その時七草にちかが取った行動は。
別にメロウリンクを庇おうとしたとかそういうものではなかった。
彼女はただ手を伸ばして、体を前のめりにしてメロウリンクを突き飛ばそうとしただけ。
手が触れて、メロウリンクの大柄な体を微かに押し退けた。
けれどそれでも充分。
異能生存体の
近似値たるメロウリンクのスキルは発動条件を達成。
確定していた死に砂粒程とはいえ誤差(ノイズ)が紛れ込んだことで生存率が多少引き上がったことが功を奏し。
彼の損傷は胴体に多少の裂傷を負う程度で済んだ。
重傷なことには変わりないが命を落とすことに比べれば雲泥の差、これ以上ない僥倖だろう。
――しかし。
いつだって彼らの中にある因子が守るのは本人だけだ。
因果律さえねじ曲げるその幸運は。
極まれば神の後継と呼ばれるにも至る驚異の遺伝子、その近似値は。
彼らの周りにいる人間に対しては空寒いまでに冷酷である。
「…マスター」
「ぅ…ぁ、ぐ……ぅ」
にちかは手を伸ばした。
体を前のめりにしてメロウリンクに触れた。
その結果メロウリンクは難を逃れたが。
七草にちかは逆に…迸る死に巻き込まれることになってしまった。
「…アーチャー、さん……っ。……私の体……どう、なってます……?」
「それ以上喋っては駄目だ」
「…っ。あー……、……やっぱ、そういうことかぁ」
伸ばした手諸共に。
彼女の体は呪いに呑まれた。
極度に肉体を損傷すると人間の体は脳内麻薬を分泌し苦痛を和らげてくれる。
だからにちかは最初、本当に自分の容態が分からなかった。
しかしメロウリンクの顔を見て理解してしまう。
いつになく焦ったようなその顔。
それを見て…悟ってしまった。
「…これ。もう、ダメなやつかぁ……」
そして無情にもその言葉は的を射ていた。
にちかの体には今右腕がなかった。
右腕諸共に肩口から脇下までの肉をごっそりと吹き飛ばされていた。
完全な致命傷だ。
こうしている間にも明らかに危険な量の血液が傷口から毎秒流出し。
にちかの声にはごぼごぼと泡立つような音が混ざる。
「アサシン――例の麻薬(クスリ)は残っているか」
「…まだ薬効が残っているかは分かりませんが――」
唯一七草にちかを救命する手段は。
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティが持つ地獄への回数券を彼女に急いで服用させることだ。
しかしウィリアムが持っていた量はごく少量であり、しかも既に先程口に含んでしまっている。
よって完全状態の薬効には程遠いが、それでも試さない理由はない。
ただ。
「させると思いますか?」
ウィリアムの口内にある地獄への回数券で七草にちかを救えるかという命題には絶望的な解答が存在していた。
そもそも試せない。
アルターエゴ・リンボは未だ健在であり、彼を止められる者も居ないのだ。
そんな状況で回数券の受け渡しなどができる道理はなく。
誰も七草にちかの死を覆せない。
誰も…リンボの嘲笑を止められない。
「いやはや――実に善いものを見せていただきました。
年端も行かぬ娘の命懸けの献身、本来守るべき存在に命を救われた男の焦燥!
大枚叩かねば見られぬ極上の見世物でございましたよ。惜しみない拍手を贈らせていただきましょう」
乾いた拍手の音を響かせながら。
リンボは本物の獣のように眦を細めた。
人の形をした生き物が浮かべるには邪悪過ぎるその貌は。
笑みという表情が必ずしも好意を示す訳ではないという言説を悍ましい程明確に裏付けていて。
「しかし、しかしィ。この拙僧、こうも出来の良い演目を観せられると…自分で筆を足してみたくなる性分でしてな?」
魔力横溢。
魔力収束。
呪力収斂。
嗤う太陽が全てを塗り潰す予兆が破滅的にこの殺戮領域を満たしていく。
「生娘のちっぽけな勇気もその死の意味も!
――皆平等に殺して差し上げる!」
これが撒き散らすのは災いのみだ。
アルターエゴ・リンボも彼の盟友たる暗黒の悪霊も。
悪意に塗れた災禍を手当り次第にばら撒いて、人の幸福や当たり前の日常を踏み躙ってこれで善しと笑うのだ。
アシュレイ・ホライゾンはリンボを人造惑星(プラネテス)の魔星達になぞらえたが全く的確な表現だと膝を打つ他ない。
これは最早
蘆屋道満ですらないのだ、厳密に言えば。
かつて蘆屋道満だったものの成れの果て、自らに宿業を植えた魔人。
「屑星は消え淡光は翳り。策謀は機能せず近似値は無能のままに終わる!
