦場に放り込まれた時にアークエンジェルに回収され無条件で生存、主人公との交流などを深める、キラと和解する、コーディネーターへの差別意識も消えるなど大きく救われた。
それによりアズラエルは原作と違ってNJCを入手できなかったものの核より更に危険なミサイルがプラントへ向けられる事となってしまった。
DESTINY参戦の場合は既に亡くなっているが彼女を助けられなかったことはキラに深い傷を残しており、度々その事が語られる。
『DD』では原作通り捕虜になり、最終的にクルーゼに撃たれそうになったところを
刹那がトランザムを利用して救助、結果フレイは生き残りキラと再会することができ、『W』とは違った形でキラ共々救われる展開となった。
ストライクフリーダム登場後ガチャにストフリ用の支援キャラとしてもガチャに登場。
今後ストーリーでも出番があるのかもしれない。
【余談】
外観からもわかる通り、
1stの
ホワイトベースのオマージュ。
ゲーム作品によっては「木馬もどき」と呼ばれる事も。
SEED FREEDOMにて遂に大破着底となったが、ここまでのプロットは亡き両澤氏のものとのこと。
SEED最終話放映の一週間前に発売されたサントラ3巻目の中に「フレイの死」というタイトルの劇伴曲が収録されていた。
予告でフレイに関しては触れられておらず嘘バレの可能性もあったが最終話で死亡、この楽曲もランチがプロヴィデンスに撃墜されて爆発炎上、フレイの魂がキラに語りかけるという一連の場面で使用された。
結果的に公式がネタバレをしてしまった形となる。
最終更新:2025年04月28日 22:13