「私が、そちらを指向しているように見えますか」
『見えるとも。
神戸あさひ少年の件など、君が私を意識して動いていたことは明らかだ。
であれば、悪(ヴィラン)である私を打倒するためには、正義(ヒーロー)の側に回るのが妥当。
また、君の生前を察するに、より苛烈で悪どい手段は使い慣れていただろうに、それを奮っていない。
理由には、どうしようもない事情もあったのだろう。
初期配置が283プロダクションという人質の温床地であった為に、守勢を取らざるをえなかったとか。
同盟を結びたい穏健な主従を敵に回すようなことをしたくなかっただとか。
だが根本的な理由は、最初に挙げたそれを達成するためで、マスターもおそらく善人であったからだ』
やっていることがそのように見えることは、否定しない。
『名犯罪者は名探偵に成り得るのが持論だと言ったね。だが、英雄(ヒーロー)に成り得るかどうかは別だ。
君の方向性は善なのだろうが、属性(アライメント)は≪混沌・悪≫なのだろう。
他人から後ろ指を刺されようとも自分のしたい善行を、悪行を以って行う者だ。
いつか業を抱えきれなくなり自滅するリスクをはらんでいる』
シャーロック・ホームズ。
世界最高の探偵にして、世界唯一の顧問探偵。
そして、小説界においては、初めてフィクション作品のキャラクターとして人気を博した、キャラクターとしての『ヒーロー』の祖とも言われている。
アメリカンコミックもいまだプラチナ・エイジであり、映画などもなかった時代の、市民にとってもっとも身近な拠り所であり象徴ヒーロー。
そういう者は、この世界には存在しない、なろうとしてもなれないものだと告げる。
『忠告をするようなお節介は持たないが、同業者として混同されるのも厄介なのでね。
私も似たような奴だとよそから誤解を招くよりは、ここで言っておいた方がwin-winだろうと思ったわけだ。
君は≪彼≫にはなれないのだろう、と』
べつだん煽っているわけでもない。
怒りの表明ではなく、かといって愉悦でもなく、ただ現実の宣告として老教授は告げた。
それを受けた若い教授は、いったん言葉のすべてを咀嚼するように沈黙して。
ふぅと、予備動作のようにひとたび息を吐いて。
「それはその通りでしょう」
誰もが知ってる公式を今更のように説かれて、さらりと受け流すように、あまりにも淡泊に。
あまりにもあっさりし過ぎた同意が、一切の嘘はないと示している。
『うん?』
「しかし、マスターの性格をマイナスと受け取られるのはいただけない。
なにもここでマスター自慢をするつもりはありませんが、『そう思っているのは貴方だけだ』とは断言します」
静かな声の延長のまま、静かな怒りを言葉に換えて言い切る。
知っている。
彼女がいることで、己が生前のような強硬手段を、悪辣の徒を称する機会を何度か失っていることは。
だが同時に、それらを繰り返したことで生前は自壊寸前に陥ったことも自覚している。
もし、彼女がアサシンを『犯罪卿』であったままに使おうとするマスターであったならば。
いかにも意気投合した風を装って、それに頷いていたかもしれない。
予選で幾らかのサーヴァントを狩り取れてはいたかもしれない。
だが、己は生前と同じように心を殺した、ただの道具に成り下がっていただろう。
彼女の甘さは、しがない反英霊の心を守ってくれた。
そういう存在が生きていける時代になったことを、美しいと思えた。
そういうマスターでなかったら、何も始まっていないのだ。
自分しか頼れる者がいないなら、支えになってやりたい。
自分がいなくても、歩けるようになってほしい。
相反するふたつの願い。
彼女の現在と未来に向けたそれぞれへの祈りは、どっちも嘘じゃない。
「そしてもう一つ。私が善を為そうとしているように見えたのなら、それは私がそうなろうとした結果ではない。
私もあなたと同じように、教え導くことが嫌いではないというだけのこと。
そしてあなたとは違って、あなたと逆の指向に光を見る者だったということです」
