貴真の仕掛けた檻から脱した三人の生存者にして敗北者達。
たった一人の男によってもたらされた理不尽は、
三人もの仲間を喪うことことに繋がった完全な敗北だ。
敵も減ったが、だからと言って手放しで喜ぶことはできなかった。
悠奈は近くの茶屋の席に寝かせているが、決して目覚めることはない。
誰もが死んでいると認識するには十分すぎるほどの、頭部の傷痕。
彼女の死因となる顛末は既に聞き及んでおり、政が後頭部を掻く。
たった一人の男によってもたらされた理不尽は、
三人もの仲間を喪うことことに繋がった完全な敗北だ。
敵も減ったが、だからと言って手放しで喜ぶことはできなかった。
悠奈は近くの茶屋の席に寝かせているが、決して目覚めることはない。
誰もが死んでいると認識するには十分すぎるほどの、頭部の傷痕。
彼女の死因となる顛末は既に聞き及んでおり、政が後頭部を掻く。
「……ひとまず追ってきてはねえみてえだな。」
政が外の周囲を確認しながら安堵の息をつく。
エスデスが追撃を仕掛けてきてたら冷や汗ものだったが、
さすがにまほうの玉のダメージは大きかったことが推測できる。
これならばそう簡単に動けなくなったのか、もしかしたら仕留めたか。
いや。あれだけ化け物じみた強さを見せたのだ。あれでくたばったとは思えない。
余り楽観視するつもりはなく、そのまま警戒を怠ることなく二人を見やる。
エスデスが追撃を仕掛けてきてたら冷や汗ものだったが、
さすがにまほうの玉のダメージは大きかったことが推測できる。
これならばそう簡単に動けなくなったのか、もしかしたら仕留めたか。
いや。あれだけ化け物じみた強さを見せたのだ。あれでくたばったとは思えない。
余り楽観視するつもりはなく、そのまま警戒を怠ることなく二人を見やる。
互いに疲弊した様子だが、それだけではないのだろう。
最初からほとんど一人で行動していた政とは違って、
短くない時間過ごしてきた仲間であることは察せられる。
最初からほとんど一人で行動していた政とは違って、
短くない時間過ごしてきた仲間であることは察せられる。
「まさか、あいつまでいるとはな。」
放送からほどなくして出会った修平という男。
メフィスの言うとおりだった。誰も六人とは言ってなかったし、
同時に八人と思い込んでいたのが彼らの存在に気付かなかった要因だ。
改めてメフィスたちの掌の上で踊らされてるという事実に怒りが募る。
メフィスの言うとおりだった。誰も六人とは言ってなかったし、
同時に八人と思い込んでいたのが彼らの存在に気付かなかった要因だ。
改めてメフィスたちの掌の上で踊らされてるという事実に怒りが募る。
「悪い。貴真の思惑を見抜けなかった俺の責任だ。」
帽子を取りながら深く頭を下げる政。
最初からあいつの本性を見抜いていれば、
こんなことにはならなかったのだから。
最初からあいつの本性を見抜いていれば、
こんなことにはならなかったのだから。
「……いいや、あいつの方が上手だっただけだ。
あんな支給品とかどう予想しろって言うんだよ……」
あんな支給品とかどう予想しろって言うんだよ……」
どうにもならなかったとしか言いようがない。
自分の目的の為であれば自分の命すら厭わず消耗品にする。
悪魔よりも、よほど悪魔のような男だったと謝った政も思う。
理不尽を体現して、満足にやりたい放題したあの男のにやけ面を思い出し、
ミスターLはテーブルを強く叩く。
自分の目的の為であれば自分の命すら厭わず消耗品にする。
悪魔よりも、よほど悪魔のような男だったと謝った政も思う。
理不尽を体現して、満足にやりたい放題したあの男のにやけ面を思い出し、
ミスターLはテーブルを強く叩く。
「……で、どうする? 俺はまんまと騙された奴だ。
それにデビルマン、不動明を探すために戦ってるのは言ったな。
だからちょいとお前らは方向性が違う。それでもいいなら仲間として扱ってくれるか?」
それにデビルマン、不動明を探すために戦ってるのは言ったな。
だからちょいとお前らは方向性が違う。それでもいいなら仲間として扱ってくれるか?」
「殺し合いに乗る気はないんだろ? だったら良いが……」
二人が会話に興じてる中、席についてから一言も発さずにいるエレン。
緑郎に騙され、侑を殺された。目論見に気付いていれば最悪自分は写シで助かった。
刀使としての矜持も守れず、ただただ生きのびるだけの自分にいくら普段は明るい彼女でも、
そんな余裕は何処にもなく、静かに俯いていた。
緑郎に騙され、侑を殺された。目論見に気付いていれば最悪自分は写シで助かった。
刀使としての矜持も守れず、ただただ生きのびるだけの自分にいくら普段は明るい彼女でも、
そんな余裕は何処にもなく、静かに俯いていた。
「ま、あんなことあったばかりじゃ仕方ねえよな……」
返事のないエレンを一瞥し再び後頭部を搔く。
牧村美樹を守れなかった自分と同じ立場だ。
そこからどう立ち直るかは彼女次第である。
だから必要以上に干渉することはしない。
牧村美樹を守れなかった自分と同じ立場だ。
そこからどう立ち直るかは彼女次第である。
だから必要以上に干渉することはしない。
「とりあえず、飯にでもしておかねえか。
食えるときに食っておかないと身が持たねえ。」
食えるときに食っておかないと身が持たねえ。」
そう言って政は基本支給品から食料を取り出す。
いつ戦場になるかもわからないこの状況下を考えると、
今が唯一落ち着いて飯にありつけれる貴重な時間だと思えた。
二人も静かに頷いて、食料を取り出して食事にする。
いつ戦場になるかもわからないこの状況下を考えると、
今が唯一落ち着いて飯にありつけれる貴重な時間だと思えた。
二人も静かに頷いて、食料を取り出して食事にする。
味気ない携帯食料をモソモソと口にし、それと一緒に水を流し込む。
始まってからというもの、いろいろあって何も口にしてなかったからか、
そんな味気ない携帯食料でもうまいもんだと政は感じた。
始まってからというもの、いろいろあって何も口にしてなかったからか、
そんな味気ない携帯食料でもうまいもんだと政は感じた。
食事をしながら思うのは、やはり不動明のことだ。
あれから行方は未だ知れずの状態。
殺戮が広がれば広がるほど彼を正気に戻す、
その選択は仲間内で軋轢を生むことになるだろう。
だから早く足取りを掴みたい。後手に回っていては手遅れになる。
あれから行方は未だ知れずの状態。
殺戮が広がれば広がるほど彼を正気に戻す、
その選択は仲間内で軋轢を生むことになるだろう。
だから早く足取りを掴みたい。後手に回っていては手遅れになる。
「ところであのヤベー恰好の女は何者なんだ?
あのふざけた見た目の割になんだあの強さは。」
あのふざけた見た目の割になんだあの強さは。」
ふと先の戦いを思い返す。
悠奈の卓越した銃撃。刀使のエレンと木刀の政、
更にレオーネの徒手空拳におまけに侑の支援。
加えて乱入とは言え修平たちの襲撃を受けても尚生きていた。
悪魔人間でもあそこまで戦える奴はそうはいないと思えてならない。
悠奈の卓越した銃撃。刀使のエレンと木刀の政、
更にレオーネの徒手空拳におまけに侑の支援。
加えて乱入とは言え修平たちの襲撃を受けても尚生きていた。
悪魔人間でもあそこまで戦える奴はそうはいないと思えてならない。
「エスデスのことか? レオーネの話じゃ一人でも戦争を愉しむ戦闘狂だ。」
出会って戦っただけでわかる。
ああいうのが理解できない存在なのだと。
恰好が、ではなく思想が、という意味で。
悠奈の遺志にとって立ちはだかる壁の筆頭。
負傷しようと殺すまで止まることを知らない輩の類。
ああいうのが理解できない存在なのだと。
恰好が、ではなく思想が、という意味で。
悠奈の遺志にとって立ちはだかる壁の筆頭。
負傷しようと殺すまで止まることを知らない輩の類。
「狂った奴は、本当に何処の時代にでもいるんだな。」
不動明を正気に戻すことも大事だが、エスデスも厄介な存在なのは間違いない。
まだダメージを与えている分、少しは落ち着く可能性はあるかもしれないが、
狂った奴は死ぬまで狂い続ける。生前の暴徒からのいやな教訓だ。
まだダメージを与えている分、少しは落ち着く可能性はあるかもしれないが、
狂った奴は死ぬまで狂い続ける。生前の暴徒からのいやな教訓だ。
「それで、これからの方針だがどの方角へ向かう?