甘露、甘露! 贅を極めた今宵の晩餐、骨まで食べ尽くさなければ罰が当たるというもの!
ンンンン――それではこれにて!」
そして終わりがやって来た。
全ての物語を呑み込み。
全ての生き様を踏み躙り。
後に何も残さない呪いの化身たる暗黒太陽が煌々と漆黒に煌めいて。
「ご馳走様ァ~~~~~ッ!!」
283プロダクションに連なるアイドル達とそのサーヴァント。
死を待つのみの七草にちかを含めて四人と三体。
彼らの命運は哄笑の内に呑み込まれ、獣(ケダモノ)の胃袋に堕ちることで幕を閉じるのだった。
――だが。
その結末に否を唱える影がある。
「見つけた」
声が響く。
夜の闇を切り裂く凛とした声。
呪い溢れる暗黒の中でも鋭く響く声。
それと同時に、あり得ざる現象が生じた。
天に浮かんだ暗黒太陽。
臨界に至った悪霊左府の象徴が――
「相変わらずのようで安心したわ。そうでなければ斬り甲斐がないものね。こと貴方に関しては」
瞬きの内に両断された。
断末魔の声が轟く中。
太陽の残骸の中から地に着地したのは一人の女だった。
数多の刀剣を携えた美女。
その面を見知るのは、アシュレイのマスターたるにちか。
だが。彼女だけではない。
「ほう」
心底驚いた…という顔だった。
メロウリンクに追い立てられた式神が浮かべた驚愕とも違う。
真実、予想だにしなかったという顔。
可能性の一つとしてすら考慮していなかった…そんな顔だった。
「覚えのある気配を辿ってみれば案の定。
此処に揃った面子には言いたいことも聞きたいことも諸々あるけれど。
まずはこう言わせてもらいましょう」
そんなリンボに女は最初笑っていたが。
すぐにその表情から笑みは消え。
研ぎ澄ました刃のように鋭く剣呑な怒気が覗いた。
「――追い付いたぞ、外道! キャスター・リンボ!」
「ンンンン何たる偶然! 何たる因果! よりにもよって貴様か――新免武蔵ィ!」
女武蔵とリンボ。
空へ至りし剣士と一切嘲弄の肉食獣。
下総に始まりギリシャ異聞帯に途切れた因縁の両者が再び交わった瞬間であった。
◆ ◆ ◆
「り…梨花ちゃんのセイバーさん! 来てくれたんですか!?」
「目一杯飛ばしたつもりだったんだけど…ごめんなさいね。間に合ったとは言えないわ」
新免武蔵が此処へ駆けつけるまでにあったこと。
大前提として彼女は先刻、最強生物
カイドウが統べる領域"鬼ヶ島"へ踏み入りそして完膚なきまでに敗北した。
鬼ヶ島にカイドウは不在であったにも関わらずだ。
相性差と地の利の差を最大限に活かした戦闘の末、武蔵は一矢こそ報いたものの敗北。
瀕死の重傷と霊骸による汚染を浴びながら中野区の路上に放り出された。
マスターの令呪である程度快調はしたものの…それでも万全には程遠い。
おまけに。
鬼ヶ島が常世とは切り離された異空間であるためか――
古手梨花との念話が機能しない。
更に特定の主従に生殺与奪を握られている状態でもあり、むしろ非常にまずい状態が続いていた。
「貴方のお姉さんから安否確認の文があったでしょ」
「あ…」
「本当は貴方達と合流するまで護衛していてあげたかったんだけどね。
ちょっと不味い魔力を感じたから…放っておくわけにも行かなかったの。
一応安全な所に留まっておくよう釘は刺したけど、無責任と言われても仕方ないわ」
「そ…そんなことないですよ。現に私達、その……セイバーさんが助けてくれなかったら――全滅、してたわけじゃないですか」
「…助けた、か」
虚ろな目をして横たわる少女を見やる。
彼女は、今自分が話している七草にちかと同じ顔。
そして同じ姿をしていた。
双子などではない。
完全な同一人物…それがどういう絡繰りなのかまでは武蔵には分からなかったが。
確かなのは一つ。
自分がもうあと数十秒でも早く此処に着けていれば。
間に合っていれば。