この男が悪の教授であったように、己もまた教師であり、仕掛人(
プロデューサー)だった。
ただ、見守っていたのが悪人ではないというだけ。
一方で、お前はホームズにはなれないという断言。
もしもそれが、煽りや嘲りの意味で使われていれば、それは間違いなく逆鱗のひとつだっただろう。
そんな風に『ホームズを』馬鹿にするなと。
なぜなら彼は、彼自身を引き合いにだして友人を下に見られることに、決して良い思いをしないのだから。
おそらく、Mにとってのホームズはそういう関係ではないからこその発言だと理解していても、どうにも歯がゆかった。
「私は、彼のようになりたいなんて思ったりはしませんよ」
それ以上は、言葉にしなかったが。
――僕は、彼のようになりたいのではなく、彼と共にありたいのだから。
願ったのは共に生きる事。
それ以上でもそれ以下でもない。
その上で、憧れ、競争心、隔絶感のどれもがあったことは否定しない。
だが、二人の間にあるものはそれらを圧倒的に上回る敬愛であり親愛だ。
≪犯罪卿≫など及びもつかない彼の美点をよく知っている自分が、彼に成り代わりたいなどと考えるものか。
「私達は過去(サーヴァント)です。未来は今を生きるマスターが作るもの。
仮に善人の集団を率いているようにでも見えたのだとすれば、後進の道を拓きたい以上の意味があるでしょうか」
いや、その理屈だとHも過去の者になるのだろうけど、少なくとも導き手(プロデューサー)としては新米のようだし。
あれこれと誘導、教導を加えたくもなろうというもの。
ならば、なぜ『マスター命令』を受けたとおりに『もう一人友達を作れ』を実行しないのかと言われると困るけれど。
『彼』にだって他にも相棒(ともだち)がいたのだし、ヒーローの席が埋まっているからといって友人の席に限度はないのかもしれないが。
少なくともHの方だって、必死になりたい相手がもう存在するようだったし。
いつ冷酷な顔を見せるかもわからない男から友情を求められたって、きっと相手も重いだろう。
『なんというか、君は真面目だねぇ。少しは遊びを覚えないと生き辛いんじゃないの?』
遊び相手ならいるけど、ここにいないのはある意味良かった。
もしここにいたら、あまりに最強になりすぎる。
『私はいつだって私が楽しいように悪事をしてきた。うん、性格破綻者であることは認める。
だから、世の中への主義主張を述べることはあまりしないが、今回についてはね。
教え子の手前もあって確認したくなった』
ふつりと、髭を擦る時のような小さな挙動の音が止む。
楽し気に話を聴講する老教授の声から、しんみりと説くような声に変ずる。
『後進を育てると言ってもね。彼のような象徴ヒーローは、今どき流行らんと思うのだよ』
いいかね、と前置いて。
『みんなが笑って暮らせるための象徴ヒーロー。未成熟な犯罪社会に求められるのは分かる。
そういう時代では上手くいくかもしれない。人々の希望の星と受け取られるだろう。
だが、やがて【誰かがやってくれる】という守られることへの慣れは、社会に蛆を沸かせる。
皆が見て見ぬふりをして、護られなかった者たちは心が割れる。
ごく一部のヒーローがそれに蓋をして、取り繕い、破滅を引き延ばすという社会を、私は既に把握している』
たとえば、割れた子ども達を、お前も見たはずだ。
そのように、破壊者の相談役は告げる。
子ども達とMのマスターは敵同士だが、それでも『現代社会に心を殺された』という点において、両者はWの『現行世界を未来へ繋ぐ意義』を否定する。
『世界が継続する未来を望む者もいれば、世界など終わらせた方が早いと考える者もいる。
私は『やってみたいからやる』という破綻者だが、若者の相談役としてはその考えをくみ取っているよ。
正義のヒーローに憧れる人間もいれば悪の魔王を志す人間もいる。だから私のような者が望まれた』
英霊として聖杯戦争に召喚された時点で、それは人間の願いによってここにいるのと同義。
『君は、それでも現行の世界に『良くなっている』と信を置けるのかね?