俺は北へ行きたいがお前たちのルート次第で変えるつもりだ。
まあ、日ノ元の方の明を考えるとそっちは南東が一番かもしれねえがな。」
俺は北へ行きたいがお前たちのルート次第で変えるつもりだ。
まあ、日ノ元の方の明を考えるとそっちは南東が一番かもしれねえがな。」
エスデス達と戦ったD-3からC-4の北東へと逃げ込んだ。
また鉢合わせを回避するのを考えると西以外へ行きたい。
今信用できて、ある程度の行き先が分かるのは政にとっては日ノ元明以外にいない。
とはいえ彼女はヴァンパイア。すでにはるか遠くにいてもおかしくはないだろう。
つまるところ行く当てはどこにもない。それはミスターLもエレンも同じことだ。
また鉢合わせを回避するのを考えると西以外へ行きたい。
今信用できて、ある程度の行き先が分かるのは政にとっては日ノ元明以外にいない。
とはいえ彼女はヴァンパイア。すでにはるか遠くにいてもおかしくはないだろう。
つまるところ行く当てはどこにもない。それはミスターLもエレンも同じことだ。
「E-3のかなでの森博物館……は禁止エリアだったか。
ディメーンの野郎、その辺も見越して選びやがったな……」
ディメーンの野郎、その辺も見越して選びやがったな……」
征史郎があかりと情報交換した際に行っていた合流場所。
何かあった人がそこに合流してる可能性も無きにしも非ずだったが、
ディメーンの通達によって禁止エリアにされた今合流できる人もいないだろう。
何かあった人がそこに合流してる可能性も無きにしも非ずだったが、
ディメーンの通達によって禁止エリアにされた今合流できる人もいないだろう。
「私も北へ向かっていいデスカ? 堂島という人に聞きたいこともあるので。」
侑を死なせてしまった以上、
残る同好会のメンバーを守らなければならないものの手掛かりはなし。
エスデスの言葉を信じるならば、薫の死を知る堂島も北にいると言っていた。
私情を優先するつもりはないが、あてのない都合移動先としては都合がよかった。
残る同好会のメンバーを守らなければならないものの手掛かりはなし。
エスデスの言葉を信じるならば、薫の死を知る堂島も北にいると言っていた。
私情を優先するつもりはないが、あてのない都合移動先としては都合がよかった。
「じゃあ北だな……っとその前に参加者みてーだな。」
人気のない辺獄で静かに聞こえてくるのは一人の足音。
一人なことから修平の可能性を危惧して真っ先に政が茶屋から飛び出す。
続くようにエレンとミスターLも出てくるが、相手は別人だった。
一人なことから修平の可能性を危惧して真っ先に政が茶屋から飛び出す。
続くようにエレンとミスターLも出てくるが、相手は別人だった。
否。修平であったのならどれだけよかったのだろうか。
「貴様たち、全員人間のようだな。」
相手は八将神、アーナスなのだから。
はたから見れば最悪というほかないだろう。
こんなのが相手ならば修平の方がはるかにましだ。
三人とも彼女の殺気で察している。これは駄目な相手だと。
挑んだらまず負ける。そう確信せざるを得ないほどの存在感。
相手が満身創痍だからと言って、勝つ余裕などどこにもなかった。
はたから見れば最悪というほかないだろう。
こんなのが相手ならば修平の方がはるかにましだ。
三人とも彼女の殺気で察している。これは駄目な相手だと。
挑んだらまず負ける。そう確信せざるを得ないほどの存在感。
相手が満身創痍だからと言って、勝つ余裕などどこにもなかった。
「人間様だったらなんだってんだ?」
「人間は殺す。」
「暴走した不動みたいなことをいいやがるなてめえは!」
その言葉を引き金に戦いは始まる。
エレンが迅移で先行し、出現させたヨルドと越前康継がぶつかり合う。
しかし八幡力をもってしても アーナスのヨルドを相手には分が悪い。
やはり片手かつ疲労が蓄積された状況では、アーナスの敵には足りえない。
エレンが迅移で先行し、出現させたヨルドと越前康継がぶつかり合う。
しかし八幡力をもってしても アーナスのヨルドを相手には分が悪い。
やはり片手かつ疲労が蓄積された状況では、アーナスの敵には足りえない。
「ならこれならどうだ!」
エレンが打ち合ってる隙をついて政が回り込む。
完全な死角からの一撃だがそう易々と決まる相手ではない。
エレンの攻撃を押しのけた後、即座にヨルドを鞭のように振るい木刀と打ち合う。
木刀ごときたやすく両断すると思ったが木刀は木刀でも星砕きはそこらの木刀ではない。
真剣であろうとも、夜の君の刃であろうとも打ち合うことが許される稀有な木刀だ。
しかし使い手の問題がある。刀使でもなければ人間をやめた存在でもない彼に、
夜の君とまともに打ち合えるだけの膂力は持ち合わせてはいない。
一撃防ぐだけで大きく後退させられ、攻めに入ることができない。
完全な死角からの一撃だがそう易々と決まる相手ではない。
エレンの攻撃を押しのけた後、即座にヨルドを鞭のように振るい木刀と打ち合う。
木刀ごときたやすく両断すると思ったが木刀は木刀でも星砕きはそこらの木刀ではない。
真剣であろうとも、夜の君の刃であろうとも打ち合うことが許される稀有な木刀だ。
しかし使い手の問題がある。刀使でもなければ人間をやめた存在でもない彼に、
夜の君とまともに打ち合えるだけの膂力は持ち合わせてはいない。
一撃防ぐだけで大きく後退させられ、攻めに入ることができない。
(一人は何処へ行った?)
いつのまにかエレンの後方にいたはずのミスターLの姿が消えている。
周囲に姿はなく、即座に居場所を特定し回転しながら上空へと舞い上がる。
はるか上空には予測通り彼がジャンプで飛び上がっており、そんな彼へと刃を向けた。
周囲に姿はなく、即座に居場所を特定し回転しながら上空へと舞い上がる。
はるか上空には予測通り彼がジャンプで飛び上がっており、そんな彼へと刃を向けた。
(気づかれたか! だがこの程度計算通りだ!)
相手の力量は不明でもおおよその察しはついている。
これぐらいは気づいて当然であるということが。
だからすでに攻撃の準備は整えていた。
お得意のジャンプ攻撃では遅すぎると。
これぐらいは気づいて当然であるということが。
だからすでに攻撃の準備は整えていた。
お得意のジャンプ攻撃では遅すぎると。
「コウラでポンってな!」
故に刃が来る前に事前に動いていた。
身の丈をゆうに超える巨大な甲羅が出現し、
ミスターLはそれを蹴り飛ばしアーナスへとぶつける。
顔面に直撃し大きくのけぞるアーナスではあるが、
身の丈をゆうに超える巨大な甲羅が出現し、
ミスターLはそれを蹴り飛ばしアーナスへとぶつける。
顔面に直撃し大きくのけぞるアーナスではあるが、
「グッ……まだだ!」
身を翻しながらヨルドの刃を伸ばす。
剣の間合いの外だろうと関係なし。それが彼女の操る魔剣ヨルドの強みだ。
しなやかに動く刃はミスターLの心臓へと一直線に向かう。
剣の間合いの外だろうと関係なし。それが彼女の操る魔剣ヨルドの強みだ。
しなやかに動く刃はミスターLの心臓へと一直線に向かう。
「させまセン!」
追走するように跳躍したエレンが刃をぶつけ軌道をそらす。
そらした刃はミスターLの脇腹をかすめるだけに留まり、大事には至らない。
そらした刃はミスターLの脇腹をかすめるだけに留まり、大事には至らない。
「助かった!」
「無理しないでください!」
「そらおまけだ!」
地上に落ちてきたコウラを、
野球ボールの要領で打ち返す政。
狙いは少しそれているが、球が巨大な分狙いはつけやすい。
野球ボールの要領で打ち返す政。
狙いは少しそれているが、球が巨大な分狙いはつけやすい。
「!」
迫る甲羅を回転しながらヨルドで弾き、
そのまま二人への第二の斬撃を見舞う。
エレンはミスターLを守るべく咄嗟に蹴り飛ばしながら防ぐも、
勢いの強さに耐え切れず近くの家屋の屋根を突き破るように墜落していく。
そのまま二人への第二の斬撃を見舞う。
エレンはミスターLを守るべく咄嗟に蹴り飛ばしながら防ぐも、
勢いの強さに耐え切れず近くの家屋の屋根を突き破るように墜落していく。
「おいエレン、無事か!?」
「写シがなければいろいろ危なかったデスネ……」
ミスターLのほうは受け身を取り、
何とか着地しながらエレンの様子をうかがう。
政も合流し、再び三人はアーナスと対峙する構図へと戻る。
何とか着地しながらエレンの様子をうかがう。
政も合流し、再び三人はアーナスと対峙する構図へと戻る。
わかっていたことではあるが、
今の一瞬の攻防を見て理解した。
───このままでは勝てないと。
今の一瞬の攻防を見て理解した。
───このままでは勝てないと。
満身創痍の相手であるにもかかわらず、
勝ち目がない。いやでも理解させられてしまう。
けれど逃げる手段も難しい。三対一でようやくなんとか戦えている。
