広東国(かんとんこく、中国語:廣東國、英語:State of Guangdong)は、第二次世界大戦後に中華民国から切り離され、日本資本主義、とりわけ財閥の無秩序な遊び場となるためだけに作られた人工国家である。日本資本主義の属国としての広東国は、中国南部に位置し、旧広東省の大部分を占めている。北と東に中華民国、南に南シナ海を超えて大日本帝国、西に広西省と国境を接している。

広東国                      
*1
略称:      広東
首都:      広州
行政長官:    鈴木貞一
与党:      広東民政府
イデオロギー:  企業国家主義
経済体制:    企業寡占
建国:      1950年    広東議定書




概要


大東亜共栄圏の版図に目を向けると、中央に人為的で不自然な国家を見つけることができるだろう。それが広東国である。1950年の広東議定書によって中華民国から切り出された広東国は、歴史上類を見ない実験的な国家だ。大日本帝国がアジアで征服した他の国々が、その最も人工的な形態である満洲帝国でさえも、共栄圏の汎アジア主義の理想に貢献している中で、広東だけがソニー、松下、富士通、安田の四大企業の気まぐれの下で、純粋に利益のみを追求している。東京の怠慢と財閥の無謀な野心によって、広東国は共栄圏の中で、むき出しの欲望と利益追求のために障壁となるあらゆるしがらみを取り払った場所となった。しかし、世界で唯一の無制限資本主義の牙城では、すべてが順調というわけではない。

広東の三珠(広州、香港、澳門)の工場では、華人が休む暇もなく働いている。広東国の経済発展に奉仕し、その恩恵を受けている中産階級である珠人(高学歴のホワイトカラーで、日本語を流暢に話す中国人)は、華人からは漢奸として非難され、和人からは便利な道具として見られている。犯罪と汚職は蔓延しており、三合会とヤクザは広東国の地下に広がる悪行の根を支配しようと争っている。広東では、犯罪は異常というより、単に商売の手段のひとつであり、日常的に恩恵と負債を与え合うものに過ぎない。

国際的に見れば、広東国は単に国としての体裁を整えているに過ぎない。中国は自国の立場を堅持し、広東国に平等な地位を認めることを拒否する。日本の関心はとうに広東からは遠ざかっている。中国であろうと日本であろうと、広東国という茶番じみた国家を共栄圏の腫れ物としか考えていない。汎アジア主義の実験の元祖である満洲帝国は、依然として共栄圏の至宝であり、貧しい中国と成り上がり者の広東を同様に見下している。広東国は、精神的にも形態的にも、国家を持たない国なのだ。鈴木禎一行政長官が広東国と広東企業を日本の支配下に戻すという困難な役目をこなす中、広東国の人々と企業家たちは、生きた国家としての広東と、その未来を切望している。

歴史


広東国の歴史は、岸信介の計画で、1950年広東議定書で中国から切り離されたことにより始まった。
弱体な中国の領土を切り取ったこの鋭利な刃は、皮肉なことに計画者であった岸信介の政治生命をも切り刻んでしまったが、それでもここに広東国は国家として残った。
失敗の産物として宙ぶらりんとなった広東は、財閥の遊び場として発展を遂げることとなる。

登場人物の前史については各個人のページを参照していただきたい。

四大企業


安田財閥



地方本部長:松沢卓二

安田財閥は広東最大の企業であるが、それは安田の一側面に過ぎない。安田は日本随一の金融財閥として、共栄圏中に名を轟かせている。その資金が広東国の力の源となり、鈴木貞一政権を支えているのである。

富士通株式会社



社長:井深大

アイデアが重要なのではない。一つのアイデアをどうやって、具体的にしていくかが重要。
~井深大~

富士通株式会社(ふじつう、英: Fujitsu Limited)は広東国の情報通信機器メーカーである。日本の財閥系電機メーカーであった富士通信機は、井深大の力で広東の四大企業へと姿を変えた。今日の富士通は「可能性は無限(THE POSSIBILITIES ARE INFINITE)」という標語の元、半導体の卓越性を証明するための力として井深の手足となっている。

