??? 某海面
「いやー、ようやく嵐も収まったか。早く外にでようぜ。太陽が見たい」
「その前に顔洗っていけよ。ものすごく汚いぞ?」
「駄目だって。洗面所は全部順番待ちだ。後回しにしよう」
大荒れに荒れた嵐も収まり、甲板に出る許可がようやく下りた。
二人の男は汚物の臭いが立ちこめる船室を出て、海の空気を吸いにいった。
そして-彼らは自分たちが『よくわからないところ』に来ているのを知った。
「なあアレなんて魚だ?随分でっかいなあー」
「それ以前に、魚じゃないだろ。たっぷり100mは有るぞ。
ジンベエどころじゃない・・・しかも群れてやがる」
二人の目の前には、虹色に光を反射する鱗を持った、巨大な魚の群がいた。
中には輸送艦や付近の僚艦よりも大きい魚さえいるほどだった。
どう考えても、ここは見知らぬどこかであり、インド洋上では無かった。
輸送艦 艦橋
「かかかか、艦長!大変です!」
「どうした副長。何があった?」
「アンテナが、長距離用アンテナが」
「まさか、修理不能なのか?」
「いえ!壊れていませんでした。どこも」
副長の報告を聞くなり、艦長の顔がさっと青ざめる。軍人らしからぬ
事かもしれないが、艦長が青くなるのも無理は無かった。なぜなら、
修理状況チェックのために、嵐が収まってから
受信装置は全部オンになっていたからだ。
「本当に故障していないのか?他の配線は?」
「コンピューターと目で全部チェックしました。どこも、壊れていません」
「なんたる事だ・・・核戦争でも起こったのか?」
インドとパキスタンは非常に仲が悪く、双方核保有国家である。
核使用後は電波状況が悪化するから(地上の場合、放送局そのものが危ない)
艦長の想像も有り得ないではなかった。
もっとも現在の状況は、艦長の想像を遥かに超えた物であったのだが。
平和に安堵すべきか、異常事態に恐怖すべきかは微妙なところである。
「いやー、ようやく嵐も収まったか。早く外にでようぜ。太陽が見たい」
「その前に顔洗っていけよ。ものすごく汚いぞ?」
「駄目だって。洗面所は全部順番待ちだ。後回しにしよう」
大荒れに荒れた嵐も収まり、甲板に出る許可がようやく下りた。
二人の男は汚物の臭いが立ちこめる船室を出て、海の空気を吸いにいった。
そして-彼らは自分たちが『よくわからないところ』に来ているのを知った。
「なあアレなんて魚だ?随分でっかいなあー」
「それ以前に、魚じゃないだろ。たっぷり100mは有るぞ。
ジンベエどころじゃない・・・しかも群れてやがる」
二人の目の前には、虹色に光を反射する鱗を持った、巨大な魚の群がいた。
中には輸送艦や付近の僚艦よりも大きい魚さえいるほどだった。
どう考えても、ここは見知らぬどこかであり、インド洋上では無かった。
輸送艦 艦橋
「かかかか、艦長!大変です!」
「どうした副長。何があった?」
「アンテナが、長距離用アンテナが」
「まさか、修理不能なのか?」
「いえ!壊れていませんでした。どこも」
副長の報告を聞くなり、艦長の顔がさっと青ざめる。軍人らしからぬ
事かもしれないが、艦長が青くなるのも無理は無かった。なぜなら、
修理状況チェックのために、嵐が収まってから
受信装置は全部オンになっていたからだ。
「本当に故障していないのか?他の配線は?」
「コンピューターと目で全部チェックしました。どこも、壊れていません」
「なんたる事だ・・・核戦争でも起こったのか?」
インドとパキスタンは非常に仲が悪く、双方核保有国家である。
核使用後は電波状況が悪化するから(地上の場合、放送局そのものが危ない)
艦長の想像も有り得ないではなかった。
もっとも現在の状況は、艦長の想像を遥かに超えた物であったのだが。
平和に安堵すべきか、異常事態に恐怖すべきかは微妙なところである。