ロック・ハワードは、有間都古と二人、地図のG-4エリアを北上していた。
数時間前に二人が出会ったのは、地図の最南端に位置するH-4エリアだった。
まずは主催者に対抗する仲間を見つけたい。それには参加者が集中するだろう中央に向かうのが適当だと考えて北上を開始した。
その矢先、主催者による放送が流れた。こちらを挑発するような物言いに苛立ちながらも、参加者の名簿が明かされた事実は聞き逃さない。
数時間前に二人が出会ったのは、地図の最南端に位置するH-4エリアだった。
まずは主催者に対抗する仲間を見つけたい。それには参加者が集中するだろう中央に向かうのが適当だと考えて北上を開始した。
その矢先、主催者による放送が流れた。こちらを挑発するような物言いに苛立ちながらも、参加者の名簿が明かされた事実は聞き逃さない。
「知り合いか……テリーがいれば合流したいけどな」
「テリーって、お兄ちゃんの知り合い?」
「まあ、そんなところだ」
「テリーって、お兄ちゃんの知り合い?」
「まあ、そんなところだ」
一言では言えない関係性を深掘りされるのが面倒で、都古の質問を受け流す。
そうしてロックは、慣れない手つきでタブレットの名簿を開いた。
ずらりと並んだ名前は、一般的な名前からコードネームのような名前まで多種多様。
まるでKOFの参加者のようだと思いながら、ふと隣の都古に問いかける。
そうしてロックは、慣れない手つきでタブレットの名簿を開いた。
ずらりと並んだ名前は、一般的な名前からコードネームのような名前まで多種多様。
まるでKOFの参加者のようだと思いながら、ふと隣の都古に問いかける。
「お前の知り合いはいたか?」
「ううん……」
「ううん……」
もし都古の知り合いがいれば、合流も視野に入れたが、落ち込んだ様子を見るにその必要はないらしい。
知人が命の危機にさらされていないことは、喜ぶべきことだろう。
とはいえ、頼れる存在に近くにいて欲しいと考えるのも自然なことだ。ロックもテリーの名前を少なからず期待したのだから。
知人が命の危機にさらされていないことは、喜ぶべきことだろう。
とはいえ、頼れる存在に近くにいて欲しいと考えるのも自然なことだ。ロックもテリーの名前を少なからず期待したのだから。
「ん?カイン……まさか」
ふと、ロックはある名前に目を留めた。
カイン・R・ハインライン。グラントから聞いた“カイン”という名前と一致する。
偶然の一致と片づけることもできたが、どこか気にかかるのも事実。可能であれば出会いたい相手だ。
そう結論付けて、その後も名簿を眺めていると、ロックの心臓がどきりと跳ねた。
カイン・R・ハインライン。グラントから聞いた“カイン”という名前と一致する。
偶然の一致と片づけることもできたが、どこか気にかかるのも事実。可能であれば出会いたい相手だ。
そう結論付けて、その後も名簿を眺めていると、ロックの心臓がどきりと跳ねた。
「ッ、馬鹿な!?」
見間違いであれと目を閉じる。
しかし、再び目を開けても、その名前ははっきりと記されていた。
しかし、再び目を開けても、その名前ははっきりと記されていた。
「どうしたの?」
「……いや、なんでもない」
「……いや、なんでもない」
ギース・ハワード。ロックの実父であり、ロックの母親を見捨てた男。
野心の果てに命を落とした男の名前が、参加者の名簿に記されているのだ。
同姓同名の人物とは考えにくい。しかし、死者が生き返ることはあり得ない。
それならば、この名前は一体どういうことなのか。
野心の果てに命を落とした男の名前が、参加者の名簿に記されているのだ。
同姓同名の人物とは考えにくい。しかし、死者が生き返ることはあり得ない。
それならば、この名前は一体どういうことなのか。
「ぐっ……」
体内の血が疼く感覚に、ロックは脈打つ腕を抑えた。
ギースについて考えようとするほど、その感覚は強くなる。
横合いから心配そうに覗き込んでくる都古に、かろうじて平気だと返答する。
ギースについて考えようとするほど、その感覚は強くなる。