松下電器産業株式会社



社長:松下正治

私は会社と共に生きなければならないという宿命を背負っている。
~松下正治~

松下電器産業株式会社(まつしたでんきさんぎょう、英語:Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.)は大阪に本社を置く日本の家電メーカーである。創業者の松下幸之助により、たった一代で築き上げられた企業帝国は、非財閥系企業であるにも関わらず莫大な富を築き上げた。松下正治はこの帝国の広東における代理人として、そして父親に認められるために、この広東の地を松下の牙城とすることを目論んでいる。

ソニー株式会社



社長:盛田昭夫

私は独裁者ではありませんし、なろうとも思いません。
~盛田昭夫~

ソニー株式会社(ソニー、英語:Sony Corporation)は1954年に設立された広東国の映像・音響機器メーカー、広東政界における珠人の代理役、そして盛田昭夫二度目の事業である。東京通信工業の買収後、死にかけていた盛田が広東で起こした新たな人生は、珠人と、ソニー株式会社にあった。TR-56を初めとする手頃な価格のソニー製ラジオは、共栄圏の市場を席巻している。

五大企業


株式会社日立製作所



社長:駒井健一郎

企業としての方針や哲学が確定していない企業は、経営陣の考えバラバラで
~駒井健一郎~

株式会社日立製作所(ひたちせいさくしょ、英語:Hitachi, Ltd.)は、日産財閥のエレクトロニクス部門子会社である。日立は満州国とその奴隷労働力に支えられ、満州国の手下として広東に営業を及ぼしている。
日立の最高経営責任者(C E O)である駒井健一郎は、広東国にとって馴染み深い人物であると同時に異質な人物でもある。技術至上主義的性質は一致するが、広東国の自由奔放な資本主義とは相反する完全な統制と国家介入への傾倒が融合している。多くの人にとって駒井は、国家に総動員された暗黒の時代を思い出させる存在であり、広東に取り憑いた満州の工作員なのだ。

長江実業集団株式会社



社長:李嘉誠

長江実業集団株式会社(ちょうこうじつぎょうしゅうだん、英語:(Cheung Kong Holdings Limited)は広東国の企業。立法会における珠人の代表者である。ソニー退社後の李嘉誠によって設立された。スーパーマーケット、薬局、卸売業者、映画などを提供し、広東国における貧しい珠人と華人の生活基盤を支えている。安田危機後の広東において無視することのできない存在である。

三大民族


和人


経営者、起業家、技術者。この種の人々は広東の主であり、経済と政治を支配する教育を受けた上層階級である。三珠に集中して暮らすこれらの人々(およびその家族)は、人数に比べて大きな政治的影響力を行使している。広東の経済を停滞させないためには、和人の支援が不可欠なのだ。

珠人


広東と日本の混合文化の通称である珠人は、羨望と憤りの対象である。教養があり、広東語と日本語の双方に堪能な珠人は、広東の個性が危機的状況にある中、広東に必要不可欠な専門職と官僚の階級として台頭してきた。広東の未来像が浮かんできたのだ。

華人


中国はもはやこの地を支配していないとはいえ、人々はそう簡単には故郷から離れられない。広東全域、特に都市部以外においては中華系民族が人口の圧倒多数を占めており広東の工場で肉体労働者として働いている。和人や珠人の下で下層階級として生きる華人の姿は、広東のありたい姿ではなく、ありのままの姿を映し出している。

政治


行政長官:   鈴木貞一 政務長官:   松沢卓二 外務長官:   井深大
財務長官:   松下正治 憲兵隊司令官: 宮崎清隆

広東民政府

立法会とは、理論上、行政長官が任命する非政治的な諮問機関であり、広東民政府という統一された政治組織の一部として、彼らの行動に助言と正当性を与えるものである。しかし、実際には、立法会が企業の利益に取り込まれているため、派閥争いが日常茶飯事となっている。鈴木行政長官の未来像に忠実で、金権よりも国家の特権を重視する人々は、立法会における民政の執行者と見なされる。(ファシズム)

多くのものはカネで買える。鋼鉄の塔、金色の都市、臆病者の忠誠心などもだ。だが暴力、つまり国家を独占することはできない。少なくとも、今のところは。

この政体において、企業資本は他の国々で許容される範囲を遥かに超えた影響力を保持しているとは言え、国はその権限を維持している。法人とその手足はあらゆる場所にいて、彼らの意向を無視することなどはできないが、その要求や陰謀も最終的には一つの暴力装置の気まぐれや欲求に従うこととなる。経済や社会生活が民間企業に支配されているとはいえども、国家の政治的方向性についてはある単一存在の強力な手に委ねられており、少数の利益以上の、より大きな目的のためにある者を動かすことが出来る。ここでは、労働と資本の両方がより上位のものによる構想に含まれているといえよう。