彼女が犠牲になることはなかっただろうという事実のみだった。
「あの外道とは浅からぬ因縁があるの。私が引き受けるから…貴女はあっちのにちかちゃんの所に行ってあげて」
「っ…わ……分かりました……!」
ただ。
逆に言えばそれは――七草にちかが行動を起こさなければ。
彼女がメロウリンクが黙って殺されることを善しとしていたならば、武蔵は完全に手遅れの状況に参じることになっていたということでもある。
にちかの行動に驚いたリンボは一旦手を止め嗜虐のままにそれを嘲笑った。
その時間が無ければ。
アルターエゴ・リンボによる終幕の一撃が放たれるまではもっと早かっただろう。
であればさしもの新免武蔵も間に合わなかった。
近似値だけでは避け得なかった死のさだめ。
七草にちかがそれを一寸の勇気で捻じ曲げた。
それがリンボの勝利を狂わせ。
新免武蔵の失態を最低限で留めたのだ。
「…助かったよ、セイバー。本当に何と礼を言ったらいいか分からない」
武蔵が暗黒太陽、悪霊左府を斬り伏せたことにより。
アシュレイもまた呪詛の束縛から解放された。
その体はあれほど長い間制圧されていたというのに傷一つない。
永久機関と化した彼の回復力、癒しの炎の凄まじさが窺えたが…そんな賞賛の言葉をかけたとて今の彼は喜ばないだろう。
「話は後にしましょう。悪いんだけど…あっちの入れ墨男の相手は任せてもいい?」
そう言って武蔵は先刻まで
星奈ひかるが奮戦していた方を指し示す。
そちらから歩みを進めてくる影があった。
星奈ひかるを討ち倒し勝者となり、されどそれでは満足しない男。
殲滅に全身全霊を懸けている
猗窩座がひかるに免じて矛を収めるようなことなど有り得ない。
彼自身相当な疲弊を抱えてはいるものの。
まだ戦いを続ける腹積もりのようだった。
「分かった。アイツは俺が引き受けるから…リンボの相手は頼んだ」
そう言ってアシュレイは猗窩座の方へ。
そして新免武蔵は――アルターエゴ・リンボと相対す。
中野区で突如轟音と地震のように大きな揺れが轟いた時から警戒は始めていた。
だが七草はづきを護衛し続ける方針を変えようとは考えていなかった。
それを一も二もなく変更したのは…彼女自身も言っていたように、隣区から"覚えのある"強大な魔力反応を感じ取った瞬間のことだ。
瞬時に分かった。"奴"であると。
武蔵は厭離穢土の惨劇を知っている。
もしもあの次元の災禍が発生しているというのであれば放置はできない。
捨て置けば必ず最悪の結果が生まれる。
だから己の方針を曲げた。
そしてその決断は結果的に…"この世界の"七草はづきの妹であるにちかを守ることに繋がった。
そうでない方のにちかは、助けられなかったが。
「此処で逢ったが百年目。今回こそは斬らせて貰うわよ、リンボ」
武蔵、宿敵を睥睨。
鷹の目を思わす鋭い眼光。
天眼の眼光に射抜かれたリンボは「ンン」と嗤って――
◆ ◆ ◆
武蔵の乱入によりリンボから余裕は失われた。
猗窩座が此方へ来る最悪の展開もアシュレイが防いでくれている。
彼らの働きによってようやく、意識ある者達が七草にちかに駆け寄る隙が生まれた。
田中摩美々と
櫻木真乃はリンボの第一打の時点で気絶している。
よって正確な意味で駆け寄れたのはウィリアムを除けば…もう一人の七草にちかのみだった。
“傷口が回復しない…やはりこれだけの量では無茶か……”
ウィリアムは倒れたにちかに回数券の残りを服用させたが。
傷口が多少蠢くような様子はあったものの、完全な回復までには至ってくれなかった。
そしてそれは…最早彼女を救命する手立てはないということを意味している。
「…だい……じょうぶ、ですよ。見た目ほど痛くないんです、なんでか知りませんけど……」
彼女にもう一画令呪を使わせるなりして付近の病院なりに駆け込むか?