人間はきっと過去から進歩していると、信用できるのかね?』
考えるまでも無い。
「私は人間を信じていませんよ、きっと」
櫻木真乃たちを信じるなどと送り出したように、場に応じてその言葉を使うことはあるかもしれない。
だが、己が人間を信じる性質かと言われたら、間違いなく否だ。
でなければ、人間の悪意を前提としてSNS炎上を阻止する策など立てたりしない。
でなければ、四方のどこを向いても格差と差別しかない世界に、嫌いだと早々に見切りをつけたりしない。
でなければ、社会制度を強硬に変革するために、命を積み上げ街を燃やすような手段に訴えたりしない。
でなければ、人を信じすぎる人間に、好感を持ったりもしなかった。
「でも私は、人の可能性は信じている」
制度はすぐには変えられない。
でも人の心は、時に一瞬で変えられる。
誰にも注目されなかった謎狂いの偏執狂だって、皆の英雄で誰かのヒーローになった。
「人間は誰だって間違える」
それはヒーローの彼でさえも、時に取返しのつかない引き金を引く。
「だからこそ試行錯誤の末に、究極の答えを目指す」
『では、そんな答えを待っていられない『手段を選ばない者』の側に、私はつこう。
しかしそうなると、君の答えはどこに行った?
君が考える、ヒーローの本質とは何だろうね』
考えるまでも無い。
それは、伸ばされる手。
必要悪の反対は、すなわち要らない善。
つまり。
「余計なお節介」
マスターにとっての仲間も、きっとそういうものなのだろう。
その余計なお節介(やさしさ)に、救われた。
そういう人達さえもいなくなってしまうというのは嫌だなと思う。
つまり、この抵抗はただの愛(エゴ)なのだ。
『理解した。つまり我々は理解できない鏡写しなのだとね』
理解できなくていい、できないから正義(ヒーロー)と悪(ヴィラン)だ。
正義の味方(オレ)は邪悪(オマエ)の不倶戴天。
どちらが生存(いき)るか、死滅(くたば)るか。
そうやって人類は大昔から境界線を引いてきたし、これからもそれを超えた折り合いが叶うことはない。
『さて、有意義な時間をありがとう……と言いたいところだが。
そうなれば一つ、教えておかねばならないことがある。宿敵から宿敵に対してだ』
ぞわり、と肌が泡立つような気配の変動を察知した。
電話での会話であるがゆえに、コールド・リーディング(対面による読心)は効かない。
しかし、人の悪意や殺意を山ほど浴びてくれば、どうしても慣れてしまうものだ。
相手の意思が、加害の指向性を帯びる瞬間には。
『私は、過去に開催されたまったく別の聖杯戦争でも召喚されたことがあってね。
あいにくと最後の勝者になることはできなかったものだが、ここにはいない様々なサーヴァントと対面したことを覚えているよ』
しわの刻まれた口元が、大きく笑みの湾曲を描くように。
『その中には、君の知っている英霊もいた。私にとって最たる強敵だった』
声色に勝者としての礼儀である嘲笑はあれど、愉悦はなく。
いっそ誇らしげに、もう一人のモリアーティはその戦果を口にする。
『私は、過去にその人を殺しているよ』
『君の知っている英霊』の言葉が出た時点で、予測は可能。
回避も防御も絶対的に不可能。
どう足掻いても隠し切れずに、絶句を晒した。
視界が捻じれて緋色になる。
声にならない声が出そうになって、歯を食いしばる。
まるで、その変わりようが視界に入らずとも見えているかのように。
『君、顔色が変わっているよ。これがカードゲームなら気を付けたまえ』
こちらが言い返せないことを見越したように、会話を締めにかかる。
『では、ごきげんよう。私への直通の連絡先は短縮メッセージで送ろう。ああそれと』
少しだけ考えるような時間を空けて、付け加える。
『もし私なら、283プロダクションを狙うとしたらプロデューサーを攫うよ。気を付けたまえ』
その返事を待たずに、通話はぶつりと断絶された。
◆
やるべきことを整理する。
プロデューサーの誘拐はおそらく、Mからも経験則で推測されている。それを念頭に動いた方がいい。
まずは櫻木真乃達のところに戻る。プロデューサー誘拐についてまだ伝えられていないし、場合によっては連絡先の割れた計譚電話がリスクになる以上、予備の連絡用端末も渡して。
今までの通話は録音が済んでいる。この情報はHにも共有した方がいい。録音そのものをマスター達にも聞かせるかどうかは、Hの判断に任せるとして。