企業保護領

GDP成長率増大:7.5%

経済圏指導国へのGDP補正:7.5%

広東国は国家というより、巨大な企業の遊び場である。広東国の主な目的は、国内の電子財閥のために貿易と安価な生産を促進することで、彼らは広東国立法会の代表として明確な政治的影響力を行使している。国全体、特に都市部では、貿易に関する法律や規制はほとんどない。無限に広がる搾取工場は、企業の象徴であり、この不自然な仕組みから最も利益を得ているのは企業ではなく日本であることを忘れさせるほど大規模に出現しているのだ。

国民精神


日本の事実上の経済的付属物としての名目上の独立国家で
ある広東は、地政学的な事故だーーその結果、国民も政府
もアイデンティティの危機に苦しんでいる。華人が大多数
を占め、少数の和人が支配している。そして、10年以上の
植民地支配を経て、少数の和風広東人(ただし増加中)が
存在する。しかし、広東人は政治的概念としての広東にほ
とんど愛着がないーーしかし、南京や東京の意向に従おう
とはしない。

広東は2つの世界の狭間にあり、2つの文化から生まれ、ど
ちらにも受け入れられていない。広東がどうなるかは、中
国と日本が別々の道を歩むことになっても、時間だけが教
えてくれるだろう。
安定度:-20.00%
戦争協力度:-20.00%
日毎の政治力獲得:-0.10%
舞台の訓練・解体、師団編成の編集ができない
2つの世界の狭間
歴史的な傾向として政府の小型化、つまり貧弱化が進んで
いる。大量の金融取引、緩やかな監視などが、広東政府を
汚職と賄賂の温床に変えてしまった。「お茶代」を受け取
る誘惑はありふれている。そして、指令の処理を確実に行
うためにひと手間と資金を必要とするため、政府の業務が
はるかに困難にさせている。
日毎の政治力獲得:+0.90%
実質GDPへの影響:-0.25%
中華民国の意向の上限:-5.00%
汚職文化ー金で手に入る最高級品
広東が設立されて以来、憲兵隊は治安維持や情報収集の面
で大きな役割を担ってきた――広東の小規模で資金力の乏
しい地方警察をしのぐこともある。広東警察は、日本軍駐
屯地とその情報機関を補助する見せかけだけの存在に過ぎ
ないという見方が地元には多い。広東では、生活のほぼす
べての側面に浸透している明確な民族的ヒエラルキーの執
行者だ。
珠人/華人の政府への支持上限:-20.00%
中華民国の評価上限:-30.00%
警察の州の影響力上限:-60.00%
普及した憲兵網
「行政長官は広東の金をうまく管理してるんでしょうね。
最も見事な作品です。広東以外に金を入れたいところはな
いですな」広東の財務健全性を問われた一般投資家の口か
らは、このような賛辞が飛び出した。

財政状態は健全だ。債務水準は抑制され、経費は安定して
おり、物事は全体として順調だ。
インフレ率:-0.250%
政治力獲得:+15.00
信用格付:8.00
財務健全性ー健全

各種法律



広東基本法第二条


広東国樹立の一環として、有力な協力者、財界の利害関係者、日本人行政官などを、行政長官や広東民政府に助言を行う正式な機関として、立法会に「招待」したのだ。実際には、企業の利害関係者に賄賂や便宜供与を与え、立法会を通して代理の支配を行っている。これにより、東京の後ろ盾があろうとも立法会の同意がなければ何もできない行政長官との間に、不安定な関係が生まれている。

広東国勢調査法


1951年、1956年、1961年と、連続して国勢調査が実施された。1956年国勢調査以降は、広東国が「信頼できる」と判断した公務員や登録事業主を「珠人」と位置づけ、職業資料をもとに追跡調査を行っている。

広東・日本地位協定


大日本帝国と広東国の間で結ばれた1952年地位協定において、広東に駐留する大日本帝国陸軍師団の任務は概説されている。公式には駐留軍としての役割のみであり、法的には情報提供や国内執行の権限はない。だが、地方の広東警察の孕む欠陥と帝国陸軍の防諜機構の組織的な惰性により、憲兵隊は広東の治安維持において大きな影響力を持っている。

