「話を聞いていると、君達はバーマント公国の事をかなり恐れているようだが、
彼らは敵陣を占領した後、捕虜やその現場周辺の住民に対してどんな対処を取って
いるのかね?」
黙って聞いていたスプルーアンスが口を開いた。
「よっぽど、ひどい対処をしているのかね?」
その問いに、フランクスらはすぐに頷いた。
「バーマント軍のやり方は・・・・・・・・・・・」
レイムが言葉を続けようとしたが、なぜか体を震わせたまま黙ってしまった。第5艦隊
の将星、参謀達は何事かと眉をひそめた。やがて、震えた口調でレイムは続けた。
「最低なやり方です。」
「最低なやり方?」
スミスが首をひねった。だが、すぐに彼女が言わんとしている言葉を思いついた。まさか・・・・
「皆殺し・・・・・・・なのかね?」
スプルーアンスがいつもの怜悧な口調で聞いてきた。
「はい。あなたが言われるとおりです。戦争が始まって2年。バーマント軍に国土の40パー
セントが占領された事は先にフランクス将軍が申しましたね。この40パーセントの占領地には
我がヴァルレキュア王国の国民、約60万人が住んでいました。バーマント公国は、占領地の我が
国民を・・・・・・・虐殺したのです。「「ヴァルレキュアの赤い悪魔に死を」」を合言葉に。」
「なんだって!?」
ターナー中将が仰天したような言葉を上げた。この時会議室はざわめいた。
「ヴァルレキュアの赤い悪魔だと?それはどういう事だ?赤いと言えば君達の眼が赤いぐらいだが。」
「答えの1つはそこにあります。」
「もしや、ただ眼が赤いだけで、バーマント公国は君達を悪魔と決め付けたのか!?」
スミスも驚いたような口調で叫んだ。
「はい。ですが本当は、バーマント人と変わらぬ人間なのにも関わらずです。しかし、本当の理由は、自らの国土
を増やしたいがために、わが国に一方的な理由を突きつけて侵攻してきたのです。バーマント公国の首脳は、我々を
絶滅させるまで戦争をやめないと言ってきています。ただ、国土を増やしたいがために!」
レイムは、拳を強く握り締めながら言った。彼女の話は続く。
彼らは敵陣を占領した後、捕虜やその現場周辺の住民に対してどんな対処を取って
いるのかね?」
黙って聞いていたスプルーアンスが口を開いた。
「よっぽど、ひどい対処をしているのかね?」
その問いに、フランクスらはすぐに頷いた。
「バーマント軍のやり方は・・・・・・・・・・・」
レイムが言葉を続けようとしたが、なぜか体を震わせたまま黙ってしまった。第5艦隊
の将星、参謀達は何事かと眉をひそめた。やがて、震えた口調でレイムは続けた。
「最低なやり方です。」
「最低なやり方?」
スミスが首をひねった。だが、すぐに彼女が言わんとしている言葉を思いついた。まさか・・・・
「皆殺し・・・・・・・なのかね?」
スプルーアンスがいつもの怜悧な口調で聞いてきた。
「はい。あなたが言われるとおりです。戦争が始まって2年。バーマント軍に国土の40パー
セントが占領された事は先にフランクス将軍が申しましたね。この40パーセントの占領地には
我がヴァルレキュア王国の国民、約60万人が住んでいました。バーマント公国は、占領地の我が
国民を・・・・・・・虐殺したのです。「「ヴァルレキュアの赤い悪魔に死を」」を合言葉に。」
「なんだって!?」
ターナー中将が仰天したような言葉を上げた。この時会議室はざわめいた。
「ヴァルレキュアの赤い悪魔だと?それはどういう事だ?赤いと言えば君達の眼が赤いぐらいだが。」
「答えの1つはそこにあります。」
「もしや、ただ眼が赤いだけで、バーマント公国は君達を悪魔と決め付けたのか!?」
スミスも驚いたような口調で叫んだ。
「はい。ですが本当は、バーマント人と変わらぬ人間なのにも関わらずです。しかし、本当の理由は、自らの国土
を増やしたいがために、わが国に一方的な理由を突きつけて侵攻してきたのです。バーマント公国の首脳は、我々を
絶滅させるまで戦争をやめないと言ってきています。ただ、国土を増やしたいがために!」
レイムは、拳を強く握り締めながら言った。彼女の話は続く。
「実は、私は家族と共にバーマントとヴァルレキュアの国境付近で生活していました。
2年前の戦争勃発時、私はたまたま故郷に帰っていました。私はその日の朝、突然、
バーマント公国がヴァルレキュアに侵攻を開始したと、逃げ出してきた兵士に聞きました。