『最後のやり取り』まで公開するのは拒否感が強いけれど、『相手はこういう手段も使う』という事まで伝えなければ意味が無い。
その上でHとは、本格的に合流。対談の結果も含めて先に電話をするとして。
大丈夫、まだ思考は回る。
なぜなら。
「…………別人」
言い聞かせるように、言葉にする。
左胸を、握り込むように抑えた。
彼が殺したという『その人』は、
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティの知るその人ではない。
これは強がりや希望的観測じゃなく、根拠があること。
もし知っている彼が、『もう一人の
絶対悪のモリアーティ』などというものと、聖杯戦争で対峙したというのなら。
――『俺のモリアーティは、お前なんかと全然違う』と、負け惜しみだろうと何だろうと自慢しないはずがないのだから。
Wを称するモリアーティは、己のことを最高とまで自負しない。
しかし、彼から『最高』と評された回数は正確に覚えている。
つまり、自分についての事前情報を持っていなかったMは、彼と敵対した事がない。
敵対した事があるとすれば、界聖杯東京で手に入れた情報だけでこちらを分析しているはずがないからだ。
あの男が殺害したのは『Wにとってのホームズ』ではなく、あくまで『彼にとってのホームズ』だ。
だから、あの言葉は不意の挑発と、迷いの付与が目的。
『私はお前の思っているような≪お約束≫には倒されないぞ』と釘をさしこみ、いざという時に判断を迷わせるのが狙い。
その意図は理解できていたが、しかし。
それでも、いささか以上に、深く刺さったかもしれない。
やられた、という感想は否定しきれず。
ひきずり降ろしてやるという燃料が、薪を追加するように心にくべられた。
【新宿区の新宿御苑/一日目・夜】
【アサシン(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ)@憂国のモリアーティ】
[状態]:心痛
[装備]:現代服(拠出金:マスターの自費)、ステッキ(仕込み杖)
[道具]:ヘルズ・クーポン(少量)、Mとの会話録音記録、予備の携帯端末複数(災害跡地で入手)
[所持金]:現代の東京を散策しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)→限定スイーツ購入でやや浪費
[思考・状況]基本方針:聖杯の悪用をもくろむ主従を討伐しつつ、聖杯戦争を望まない主従が複数組残存している状況に持って行く。
0:ライダー(アッシュ)に連絡を取り、Mとの会話を共有しつつ対談の結果を聴く
1:『彼(ヒーロー)』が残した現代という時代を守り、マスターを望む世界に生還させる。その為に盤面を整える。
2:首尾よくライダー(アッシュ)およびMの陣営と組めた場合"割れた子供達"を滅ぼす。その為の手筈と策を整えたい。
3:いざとなればマスターを信頼できるサーヴァントに預けて、手段を選ばない汚れ仕事に徹する。マスターには復讐にも悪事にも関与させない。
4:『
光月おでん』を味方にできればいいのだが
5:"もう一匹の蜘蛛(
ジェームズ・モリアーティ)"に対する警戒と殺意。
[備考]ライダー(
アシュレイ・ホライゾン)とコンタクトを取りました。以後、定期的に情報交換を試みます。
櫻木真乃およびアーチャー(
星奈ひかる)から、本選一日目夜までの行動を聞き出しました。
◆
――少し、塩を送ってしまったかな。
283プロダクションの危機とは、おそらく欠勤を続けているというプロデューサーが絡んでいるのではないか。
そのように察していることを、わざわざ打ち明ける必要はなかったのだ。
こちらは先方の状況など知りませんよという振りをしていればいい。
いざという時に『実は知っていました』と揺さぶりのタネにした方が、使いでがあったのだから。
そうしなかった己の思考回路が不思議で、モリアーティはううむと髭を擦る。
そういえば、とうとう聞かれなかったなと、心にしこりが残っていることを自覚した。
『もう一人』と邂逅したならば、必ず問われると予測していたことがあったのに、何も言われなかった。
もし彼が『小説の悪役としてのモリアーティ教授を意図して作り上げた義賊』なのだとしたら、まず知りたがったはずであり。
それを問われた時にはどう返すのか、あらかじめ答えを用意していたぐらいだ。
――How do you justify your existence?