否、無理だ。隣区が丸ごと吹き飛ぶ異常事態が起こった以上、その手の機関がまともに機能している筈はないし。
仮に機能し続けていたとしても、にちかの負った傷はあまりに致命的過ぎる。
失血も臓器への損壊も…いずれも現代の医学力を以ってしても手に余る致命傷だ。
医術の心得も一通り修めているウィリアムですら、これを救えるかと言われたら首を横に振るしかないだろう。
「なんて顔してるんですか…死にそうって言っても、自分ですよ……。
そんなそっちが死にそうな顔しなくても、いいでしょ……もう一人の、わたし……」
「…ッ。こんな時に何言ってるんですか馬鹿! に……憎まれ口もいい加減にしたらどうなんですか!?」
偶像・七草にちかにとって。
目の前で今にも命の灯火が消えそうになっている"七草にちか"は紛れもなく自分自身だが。
だがしかし、完全に自分と同じ存在だとして同一視できているわけではなかった。
それは考えるまでもなく当然のこと。
「大体…なに格好つけてるんですか。あなたは私なんだから……っ、うんとぴーぴー泣いて騒いでなきゃおかしいじゃないですか!」
自分の姿形をして自分の声で喋り自分の名前を名乗る存在。
そんな不可解な存在が目前に居たとしても、この"自分"自身の意思を離れて動いたり喋ったりしている時点でそれは決して同一人物にはなり得ない。
なればこそ当然。
死のうとしているのが他でもない自分だからと言って、ニヒルな表情など出来やしなかった。
「そんな悟ったみたいな顔して死ぬとか…そんなキャラじゃないでしょ、私(にちか)は」
今から何時間か前にはお互いの地金を晒して感情をぶつけ合った相手。
思い出すとむかむかしてくる部分はないでもなかったがそれでも。
そうまでして語らった相手が…自分とは違う道程を辿った人間が。
目の前で血肉を撒き散らして死んでいくという光景は純粋に心が痛かった。
「…ううん、もう一人の私」
そんな偶像(にちか)とは裏腹に。
死にゆく少女(にちか)はひどく静かだった。
恐怖がないわけじゃない。
しかしそれ以上に凪いでいた。
「たぶんもう死んでたんですよ、七草にちかは。
眩しいものに背を向けて人間になったあの日に。
私の中の可能性、なんて――無くなっちゃってたんです」
界聖杯を争奪する聖杯戦争。
その参加者の条件は可能性の器たること。
偶像であることを放棄した少女が。
人間であることを選んだ少女が辿り着いた答えはつまるところそれだった。
「だから…まぁ。落ち着くとこに落ち着いた……みたいな感じじゃないですかね、……これも。
そう考えたら……いろいろ、諦めも……」
「――はぁ!? ふざけないでくださいっ、何スカしてんですかこの馬鹿女!」
だが。
「見ててくれるって…言ったじゃないですか!」
輝くことを選んだにちかはそれを声をあげて拒絶した。
そんなふざけた話はないし、もしあったとしても許さないと。
駄々をこねる子供のように感情を剥き出しにして、涙で赤くなった目を見開き吠えていた。
「それに私言いましたよね、なみちゃんみたいになってやるから見てろって!
才能なしの石ころのくせに約束まで破るんですか!?」
「………」
「勝手に…諦めてないで……っ。
見ててよ、私のこと。見てろよぉ……!」
「…はは」
強がって言ったわけじゃない。
あの時。もう一人の自分と話して。
改めて思ったことだった。
母もいない、姉もいない世界で人間として…石ころとして生きていく自分は。
この地に落ちても眩しく輝き飛び立とうとする自分(にちか)に比べて…あまりにもちっぽけだったから。
きっと七草にちかは本来偶像(アイドル)になるべきだった存在で。
それなのに輝くことに背を向けてしまったのだから、きっとあの時"七草にちか"は死んだのだと。
そう思った。そう思ったまま死んでいくつもりだった。
…でも。こうして他でもない自分自身にぐちゃぐちゃの顔で泣かれ怒られるとそんな斜に構えた考えも自然と奥に引っ込んでしまう。
「しょうがないなぁ…。見ててあげますよ、ちゃんと……ずっと」
声が漏れる。
声に血の泡立つ音が混ざるのが本人としては気になった。
こんな時くらい格好良く行かせてくださいよと神様に文句を言う。
「だから…勝手に諦めちゃうとかは、……ナシですよ。もしそんなことしたら…私がさっきのキモい太陽みたいになって、死ぬまで祟りますからね」
「じゃあ…そっちこそ」
自分のことでこんなに泣けるのか。
他人事のように見上げる自分の顔はそんな茶化しが言えないくらいぐちゃぐちゃで。
「ちゃんと……約束。守ってくださいね」
「ま…私も……、自分が、なみちゃんみたいなアイドルになって活躍してるってのは……きっと、悪い気分じゃないはずなんで。
飽きるまでは…ちゃんと約束守って、見ててあげますから」
「飽きるまでは――じゃダメでしょ。ずっとです。ずっと。勝手に約束変えないでください」
「…はいはい。そういう約束でした、もんねー……」
"羨ましい"とは多分違う。
今人生をやり直せるとしたって自分はきっとアイドルにはならないだろう。