横合いから心配そうに覗き込んでくる都古に、かろうじて平気だと返答する。
「クソッ、こんなことをしてる場合じゃ……」
「やあやあ、お二人さん」
「やあやあ、お二人さん」
そのとき、軽快な声が響き渡る。
即座にロックは周囲を見回したが、誰の姿も視認できない。
即座にロックは周囲を見回したが、誰の姿も視認できない。
「どこを見てるんだい?こっちだよ」
再びかけられた声で、ロックはようやく気付いた。
軽快な声が、上から降ってきたということに。
軽快な声が、上から降ってきたということに。
「なっ……!?」
「と、飛んでるー!?」
「と、飛んでるー!?」
ロックと都古はほぼ同時に驚愕の声を漏らした。
美形の青年が、笑みを湛えて中空に浮遊していた。
その制服の背中からは、蝙蝠めいた巨大な翼が生えている。
まるで現実感のないその姿に、ロックは頭がくらくらした。
美形の青年が、笑みを湛えて中空に浮遊していた。
その制服の背中からは、蝙蝠めいた巨大な翼が生えている。
まるで現実感のないその姿に、ロックは頭がくらくらした。
「仮装……?いや、違う。
なんてこった、コミックの世界に迷い込んじまったのか……?」
「フフ、迷い込んだのは僕のコンサート会場さ」
「コンサート?」
「心地いい悲鳴を聴かせておくれ」
なんてこった、コミックの世界に迷い込んじまったのか……?」
「フフ、迷い込んだのは僕のコンサート会場さ」
「コンサート?」
「心地いい悲鳴を聴かせておくれ」
不敵に笑いながら降りて来た青年に、ロックは嫌な予感を覚えた。
今の発言から考えて、友好的な手合いではない。殺し合いを是とする者だ。
傍らの都古にデイパックを渡しながら、青年へとファイティングポーズを取る。
今の発言から考えて、友好的な手合いではない。殺し合いを是とする者だ。
傍らの都古にデイパックを渡しながら、青年へとファイティングポーズを取る。
「……俺はロック・ハワード」
「なんだい突然?」
「ストリートファイトをするときは、名乗りをあげるもんさ」
「ああ、そういうこと……冥土の土産、ってやつだね」
「なんだい突然?」
「ストリートファイトをするときは、名乗りをあげるもんさ」
「ああ、そういうこと……冥土の土産、ってやつだね」
理解できないというように肩をすくめる青年を、ロックは油断なく見据えた。
巨大な翼が、青年の背中へと吸い込まれるように消えていく。
そして完全に消えてから、恭しく礼をする青年。
巨大な翼が、青年の背中へと吸い込まれるように消えていく。
そして完全に消えてから、恭しく礼をする青年。
「僕の名前は絶鬼。
まずは序曲(オーヴァーチュア)……ゆっくりと始めよう」
まずは序曲(オーヴァーチュア)……ゆっくりと始めよう」
丁寧な言動とは裏腹に、青年から鋭利な殺気が放たれているのを感じて、ロックは身震いした。
□
まず間合を詰めたのはロック。
先手必勝とばかりに、左の拳でジャブを打つ。
放たれた拳は、絶鬼がバックステップをしたために空を切る。
ロックは二度、三度と続けざまに拳を打つが、紙一重のところで躱される。
鬼の身体能力は人間の比ではない。単純な攻撃は容易く見切られてしまうのだ。
先手必勝とばかりに、左の拳でジャブを打つ。
放たれた拳は、絶鬼がバックステップをしたために空を切る。
ロックは二度、三度と続けざまに拳を打つが、紙一重のところで躱される。
鬼の身体能力は人間の比ではない。単純な攻撃は容易く見切られてしまうのだ。
「はあっ!」
それでも諦めず突きを繰り出すロック。
余裕綽々、ついに鼻歌を歌い出す絶鬼。
しかし次の瞬間には、鼻歌は鈍い音と共に止んだ。
前進する勢いで放たれたロックのハイキックが、絶鬼の頭部へと直撃していた。
余裕綽々、ついに鼻歌を歌い出す絶鬼。
しかし次の瞬間には、鼻歌は鈍い音と共に止んだ。
前進する勢いで放たれたロックのハイキックが、絶鬼の頭部へと直撃していた。
「なっ……!?」
「余裕をかますのはいいけど、油断してると足元すくうぜ?」
