55 名前:F猿 投稿日: 2004/06/22(火) 21:01 [ qUq6iUEM ]
「冗談は程ほどにして下さりませんか?」
狩野は思わずそう口に出していた。
「冗談?頭の固い奴らにしてはなかなか的確な判断ではないか。」
「……。まあ、そう仮定しましょう。どちらにしろそれに似た状況であることには変わりは無い。」
狩野は頭痛がしてきた頭を抑えながら答えた。
「それで、政府の対策は?」
向こうの声が急にまじめな口調に戻る。
「ああ、食料はこれから休耕田を必死に復帰させるらしい。今が冬だったのが幸いしたな、比較的うまくいきそうだ。
問題は…資源。特に石油だな、これは君達にかかっている。」
「では、我々の任務は…。」
「ああ、続行だ。一秒でも早く施設を完成させてくれ。」
どんなに急ピッチで作ったとしても尖閣の石油の供給体制が整うまでには最低でも一年はかかる。
そして備蓄石油はもって6ヶ月。残りの分は備蓄石油が持っている間に石炭を使った人口石油で食いつなぐ。
とのことだった。
「そしてもう一つ任務がある、この世界の情報を任務の途中、出来うる限りでかまわない、収集してくれ。」
「了解しました。」
「成功を期待する。」
ずいぶんと大変な任務になってしまったな、狩野は苦笑が癖になってしまったようだった。
56 名前:F猿 投稿日: 2004/06/22(火) 21:01 [ qUq6iUEM ]
「青島二等海尉。」
次の日の朝、青島は寝所から起きだすとすぐに声がかけられた。
「ん?天野二曹、どうしたんですか、こんな早くに。」
「いえ、昨日、二尉の近くから離れてしまったので、」
「ああ、そのことですか。」
天野二等海曹はベテラン中のベテラン隊員で、佐藤など若い隊員が多い中、青島部隊の要となっていた。
その身にも色々噂が多く、イラクで人を殺したことがあるとか、海外の外人傭兵部隊にいたことがあるなど、
しかし彼の身にまとう武士的な雰囲気はそれらの噂を肯定こそすれ、否定するものではなかった。
そして昨日彼は混乱する現場において、何人もの幹部に代わって指揮を執っていたのだ。
「天野さんは、昨日現場で混乱を収めていたじゃないですか。」
そして青島は彼に、普通の任務だけではなく、もう一つの任務が課されている事に薄々感づいていた。
「いえ、混乱した現場だからこそ、二尉の傍にいるべきでした。」
そして青島はそれに少なからずコンプレックスを抱いていた。
「……。」
「……。」
57 名前:F猿 投稿日: 2004/06/22(火) 21:07 [ qUq6iUEM ]
「あっ!二人とも!」
気まずい沈黙を破ったのは横から入ってきた佐藤であった。
「どうした佐藤、大声を出すな。」
「あ、天野さん、聞いて下さい!」
余談だが、ここまでの性格の違いがあるにもかかわらず佐藤は天野を慕い、天野は佐藤を可愛がっていた。
佐世保基地七不思議の一つに数えられているとかいないとか。
「漂流者が見つかったんです!」
「…。」
「…。」
「…。」
再び沈黙が流れる、多少先程と意味合いが違うが。
こいつはバカかと、アホかと、と小一時間問い詰めたい、といった顔をして二人は佐藤を見た。
「いや、漂流者くらい普通だろう。今度の混乱で沈んだ船もあるだろうし。」
青島の突っ込みに佐藤はもう一度叫んだ。
「いや、それが漂流者の耳が長いんです!」
ナ・・・ナンダッテー(AA略)
「冗談は程ほどにして下さりませんか?」
狩野は思わずそう口に出していた。
「冗談?頭の固い奴らにしてはなかなか的確な判断ではないか。」
「……。まあ、そう仮定しましょう。どちらにしろそれに似た状況であることには変わりは無い。」
狩野は頭痛がしてきた頭を抑えながら答えた。
「それで、政府の対策は?」
向こうの声が急にまじめな口調に戻る。
「ああ、食料はこれから休耕田を必死に復帰させるらしい。今が冬だったのが幸いしたな、比較的うまくいきそうだ。
問題は…資源。特に石油だな、これは君達にかかっている。」
「では、我々の任務は…。」
「ああ、続行だ。一秒でも早く施設を完成させてくれ。」
どんなに急ピッチで作ったとしても尖閣の石油の供給体制が整うまでには最低でも一年はかかる。
そして備蓄石油はもって6ヶ月。残りの分は備蓄石油が持っている間に石炭を使った人口石油で食いつなぐ。
とのことだった。
「そしてもう一つ任務がある、この世界の情報を任務の途中、出来うる限りでかまわない、収集してくれ。」
「了解しました。」
「成功を期待する。」
ずいぶんと大変な任務になってしまったな、狩野は苦笑が癖になってしまったようだった。
56 名前:F猿 投稿日: 2004/06/22(火) 21:01 [ qUq6iUEM ]
「青島二等海尉。」
次の日の朝、青島は寝所から起きだすとすぐに声がかけられた。
「ん?天野二曹、どうしたんですか、こんな早くに。」
「いえ、昨日、二尉の近くから離れてしまったので、」
「ああ、そのことですか。」
天野二等海曹はベテラン中のベテラン隊員で、佐藤など若い隊員が多い中、青島部隊の要となっていた。
その身にも色々噂が多く、イラクで人を殺したことがあるとか、海外の外人傭兵部隊にいたことがあるなど、
しかし彼の身にまとう武士的な雰囲気はそれらの噂を肯定こそすれ、否定するものではなかった。
そして昨日彼は混乱する現場において、何人もの幹部に代わって指揮を執っていたのだ。
「天野さんは、昨日現場で混乱を収めていたじゃないですか。」
そして青島は彼に、普通の任務だけではなく、もう一つの任務が課されている事に薄々感づいていた。
「いえ、混乱した現場だからこそ、二尉の傍にいるべきでした。」
そして青島はそれに少なからずコンプレックスを抱いていた。
「……。」
「……。」
57 名前:F猿 投稿日: 2004/06/22(火) 21:07 [ qUq6iUEM ]
「あっ!二人とも!」
気まずい沈黙を破ったのは横から入ってきた佐藤であった。
「どうした佐藤、大声を出すな。」
「あ、天野さん、聞いて下さい!」
余談だが、ここまでの性格の違いがあるにもかかわらず佐藤は天野を慕い、天野は佐藤を可愛がっていた。
佐世保基地七不思議の一つに数えられているとかいないとか。
「漂流者が見つかったんです!」
「…。」
「…。」
「…。」
再び沈黙が流れる、多少先程と意味合いが違うが。
こいつはバカかと、アホかと、と小一時間問い詰めたい、といった顔をして二人は佐藤を見た。
「いや、漂流者くらい普通だろう。今度の混乱で沈んだ船もあるだろうし。」
青島の突っ込みに佐藤はもう一度叫んだ。
「いや、それが漂流者の耳が長いんです!」
ナ・・・ナンダッテー(AA略)