だけどそれとは別に。
アイドルを目指して夢破れてそれでも羽ばたこうとするもう一人の自分の姿は…やっぱり、すごく眩しかった。
「…だから頑張れ、"七草にちか"。私じゃない私(あなた)」
「っ…頑張ってやりますよ、目いっぱい! だから見てろよ……"七草にちか"!」
精々頑張れ七草にちか。
自分にないもの全部を持ってるあなた。
不思議と妬みはなかった。
ただただ眩しくて。自分とは思えない程凄いなと感じられて。
だから…まぁ。死後(あっち)なんてものがあるのなら、約束くらいは守ってやろうとそう思えた。
「………」
もうだいぶ息も苦しくなってきた。
視界はとっくに掠れて何も分からない。
そんな状態で、気配だけを頼りに自分のサーヴァントの方を見る。
メロウリンク=アリティ。
この一月を共にして、最後はらしくもなく身を挺して助けてしまった相手。
「アーチャーさん…ちゃんと居てくれてます……?」
「…あぁ。俺は此処だ、マスター」
「よかった。ちょっともう…物とかよく見えなくなってきてて」
この一月。
鬱陶しく感じることもたまにはあったけど不思議と嫌だと感じたことはなかった。
姉も母ももういない自分とただ一人一緒に過ごしてくれた彼。
家族みたいだったなんて面と向かって言うのは気恥ずかしさが過ぎてできないけども。
それでも…この世界を去るにあたって最後に話すのは彼であるべきだとにちかは思った。
「ごめんなさい、ダメなマスターで。がっかりしたでしょ?」
「そんなことはない。マスターがお前でなかったなら…俺は今此処に居ないのだから」
「あんなの…誰でもできることですよ。もう一人の私でも、摩美々さんでも、真乃さんでも……誰でも」
「ああ。確かにそうかもしれない」
だが、と。
メロウリンクは彼女の目を見て続けた。
「それでも俺は、マスターがお前で良かったと思う」
「…そう、ですか。なら……まぁ、ちょっとは報われますねー……」
にちかにしかできない行動ではなかったかもしれない。
偶像として輝き人々を魅了する者達ならば。
誰もが眩しい善性のままに実行できた行動だったのかもしれない。
それでも――それでも。
メロウリンクは彼女の行動を尊いものだと断言し。
お前がマスターで良かったと迷いなく死にゆく少女に言った。
「アーチャーさん」
「…なんだ」
「最後に…その。こんなこと、言うの……いい歳して、マジで恥ずかしいんですけど……」
薄れゆく意識の中それでも笑うにちか。
「…手を。握ってもらっても……いいですか」
「…あぁ。お安い御用だ」
何もかもが血と一緒に流れ出たみたいに曖昧な中で。
彼の手の感触だけが唯一鮮明だった。
だから子供みたいに握り返してしまう。
ぎゅ…と。力なく、それでも精一杯力を込めて。
「…今までありがとうございました、アーチャーさん。いろいろ」
「礼を言うのは俺の方だ」
「ホントいろいろありましたけど…一ヶ月、楽しかったです。
アーチャーさんは……どうでした? こんな生意気なだけのガキと一つ屋根の下なんて……嫌だったでしょ?」
その問いかけに対して。
「そうだな」
メロウリンクは…苦笑した。
「俺も、楽しかったさ。にちか」
その言葉を聞いた瞬間に。
七草にちかの体から力が消えた。
ふっと脱力していく中でもまだ意識は残っていて。
それでもつないだ手が離れないように固く握ってくれている"彼"の感触は分かって。
お兄ちゃんが居たならこんな感じだったのかなぁと思った。
死ぬのは今でも正直怖いけど。
これなら少しはましな心地で逝けそうだ。
残ったなけなしの意識も感覚も薄れていく。
でも。
最後にひとつ。
これだけは言いたくて。
もう動かない体に、必死に祈って。
「なら……よかったです」
そう言って笑った。
あぁ。
よかった。
最後に、笑えて。
女の子もアイドルも。
やっぱり笑顔が大事、ですもんね。
【七草にちか(弓)@アイドルマスターシャイニーカラーズ 死亡】
◆ ◆ ◆
「今宵は退きます。さしもの拙僧も無策で天下の新免武蔵と死合いたくはないもので」
決着の舞台をあっさりと捨てた。
武蔵の眉間に皺が寄る。
リンボはそれに気圧されることもなく嗤っていた。
「逃がすと思う?」
「逃げますので。気張るだけ無駄かと思いますよ。
その暇があるのでしたら…貴女の愚鈍さで救えなかったあの小娘に線香の一本でも供えて来ては如何か」
「はぁ…本当変わらないのね貴方。相変わらず誰かの腸を煮えくり返らせることしかしない。いえ、できないのかしら」
アルターエゴ・リンボの最も悪辣な所は、引き時を弁えていることだ。
自分が圧倒的に優位な立場であれば迷走もするが…そうでない時は撤退も日和見も善しとする。
武蔵はリンボが隙を見せれば即座に斬るつもりだったが生憎彼は弁えていた。
新免武蔵が目前に居ることの意味を理解しているからこそ油断しない。驕らない。
彼程の使い手に正々堂々逃げを選ばれると、さしもの武蔵も攻めあぐねてしまう。
「そういうわけでランサー殿。拙僧はそろそろ退きますので、御身も早々に決断をなさるがよろしい」