あなたの存在は何をもって証明されるのか。
ここにいるあなたは、小説の中だけのジェームズ・モリアーティ教授ではないかと。
それに対しては、否定も肯定もするつもりはなかった。
ひとつ言えるのは、モリアーティには記憶はあっても、己が実在した証明ができないということ。
故にそれに対しては躱すかはぐらかすつもりだったのに、相手はそこを突かなかった。
だが、実在するもう一人と会話してみて、その理由は察せられた。
もし『あなたは物語上の存在だから、己の語っているそれだって作り物の記憶に過ぎないのだろう』などと決めつけたら。
『Mの在り方とはまったく関係がない、M自身にはどうしようもない≪生まれ≫によって人を決めつけた』ことになってしまう。
それはおそらく、青年にとって禁じ手だったのだろう。
つまりモリアーティは。
悪役ではあっても、潔癖ではある性格のところで。
相手がこちらのデリケートな生前の情報を突かなかったのに、己は突いてしまったかもしれないと自覚して。
珍しく、『そこを突くのはまずかったか』と反省してしまった、ということらしい。
【豊島区・池袋/デトネラット本社ビル/一日目・夜】
【
死柄木弔@僕のヒーローアカデミア】
[状態]:健康、抑圧(ストレス)
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数万円程度
[思考・状況]基本方針:界聖杯を手に入れ、全てをブッ壊す力を得る。
0:長い話は、終わったか
1:しおとの同盟は呑むが、最終的には“敵”として殺す。
2:ライダー(
デンジ)は気に入らない。しおも災難だな。
3:
星野アイとライダー(殺島)については現状は懐疑的。ただアーチャー(モリアーティ)の判断としてある程度は理解。
【アーチャー(ジェームズ・モリアーティ)@Fate/Grand Order】
[状態]:健康
[装備]:超過剰武装多目的棺桶『ライヘンバッハ』@Fate/Grand Order
[道具]:なし?
[所持金]:なし
[思考・状況]基本方針:死柄木弔の"完成"を見届ける
1:蜘蛛は卵を産み育てるもの。連合の戦力充実に注力。
2:連合員への周知を図り、課題『グラス・チルドレン殲滅作戦』を実行。各陣営で反対されなければWの陣営と同盟
3:禪院君とアイ君達の折衝を取り計らう。あわよくば彼も連合に加えたいところだがあくまでも慎重に。
4:しお君とライダー(デンジ)は面白い。マスターの良い競争相手になるかもしれない。
5:
田中一を連合に勧誘。松坂女史のバーサーカーと対面させてマスター鞍替えの興味を示すか確かめる
[備考]※デトネラット社代表取締役社長、四ツ橋力也はモリアーティの傘下です。
デトネラットの他にも心求党、Feel Good Inc.、集瑛社(いずれも、@僕のヒーローアカデミア)などの団体が彼に掌握されています。
※禪院(
伏黒甚爾)と協調した四ツ橋力也を通じて283プロダクションの動きをある程度把握していました。
※アルターエゴ・リンボ(
蘆屋道満)から"窮極の地獄界曼荼羅"の概要を聞きました。また彼の真名も知りました。
アラフィフ「これ先に知れて本当によかったなァ~…(クソデカ溜め息)」
※田中一からアサシン(
吉良吉影)と
仁科鳥子によるリンボ奇襲の作戦を聞きました。(詳細は田中が知らないので不明)。
アサシン(吉良吉影)の能力の一部も知りました(真名は田中が知らないので不明)。
※星野アイおよびそのライダーから、ガムテ&ビッグ・マムの情報および一日目・夕方までの動向を聞きました
◆
(アサシンさん。283のことでも大事なお話があるって、何のことなんだろうね……)
(も、もしかして昼間おでんさんに助けてもらった事件と関係があるんでしょうか。犯人が分かっちゃったとか……!)
