井深大(いぶかまさる)は
広東国の外務長官であり、富士通株式会社の代表取締役社長。安田危機後の行政長官候補である。
井深大 |
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出生年月日: 1908年(明治41年)4月11日 |
イデオロギー: 企業支配 |
所属政党: 立法会 -財界派 |
広東国外務長官 |
富士通株式会社代表取締役社長 |
概要
富士通社長である彼は、
広東国の最も人ならざる部分を人として現したような存在である。東京通信工業の技術者であった彼は、富士通で頭角を現し、広東で野望を開花させた。
それでも頭の断片から離れない「
あの男」の記憶から気を逸らすかのごとく、半導体の成す無限なる可能性を追い求めている。
前史
1908年に栃木県で生まれた彼は、早稲田大学に入学し、在学中から技術者として名を馳せるようになった。
そして大東亜戦争が始まると、兵器開発に関係するようになったが、彼はそこで
盛田昭夫との運命的な出会いを果たす。
戦後、東京通信研究所を設立した後、盛田昭夫と共に東京通信工業を創業した。史実と同じ筋書きであるが、ここから運命の歯車は違えてゆく。
東京通信工業
史実では戦後復興と、それに続く高度経済成長に乗じて規模を拡大して行った東京通信工業だが、戦勝国であり財閥が健在であるこの世界に新興企業が割り込む場所などなかった。東京通信工業の業績はみるみるうちに悪化していく中、財閥系企業である富士通が買収を持ちかけてくる。
東工電が富士通に買収されることが決まり、そしてそれに盟友の盛田は反逆した。井深大は盛田昭夫と決別し、富士通信機に入社した。ここには独自技術も一般消費者の生活も関係は無い。彼は理念の代わりに卓越を求めるようになった。
富士通
富士通での生活は屈辱的だった。中間管理職の地位に当てられ、井深は積み上げてきたものが崩れたのを感じた。しかし広東でのソニー創業を目にし、盛田との因縁を終わらせるために、井深は広東に移ることを決意した。富士通の広東移転を主導し、彼は一気に出世していった。そして1959年、井深は富士通の社長となり、因縁を晴らす機会を得たのである。
井深の広東
権力闘争、確執、そのようなものを乗り越え、ゲームが始まる。そして井深が安田危機後の混乱を上手く利用できたのならば、彼は行政長官となる。
過去の邪魔な思い出をかき消すかの如く、可能性を追い求める彼は、貧困、腐敗といった理想郷には必要のないものを強制的に排斥し、広東国を超実力主義社会に作り変える。
石油危機が全てを焼き尽くすまでは。
和解
そして元の位置に戻る
20年ぶりかな?最後にこうして座ってから。
・・・・・・そうだな
20年だよ。君は20年もの間ふんぞりかえって、他の誰も気にしてなかったのに、突然人間性を取り戻すなんてね。都合がいいことだ。頭を下げて許しが得られることを願っていますよ閣下、なぜなら私は何もしてあげられないのだから。
俺は許しや和解を求めに来たのではない。ただ、胸にしまっておきたいことがある。それだけだ。
それは何だい?
俺は・・・・・・ひどいことをしたんだ、昭夫。何度も何度も間違いを犯した。ただでさえ疲弊して骸骨のようになっている市場の脂肪を、切り落とそうとし続けた。労働者から搾取し続けた。なぜなら彼らの待遇がどのようなものだったか知る気になれなかったからだ。このことを許してくれとは言わないし、許せるとも思っていない。ただ俺はもう一度機会をつかみたいということを君が理解できることを願ってる。自分自身にも、広東にも与えなかった機会をだ。
もう遅すぎるとは思わないのか?
・・・・・・
井深、外を見てみな、あの人たちを。20年間彼らが君の耳に叫んできたのに、君は耳を貸さなかったんだ。そして今、君のせいで彼らは泣きながら、祈りながら、眠れぬ夜を徹して、自分たちに与えられた未来をどうしたらいいのか嘆いているぞ。そして君は、君がこれまでしてきたすべてのことにもかかわらず、彼らがそれを評価してくれると思うのか?
・・・・・・どうだろう。
神よ。本当に、本当に分からないんだ。
石油危機で全てを失いかけ、ついに自らの行いを理解する。失っていた視野を取り戻し、そして一度全てを失ってしまった、いや、それだけでは無く、彼自身が全てを失わせた友人に和解を求めるのだ。そして井深大は過去と和解し、元いた場所に帰ることとなる。
ホップステップで踊ろうか、世界の隅っこでワン・ツー
固執
夢ありて儚く
広東国民の皆様。
ニュースでは既にお伝えしたと思いますが、私は今日、皆さんと共に築き上げたこの国の行政長官として、また舵取り役として、我々の前に横たわっている最も厳しい現実を発表いたします。
私どもは、これまでと同じように孤独です。我が国の革新者たちや、優秀な頭脳、すべての人たち・・・・・・つまり私どもはこの世に自分たちの価値を証明するために、ありとあらゆることをしてきましたが、それを証明するために何を示さなければならないのでしょうか。何もないことが明らかになりました。中国は、簡単に言えば、我々の頭を杭に突き刺すことを望んでおります。満洲は空想の泡の中で至福の時を過ごしていおります。私どもの愛する本土でさえ、近視眼的な行動と不健全な判断によって何度も何度も失望をもたらしているにすぎません。
戦争、それも大陸の半分もの規模の戦争は、我々の大切なものすべてに破滅しかもたらさないでしょう。そしてそのことさえも、北や海の向こうにいる私どもの友人たちは分からなくなってしまったようであります。このように、我々の目の前には真実が広がっております。その真実とは、広東は孤独であり、その合理性と悟性において唯一であり、そしてそれは少なくとも今後10年間はそうであり続けるだろうことです。我々が作るわけでない将来において。
そして、そろそろそれを受け入れるべき時だと思うのです。
すべての希望をお捨てなさい。外の世界に対する期待もすべてお捨てなさい。混血児たちが何をしようと勝手ですが、皆さんは全てを手に入れたのですから、信じるべきは皆さま自身であります。たとえこの星の残りが地獄に落ちようとも、もう我々には関係ないのです。この世に残されたのは、自分たちの手と、自分たちの夢と、富士通が切り開いてくれた、自分たちの輝く揺るぎない道だけなのであります。我々は永遠に、我々のために、そして我々だけのために歩み続けるのです。
なぜなら、彼らによりより未来は相応しくないのですから。
我々には相応しい。
おやすみなさい。
そして俺は迷いなく、これから起こることに向かって出発した。
井深は石油危機に焼かれる広東を目にし、ついに現実を見ることをやめた。彼にあるのは未来だけ。盛田昭夫なんてもってのほかである。そして井深大は未来に固執し、過去に別れを告げるのだ。
理想郷の下手な模倣
過去の亡骸が横たわっている。
最終更新:2024年11月10日 21:04