アシュレイと戦いを続けている猗窩座。
彼の全身に甚大な疲弊が刻まれていることにリンボは既に気付いていた。
アシュレイが発揮する火力も上限突破は不可能なれど決して生易しい次元にはない。
あれ程疲弊した体で相手取るには手に余る。
となると賢明なのは大人しく退くことだが、大上段から命令すれば彼の不興を買うだろう。
だから彼自身の理性に任せる物言いをした。
リンボは猗窩座という英霊個人に対しては然程興味がない。
だからこその、半ば放任じみた態度なのだった。
「戦果は上々。これならば我らが王様方も満足してくれるでしょう」
何しろ英霊一体にマスター一人。
決して小さな戦果ではない。
残せた爪痕は大きい。
「とはいえ…。折角女武蔵(あなた)という新たな役者も馳せ参じて下さったのですし。
此処は作法に倣い、盛り上げの一つでもして舞台袖へ戻るとしましょうか」
今宵の戦い。
283プロダクション側の勢力は敗北した。
ベルゼバブを撃破はできたものの。
それが去った後にやって来た脅威に彼らは押し潰された。
その結果が一体と一人の犠牲だ。
これでも犠牲を少なくできた方であるというその事実が、何より明確に彼らが敗北した事実を示している。
「恐るべき母(ママ)に鬼ヶ島を統べる最強生物。
母に従う子供達(チルドレン)と、龍王に傅く百もの獣達。
美しき獣たる我にそこで戦う修羅の鬼、そして多弁な道化。
何に怖じることもなく。誰に傅くこともない、まさに究極の軍勢なれば」
リンボの体が宙へと浮く。
そこに理屈を与えることに意味はない。
理屈を求めた時点で彼の手中だ。
彼はリンボの名を冠するアルターエゴ。
呼吸するように誰かにとっての悪夢を描く道化師。
「我らは"海賊同盟"。今宵の勝利に酔いながら、今後もこの都で悪事(わるさ)を働きましょう」
大仰に両手を開きながらリンボは芝居がかった口上を紡ぎ続ける。
「挫きたければ来るがいい。討ち倒したくば挑むがいい!
歓迎しましょうその全てを。玩弄しましょうその全てを!
貴様らの方舟は最早、我らにとって許容する余地のない戯言と化した!」
海賊同盟――彼らは名を聞くのも初めてだろう単語は。
しかしリンボが所属する陣営であるという時点で、彼らとの今後の激突を予期させた。
そしてまさしくその通り。
この世界で聖杯戦争に臨む限り、誰もかの軍勢との縁を切り離せない。
ビッグ・マム。そしてカイドウ。
二人の皇帝から成る大軍勢。
既にそれは盟を結び終えており。
じきに鏡の世界から飛び出して――この東京を更なる恐怖に陥れる。
「――始めましょう、海賊(われら)と方舟(きさまら)。どちらが生存るか死滅るか!」
◆ ◆ ◆
陰陽師が消える。
その姿を、消えゆく嘲笑を。
機甲猟兵は睥睨していた。
七草にちかは死んだ。
偶像を諦め、人間として生きることを選んだ少女は死んだ。
奴(リンボ)によって殺された。
その事実がメロウリンク=アリティの中に一つの炎を灯す。
ドス黒い、粘り付くような闇色の炎。
人はそれを。
復讐心と呼んだ。
「――アルターエゴ・リンボ」
メロウリンク=アリティ。
彼が持つもう一つのクラス適性。
「逃げたければ逃げろ。笑いたければ笑っていろ。忘れたければ忘れても構わない。
だが」
それは――復讐者(アヴェンジャー)。
「俺は。お前を決して忘れない」
死化粧の準備は整った。
彼の聖杯戦争は敗北で幕を下ろし。
そしてこれより戦争ではなく逆襲劇が幕を開ける。
血の通わない少女の手を握り締めメロウリンクはまた一つ、帰らぬ命を胸に刻んだ。
【杉並区(善福寺川緑地公園)/二日目・未明】
【セイバー(
宮本武蔵)@Fate/Grand Order】
[状態]:ダメージ(中)、霊骸汚染(中)、魔力充実、 令呪『
リップと、そのサーヴァントの命令に従いなさい』
[装備]:計5振りの刀
[道具]:
[所持金]:
[思考・状況]
基本方針:マスターである古手梨花の意向を優先。強い奴を見たら鯉口チャキチャキ
0:梨花を助ける。そのために、まずは…
1:おでんのサーヴァント(
継国縁壱)に対しての非常に強い興味。
2:アシュレイ・ホライゾンの中にいるヘリオスの存在を認識しました。
武蔵ちゃん「アレ斬りたいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。でもアレだしたらダメな奴なのでは????」
3:櫻木真乃とアーチャーについては保留。現状では同盟を組むことはできない。
4:あの鬼侍殿の宿業、はてさてどうしてくれようか。
5:アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)は斬る。今度こそは逃さない。
※鬼ヶ島にいる古手梨花との念話は機能していません。
【
七草にちか(騎)@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:精神的負担(極大)、決意、全身に軽度の打撲と擦過傷、顔面が涙と鼻水でぐちゃぐちゃ