労働基準法


広東国が成立するまでの過程において、日本の法規範を模倣する一環として労働基準法を導入したかま、そもそも広東国が企業植民地主義の実験場という存在意義が大前提となっているため、その規制は同じ共栄圏内にある同様の法規制と比べて著しく弱いものであり、1962年にはほとんど意味のないものへと変質してしまった。

GUI


広東立法会



  ソニー   10議席
  松下    20議席
  富士通   15議席
  安田    25議席
  鈴木政権  30議席

広東の企業国家の中には、日本やイギリスの民主議会のようなものが存在する。しかし、その議席は選挙で選ばれるものではなく、広東で最も重要な実業家100人で構成されている。広東で行われる政策や将来の方向性を決定づける。法案に投票するのは、こうした実業家たちなのだ。実業家たちは最も儲かるところに集まる。彼らの票と忠誠は広東の主要企業の社長たちが通貨として交換するものであり、場合によっては買収によって議会の力関係が変化してしまうこともある。

行政長官が立法会に法案を提出し、50議席が支持すれば施行される。だが、実業家は企業に忠誠を誓っているわけではない。広東の法案において、投票期間は通常30日間だが、特殊な場合には例外が発生することもある。通常、 法案は変更を加えなければ施行できず、より多くの支持を求めるために他の派閥が提案する修正案が必要となるかもしれない。ただし、どの法案にも5回以上の修正を加えることはできない。議決が終了すると、その法案は法案履歴に保存され、広東立法会の歴史を記録するためにそこに留まることとなる。

+ ...
1961年投資法
警察補強法
労働者更正法
契約調停法
改正銀行法
1961年都市計画法
農村再移住法
地域支援法

広東の勢力


中国本土と南シナ海の間に位置する広東は、人工的な文化と特徴を持つ人工国家だ。この中国と日本の文化が混在する坩堝の中には、華人、珠人、和人の三大民族が存在している。各州の民族には、政府に対しそれぞれ支持率がある。これらの民族は広東化された社会へと続く階段を登っている最中であり、その支持の有無が広東国の財政と安定を左右する。

三珠の都市の喧騒の中では想像もつかないが、広東は日本と中国社会からはみ出した犯罪者である、中国の三合会や日本のヤクザの重要な避難所にもなっている。我々自身の警察部隊だけでは、これらの勢力が国を蹂躙し、アヘン窟へ変えてしまうのを阻止することはできない。だが、これらの勢力に対する取り締まりを援助する人々もまた、取り締まられる側以上ではないにせよ、同じくらい凶暴で腐敗している。暴力と武力で民衆を服従させる、日本の憲兵隊のことだ。ある勢力が各州を、そして広東の大部分を支配するかどうかで、広東の様々な層の支持、華人と和人の政府に対する支持、そして我々の社会の腐敗の程度に大きな影響を与えることとなる。

広東警察


広東警察は、「栄誉・義務・忠誠」のどれも実践していない者たちの記章を身に着け、立法会の武力として管轄内のあらゆる問題に対処している。大物たちの言葉があらゆる街角とアヘン窟で法として順守されることを保障する警察官は、あらゆる市民の安全が常に守られることを保障する存在でもある。必要があれば、自ら行動もする。だが、広東警察は鉄の籠手のように、不格好で、扱いにくく、錆だらけとなっている。警察の優位が法と秩序を伴うものであることは事実だ。だが同時に、私腹を肥やし、笑えるような監視を行うならず者たちの優位でもあるのである。

憲兵隊


広東は独立国であるが、憲兵隊は国民が忠誠を誓うべき相手を思い出させてくれる存在だ。そのやり方は卑劣であるが、業務は効率的だ。この秘密警察は駐屯地から広東を監視し、異常な気配があればすぐに出動できるようにしている。立法会にとってさらに重要なのは、憲兵隊が天皇の支出で運営されていることだ。これ以上に優れた、また安上がりな警察組織はないと東京のおべっか使いは言う。だが不思議なことに、今、国民は憲兵隊を恐れている。国民から嫌われるようになったらどうする?