一対一になった瞬間、まず死ぬ。誰かを犠牲にしなければ逃げは成立しない。
その非情な選択肢をとれるものは誰もいない。いや、取りたくとも取れないが近い。
ボロボロであるはずの彼女にこれだけ追い詰められているこの状況下において、
逃げたところで追いつかれるのがオチであると全員が理解しているからだ。
勝ち目がない。いやでも理解させられてしまう。
けれど逃げる手段も難しい。三対一でようやくなんとか戦えている。
一対一になった瞬間、まず死ぬ。誰かを犠牲にしなければ逃げは成立しない。
その非情な選択肢をとれるものは誰もいない。いや、取りたくとも取れないが近い。
ボロボロであるはずの彼女にこれだけ追い詰められているこの状況下において、
逃げたところで追いつかれるのがオチであると全員が理解しているからだ。
「デモンフォーム。蹴散らす。」
三者に休む暇など与えられない。
白い肌は血染めの空と言うことを差し引いたとしても紅い肌へ。
その肌に重なるように肌を覆う黒い装飾、悪鬼のようなねじれた角。
デモンフォーム。この形態が齎す能力は単純明快───
白い肌は血染めの空と言うことを差し引いたとしても紅い肌へ。
その肌に重なるように肌を覆う黒い装飾、悪鬼のようなねじれた角。
デモンフォーム。この形態が齎す能力は単純明快───
「燃えろ!」
見た目通りともいうべき、炎の力。
手を振るうと、三人の地面の近くから次々と噴き出す炎の柱。
三人ともすんでのところで炎を回避するが、続けざまに来る炎の柱のせいで攻めに転じられない。
回避に専念せざるを得なかったところを、元に戻ったアーナスが一気に肉薄する。
三人纏めて首を刈り取らんとするヨルドの動きに対応できたのは、
迅移で唯一常人以上のスピードが出せるエレンだけだった。
手を振るうと、三人の地面の近くから次々と噴き出す炎の柱。
三人ともすんでのところで炎を回避するが、続けざまに来る炎の柱のせいで攻めに転じられない。
回避に専念せざるを得なかったところを、元に戻ったアーナスが一気に肉薄する。
三人纏めて首を刈り取らんとするヨルドの動きに対応できたのは、
迅移で唯一常人以上のスピードが出せるエレンだけだった。
再び刃がぶつかり合うが、力量の差は明白だ。
元々、エレンは刀使としては特別秀でた実力はない。
世界でもまれな第五段階の金剛身を体得してると言っても、
薫とのコンビで初めて強さを発揮する場面も少なからずあった。
事実、コンビで挑んでも折神親衛隊の燕結芽には勝てなかったぐらいだ。
故に単独ではギースやエスデス、アーナスといった強豪相手にはどうしても見劣りする。
何とか剣戟へと持ち込むものの、一撃の重さはアーナスの方が圧倒的に上だ。
一撃一撃がパワーのある薫と同じか、それ以上に匹敵する重みをもつ。
元々、エレンは刀使としては特別秀でた実力はない。
世界でもまれな第五段階の金剛身を体得してると言っても、
薫とのコンビで初めて強さを発揮する場面も少なからずあった。
事実、コンビで挑んでも折神親衛隊の燕結芽には勝てなかったぐらいだ。
故に単独ではギースやエスデス、アーナスといった強豪相手にはどうしても見劣りする。
何とか剣戟へと持ち込むものの、一撃の重さはアーナスの方が圧倒的に上だ。
一撃一撃がパワーのある薫と同じか、それ以上に匹敵する重みをもつ。
「切り裂くッ!!」
縦に振るわれるヨルド。
勢いから受け止めることは不可能と判断し後退するも、
威力はすさまじく地面に衝撃波を放つほどの威力を誇る。
隆起した地面は数メートル先まで伸び、エレンはもちろんとして、
政とミスターLにも隆起した地面が打撲として突き刺さる。
勢いから受け止めることは不可能と判断し後退するも、
威力はすさまじく地面に衝撃波を放つほどの威力を誇る。
隆起した地面は数メートル先まで伸び、エレンはもちろんとして、
政とミスターLにも隆起した地面が打撲として突き刺さる。
「まだ、デス!」
写シでダメージを無視できるエレンだけが唯一動ける。
咄嗟に袈裟斬りを隙だらけのアーナスへと放つ。
アーナスは即座に距離を取ることで、かすり傷程度にとどまる。
咄嗟に袈裟斬りを隙だらけのアーナスへと放つ。
アーナスは即座に距離を取ることで、かすり傷程度にとどまる。
(今が一番のチャンスだったのに、とんでもない反応速度!
ひよよんとおなじか、それ以上に厄介な敵と見た方が……!)
ひよよんとおなじか、それ以上に厄介な敵と見た方が……!)
思考の間にも攻撃は続く。
鞭のように迫るヨルドを一人での対処は困難を極める。
鞭のように迫るヨルドを一人での対処は困難を極める。
「クソッ、なんて強さだ!」
攻撃の合間を縫ってコルトパイソンで支援射撃するミスターL。
剣戟の中でもアーナスはしっかりと弾丸を弾き飛ばしていき、
援護は無駄だと言わんばかりの技術を見せつけてくる。
剣戟の中でもアーナスはしっかりと弾丸を弾き飛ばしていき、
援護は無駄だと言わんばかりの技術を見せつけてくる。
「なら二度目はどうだッ!」
今度はチーターローションを塗っての高速移動から背後へ回り込み木刀を振り下ろす政。
先ほどとは違い速度は段違いで彼女の頭部へと叩き込めると確信が持てた。
だが速度を上げてもなおアーナスは対応し、近くの家屋の屋根へと跳躍。
木刀の一撃は空振りに終わってしまう。
先ほどとは違い速度は段違いで彼女の頭部へと叩き込めると確信が持てた。
だが速度を上げてもなおアーナスは対応し、近くの家屋の屋根へと跳躍。
木刀の一撃は空振りに終わってしまう。
「蜘蛛みてえに楽に叩けりゃいいのによ。」
「What? 蜘蛛とは一体……?」
「どうみてもボロボロのはずなのになんつー強さして……」
愚痴をこぼす暇すら与えられない。
屋根を蹴って弾丸のように再び肉薄する。
エレンは金剛身、ミスターLはジャンプ、政は後退することで回避に専念するが、
アーナスは肉薄した瞬間地面を蹴り、ミスターLへと追撃をかける。
屋根を蹴って弾丸のように再び肉薄する。
エレンは金剛身、ミスターLはジャンプ、政は後退することで回避に専念するが、
アーナスは肉薄した瞬間地面を蹴り、ミスターLへと追撃をかける。
「げ!」
唯一得物を持ってない相手だ。
ヨルドと打ち合える手段を持ち合わせていない。
ならば仕留めるのは容易だと判断に至った。
当然、今の彼にヨルドを防ぐ手段は持ち合わせていない。
空中という身動きがうまくとれない場所で、
しなやかに動くヨルドを防ぐ手段はほぼない。
ヨルドと打ち合える手段を持ち合わせていない。
ならば仕留めるのは容易だと判断に至った。
当然、今の彼にヨルドを防ぐ手段は持ち合わせていない。
空中という身動きがうまくとれない場所で、
しなやかに動くヨルドを防ぐ手段はほぼない。
「!」
しかしアーナスが刃を振るうのは別の方角。
飛来してきたベッドを両断し、その勢いのまま斬りかかる。
だがその一瞬の間にデイバックから取り出した大太刀で運よく防ぐ。
身の丈並に長い御刀「蛍丸」は文字通りの無用の長物かと思えたが、
こんな場面において役立つとは思いもしなかった。
とはいえ威力に耐え切れず、すぐに取りこぼしてしまったが。
飛来してきたベッドを両断し、その勢いのまま斬りかかる。
だがその一瞬の間にデイバックから取り出した大太刀で運よく防ぐ。
身の丈並に長い御刀「蛍丸」は文字通りの無用の長物かと思えたが、
こんな場面において役立つとは思いもしなかった。
とはいえ威力に耐え切れず、すぐに取りこぼしてしまったが。
「ふむ、どうやら敵はあちらのようで。」
ベッドというある意味謎の投擲を行ったものは、
アーナスが先ほど着地した家屋の屋根の上へ立っていた。
不敵な笑みを浮かべながら立つ彼女の名は───ドレミー・スイート。
アーナスが先ほど着地した家屋の屋根の上へ立っていた。
不敵な笑みを浮かべながら立つ彼女の名は───ドレミー・スイート。
あれから三人は黙々と移動を続けていた。
プロシュートは変わらず険しい顔つきで、
そんな彼の後ろを結衣はとことことついていき、
さらにその後ろから眺めるようにドレミーが付き添う。
プロシュートは変わらず険しい顔つきで、
そんな彼の後ろを結衣はとことことついていき、
さらにその後ろから眺めるようにドレミーが付き添う。
(どうしたもんか……)
優勝するにしろ抵抗するにしろ、
不殺を要求する荻原結衣という存在は中々に困った存在だ。
これから敵と出会っても彼女は不殺を貫くだろうし、
ホワイトの時のように止めに入ることは目に見える。
不殺を要求する荻原結衣という存在は中々に困った存在だ。
これから敵と出会っても彼女は不殺を貫くだろうし、
ホワイトの時のように止めに入ることは目に見える。
「はぁ……」
やはりいやでも真島達に押し付けるべきだったか。