[令呪]:残り二画
[装備]:
[道具]:
[所持金]:高校生程度
[思考・状況]基本方針:283プロに帰ってアイドルの夢の続きを追う。
0:…私、は。
1:アイドルに、なります。……だから、まずはあの人に会って、それを伝えて、止めます。
2:殺したり戦ったりは、したくないなぁ……
3:ライダーの案は良いと思う。
4:梨花ちゃん達、無事……って思っていいのかな。
[備考]聖杯戦争におけるロールは七草はづきの妹であり、彼女とは同居している設定となります。
【ライダー(アシュレイ・ホライゾン)@シルヴァリオトリニティ】
[状態]:全身にダメージ(極大)、疲労(極大)
[装備]:アダマンタイト製の刀@シルヴァリオトリニティ
[道具]:七草にちかのスマートフォン(
プロデューサーの誘拐現場および自宅を撮影したデータを保存)
[所持金]:
[思考・状況]基本方針:にちかを元の居場所に戻す。
0:ランサー(猗窩座)を止める。
1:今度こそ、Pの元へ向かう。
2:界奏による界聖杯改変に必要な情報(場所及びそれを可能とする能力の情報)を得る。
3:情報収集のため他主従とは積極的に接触したい。が、危険と隣り合わせのため慎重に行動する。
[備考]宝具『天地宇宙の航海記、描かれるは灰と光の境界線(Calling Sphere Bringer)』は、にちかがマスターの場合令呪三画を使用することでようやく短時間の行使が可能と推測しています。
アルターエゴ(蘆屋道満)の式神と接触、その存在を知りました。
割れた子供達(グラス・チルドレン)の概要について聞きました。
七草にちか(騎)に対して、彼女の原型は
NPCなのではないかという仮説を立てました。真実については後続にお任せします。
星辰光「月照恋歌、渚に雨の降る如く・銀奏之型(Mk-Rain Artemis)」を発現しました。
【アーチャー(メロウリンク・アリティ)@機甲猟兵メロウリンク】
[状態]:全身にダメージ(大・ただし致命傷は一切ない)、マスター喪失、疲労(大)、アルターエゴ・リンボへの復讐心
[装備]:対ATライフル(パイルバンカーカスタム)、照準スコープなど周辺装備
[道具]:圧力鍋爆弾(数個)、火炎瓶(数個)、ワイヤー、スモーク花火、工具
[所持金]:なし
[思考・状況]基本方針:マスターの意志を尊重しつつ、生き残らせる。
0:…にちか。
1:アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)への復讐を果たす。
2:『自分の命も等しく駒にする』ってところは、あの軍の連中と違うな……
3:武装が心もとない。手榴弾や対AT地雷が欲しい。ハイペリオン、使えそうだな……
4:少しだけ、小隊長のことを思い出した。
[備考]※圧力鍋爆弾、火炎瓶などは現地のホームセンターなどで入手できる材料を使用したものですが、
アーチャーのスキル『機甲猟兵』により、サーヴァントにも普通の人間と同様に通用します。
また、アーチャーが持ち運ぶことができる分量に限り、霊体化で隠すことができます。
アシュレイ・ホライゾンの宝具(ハイペリオン)を利用した罠や武装を勘案しています。
※マスターを喪失しましたが、単独行動スキルにより引き続き現界の維持が可能です。
【田中摩美々@アイドルマスター シャイニーカラーズ】
[状態]:気絶、疲労(大)、ところどころ服が焦げてる
[装備]:なし
[道具]:白瀬咲耶の遺言(コピー)
[所持金]:現代の東京を散財しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)
[思考・状況]基本方針:叶わないのなら、せめて、共犯者に。
0:ただ、プロデューサーに、生きていてほしい。
1:もう一人の蜘蛛ではなく、そのマスターと話がしたい
2:プロデューサーと改めて話がしたい。
3:アサシンさんの方針を支持する。
4:咲耶を殺した人達を許したくない。でも、本当に許せないのはこの世界。
[備考]プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ と同じ世界から参戦しています
【アサシン(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ)@憂国のモリアーティ】
[状態]:心痛、覚悟、『地獄への回数券』服用
[装備]:現代服(拠出金:マスターの自費)、ステッキ(仕込み杖)
[道具]:Mとの会話録音記録、予備の携帯端末複数(災害跡地で入手)
[所持金]:現代の東京を散策しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)→限定スイーツ購入でやや浪費
[思考・状況]基本方針:聖杯の悪用をもくろむ主従を討伐しつつ、聖杯戦争を望まない主従が複数組残存している状況に持って行く。
0:…私は。
1:いずれはライダー(アッシュ)とも改めて情報交換を行う。