その時、私は疑問に思いました。なぜ国境守備兵がここまで逃げてきているのかと。
私は聞きました。そしてその時初めて、国境の守備軍が壊滅し、圧倒的な戦力のバーマント
軍が国内に雪崩れ込んできていると。バーマント軍は私達が逃げる間もなく故郷の町に入って
来ました。」
2年前の戦争勃発時、私はたまたま故郷に帰っていました。私はその日の朝、突然、
バーマント公国がヴァルレキュアに侵攻を開始したと、逃げ出してきた兵士に聞きました。
その時、私は疑問に思いました。なぜ国境守備兵がここまで逃げてきているのかと。
私は聞きました。そしてその時初めて、国境の守備軍が壊滅し、圧倒的な戦力のバーマント
軍が国内に雪崩れ込んできていると。バーマント軍は私達が逃げる間もなく故郷の町に入って
来ました。」
「国境守備軍が壊滅したと言っていたが、その時国境の守備隊は何人ほどが動員されていたのだね?」
スミス中将が聞いてきた。
「国境守備軍は、私が住んでいた故郷の方面に1万人配備されていました。侵攻軍は10万の大群で攻め
行って来たので、防衛もままならなかったのです。」
「10対1・・・・・・・完璧だな。」
スミス中将はそう呟いた。
「町に入ってきたバーマント軍は700人ほどでした。町には300人の住民がいました。敵の侵攻が余りにも
急だったので、逃げ切れなかった私と家族は、敵の捕虜になると思いました・・・・・・
しかし、彼らが待ちに入ってきた理由は私達を捕虜にするためではありませんでした。私達を
「「殲滅」」するために町に押しかけたのです。」
スミス中将が聞いてきた。
「国境守備軍は、私が住んでいた故郷の方面に1万人配備されていました。侵攻軍は10万の大群で攻め
行って来たので、防衛もままならなかったのです。」
「10対1・・・・・・・完璧だな。」
スミス中将はそう呟いた。
「町に入ってきたバーマント軍は700人ほどでした。町には300人の住民がいました。敵の侵攻が余りにも
急だったので、逃げ切れなかった私と家族は、敵の捕虜になると思いました・・・・・・
しかし、彼らが待ちに入ってきた理由は私達を捕虜にするためではありませんでした。私達を
「「殲滅」」するために町に押しかけたのです。」
「バーマント軍の「「殲滅作戦」」はすぐに始まりました。私達の目の前で町長が
切り殺されたのです。それを皮切りにバーマント軍は町の人達を次々と襲い始めました。
男は、敵軍の兵士の剣術練習の的となって殺されました。女の人も同じように殺害されました。
それだけでなく、1人の女性に群がって犯し、次々と殺していきました。中には体の中のものを
生きたまま抉り出して、反応を見て笑う敵軍兵士もいました。子供はもっと残忍な方法で殺されました。
手足を切り落として動けなくし、出血多量で死なせたのです・・・・・あまりにも酷すぎました。
切り殺されたのです。それを皮切りにバーマント軍は町の人達を次々と襲い始めました。
男は、敵軍の兵士の剣術練習の的となって殺されました。女の人も同じように殺害されました。
それだけでなく、1人の女性に群がって犯し、次々と殺していきました。中には体の中のものを
生きたまま抉り出して、反応を見て笑う敵軍兵士もいました。子供はもっと残忍な方法で殺されました。
手足を切り落として動けなくし、出血多量で死なせたのです・・・・・あまりにも酷すぎました。
私達の家族は、幸いにも町から逃げ出す寸前まで行きました。私達のほかにも何家族かが一緒でした。
ですが敵軍の兵士に見つかってしまいました。私は戦いました。5人のバーマント軍の兵士を返り討ち
にしましたが、6人目を討ち取ろうとしたとき、その兵士が持っていたクロスボウで左胸、心臓に近い
位置に打ち込まれました。矢は私の体を串刺しにする形で止まりました。今もここにハッキリと傷跡が
残っています。」
レイムは自分の左胸、乳房から少し右に離れた位置に手を当てた。服に隠れて見えないが、そこが傷跡の
ある位置だった。
「私は痛みに屈して倒れました。私は薄れ行く意識の中で、母、父、兄の3人の家族が次々に殺されるところ
を見ました。わずかな時間でした。バーマント軍の兵士は、私を襲ってきませんでした。矢が刺さった位置が
急所の近くであったことから、私を完全に殺したと勘違いしたのでしょう。私はそれから7日後に、ヴァルレキュア