なんて今更なことを思い出しため息を吐く。
なんて今更なことを思い出しため息を吐く。
「どうしたんですか兄貴? 疲れましたか?」
ため息を吐くプロシュートを、心配そうに由衣が顔を覗く。
「誰のせいでこうなってると思ってんだ。」
呑気に様子を尋ねる元凶に追加のため息。
どこまでも能天気な奴だと思わずにはいられない。
だからこそこうしてついてくることに関して放棄してしまってるともいえる。
どこまでも能天気な奴だと思わずにはいられない。
だからこそこうしてついてくることに関して放棄してしまってるともいえる。
「短くない連戦と休息なしの徒歩で随分お疲れのようですし、ここはひとまず休憩してみては?」
「ため息の原因わかってんだろうが。」
残りの同行者もこの喰えない妖怪だ。
もとよりあの場にいたメンツで同行者を選ぶとなれば、
どいつもこいつも選べたものではないのは決まっていたことだが。
ある意味では一番頭を抱えたくなる面子が同行してるとも言える。
もとよりあの場にいたメンツで同行者を選ぶとなれば、
どいつもこいつも選べたものではないのは決まっていたことだが。
ある意味では一番頭を抱えたくなる面子が同行してるとも言える。
「……どうやら誰かが交戦中のようで。」
遠巻きからでも見えたコウラが三者の視界に入る。
巨大なコウラは弾かれたことで三人の近くへと墜落し、
地上を滑るようにどこかへと消えていく。
巨大なコウラは弾かれたことで三人の近くへと墜落し、
地上を滑るようにどこかへと消えていく。
「距離もありますし、私が先行します。
あ、その前に荻原さん。支給品の菓子をいただけますか?」
あ、その前に荻原さん。支給品の菓子をいただけますか?」
「え? はい、どうぞ。」
一度地面へ着地した後、地面をけって再度跳躍して飛行するドレミー。
追走するように二人も後を追う。
追走するように二人も後を追う。
「新手の敵か!?」
「いえ。私の目的はこの酔夢が導く結末を見届けたいだけなので。
殺し合いなんて物騒なことなんてとてもとても……」
殺し合いなんて物騒なことなんてとてもとても……」
オヨヨと口元を隠しながら紡ぐドレミー。
誰が見てもうさん臭さしか感じないその光景だが、
ミスターLが助けられたのは事実であることは変わらない。
とりあえず味方の判定でいいのだろうというのが三人の結論だ。
誰が見てもうさん臭さしか感じないその光景だが、
ミスターLが助けられたのは事実であることは変わらない。
とりあえず味方の判定でいいのだろうというのが三人の結論だ。
「貴様、人間ではないのに人間に与するのか?」
「妖怪ですけど誰彼構わず喰らうような、そんな野蛮な種ではないので。」
「ならば貴様も敵だ。」
「初めから敵ですよ?」
一瞬のにらみ合い(と言ってもドレミーは不敵な笑みを浮かべてるが)から、
今度はドレミーとアーナスによる戦いが始まる。
今度はドレミーとアーナスによる戦いが始まる。
「ちょっと本気でやりますからあなた方はあちらへ向かった方がいいですよ。」
彼女も紛い物の鬼同様、
何かしらに操られてる節はある。
だが今回はそれを解除できるようにも思えない。
何かしら強固な洗脳を施されてるのだと察し、全力で戦うことを選ぶ。
何かしらに操られてる節はある。
だが今回はそれを解除できるようにも思えない。
何かしら強固な洗脳を施されてるのだと察し、全力で戦うことを選ぶ。
夢符「無我夢中」
宣言と同時に飛び交う無数の弾幕。
空から降り注ぐ無数の光線はさながら流星群がごとし。
いわれた意味を理解し、三人はすぐにその場から逃げ出す。
空から降り注ぐ無数の光線はさながら流星群がごとし。
いわれた意味を理解し、三人はすぐにその場から逃げ出す。
「おいおいなんなんだあいつは!」
「私も知りたいデスが、味方なのは間違いないデス!」
「だからと言って味方も巻き添えは滅茶苦茶すぎんだろ!」
弾幕の雨を何とかしのぎながら、何とかその場を抜け出す三人。
戦場に居合わせるのは夢の管理人と夜の君の二人だけになる。
襲い掛かる無数の弾幕を手際よく回避しながら迫るアーナス。
弾幕ごっこであれば加点されるであろう流麗な動きである。
戦場に居合わせるのは夢の管理人と夜の君の二人だけになる。
襲い掛かる無数の弾幕を手際よく回避しながら迫るアーナス。
弾幕ごっこであれば加点されるであろう流麗な動きである。
「ですが、背後にも気を付けた方がいいですよ?」
無我夢中は一部の弾幕が壁に反射し飛び交う弾幕だ。
地面を穿つだけでなく、そのまま反射してアーナスへと襲い掛かってきた。
前後左右上限、すべての方角からくる弾幕をヨルドを伸ばして捌いていく。
地面を穿つだけでなく、そのまま反射してアーナスへと襲い掛かってきた。
前後左右上限、すべての方角からくる弾幕をヨルドを伸ばして捌いていく。
(もっと強めのスペルカードにするべきだった?
いえ、相手の身体能力。あの負傷でも博麗の巫女に負けず劣らず。
となれば一撃で仕留めなければ難しいか。)
いえ、相手の身体能力。あの負傷でも博麗の巫女に負けず劣らず。
となれば一撃で仕留めなければ難しいか。)
弾幕を容易に弾き飛ばし、
伸びる刃が彼女の首を断ち切らんと迫る。
弾幕を中断せざるを得ず、空へと飛びながら別の弾幕を放つ。
伸びる刃が彼女の首を断ち切らんと迫る。
弾幕を中断せざるを得ず、空へと飛びながら別の弾幕を放つ。
「ならば接近されないよう囲むように。」
夢符「愁永遠の夢」
前方を囲むように弾幕を展開し視界をふさぐ。
それを正面切って弾幕を切り払いながら空飛ぶドレミーを追いかける。
それを正面切って弾幕を切り払いながら空飛ぶドレミーを追いかける。
(正面切ってくるとは。やはり弾幕「ごっこ」では厳しいか。)
逃げに徹しながらも弾幕を放つが、
迫る弾幕を次々とヨルドが打ち払っていく。
中にはドレミーへ返すように飛ばす弾幕もあり、
どちらが攻撃しているのかわからなくなるほどに戦いは熾烈を極めていく。
迫る弾幕を次々とヨルドが打ち払っていく。
中にはドレミーへ返すように飛ばす弾幕もあり、
どちらが攻撃しているのかわからなくなるほどに戦いは熾烈を極めていく。
一方そのころ。
ドレミーの指示に従って逃げた先には、
同じように走るプロシュートと由衣がおり互いに足を止める。
ドレミーの指示に従って逃げた先には、
同じように走るプロシュートと由衣がおり互いに足を止める。
「あの服、益子さんと同じ……」
「! 薫をしってるんデスね!」
下手人と呼ばれた堂島に聞けばいいと思っていたが、
こんなところで事情を知ってる人がいた偶然に驚きを隠せない。
一方で、由衣は薫のことを思うとどういえばいいのかと気が引ける。
ミスティによって性奴隷にされ、最後は堂島によって切り殺された彼女のことを。
こんなところで事情を知ってる人がいた偶然に驚きを隠せない。
一方で、由衣は薫のことを思うとどういえばいいのかと気が引ける。
ミスティによって性奴隷にされ、最後は堂島によって切り殺された彼女のことを。
「おたくらの連れか? あのナイトキャップの女は。」
だが幸か不幸か、そんなことを話している暇などない。
二人が戦ってる中、悠長に情報交換する前に戦うべきだ。
二人が戦ってる中、悠長に情報交換する前に戦うべきだ。
「そういうことになる。
ユイ、こいつらに氷渡してやってくれ。
それと支給品の菓子、残ってる分も使い時だからふるまっとけ。俺はいい。」
ユイ、こいつらに氷渡してやってくれ。
それと支給品の菓子、残ってる分も使い時だからふるまっとけ。俺はいい。」
「はいわかりました兄貴!」
「兄貴?」
「今度の奴にスタンドは効くかどうか、どうなることだか。」
「お手伝いしマース!」
同じように弾幕をかいくぐるものはアーナスだけではなかった。
アーナスの後方から迫ってきたエレンの一撃がヨルドとぶつかり合う。
さすがにスペルカードレベルの弾幕を使っては巻き添えはシャレにならないので中断する。
アーナスの後方から迫ってきたエレンの一撃がヨルドとぶつかり合う。
さすがにスペルカードレベルの弾幕を使っては巻き添えはシャレにならないので中断する。
「これは驚き。弾幕の中かいくぐってくるとは。」
(なんだ? さっきよりも攻撃が重い。)
相手は片腕を欠損してダメージを受けてるはず。
なのに先ほどよりも攻撃が重く、ある程度剣戟に付き合えている。
なのに先ほどよりも攻撃が重く、ある程度剣戟に付き合えている。
「エレン、俺も行くぞ!」
「了解ですマッサー!」
エレンの隙を埋めるように、政が素早くサポート。
こちらも先ほどまでと打って変わって、ある程度だがアーナスとも剣戟ができる。
こちらも先ほどまでと打って変わって、ある程度だがアーナスとも剣戟ができる。
(こいつもだ。一体何を仕込んできた?)