三合会


華人なら和勝和、新義安、水房幫の3つの組織の名前を知らない者はいないだろう。中国王朝に存在した「秘密結社」が元となった三合會は一握りの麻薬と鉛玉で広東の裏社会を支配している。彼らの地位は広東国が設立されて以来予測通り大きくなって行き、華人の下層階級に大きな影響力を持つようになった。広東国ではこの新たな権力者に対し多大な犠牲を払って抑制するのは無く迎え入れる声が強くなってきており、北の隣人に対し用心している者達にとってはこの行動を警戒を抱いている。

ヤクザ


ヤクザと言う1つの単語に対して3つの答えが返って来る。ヤクザ自身と彼らを擁護する者からすれば、任侠団体、または自らの贅沢を貧しい仲間と分かち合う現代の高貴な大陸浪人と答えるだろう。一方、華人と珠人からすればヤクザは死体や阿片をそこら中にばら撒いていく指の無いゴロツキ集団だと答える。立法会はヤクザを単に問題児としか扱ってないが、一部の富裕層の人間はヤクザを重要な顧客として最優先に取引をする者もいる。

広東の三悪


広東国の食物連鎖の頂点に行政長官であろうとも、考え出した計画を狂わせるものが3つある。行政長官の直接の支配下にない2つと、広東のあらゆるものに蔓延る、形なくとも確かに存在する1つだ。

まず、広東の安全を支える存在であり、最大の出資者である大日本帝国がある。行政長官は皇国の不興を買い、嫉妬深い同胞から攻撃を受けないようにするため、期待に応えなければならない。そして、中華民国は、南部の省を切り離されて作られた「国家」である広東を決して高く評価していない。民国が企業や行政長官の生活を困難にする方法を知っていることは確かだ。

そしてその先では、あらゆる隙間に汚職が染み込み、悪徳と無関心で政府の歯車を固着させているのだ。それが円を崇拝する国の宿命だと言われようとも、汚職に手を出すことを喜ぶ者はいない。魂を腐らせ、仕事を粗雑にし、利益を圧迫する。

製品周期


広東の企業群を互いの首を獲りあう獰猛な戦士に例えるとすれば、毎年の製品発表会は企業の決闘の場所であり、自慢の電子機器は致命的な一撃を与えるための鋭い刀だと言える。

最先端の製品で立法会を唸らせる道というのは、複雑に入り組んでいる。ひとつひとつの製品の発売を成功させるためには製品管理と広告という2つの要素は欠かせない。製品の品質は、我々の活動に対する投資家の信頼へとつながり、十分な宣伝効果によって対象とする市場だけでなく、潜在的な市場からも消費者の関心を集めることができる。

広東が経済的な影響を維持し、大東亜共栄圏の国際的な影響力に対し、ソフトとハードの両面から貢献するためには地道に発売を成功させ続ける必要とされる。たとえ、製品の製造ラインが休眠状態であったとしても技術開発は止まらない――三珠の優秀な技術者や研究者は、製品を完璧に発売し国家機構を最適化するために日々努力を重ねなければならない。

製品周期は通常100日であり、発売後はその製品の品質と人気の両方がどの程度であるかに応じて、資本の荒波の中で試されることとなる。品質が高くて人気のある製品を発売すれば、親会社の政治的影響力は急激に高まり、逆に粗悪な製品を発売すれば、すべてが崩れ落ちてしまうかもしれない・・・・・・

製品試驗隊


行政長官には構想がある。広東が近代的軍事兵器開発の分野における先駆者となる、という構想だ。

より優れた、より収益性の高い製品を作るために必要とされる試験情報を収集する。その日標のため、製品開発実証試験隊の現地部門は、共栄圏を支援するために紛争へと展開しながらさまざまな目的を達成しなければならない。

危機が終結した時、あるいは試験班が撤退した時にこれらの目標が達成されていればいるほど、最終製品の品質が高くなり、計画を売り込んだ際の収益性も高くなる。

万が一、戦闘で多くの試作装備が失われた場合にも、時間と費用はかかるものの追加製造が可能である。

珠江の奇跡


広東国は中華民国から、ある明確な目的をもって切り離され、建国された。日本の科学技術の優位性を生かし、大東亜共栄圏と東京の投資家との双方に利益をもたらす富を生み出すことだ。だが、東京証券取引所から毎日、広東の経済動向を分析している何千人もの投資家が求めているものは、投資に対する見返りである。