軍の陣地で眼を覚ましました。私を連れてきた兵士から聞かされた話ですが、あの傷で普通は死んでもおかしくなか
った。矢が心臓を逸れていたことが助かった原因だと、言われました。村は私以外を除いて全ての住人が殺害されました。
それから2年の間、確認できただけでも58万人が虐殺されていると言われています。これはバーマントから死体付きの手紙
で知らされました。私は、村人が・・・・・家族が・・・・・・悲鳴を上げながら死んで言った事を・・・・忘れてはいません。」
レイムの赤い瞳から涙が滲み、やがて彼女の頬を伝った。
ですが敵軍の兵士に見つかってしまいました。私は戦いました。5人のバーマント軍の兵士を返り討ち
にしましたが、6人目を討ち取ろうとしたとき、その兵士が持っていたクロスボウで左胸、心臓に近い
位置に打ち込まれました。矢は私の体を串刺しにする形で止まりました。今もここにハッキリと傷跡が
残っています。」
レイムは自分の左胸、乳房から少し右に離れた位置に手を当てた。服に隠れて見えないが、そこが傷跡の
ある位置だった。
「私は痛みに屈して倒れました。私は薄れ行く意識の中で、母、父、兄の3人の家族が次々に殺されるところ
を見ました。わずかな時間でした。バーマント軍の兵士は、私を襲ってきませんでした。矢が刺さった位置が
急所の近くであったことから、私を完全に殺したと勘違いしたのでしょう。私はそれから7日後に、ヴァルレキュア
軍の陣地で眼を覚ましました。私を連れてきた兵士から聞かされた話ですが、あの傷で普通は死んでもおかしくなか
った。矢が心臓を逸れていたことが助かった原因だと、言われました。村は私以外を除いて全ての住人が殺害されました。
それから2年の間、確認できただけでも58万人が虐殺されていると言われています。これはバーマントから死体付きの手紙
で知らされました。私は、村人が・・・・・家族が・・・・・・悲鳴を上げながら死んで言った事を・・・・忘れてはいません。」
レイムの赤い瞳から涙が滲み、やがて彼女の頬を伝った。
彼女から伝えられた、バーマント軍の蛮行に、インディアナポリスの食堂はシーンと静まり返った。
話のあまりにも衝撃的な内容に、誰もが黙り込んでしまった。沈黙は実に15分
も続いた。後に、作戦参謀のフォレステル大佐が、この食堂だけ暗黒の世界に引き込まれた
ようだった、と言わしめたほどだった。
も続いた。後に、作戦参謀のフォレステル大佐が、この食堂だけ暗黒の世界に引き込まれた
ようだった、と言わしめたほどだった。
「ひどい・・・・・・余りにもひどすぎる・・・・まるでどこかの国の原始バージョンじゃないか。」
やがて、スミス中将が、呻くように言葉を紡ぎ始めた。
「ハラワタを抉り出して反応を楽しむ・・・・・剣術練習台にする・・・・・無抵抗な住民を皆殺し・・・
なんて野郎どもだ。バーマント軍のど畜生どもめが!!」
残虐非道なバーマントに対する罵声が、彼の口から飛び出した。彼はスプルーアンスに顔を向けた。
「スプルーアンス長官。やりましょう。彼らに協力しましょう。このままでは彼らは遠からずバーマント公国に蹂躙され、
絶滅の憂き目に会うことは間違いありません!国土を拡張するだけで、その国を侵略し、その国の住民を残らず殺す。
そんな国が考えられますか?長官、わがマリアナ侵攻部隊の装備なら十分に敵を叩けます。協力しましょう!」
彼は熱に浮かされたような口調で一気にまくし立てた。
「私も賛成です。」
リー中将も頷く。
「原住民が邪魔だから皆殺し。そんな国は滅ぼしたほうがいいです。」
簡単ながらも、彼もやや上ずった口調でそう言った。
「そうです!長官、行きましょう。バーマントのような技術格差のある原住民を虐殺する蛮国など、
生かす価値はありません!あの憎きジャップも、捕虜を全員皆殺しというのは、バーマントのように
頻繁にやっているわけではありません。我が機動部隊の艦載機、マーシャル諸島航空隊の全力を持って、
バーマント公国に空襲をかけましょう!」
第5艦隊幕僚からも同じような言葉が次々と出てきた。スプルーアンスは、しかしいつもと変わらぬ冷静な
表情で聞くだけだった。
やがて、スミス中将が、呻くように言葉を紡ぎ始めた。
「ハラワタを抉り出して反応を楽しむ・・・・・剣術練習台にする・・・・・無抵抗な住民を皆殺し・・・