(そうかも。アサシンさん、アイさんのことも当てちゃったぐらいだもんね)
買ってきてもらった軽食を空にして、真乃とひかるは念話で気をまぎらわせていた。
話題がどうしてもしんみりしてしまうのは、仕方がないことではあったが。
(でも、そうしたらやっぱり、心配してくれたおでんさん達にも伝えたいよね……)
(おでんさんとセイバーさんに連絡をとりあうなら……やっぱり、アヴェンジャーさんにメールしたこと、お話しなきゃですよね)
(そうだね。でもそれは、あさひ君に確かめてからにしたい。今でもやっぱり、聖杯が欲しいですかって)
アサシンに全てを打ち明けた時に。
櫻木真乃が、二つだけ明かさなかったことがある。
神戸あさひとの出会いについては、話さないわけにはいかなかった。
あさひまで、星野アイと同じように決別すべき相手だと割り切れたわけではない。
だが、あさひのことを取り繕って隠した上で星野アイだけのことを説明するには、真乃たちは疲れすぎていた。
けれど、気が咎めなかったわけではない。
いくら聖杯を狙っていたという言葉を聞いていても、神戸あさひは真乃にとって、何も悪事をしていない少年だったから。
彼らについては秘密にしておくという約束を、非常時とはいえ一方的に破ってしまったことに、悔いがあった。
その呵責が、星野アイの連絡先を渡す際に、ひとつの沈黙を選ばせた。
星野アイと違って、神戸あさひは固定の連絡先を持っていなかった。
だが、神戸あさひのアヴェンジャーは強かに携帯電話を隠し持っていたこと。
つまり、真乃と神戸あさひのサーヴァントもまた、連絡先を交換していたこと。
神戸あさひの聖杯を欲しがる願いというものを、簡単に捨てられるものだと軽く見ていたつもりはない。
けれど真乃にとって、どうしても神戸あさひの優しさと、新宿の惨劇がもたらした冷たさは、同じ括りに入れられるものではなかった。
――あさひ君があれと同じ事をして、その先を幸せに生きていけるとは、思えない。
そう、心のどこかで思っていた。
だから、渋谷区から新宿御苑へと移動する道中、神戸あさひのアヴェンジャーのアドレスに、1件のメールを送っていた。
それが、二つ目の隠しごとだった。
『アヴェンジャーさん、あさひ君はあれからちゃんと隠れられましたか?
ご飯はちゃんと食べられましたか? おでんさんは一緒ですか?
もしあさひ君が大丈夫そうなら、お話がしたいです』
(ちょっと返信が来てないかどうかだけでも、確認しておこうか)
(そうですね。あ、でもアサシンさんには伝言を残しておきましょう! )
サーヴァントであるがゆえに闇の中でも視界の効くひかるが、真乃の手帳のページを使って書置きを作り、二人の少女はその場を離れた。
本当はいけないことだけれど、神戸あさひのサーヴァントに連絡ができるとはまだ伝えたくなかったので。
『携帯に着信がありました。ここで携帯を付けると灯りが人目についてしまうので、目立たない場所で確認してきます』と嘘を書いてしまったけれど。
神戸あさひの決意を、知らないままに。
神戸あさひが、誰とともにいるのかも知らないままに。
【新宿区の新宿御苑付近/一日目・夜】
【櫻木真乃@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(中)、精神的疲労(大)、深い悲しみと怒り、令呪に対する恐怖
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入)
[思考・状況]基本方針:???
1:悲しいことも、酷いことも、もう許したくない。
2:神戸あさひくんもアイさんと同じようにするとは思いたくない。連絡を取りたい。
3:アイさんたちがひかるちゃんや摩美々ちゃんを傷つけるつもりなら、絶対に戦う。
4:いざとなったら、令呪を使うときが……? でも、ひかるちゃんを……
[備考]※星野アイ、アヴェンジャー(
デッドプール)と連絡先を交換しました。
※プロデューサー、
田中摩美々@アイドルマスターシャイニーカラーズと同じ世界から参戦しています。
【アーチャー(星奈ひかる)@スター☆トゥインクルプリキュア】
[状態]:疲労(小)、ワンピースを着ている、精神的疲労(大)、魔力消費(小)、悲しみと小さな決意
[装備]:スターカラーペン(おうし座、おひつじ座、うお座)&スターカラーペンダント@スター☆トゥインクルプリキュア
[道具]:洗濯済の私服、破損した変装セット
[所持金]:約3千円(真乃からのおこづかい)
[思考・状況]基本方針:……何があっても、真乃さんを守りたい。
1:真乃さんに罪を背負わせたりしない。
2:もしも真乃さんが危険なことに手を出そうとしたら、わたしが止める。
3:ライダーさんには感謝しているけど、真乃さんを傷つけさせない。
4:真乃さんを守り抜いたら、わたしはちゃんと罰を受ける。
時系列順
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最終更新:2022年03月15日 06:22