毎年、広東の経済動向は純GDPによって評価され、前年に設定した経済成長の目標に到達しているかどうかを確認される。国はその正当性の多くをこれらの評価から得ているため、評価は立法会の議員構成、日本の支持、広東の人口動態などに大きく関連している。

最終的な広東の目標は、新京に本部を置く日本のお気に入りの臣下を追い抜かすことだ。満洲帝国より大規模な経済を管理することが大きな目標なのである。

成長と生の経済生産量が最も重要であることに変わりはないが、貸借対照表を安定させることは、投資家の信頼を維持することに等しいとも言える。債務対GDP比率が急上昇すれば、信用格付けは下げられ、日本はさらに不機嫌となり、政治資本は減少し、広東市場の信用は低下し、インフレは進行することとなる。そのため、支出と負債を制御することは、珠江の奇跡を維持し続けるために非常に重要なのである。

鈴木の後継者


次期行政長官


鈴木の失踪と安田の失脚により、松沢卓二が行政長官となった。それは、広東の三大財閥が突きつけた毒杯である。盛田昭夫、井深大、松下正治の3人は、ほとぼりが冷めたとき、後任の行政長官の座に自分が選ばれる可能性が高く、松沢の後継者争いはすでに始まっていることを知っているのだ。それぞれが松沢の執行部の一翼を担い、松沢の決断が重要な立法会の指名を受けるかどうかを決めることになる・・・・・

安田の競売


・・・・・・そして、安田自体はどうなる?経済危機に見舞われた安田は、債権者への返済のため、残された資産を競売にかける予定だ。広東政府にとっては、手数料だけでも貴重な収入源となり、大企業にとっては、競争相手の死骸を安く手に入れる前代未聞の機会である。適正価格であろうとなかろうと、安田財閥の大株主、それも安田に見捨てられた立法会議員の忠誠心を手に入れる者が現れるのである。

日立の増大する影響力


満州からの侵略者、駒井健一郎と日立がついに行動を起こした。立法会での影響力を用いて、広東にてクーデターを行おうとしているのである。35日毎に増える日立の影響力を抑えつつ、クーデターの試みを阻止しなくてはならない。

半導体三角地帯の石油危機


さらに10年、珠江で新たな災難だ。

広東暴動

詳細は「広東暴動

二十年の抑圧。民族間緊張の高騰。弱者の搾取の上に築かれた社会。暴徒達は広東国でこういった状況に直面してきた。そして、これらの状況に終止符を打つことが彼らの要求していることである。

汎亜細亜的な企業実験を破壊する試みにおいて、華人は華人労工委員会の名の下に団結している。一方で、珠人は広東工商連合会の下立ち上がっている。彼らの行動の過激さは、強度と急進性に依存する。この二重螺旋が手に負えなくなれば、この国に何が起こるか知る由もない。

行政長官が広東国を守りたいならば、二つの組織を支配下に置かねばならない。方法は二つある。武力か交渉か、だ。どちらを選ぶにせよ、国は組織の強度と急進性を十分に抑えなければならない。しかし、時間は限られている。非合理的になっていき、立法会はますます死物狂いで 日本の不満は増大していく。広東の通りが燃え続ける限りは。

半導体の成す悪夢


+ ...
広東の半導体の成す夢はただの夢であった

帝国陸軍のクーデター


広東軍政総監                   
*2
首都:      広州
司令官:     永野茂門
与党:      大日本帝国陸軍 -戒厳令
イデオロギー:  超軍国主義


広東は日本人によってつくられ、その終焉を迎えている。

かつては企業の箱形自動車や日雇い労働者が通りを走っていたが、今では主要な交差点には戦車と兵士が見張りについている。路地裏から銃声が断続的に鳴り響き、最後の暴徒が処刑されても、側溝の血はほとんど乾いていない。中国政府が日本の強引な介入を憤り、日本が革命に必要な行動と弁明する間にも、軍の統制に直面して人口は減少していく。言葉が通じないなら、国境に陣取る兵隊に言わせればいいのだ。

時は1973年、広東は歴史に名を刻んだ。その存在理由ではなく、その破壊という無残な姿に。

そして新秩序に黄昏が訪れた・・・・・・


広東の物語は幕を閉じた
最終更新:2024年10月10日 19:20