「余裕をかますのはいいけど、油断してると足元すくうぜ?」
パンチとキックでは、威力はもとよりリーチの差が大きい。
ロックは絶鬼がギリギリの間合で拳を避けていたことを利用して、リーチの長い蹴りを不意に放った。
拳を避けるのは簡単だと余裕を見せていた絶鬼の頭部に、蹴りはクリーンヒット。
その結果が、絶鬼の鼻梁を歪め、そこから一筋の血を垂らさせた。
ロックは絶鬼がギリギリの間合で拳を避けていたことを利用して、リーチの長い蹴りを不意に放った。
拳を避けるのは簡単だと余裕を見せていた絶鬼の頭部に、蹴りはクリーンヒット。
その結果が、絶鬼の鼻梁を歪め、そこから一筋の血を垂らさせた。
「フン、なかなかやるじゃないか……っ!?」
「おしゃべりしてる暇はないぜ!」
「おしゃべりしてる暇はないぜ!」
鼻血をぐいと拭き取り、余裕を保とうとする絶鬼。
一方のロックが絶鬼に休む暇を与えることはなかった。
上段から中段、そして下段と連続的に攻撃を加えることで、相手を翻弄する。
一撃の重さよりも、多種多様な技を持つ攻め手の豊富さでもって、ロックは優位に立ったといえる。
一方のロックが絶鬼に休む暇を与えることはなかった。
上段から中段、そして下段と連続的に攻撃を加えることで、相手を翻弄する。
一撃の重さよりも、多種多様な技を持つ攻め手の豊富さでもって、ロックは優位に立ったといえる。
この時点で、ロックは相手が格闘においては素人同然だと見抜いていた。
一対一のストリートファイトをする際に、重要となる要素のひとつが、間合である。
彼我の技が届く距離と、届くまでにかかる時間。これを勝負の最中に測り続けて、いち早く制した者が勝利する。
ロックがKOFで手にしてきた勝利は、そうしてもぎ取ってきたものだ。
ゆえに、間合を全く測らない絶鬼が素人だと看破できた。
一対一のストリートファイトをする際に、重要となる要素のひとつが、間合である。
彼我の技が届く距離と、届くまでにかかる時間。これを勝負の最中に測り続けて、いち早く制した者が勝利する。
ロックがKOFで手にしてきた勝利は、そうしてもぎ取ってきたものだ。
ゆえに、間合を全く測らない絶鬼が素人だと看破できた。
「クッ……舐めるなよ!」
「おっと!危ねぇ……」
「おっと!危ねぇ……」
無論、格闘の素人がイコール弱いというわけでもない。
絶鬼が手をかざして繰り出す、妖力波と呼ぶべき攻撃は、石壁にひびを入れるレベルのもの。
もし生身の状態で受ければ、あばら骨の数本は覚悟しなければならない。
そしてロックの攻撃も、中途半端なものでは易々と回避されてしまう。
つまり、この対戦において、ロックは絶鬼の攻撃をできる限り受けずに、かつ的確に攻撃を通さなければならない。
第三者から見れば攻勢のロックだが、当の本人は冷汗をかいていた。
絶鬼が手をかざして繰り出す、妖力波と呼ぶべき攻撃は、石壁にひびを入れるレベルのもの。
もし生身の状態で受ければ、あばら骨の数本は覚悟しなければならない。
そしてロックの攻撃も、中途半端なものでは易々と回避されてしまう。
つまり、この対戦において、ロックは絶鬼の攻撃をできる限り受けずに、かつ的確に攻撃を通さなければならない。
第三者から見れば攻勢のロックだが、当の本人は冷汗をかいていた。
「そこだっ!」
間合が離れた瞬間、ロックは烈風拳を放つ。
地面を這う衝撃波は、絶鬼の妖力波によりかき消される。
その直後、驚きに目を見開く絶鬼。かき消したはずの衝撃波が眼前に迫っていたのだから無理もない。
このとき、ロックが一撃目よりわずかに遅れて放っていた、もう一つの烈風拳が、時間差で絶鬼のもとに迫っていたのだ。
二撃目の烈風拳も即座に相殺されるが、ロックはこれを好機と距離を詰める。
そして、反応が遅れた絶鬼に対して、左肘でその胸元を打ちつけ、即座に腹部へと右のブローを叩き込む。
常人ならば、その衝撃に息が一瞬できなくなる一撃。
地面を這う衝撃波は、絶鬼の妖力波によりかき消される。