結衣が四人に振舞ったのはパナジェッツ。
ただのお菓子ではなく辺獄では攻撃力の上がるお菓子として、商人が売っていたお菓子の一つだ。
それをドレミー、政、エレン、ミスターLの四人が口にして攻撃力を底上げしている。
ただのお菓子ではなく辺獄では攻撃力の上がるお菓子として、商人が売っていたお菓子の一つだ。
それをドレミー、政、エレン、ミスターLの四人が口にして攻撃力を底上げしている。
「だが弱い。」
しかし刀使と違いただの人間の政の攻撃は、
底上げされていたとしても見劣りしてしまう。
数度は打ち合えたがそれで終わり。ヨルドが牙を剝く。
底上げされていたとしても見劣りしてしまう。
数度は打ち合えたがそれで終わり。ヨルドが牙を剝く。
「打神風!!」
ラジオのアンテナ、あるいは教鞭のようなものを振るいながら、風の刃を飛ばすミスターL。
飛来する風の刃は受けきれぬと察し回避に専念し、その予想通り近くの塀が両断される。
太公望が使用した宝貝は人一人ぐらいであれば両断などたやすく、その判断は正しいものだ。
思考に支障が出つつも八将神であることには変わらない。殺戮のための最適解な行動はとれる。
飛来する風の刃は受けきれぬと察し回避に専念し、その予想通り近くの塀が両断される。
太公望が使用した宝貝は人一人ぐらいであれば両断などたやすく、その判断は正しいものだ。
思考に支障が出つつも八将神であることには変わらない。殺戮のための最適解な行動はとれる。
「うげ、なんつー威力だ……悠奈が避けてた理由もわかるな。」
悠奈の遺志を継ぐ以上不殺を心掛ける。だがこれは威力の調整が難しい代物だ。
だからと言って、銃が通用しない相手にコルトパイソンを使い続けても意味は薄い。
仲間に当てるのを気を付けつつ、細心の注意を払って打神鞭を使用する。
四対一。数で言えば先の零児達と比べて少ないし、戦力も見劣りするものだ。
だが疲労度は別だ。いくら八将神が再生能力を有してると言っても、
サンダースマッシャーを筆頭に大量のダメージを受けてからの連戦では、
いくら数も質も劣っていたとしても官女にも限度というものがある。
だからと言って、銃が通用しない相手にコルトパイソンを使い続けても意味は薄い。
仲間に当てるのを気を付けつつ、細心の注意を払って打神鞭を使用する。
四対一。数で言えば先の零児達と比べて少ないし、戦力も見劣りするものだ。
だが疲労度は別だ。いくら八将神が再生能力を有してると言っても、
サンダースマッシャーを筆頭に大量のダメージを受けてからの連戦では、
いくら数も質も劣っていたとしても官女にも限度というものがある。
エレンと政の攻撃を容易く捌いても、
隙を埋めるようにドレミーが弾幕を飛ばしそれを対処し、
さらに一番受けるわけにはいかないミスターLの打神鞭の回避を優先せざるを得ない。
無論、だからと言って四人が無傷でいられるかというとまた別である。
夜の君であるアーナスの地力は別格で、ドレミーがサポートしてるとは言え、
魔剣ヨルドの攻撃を常によけられるだけの身体能力を持つのは限られる。
隙を埋めるようにドレミーが弾幕を飛ばしそれを対処し、
さらに一番受けるわけにはいかないミスターLの打神鞭の回避を優先せざるを得ない。
無論、だからと言って四人が無傷でいられるかというとまた別である。
夜の君であるアーナスの地力は別格で、ドレミーがサポートしてるとは言え、
魔剣ヨルドの攻撃を常によけられるだけの身体能力を持つのは限られる。
政が防弾チョッキで巻いていたチェーンはついに切り落とされてしまい、
服の下からじゃらじゃらと音を立てながら地面へ落ちていく。
エレンも写シでダメージをごまかしているが被弾は免れておらず、
接近戦を行わない残る二人だけが被弾を抑えられている。
ミスターLも頬に傷をつけたりと少なからずダメージを負う。
服の下からじゃらじゃらと音を立てながら地面へ落ちていく。
エレンも写シでダメージをごまかしているが被弾は免れておらず、
接近戦を行わない残る二人だけが被弾を抑えられている。
ミスターLも頬に傷をつけたりと少なからずダメージを負う。
(これだけの数でもものともしない。あれだけ動いてることを考えると、
どこかにいるプロシュートがしてるはずの老化も通用してない。
何かこの状況を打開できる方法があればいいのだけれど。)
どこかにいるプロシュートがしてるはずの老化も通用してない。
何かこの状況を打開できる方法があればいいのだけれど。)
どうしたものかとか投げていると、鳴り響く銃声。
この四人の中で銃を持ってるのはミスターLだけだが、
彼はずっと打神鞭を両手に握っているため違う。
では一体誰によるものなのか。
この四人の中で銃を持ってるのはミスターLだけだが、
彼はずっと打神鞭を両手に握っているため違う。
では一体誰によるものなのか。
「あれだけ暴れて老化してねえってことは、
テメーも同じ類ってことか……どこまでも環境が向かい風だな。」
テメーも同じ類ってことか……どこまでも環境が向かい風だな。」
いつの間にか背後に立っていたプロシュートのニューナンブの銃声だ。
銃弾は右肩を抉られ、出血とともに魔剣ヨルドを取りこぼす。
絶好のチャンス。誰もがそう思わざるを得ない状況だった。
銃弾は右肩を抉られ、出血とともに魔剣ヨルドを取りこぼす。
絶好のチャンス。誰もがそう思わざるを得ない状況だった。
プロシュートは支給品である透明マントを使い、ずっと身を潜めていた。
いつ撃つべきか、いつスタンドで直に触れるべきか虎視眈々と。
だが一向に老化現象が見受けられず、射撃の選択肢を決めて今に至る。
いかにアーナスといえども、ずっと気配を殺し見えない敵からの射撃は読めない。
いつ撃つべきか、いつスタンドで直に触れるべきか虎視眈々と。
だが一向に老化現象が見受けられず、射撃の選択肢を決めて今に至る。
いかにアーナスといえども、ずっと気配を殺し見えない敵からの射撃は読めない。
「畳みかけるぞ!」
「了解デス!」
「さすがに銃の方がよさそうだなここからは!」
政の号令で一気に攻めに入る四人。
しかしアーナスは両利きであり、ヨルドは自分の力で生み出すことが可能。
即座に左手にヨルドを構え攻めに入った四人と銃弾を豪風のように吹き飛ばす。
挟み撃ちの状態では態勢を整える余裕はないことへの証左とも言えた。
しかしアーナスは両利きであり、ヨルドは自分の力で生み出すことが可能。
即座に左手にヨルドを構え攻めに入った四人と銃弾を豪風のように吹き飛ばす。
挟み撃ちの状態では態勢を整える余裕はないことへの証左とも言えた。
「ああ、それの方が都合がいいんですよ。」
ただ一人、ドレミーだけが攻め手を変えていた。
いつのまにかアーナスの頭上高く位置取った彼女はそのまま弾幕を放つが。
いつのまにかアーナスの頭上高く位置取った彼女はそのまま弾幕を放つが。
超特急「ドリームエクスプレス」
最早弾幕と呼ぶべき速度ではない。
電車が如き高速で飛来する弾幕の塊。
弾幕の塊を避けようとするアーナスだったが、
再びプロシュートの銃撃により足を軽くかすめ、重心がずれる。
それでもと地面を蹴ったアーナスではあったが回避は間に合わず、
ドリームエクスプレスが直撃し。轟音とともに地面にクレーターを作った。
電車が如き高速で飛来する弾幕の塊。
弾幕の塊を避けようとするアーナスだったが、
再びプロシュートの銃撃により足を軽くかすめ、重心がずれる。
それでもと地面を蹴ったアーナスではあったが回避は間に合わず、
ドリームエクスプレスが直撃し。轟音とともに地面にクレーターを作った。
「お、おい……死んじゃあいねえよな?」
一番心配するのはミスターLだ。
たとえ敵であっても殺すつもりはない。
無論、ギースみたいに最悪足を奪うつもりではあるが。
たとえ敵であっても殺すつもりはない。
無論、ギースみたいに最悪足を奪うつもりではあるが。
「てめーらも不殺主義者かよ……ドレミー、どうなんだ?」
スペルカードを決めた後、
別の家屋の屋根の上へと着地しながら様子をうかがうドレミー。
別の家屋の屋根の上へと着地しながら様子をうかがうドレミー。
「……驚いたわ。あれだけの弾幕をぶつけても生きてるなんて。」
クレーターの中心を眺めてみると、
血だまりの中、まだ立ち上がろうとするアーナスの姿がある。
生きてるだけでも途轍もない生命力を有していることが伺え、
ドレミー以外のメンバーは全員その生命力に驚かされていた。
八将神の再生力を知らない彼らには知りえない情報だ。
血だまりの中、まだ立ち上がろうとするアーナスの姿がある。
生きてるだけでも途轍もない生命力を有していることが伺え、
ドレミー以外のメンバーは全員その生命力に驚かされていた。
八将神の再生力を知らない彼らには知りえない情報だ。
「で、でもあれだけの怪我ですしもう戦えないし殺す必要はないですよね!」
あれだけの傷を受けても生きてる時点でありえないレベルなのに、
呑気に何言ってんだこいつと言わんばかりに結衣を見やるプロシュート。
呑気に何言ってんだこいつと言わんばかりに結衣を見やるプロシュート。
「両足だけは撃っておくのが賢明か。」
念には念を入れる。
クレーターの中心で倒れるアーナスへ銃を向けるプロシュート。
とどめを刺すと後が面倒そうなので仕方なくの妥協といったところだ。
此処で軋轢が生じれば後に響く。だから仕方なくだ。
そう言い聞かせるように銃を構え、
クレーターの中心で倒れるアーナスへ銃を向けるプロシュート。
とどめを刺すと後が面倒そうなので仕方なくの妥協といったところだ。
此処で軋轢が生じれば後に響く。だから仕方なくだ。
そう言い聞かせるように銃を構え、
事態は急変する。
「な……」
アーナスが起き上がると同時に、
プロシュートへと一気に接近しヨルドで方から腰まで一気に袈裟斬りされていた。
血だまりにいたはず。立ち上がるのもやっとだったはず。ドレミーのスペルカードも当たったはず。
だというのにアーナスはダメージなど全くないどころか、抉ったはずの肩の傷すら消えた状態でいる。