2:『彼(ヒーロー)』が残した現代という時代を守り、マスターを望む世界に生還させる。
3:"割れた子供達"、“皮下医院”、“峰津院財閥”。今は彼らを凌ぐべく立ち回る。
4:いざとなればマスターを信頼できるサーヴァントに預けて、手段を選ばない汚れ仕事に徹する―――だが、願わくばマスターの想いを尊重したい。
5:乱戦を乗り切ることが出来たならば、"もう一匹の蜘蛛(
ジェームズ・モリアーティ)"の安否も確認したい。
[備考]
※ライダー(アシュレイ・ホライゾン)とコンタクトを取りました。以後、定期的に情報交換を試みます。
※櫻木真乃およびアーチャー(星奈ひかる)から、本選一日目夜までの行動を聞き出しました。
【櫻木真乃@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(極大)、深い悲しみ、強い決意、気絶、サーヴァント喪失
[令呪]:喪失
[装備]:なし
[道具]:予備の携帯端末
[所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入)
[思考・状況]基本方針:どんなことがあっても、ひかるちゃんに胸を張っていられる私でいたい。
0:――ひかるちゃん。私、私…
1:優しい人達に寄り添いたい。そのために強くありたい。
2:あさひくんとプロデューサーさんとも、いつかは向き合いたい。
3:アイさんたちがひかるちゃんや摩美々ちゃんを傷つけるつもりなら、絶対に戦う。
[備考]
※
星野アイ、アヴェンジャー(
デッドプール)と連絡先を交換しました。
※プロデューサー、田中摩美々@アイドルマスターシャイニーカラーズと同じ世界から参戦しています。
【猗窩座@鬼滅の刃】
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:マスターを聖杯戦争に優勝させる。自分達の勝利は――――。
0:?????
1:プロデューサーに従い、戦い続ける。
【アルタ―エゴ・リンボ(蘆屋道満/本体)@Fate/Grand Order】
[状態]:気分高揚、魔力消費(中)、霊体化して撤退中
[装備]:なし
[道具]:
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:この東京に新たな地獄を具現させる。
0:地獄界曼荼羅の完成に向けて準備を進める。
1:いやはや見ごたえのある良い舞台でしたなぁ。
2:計画を最終段階に移す。フォーリナーのマスターを抹殺する。
3:式神は引き続き計画のために行動する。
4:…のつもりでしたが、やめました。祭りの気配がしますぞ、ンンン――。
5:式神にさせるつもりだった役目は本体が直接担うことに変更。何をするつもりかはおまかせします。
6:それはそうと新たな協力者(割れた子供達)の気質も把握しておきたい
7:“敵連合”は静観。あの蜘蛛に邪魔されるのは少々厄介。
8:機会があればまたプロデューサーに会いたい。
◆ ◆ ◆
そして。
この戦端に参加することのなかった男。
腕からまた一画消えた刻印を見やる彼。
かの地で未だ戦い続ける修羅、猗窩座の行動は彼の一存で決まるだろう。
戦いの継続か。
それとも撤退か。
或いは彼自身も戦場に姿を現すのか。
それはまだ分からない。
だが一つ確かなことは。
男はもう、戻れないということだった。
【杉並区・戦場近辺/二日目・未明】
【プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:覚悟、魂への言葉による魂喪失、魔力消費(中)、???
[令呪]:残り一画
[装備]:なし
[道具]:リンボの護符×10枚、連絡用のガラケー(グラス・チルドレンからの支給)
[所持金]:そこそこ
[思考・状況]基本方針:“七草にちか”だけのプロデューサーとして動く。……動かなくてはいけない。
0:?????
1:にちか(騎)と話すのは彼女達の安全が確保されてからだ。もしも“七草にちか”なら、聖杯を獲ってにちかの幸せを願う。
2:283陣営を攻撃する中でグラス・チルドレン陣営も同様に消耗させ、最終的に両者を排除する。
3:白瀬咲耶が死んだことに悲しむ権利なんて、自分にはない。
4:『彼女』に対しては、躊躇はしない。
5:序盤は敵を作らず、集団形成ができたらベスト。生き残り、勝つ為の行動を取る。
6:
神戸あさひは利用出来ると考える。いざとなれば、使う。
7:星野アイたちに関する情報も、早急に外部へ伝えたい。
[備考]
※チェス戎兵を中心に複数体のホーミーズを率いています。中には『覚醒者』であるグラス・チルドレンのメンバーや予選マスターの魂を使った純度の高い個体も混じっています。
※今回の強襲計画を神戸あさひ達が認知しているのか、またはその場合協力の手筈を打っているのかは次のリレーにおまかせします。
時系列順
投下順
最終更新:2023年03月19日 20:45