その直後、驚きに目を見開く絶鬼。かき消したはずの衝撃波が眼前に迫っていたのだから無理もない。
このとき、ロックが一撃目よりわずかに遅れて放っていた、もう一つの烈風拳が、時間差で絶鬼のもとに迫っていたのだ。
二撃目の烈風拳も即座に相殺されるが、ロックはこれを好機と距離を詰める。
そして、反応が遅れた絶鬼に対して、左肘でその胸元を打ちつけ、即座に腹部へと右のブローを叩き込む。
常人ならば、その衝撃に息が一瞬できなくなる一撃。
「なに……!?」
しかし、ロックは違和感を覚えた。
KOとまではいかなくとも、ダウンを取る程度のダメージは与えたはずだった。
それだというのに、絶鬼の身体はその場から微動だにしない。
KOとまではいかなくとも、ダウンを取る程度のダメージは与えたはずだった。
それだというのに、絶鬼の身体はその場から微動だにしない。
「こっちが手加減していれば、いい気になりやがってさぁ……」
これまでの好青年風の声色から一転、ドスの利いた声がロックの耳朶を打つ。
次の瞬間、ロックは右腕を掴まれ、勢いよく投げ飛ばされていた。
次の瞬間、ロックは右腕を掴まれ、勢いよく投げ飛ばされていた。
「ぐあぁ……っ!?」
華奢な立ち姿からは想像できない膂力。
たっぷり五秒かけて落下したロックは、痛みに耐えきれず声を漏らした。
落下時に背中をしたたかに打ち付けて、思うように呼吸が整わない。
それでも若き餓狼は起き上がる。反撃を喰らわせる、その一心で。
しかし、再び絶鬼と相対したロックの背中に悪寒が走る。
たっぷり五秒かけて落下したロックは、痛みに耐えきれず声を漏らした。
落下時に背中をしたたかに打ち付けて、思うように呼吸が整わない。
それでも若き餓狼は起き上がる。反撃を喰らわせる、その一心で。
しかし、再び絶鬼と相対したロックの背中に悪寒が走る。
「人間ごときが鬼にかなうと思うな!」
そう言い放つ絶鬼の姿は、先ほどまでのそれではなかった。
黒髪は燃えるような紅へ変わり、両腕の筋肉は青くなり、そして肥大化していた。
空を舞う翼といい、変色する身体といい、いよいよ人間ではないとロックは顔をしかめる。
黒髪は燃えるような紅へ変わり、両腕の筋肉は青くなり、そして肥大化していた。
空を舞う翼といい、変色する身体といい、いよいよ人間ではないとロックは顔をしかめる。
「お、鬼……?」
背後の都古が困惑する声を聞いて、ロックは冷静さを取り戻そうと髪をかき上げた。
そして二、三度ジャンプし、呼吸を整える。ここで気圧されるわけにはいかないのだ。
そして二、三度ジャンプし、呼吸を整える。ここで気圧されるわけにはいかないのだ。
「いいぜ、鬼だろうが何だろうが……」
ロックはこの上ない昂りを感じていた。
KOFの最中にも何度か覚えた、強者との勝負で血が滾る感覚。
KOFの最中にも何度か覚えた、強者との勝負で血が滾る感覚。
「かかってきやがれ!」
叫ぶように言い放ち、再びファイティングポーズを取る。
薄く笑う絶鬼を、鋭い眼光で睨みつけながら。
薄く笑う絶鬼を、鋭い眼光で睨みつけながら。
□
「はっ!」
ロックは片肘を突き出して突進していく。
それを寸前で躱され、あわや腕を掴まれそうになるも、全力で間合を離す。
絶鬼の丸太のごとき腕に掴まれれば、投げ飛ばされるか骨を砕かれるか、いずれにせよダメージは大きい。
それでも、遠距離での烈風拳と妖力波の撃ち合いでは負けてしまう以上、ロックは近距離に持ち込まざるをえない。
薄氷を踏むような攻防が、たっぷり五分は続いた。
それを寸前で躱され、あわや腕を掴まれそうになるも、全力で間合を離す。
絶鬼の丸太のごとき腕に掴まれれば、投げ飛ばされるか骨を砕かれるか、いずれにせよダメージは大きい。
それでも、遠距離での烈風拳と妖力波の撃ち合いでは負けてしまう以上、ロックは近距離に持ち込まざるをえない。
薄氷を踏むような攻防が、たっぷり五分は続いた。
「はぁ……はぁ……」
「おやおや、スタミナ切れかい?情けないなぁ人間は」
「おやおや、スタミナ切れかい?情けないなぁ人間は」