プロシュートへと一気に接近しヨルドで方から腰まで一気に袈裟斬りされていた。
血だまりにいたはず。立ち上がるのもやっとだったはず。ドレミーのスペルカードも当たったはず。
だというのにアーナスはダメージなど全くないどころか、抉ったはずの肩の傷すら消えた状態でいる。
「バ、バカな……あれだけの傷を受けてなぜこんな……」
「あ、兄貴───ッ!!」
崩れ落ちるプロシュートがクレーターの中に見たのは赤い瓶。
何が入っていたかは不明だが、傷をいやすものだとはすぐに分かった。
エリクシール。傷を完全に癒す、文字通りアーナス最後の反則級の支給品。
八将神の再生力では追いつかないレベルの回復を、薬一本で成し遂げたのだ。
だが気づいたころにはすでに手遅れだ。アーナスは完全回復を果たしている。
疲弊した状態で勝負になっていたのに、この状態では勝負にならない。
何が入っていたかは不明だが、傷をいやすものだとはすぐに分かった。
エリクシール。傷を完全に癒す、文字通りアーナス最後の反則級の支給品。
八将神の再生力では追いつかないレベルの回復を、薬一本で成し遂げたのだ。
だが気づいたころにはすでに手遅れだ。アーナスは完全回復を果たしている。
疲弊した状態で勝負になっていたのに、この状態では勝負にならない。
「兄貴、しっかりして───」
倒れるプロシュートを前に、結衣は駆け寄ってしまう。
すぐそばにアーナスがいることに気付くのは、その一瞬だ。
すぐそばにアーナスがいることに気付くのは、その一瞬だ。
「させません!」
振り下ろされるヨルドをエレンが防ぐも、
先ほどと違い万全な状態での一撃だ。
もはやパナジェッツで強化された程度では敵にならず、
一撃で吹き飛ばされ、倒れる彼女へと地面ごと彼女の胸を貫く。
先ほどと違い万全な状態での一撃だ。
もはやパナジェッツで強化された程度では敵にならず、
一撃で吹き飛ばされ、倒れる彼女へと地面ごと彼女の胸を貫く。
「カハッ……!!」
写シが解除される際に刃が刺さっていたなどの場合、
ダメージの肩代わりされることない。故にそのまま血が噴き出す。
それを見たドレミーはすぐに周囲に支給品のけむりだまをあるだけ投げ、
周囲が大量のスモークで覆われる。
ダメージの肩代わりされることない。故にそのまま血が噴き出す。
それを見たドレミーはすぐに周囲に支給品のけむりだまをあるだけ投げ、
周囲が大量のスモークで覆われる。
「各々散開! 自己の生存を優先するように逃走してください!!」
先の疲労でギリギリ五分に持ち込めていたのに、
今の状態のアーナスではもはや戦闘にならない。
この状況にはさすがのドレミーもいつもの余裕は持てなかった。
プロシュートもエレンも、この場において見捨てざるを得ない。
それぐらいこの状況は最悪と言ってもいいものだ。
今の状態のアーナスではもはや戦闘にならない。
この状況にはさすがのドレミーもいつもの余裕は持てなかった。
プロシュートもエレンも、この場において見捨てざるを得ない。
それぐらいこの状況は最悪と言ってもいいものだ。
「畜生、また逃げるしかねえのかよ!」
悠奈の遺志を継ぐ。
その覚悟を決めたはずなのにまたも敗北と逃走。
ヒーローになるなんて簡単なものではないのは分かっていたが、
ここまで打ちのめされると精神的に来るものがあった。
その覚悟を決めたはずなのにまたも敗北と逃走。
ヒーローになるなんて簡単なものではないのは分かっていたが、
ここまで打ちのめされると精神的に来るものがあった。
「クソッ、もうどうにもならねえか!」
政も諦めざるを得ない。
不動明を正気に戻すまでは死ぬことは許されない。
此処はドレミーの言う通り、指示に従うほかなかった。
不動明を正気に戻すまでは死ぬことは許されない。
此処はドレミーの言う通り、指示に従うほかなかった。
「誰も逃がしはしない!」
エレンからヨルドを引き抜き、
空へ跳躍しようとするアーナス。
いくら視界の悪い煙幕の中でも、
上空まで飛べば相手のおおよその位置は把握できる。
しかし、エレンが上半身を起こし御刀で彼女の足を突き刺す。
空へ跳躍しようとするアーナス。
いくら視界の悪い煙幕の中でも、
上空まで飛べば相手のおおよその位置は把握できる。
しかし、エレンが上半身を起こし御刀で彼女の足を突き刺す。
「グッ……」
「ま、まだ……終わりませんヨ!」
もう写シを張ることはできない。
傷も深いし、相手はタギツヒメ並みの化け物だ。
此処で死が確定しているのは、いやでも理解させられる。
だが、それでも刀使としての矜持を忘れることはない。
血反吐を吐こうとも、相手が荒魂でなくとも命が費えるその時まで抗う。
その抵抗も、首を刎ねられたことであっけなく終わりを迎えたが。
薫の真実を知ることなく、何もかも取りこぼした刀使の生は容易く終わりを迎える。
だが時間は稼げた。煙が晴れるころには、四人の姿はすでにどこにもなかった。
傷も深いし、相手はタギツヒメ並みの化け物だ。
此処で死が確定しているのは、いやでも理解させられる。
だが、それでも刀使としての矜持を忘れることはない。
血反吐を吐こうとも、相手が荒魂でなくとも命が費えるその時まで抗う。
その抵抗も、首を刎ねられたことであっけなく終わりを迎えたが。
薫の真実を知ることなく、何もかも取りこぼした刀使の生は容易く終わりを迎える。
だが時間は稼げた。煙が晴れるころには、四人の姿はすでにどこにもなかった。
「……それで隠れたつもりか?」
ただ一人だけ除いて。
アーナスは空を切り裂くと、
透明マントで隠れていた結衣の姿がさらされる。
ニューナンブによって空いた風穴から、僅かに見え隠れする緋色の髪が見えた。
一人逃げずにいたのは単に遅い自分が逃げても追いつかれるのと、
まだ生きてるプロシュートを置いて逃げることができなかったがゆえに。
アーナスは空を切り裂くと、
透明マントで隠れていた結衣の姿がさらされる。
ニューナンブによって空いた風穴から、僅かに見え隠れする緋色の髪が見えた。
一人逃げずにいたのは単に遅い自分が逃げても追いつかれるのと、
まだ生きてるプロシュートを置いて逃げることができなかったがゆえに。
「貴様も終わりだ。」
「わ、私も、ただでは終わりません!」
落ちてたニューナンブを拾い上げ、必死に足を狙って連射する結衣。
至近距離ではあったがアーナスにとって取るに足らぬ存在だ。
すべての弾丸を刃が弾き、その勢いのまま彼女の上半身と下半身を両断する。
至近距離ではあったがアーナスにとって取るに足らぬ存在だ。
すべての弾丸を刃が弾き、その勢いのまま彼女の上半身と下半身を両断する。
「兄、貴……」
泣き別れする自分の下半身。
彼女が最期に見たのはそれだけ───ではなく。
彼女が最期に見たのはそれだけ───ではなく。
「残りは何処へ行ったか……」
仕留めるべき敵は仕留めた。
逃げた三人はバラバラに動いてるはずだ。
どこへ行こうか考えたその時、背後から物音がして振り返る。
プロシュートが血を流しながらなおも立ち上がってきた。
逃げた三人はバラバラに動いてるはずだ。
どこへ行こうか考えたその時、背後から物音がして振り返る。
プロシュートが血を流しながらなおも立ち上がってきた。
「無茶苦茶なガキだったな───だが、
その覚悟を見ちまったならよぉ~~~……俺も覚悟を見せてやるよ。
こういうのを、日本では鼬の最後っ屁って言うんだったか……?」
その覚悟を見ちまったならよぉ~~~……俺も覚悟を見せてやるよ。
こういうのを、日本では鼬の最後っ屁って言うんだったか……?」
スタンド能力は通用しない。
時間稼ぎでも、多少のダメージでも、ジャイアントキリングでも何でもいい。
死ぬまでにこいつに何かしら決めてやらないと気が済まなかった。
でなければ自分は暗殺者でありながら結衣以下ということになる。
時間稼ぎでも、多少のダメージでも、ジャイアントキリングでも何でもいい。
死ぬまでにこいつに何かしら決めてやらないと気が済まなかった。
でなければ自分は暗殺者でありながら結衣以下ということになる。
「行くぜ! ザ・グレイトフル・デッド!!」
スタンド能力は通用しない。
だが殴り合いには十分に使える。
血だらけの中無数の目のスタンドが片手の拳のラッシュを行う。
だが悲しいが彼のスタンドのスピードはE判定。しかも、
元々が老化による弱体化を前提とした戦闘である以上、
アーナスにその拳はかすりもせずただ避けられるだけだ。
だが殴り合いには十分に使える。
血だらけの中無数の目のスタンドが片手の拳のラッシュを行う。
だが悲しいが彼のスタンドのスピードはE判定。しかも、
元々が老化による弱体化を前提とした戦闘である以上、
アーナスにその拳はかすりもせずただ避けられるだけだ。
「その深手でなぜ動ける。」
「覚悟が違うんだよッ! テメーのように、
ただ殺すだけの機械のようなテメーと違ってなぁ~~~ッ!!」
ただ殺すだけの機械のようなテメーと違ってなぁ~~~ッ!!」
血をまき散らしながらもなお攻撃をやめない。
自分の後のことなどお構いなしのやけくその攻撃。
アーナスにはそうとしか見えず、冷徹にヨルドを振るう。
回避に専念するも伸びる剣の回避方法など知るはずもなし。
バッサリと腹を切られ、さらに大量の血を流す。
自分の後のことなどお構いなしのやけくその攻撃。
アーナスにはそうとしか見えず、冷徹にヨルドを振るう。
回避に専念するも伸びる剣の回避方法など知るはずもなし。
バッサリと腹を切られ、さらに大量の血を流す。
「所詮、人間だ。」
この出血。放っておいても死ぬだけだ。
そう判断したことで今度こそ三人のいずれかを追う。
そう判断したことで今度こそ三人のいずれかを追う。
「……だったら、人間の底力……知っておきやがれ。
ぶっ殺したって言い終えるまでが、勝負なんだよッ!!」
ぶっ殺したって言い終えるまでが、勝負なんだよッ!!」
腹から臓物が見えそうなぐらいの傷を受けてもなお、プロシュートは立ち続ける。
ポケットから赤い石を取り出し、それを空へと掲げる。
まだ立つプロシュートに驚きながら振り返ると同時に、
空から飛来する一人の男が視界に捉える。
ポケットから赤い石を取り出し、それを空へと掲げる。
まだ立つプロシュートに驚きながら振り返ると同時に、
空から飛来する一人の男が視界に捉える。
『吹き荒れる炎に焼かれろ! 火尖槍!』
青い鎧の男は炎をまとった槍を手に、アーナスへと襲来する。
火と風の二つの力を持つ星晶獣、ナタクの刺突による奥義火尖槍。
火と風の二つの力を持つ星晶獣、ナタクの刺突による奥義火尖槍。
「まだそんな手を───」
迫るナタクの一撃をヨルドを横に構え鬩ぎ合う。
大量の火花を散らしながら直撃を避けるべく何とか受け流す。
だがしかし、地面に槍が突き立てられると爆炎と共に地面が隆起する。
威力の強さに回避しきれるものではなく、互いにその余波を受け吹き飛ぶ。
互いに大地を転がっていき、先にアーナスが起き上がる。
大量の火花を散らしながら直撃を避けるべく何とか受け流す。
だがしかし、地面に槍が突き立てられると爆炎と共に地面が隆起する。
威力の強さに回避しきれるものではなく、互いにその余波を受け吹き飛ぶ。
互いに大地を転がっていき、先にアーナスが起き上がる。
(チッ、せっかく情報を得たってのに……此処で終わりか……)
宙を舞いながら、栄光を掴めないことを悔いるプロシュート。
ワザップジョルノによれば暗殺チームは全員死ぬことが確約している。
生きて戻れれば未来が変わったもしれないだけに、悔しく思う。
ワザップジョルノによれば暗殺チームは全員死ぬことが確約している。
生きて戻れれば未来が変わったもしれないだけに、悔しく思う。
(最後のチャンス、掴めなかった……すまねえ。)
正真正銘、最後のチャンスだったかもしれない。
それだけに生き残れなかったことが口惜しく思いながら、
アーナスが倒れていた血だまりの中へと沈んでいった。
それだけに生き残れなかったことが口惜しく思いながら、
アーナスが倒れていた血だまりの中へと沈んでいった。
「……」
倒れるプロシュートを一瞥し、
今度こそ死んだことを確認する。
戦ってみればしぶとくはあったが、なんてことはない敵に過ぎなかった。
死者となる者たちの支給品を回収し、次なる標的を探すべく走りだす。
今度こそ死んだことを確認する。
戦ってみればしぶとくはあったが、なんてことはない敵に過ぎなかった。
死者となる者たちの支給品を回収し、次なる標的を探すべく走りだす。
プロシュートが言った言葉のように、
自分が殺すだけの機械のような役割を与えられてるとは、微塵に思うことなく。
それが宿業という呪いの力である。
自分が殺すだけの機械のような役割を与えられてるとは、微塵に思うことなく。
それが宿業という呪いの力である。
【古波蔵エレン@刀使ノ巫女 死亡】
【荻原結衣@リベリオンズ Secret Game 2nd stage 死亡】
【プロシュート兄貴@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】
【荻原結衣@リベリオンズ Secret Game 2nd stage 死亡】
【プロシュート兄貴@ジョジョの奇妙な冒険 死亡】
【E-3/一日目/昼】
【アーナス(歳刑神)@よるのないくに2 ~新月の花嫁~】
[状態]:ダメージ(小)、混乱・困惑(中)魔力消耗(小)、吸血衝動(低下中)、人間への激しい憎悪?
[装備]:魔剣ヨルド、、盤古幡@封神演義
[道具]:基本支給品一式×4(自分、プロシュート、結衣、エレン)、ランダム支給品0~1(結衣の分)、氷、ニューナンブ@ひぐらしのなく頃に 業、越前康継@刀使ノ巫女、ランダム支給品0~2(エレンの分)、召喚石『ナタク』(使用不可能)@グランブルーファンタジー
[思考・状況]
基本方針:『夜の君』としての本能に従い、人間を殺していく
1:?????
2:『人間』を見つけて殺す?
3:小夜達(傘下)を利用する。
4:『人間』以外の参加者と出会えば、利用できそうなものであれば使役する。
5:リュリュ……リュリ―ティス……その名が頭から離れない……ッ!!
[備考]
※参戦時期は暴走状態の頃からとなりますが、
主催者からの改竄により「夜の君」としての理性だけは取り戻しております。
※また主催者の改竄により「大切なもの」を奪いとったものは、
「人間」であったと認識させられていたのが、本当にそうなのか、懐疑的になりました。
※人間だった頃の記憶及び半妖だった頃の記憶については、欠落から時折、フラッシュバックするようになりました。
※ディメーンとのやり取りから主催陣に懐疑的な感情が芽生えました。
※フォームチェンジは魔力と引き換えに連続して使用可能
[状態]:ダメージ(小)、混乱・困惑(中)魔力消耗(小)、吸血衝動(低下中)、人間への激しい憎悪?
[装備]:魔剣ヨルド、、盤古幡@封神演義
[道具]:基本支給品一式×4(自分、プロシュート、結衣、エレン)、ランダム支給品0~1(結衣の分)、氷、ニューナンブ@ひぐらしのなく頃に 業、越前康継@刀使ノ巫女、ランダム支給品0~2(エレンの分)、召喚石『ナタク』(使用不可能)@グランブルーファンタジー
[思考・状況]
基本方針:『夜の君』としての本能に従い、人間を殺していく
1:?????
2:『人間』を見つけて殺す?
3:小夜達(傘下)を利用する。
4:『人間』以外の参加者と出会えば、利用できそうなものであれば使役する。
5:リュリュ……リュリ―ティス……その名が頭から離れない……ッ!!
[備考]
※参戦時期は暴走状態の頃からとなりますが、
主催者からの改竄により「夜の君」としての理性だけは取り戻しております。
※また主催者の改竄により「大切なもの」を奪いとったものは、
「人間」であったと認識させられていたのが、本当にそうなのか、懐疑的になりました。
※人間だった頃の記憶及び半妖だった頃の記憶については、欠落から時折、フラッシュバックするようになりました。
※ディメーンとのやり取りから主催陣に懐疑的な感情が芽生えました。
※フォームチェンジは魔力と引き換えに連続して使用可能
【???/一日目/昼】
【ドレミー・スイート@東方project 】
[状態]:疲労(中)全身にダメージ(絶大)
[装備]:夢日記@ 東方project
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品0~5 氷
[思考・状況]
基本方針:この殺し合いと言う酔夢が導く結末を見届ける
1:逃げるしかない(襲い掛かってきた者には対処する)。
2:参加者が寝たとき、夢の世界へ介入する。
3:妖怪とは気まぐれな者ですよ。
4:アーナスへの対策の考慮、並びにあの場に居合わせたほかの方々との合流。
[備考]
※参戦時期は東方紺珠伝ED後
※メフィスとフェレスも管理者であると気付きました(何の管理者かは、まだつかめていません)
※リリア―ナの刻を止める能力を知りました。
※夢日記より
・サーヴァント達や第一部での顛末
・鬼滅の刃の鬼の体の構造
・リベリオンズの首輪の解除方法
・ギース・ハワードを知りました。
※プロシュートとの情報交換でプロシュートの世界について簡単に知りました。(スタンドの存在など)
※プロシュートのグレイトフル・デッドの能力を理解しています。
※累の父から基本・ランダム支給品を奪いました。
[状態]:疲労(中)全身にダメージ(絶大)
[装備]:夢日記@ 東方project
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品0~5 氷
[思考・状況]
基本方針:この殺し合いと言う酔夢が導く結末を見届ける
1:逃げるしかない(襲い掛かってきた者には対処する)。
2:参加者が寝たとき、夢の世界へ介入する。
3:妖怪とは気まぐれな者ですよ。
4:アーナスへの対策の考慮、並びにあの場に居合わせたほかの方々との合流。
[備考]
※参戦時期は東方紺珠伝ED後
※メフィスとフェレスも管理者であると気付きました(何の管理者かは、まだつかめていません)
※リリア―ナの刻を止める能力を知りました。
※夢日記より
・サーヴァント達や第一部での顛末
・鬼滅の刃の鬼の体の構造
・リベリオンズの首輪の解除方法
・ギース・ハワードを知りました。
※プロシュートとの情報交換でプロシュートの世界について簡単に知りました。(スタンドの存在など)
※プロシュートのグレイトフル・デッドの能力を理解しています。
※累の父から基本・ランダム支給品を奪いました。
【木刀政@デビルマン(漫画版)】
[状態]:左腕に矢傷、疲労(大)
[装備]:妖刀『星砕き』@銀魂
[道具]:基本支給品×3(自分、貴真、せつ菜)、ドス六のドス@デビルマン(ドス六の支給品)、ランダム支給品×0~1、チーターローション残り7/10@ドラえもん、コルトポケットもどき@クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝、ランダム支給品×0~1(優木せつ菜の分、武器の類)
[状態]:左腕に矢傷、疲労(大)
[装備]:妖刀『星砕き』@銀魂
[道具]:基本支給品×3(自分、貴真、せつ菜)、ドス六のドス@デビルマン(ドス六の支給品)、ランダム支給品×0~1、チーターローション残り7/10@ドラえもん、コルトポケットもどき@クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝、ランダム支給品×0~1(優木せつ菜の分、武器の類)
[思考・状況]
基本方針:不動を止める。
0:不動に一発お見舞いして目を覚まさせる。
1:修平と見知らぬ襲撃者・来夢・佐藤マサオ・針目・アーナス・日ノ元士郎に警戒する。(一部懐疑的)
2:畜生、逃げてばかりじゃねえか……!!