煽る絶鬼に、ロックは歯噛みした。
KOFは長期戦になることは滅多にない。互いに全力を賭した戦いであるため、早期決着であることがほとんどだ。
ただし、それはあくまで人間同士で行う勝負だからこそとも言える。
人間と鬼のスペックの差が、ここでロックを苦しめる。
KOFは長期戦になることは滅多にない。互いに全力を賭した戦いであるため、早期決着であることがほとんどだ。
ただし、それはあくまで人間同士で行う勝負だからこそとも言える。
人間と鬼のスペックの差が、ここでロックを苦しめる。
「はぁ……はぁ……また軽口か。
さっきもそれで鼻血を出したのを、もう忘れたのかよ?」
「……気に入らないな、その眼!」
さっきもそれで鼻血を出したのを、もう忘れたのかよ?」
「……気に入らないな、その眼!」
そんな逆境にあっても、ロックは余裕を崩さない。
何より、爛爛と光る双眸が、勝負を諦めていない証だ。
何より、爛爛と光る双眸が、勝負を諦めていない証だ。
「……行くぜっ!」
「はぁ……またそれ?」
「はぁ……またそれ?」
突進してくるロックを見た絶鬼が、呆れた声を漏らす。
レイジランと名付けた技は、これまでにも何度か使用していた。
高速でダッシュしながら近づいていき、寸前で相手の背後に移動する技。
回避やフェイントとしての効果は高いが、次に技が放たれるまでのラグがあるため、見てから対応が可能だ。
レイジランと名付けた技は、これまでにも何度か使用していた。
高速でダッシュしながら近づいていき、寸前で相手の背後に移動する技。
回避やフェイントとしての効果は高いが、次に技が放たれるまでのラグがあるため、見てから対応が可能だ。
「なっ!?」
――と、ロックは絶鬼に“そう思わせる”ことに成功した。
「アッパー!」
「がっ……!?」
「がっ……!?」
振り上げたアッパーカットが、絶鬼の顎に直撃した。
重量のある体躯が、数十センチは浮かび上がり、そして地面に倒れた。
完全な不意打ちかつ頭部への強い衝撃で、脳震盪を起こしたらしく起き上がらない。
重量のある体躯が、数十センチは浮かび上がり、そして地面に倒れた。
完全な不意打ちかつ頭部への強い衝撃で、脳震盪を起こしたらしく起き上がらない。
「はぁ……はぁ……」
肩で息をしながら、ロックは握りしめた拳を見る。
この戦闘中、ロックは絶鬼に対して思い込みを誘発していた。
ダッシュして近づき、背後に移動する。それを何度か繰り返して、ダッシュして近づいてきたら次は背後に移動するものだと思い込ませたのだ。
そして、相手が油断を見せたときに、強烈な一打を放つ。
短時間で考えた作戦にしては上出来だ。
この戦闘中、ロックは絶鬼に対して思い込みを誘発していた。
ダッシュして近づき、背後に移動する。それを何度か繰り返して、ダッシュして近づいてきたら次は背後に移動するものだと思い込ませたのだ。
そして、相手が油断を見せたときに、強烈な一打を放つ。
短時間で考えた作戦にしては上出来だ。
「単純なアタマで助かったぜ……」
ロックにしてみれば、成功するか失敗するかは五分五分であった。
これまでの絶鬼の言動から、油断しやすく、そこまで頭の回るタイプではないと判断していたが、それでも成功したのは幸運という他ない。
これまでの絶鬼の言動から、油断しやすく、そこまで頭の回るタイプではないと判断していたが、それでも成功したのは幸運という他ない。
「お兄ちゃん!大丈夫?」
「あぁ……それより、早く離れるぞ」
「あぁ……それより、早く離れるぞ」
心配そうに近寄る都古の手を掴み、ロックは直ぐに離れようとする。
この場に絶鬼を残していくのはリスクもある。無差別に参加者を襲う手合いであることは明らかだからだ。
とはいえ、ロックたちに絶鬼を無力化する術がないのも事実だった。
支給品は確認していたが、役立ちそうなものはなかった。
この場に絶鬼を残していくのはリスクもある。無差別に参加者を襲う手合いであることは明らかだからだ。
とはいえ、ロックたちに絶鬼を無力化する術がないのも事実だった。