3:エスデス、あの女(アーナス)から逃げる。とりあえず当面の通り北だ。
[備考]
※参戦時期は死亡後。
基本方針:不動を止める。
0:不動に一発お見舞いして目を覚まさせる。
1:修平と見知らぬ襲撃者・来夢・佐藤マサオ・針目・アーナス・日ノ元士郎に警戒する。(一部懐疑的)
2:畜生、逃げてばかりじゃねえか……!!
3:エスデス、あの女(アーナス)から逃げる。とりあえず当面の通り北だ。
[備考]
※参戦時期は死亡後。
【ミスターL@スーパーペーパーマリオ】
[状態]:疲労(中)、精神ダメージ(特大)、悲しみ、修平に対する怒り
[装備]:コルトパイソン@リベリオンズSecret game 2nd Stage(予備弾数多め)、打神鞭@封神演義
[道具]:基本支給品一式×2(自分、悠奈)、基本支給品一式、ランダム支給品×1(悠奈の分)
[状態]:疲労(中)、精神ダメージ(特大)、悲しみ、修平に対する怒り
[装備]:コルトパイソン@リベリオンズSecret game 2nd Stage(予備弾数多め)、打神鞭@封神演義
[道具]:基本支給品一式×2(自分、悠奈)、基本支給品一式、ランダム支給品×1(悠奈の分)
[思考・状態]
基本方針:悠奈のバカバカしい生き方とやらで主催共を叩き潰す。
1:逃げるしかない。
2:伯爵さまを殺した奴は殺さないがとりあえずぶん殴る。
3:ヒーロー……か。
4:ユウナ! ジュネーヴ条約にジャマイカって何だったんだ……?
5:伯爵さまの遺志を継いでマネーラ、ナスタシアと共に脱出する。
6:工学だけではだめって、どうすりゃいいんだこれ。
7:一足先に侑達の所へついたが、まさかアンナがいるとはな!
8:悠奈……
9:修平の野郎は許さない。
基本方針:悠奈のバカバカしい生き方とやらで主催共を叩き潰す。
1:逃げるしかない。
2:伯爵さまを殺した奴は殺さないがとりあえずぶん殴る。
3:ヒーロー……か。
4:ユウナ! ジュネーヴ条約にジャマイカって何だったんだ……?
5:伯爵さまの遺志を継いでマネーラ、ナスタシアと共に脱出する。
6:工学だけではだめって、どうすりゃいいんだこれ。
7:一足先に侑達の所へついたが、まさかアンナがいるとはな!
8:悠奈……
9:修平の野郎は許さない。
[備考]
※参戦時期は6-2、マリオたちに敗北した直後
※悠奈からリベリオンズの世界について簡単な知識を得ました。
※名簿から伯爵さまたちが参加していることを知りました。
※悠奈から”拳銃”の脅威を知りました。
※レオーネからアカメの世界について簡単な知識を得ました。
※征史郎経由でマネーラ、ギャブロ、藤丸立香、キヨス、零、アルーシェ、夕月、ロックと関連人物の情報を得ました。
※ギャブロ、立香、侑、エレンと情報交換しました。
※立香から芦屋道満が関わってる可能性を示唆されてます。
※参戦時期は6-2、マリオたちに敗北した直後
※悠奈からリベリオンズの世界について簡単な知識を得ました。
※名簿から伯爵さまたちが参加していることを知りました。
※悠奈から”拳銃”の脅威を知りました。
※レオーネからアカメの世界について簡単な知識を得ました。
※征史郎経由でマネーラ、ギャブロ、藤丸立香、キヨス、零、アルーシェ、夕月、ロックと関連人物の情報を得ました。
※ギャブロ、立香、侑、エレンと情報交換しました。
※立香から芦屋道満が関わってる可能性を示唆されてます。
※D-4にリリアーナのデイバック(基本支給品のみ)、雪走@ONE PIECEがあります
※E-3に蛍丸@刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火、穴の空いた透明マント@ドラえもんが落ちてます
E-3にエレン、由衣、プロシュート、悠奈の死体があります。
※E-3に蛍丸@刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火、穴の空いた透明マント@ドラえもんが落ちてます
E-3にエレン、由衣、プロシュート、悠奈の死体があります。
【コウラでポン@スーパーペーパーマリオ】
ミスターLに支給。昔ノコノコが使っていたコウラ
蹴とばして敵を攻撃するのだが、サイズがどうみても作中のノコノコの数倍はでかい。謎。
時間経過で消滅する。
ミスターLに支給。昔ノコノコが使っていたコウラ
蹴とばして敵を攻撃するのだが、サイズがどうみても作中のノコノコの数倍はでかい。謎。
時間経過で消滅する。
【蛍丸@刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火】
ミスターLに支給。調査隊の一人である山城由依が使用する御刀。御刀については千鳥参照。
蛍丸は一メートル以上の大太刀なので腕力や持久力が要求される。
ミスターLに支給。調査隊の一人である山城由依が使用する御刀。御刀については千鳥参照。
蛍丸は一メートル以上の大太刀なので腕力や持久力が要求される。
【パナジェッツ@CRYSTAR -クライスタ-】
由衣に支給。カタルーニャ地方の伝統菓子だが、
辺獄においては行商人が売ってる、攻撃力が上がるお菓子。4個入り。
由衣に支給。カタルーニャ地方の伝統菓子だが、
辺獄においては行商人が売ってる、攻撃力が上がるお菓子。4個入り。
【打神鞭@封神演義】
悠奈の支給品。強弁、あるいはラジオのアンテナのような形状をしており、
風を生み出して操る能力を持つ。主にかまいたちのような真空刃として使う。
出力次第では竜巻もできるが、大きく力を消耗するので乱用はできない。
原作では改造されているが、本ロワでは改造はされてないころの打神鞭。
悠奈の支給品。強弁、あるいはラジオのアンテナのような形状をしており、
風を生み出して操る能力を持つ。主にかまいたちのような真空刃として使う。
出力次第では竜巻もできるが、大きく力を消耗するので乱用はできない。
原作では改造されているが、本ロワでは改造はされてないころの打神鞭。
【透明マント@ドラえもん】
プロシュートに支給。ひみつ道具の一つで、見た目は白いマント。
マントを被ると姿が見えなくなり、疑似的な透明人間になる。
音や気配などは消せるわけではない。
プロシュートに支給。ひみつ道具の一つで、見た目は白いマント。
マントを被ると姿が見えなくなり、疑似的な透明人間になる。
音や気配などは消せるわけではない。
【けむりだま@ポケットモンスターシリーズ】
塁の父に支給。使えば必ず戦闘から逃れるが、
本ロワでは単なる煙幕のようなもの。
塁の父に支給。使えば必ず戦闘から逃れるが、
本ロワでは単なる煙幕のようなもの。
【エリクシール@グランブルーファンタジー】
アーナスに支給。全回復するアイテム。
アーナスに支給。全回復するアイテム。
【ナタクの召喚石@グランブルーファンタジー】
プロシュートに支給。召喚石ついてはバアル参照。
空から飛来し、燃える槍『火尖槍』で突撃する。
召喚後、しばらくの間風と火の力を強化する効果がある。
プロシュートに支給。召喚石ついてはバアル参照。
空から飛来し、燃える槍『火尖槍』で突撃する。
召喚後、しばらくの間風と火の力を強化する効果がある。
| 077:プラトン 清棲あかりの弁明 | 投下順 | 079:とびっきりの最強対最強 |
| 073:双眸赫翠 | アーナス | |
| 070:JUST LIVE MORE Helheim | 木刀政 | |
| 古波蔵エレン | GAME OVER | |
| ミスターL | ||
| 058:「だからわたしは」(前編) | 荻原結衣 | GAME OVER |
| プロシュート | ||
| ドレミー・スイート |