支給品は確認していたが、役立ちそうなものはなかった。
「いいか、コイツは必ず倒す……だけど、今はできない。
だから仲間を探す。そして無力化する方法を考えるんだ」
「……うん!」
だから仲間を探す。そして無力化する方法を考えるんだ」
「……うん!」
ロックはストリートファイトこそ経験を積んできたが、決して異常事態に慣れているわけではない。
それゆえに、自分自身の決断が正しいのか否か、判断することもできない。
実際、血の滾りは未だに収まらず、本能はバトルを求めていた。
その本能を理性で抑えつけて、ロックは走る。
それゆえに、自分自身の決断が正しいのか否か、判断することもできない。
実際、血の滾りは未だに収まらず、本能はバトルを求めていた。
その本能を理性で抑えつけて、ロックは走る。
【G-4/一日目/黎明】
【ロック・ハワード@餓狼 MARK OF THE WOLVES】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜3(確認済)
[思考・状況]
基本:主催をとっちめて、さっさとここから脱出する
1:他にも仲間がほしい
2:ギース・ハワード、カイン・R・ハインラインの名前が気になる。
3:絶鬼を危険視。無力化する方法を考える。
[備考]
※参戦時期はグラント戦後
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜3(確認済)
[思考・状況]
基本:主催をとっちめて、さっさとここから脱出する
1:他にも仲間がほしい
2:ギース・ハワード、カイン・R・ハインラインの名前が気になる。
3:絶鬼を危険視。無力化する方法を考える。
[備考]
※参戦時期はグラント戦後
【有間都古@MELTY BLOODシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜3(確認済)
[思考・状況]
基本:殺し合いなんてしない! 元凶は全員コテンパンに叩きのめしてやる!
1:よろしく、お兄ちゃん!
2:絶鬼を危険視。
[備考]
※身体能力はタタリ影響下の時の状態です
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜3(確認済)
[思考・状況]
基本:殺し合いなんてしない! 元凶は全員コテンパンに叩きのめしてやる!
1:よろしく、お兄ちゃん!
2:絶鬼を危険視。
[備考]
※身体能力はタタリ影響下の時の状態です
【絶鬼@地獄先生ぬ〜べ〜】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(小)、気絶
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]
基本方針:とりあえず皆殺し。
0:(気絶中)
1:人間の断末魔の叫びを聴きたい。
[備考]
※参戦時期は本編登場前です。
[状態]:疲労(小)、ダメージ(小)、気絶
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]
基本方針:とりあえず皆殺し。
0:(気絶中)
1:人間の断末魔の叫びを聴きたい。
[備考]
※参戦時期は本編登場前です。
【備考】
※絶鬼がいつ気絶から回復するかは後の書き手さんにお任せします。
※「ロックと都古は支給品を確認しており、中に絶鬼を無力化できる道具はないと判断した」こととします。
※絶鬼がいつ気絶から回復するかは後の書き手さんにお任せします。
※「ロックと都古は支給品を確認しており、中に絶鬼を無力化できる道具はないと判断した」こととします。
021:I feel like a monster | 投下順 | 023:歪んだ愛 |
若き餓狼と花のみやこ | ロック・ハワード | 034:辺獄平安討鬼伝 |
有間都古 | ||
開幕のあいさつ | 絶鬼 |