なんて野郎どもだ。バーマント軍のど畜生どもめが!!」
残虐非道なバーマントに対する罵声が、彼の口から飛び出した。彼はスプルーアンスに顔を向けた。
「スプルーアンス長官。やりましょう。彼らに協力しましょう。このままでは彼らは遠からずバーマント公国に蹂躙され、
絶滅の憂き目に会うことは間違いありません!国土を拡張するだけで、その国を侵略し、その国の住民を残らず殺す。
そんな国が考えられますか?長官、わがマリアナ侵攻部隊の装備なら十分に敵を叩けます。協力しましょう!」
彼は熱に浮かされたような口調で一気にまくし立てた。
「私も賛成です。」
リー中将も頷く。
「原住民が邪魔だから皆殺し。そんな国は滅ぼしたほうがいいです。」
簡単ながらも、彼もやや上ずった口調でそう言った。
「そうです!長官、行きましょう。バーマントのような技術格差のある原住民を虐殺する蛮国など、
生かす価値はありません!あの憎きジャップも、捕虜を全員皆殺しというのは、バーマントのように
頻繁にやっているわけではありません。我が機動部隊の艦載機、マーシャル諸島航空隊の全力を持って、
バーマント公国に空襲をかけましょう!」
第5艦隊幕僚からも同じような言葉が次々と出てきた。スプルーアンスは、しかしいつもと変わらぬ冷静な
表情で聞くだけだった。
会議室代わりの食堂に、バーマント討つべし!蛮族を撃滅しろ!との強硬論が
増えつつあった。その時、スプルーアンスは口を開いた。
「話はよく分かった・・・・・所で、諸君に聞きたいことがある。我々合衆国の先人
達は、過去に祖国で何をした?」
突然のスプルーアンスの問いに、誰もが戸惑った。なんで関係のない話を?誰もがそう
言いたげだった。
間もなく、スミスが答えた。
「開拓を行いました。」
「そう。開拓を行った。あらゆる手段で。バーマント公国が取ってきたような手段も用いてな。」
4人は驚いた。バーマントが取ってきたような手段も用いて?どういうことか?彼らはそう思った。
「先人達は本来の先住民族、インディアンを迫害しながら開拓を行ってきた。この迫害で何万もの
インディアンが犠牲になった。私が言いたいのは一つ、祖先もバーマントと同じような手段で富を開いたのだ。
それを忘れるな。」
スプルーアンスの一言に、会議室は静かになった。つまり、自分達の祖先も、バーマントと同じような事
をしてきた。それを棚上げにしてバーマントを撃滅しろなどど言うな、と言うことなのだ。
スプルーアンスは、先人達のインディアン迫害を嫌っていた。
「いくら開拓とはいえ、無実であるインディアンを迫害することなど、馬鹿げた事である。原住民も人なのだから
話し合えばもっとましな道を歩めた事だろう。先人達のインディアン迫害は、開拓の焦りが感じられるものである。」
彼はこのように言っている。
増えつつあった。その時、スプルーアンスは口を開いた。
「話はよく分かった・・・・・所で、諸君に聞きたいことがある。我々合衆国の先人
達は、過去に祖国で何をした?」
突然のスプルーアンスの問いに、誰もが戸惑った。なんで関係のない話を?誰もがそう
言いたげだった。
間もなく、スミスが答えた。
「開拓を行いました。」
「そう。開拓を行った。あらゆる手段で。バーマント公国が取ってきたような手段も用いてな。」
4人は驚いた。バーマントが取ってきたような手段も用いて?どういうことか?彼らはそう思った。
「先人達は本来の先住民族、インディアンを迫害しながら開拓を行ってきた。この迫害で何万もの
インディアンが犠牲になった。私が言いたいのは一つ、祖先もバーマントと同じような手段で富を開いたのだ。
それを忘れるな。」
スプルーアンスの一言に、会議室は静かになった。つまり、自分達の祖先も、バーマントと同じような事
をしてきた。それを棚上げにしてバーマントを撃滅しろなどど言うな、と言うことなのだ。
スプルーアンスは、先人達のインディアン迫害を嫌っていた。
「いくら開拓とはいえ、無実であるインディアンを迫害することなど、馬鹿げた事である。原住民も人なのだから
話し合えばもっとましな道を歩めた事だろう。先人達のインディアン迫害は、開拓の焦りが感じられるものである。」
彼はこのように言っている。
スプルーアンスは4人に顔を向けた。
「私達も、過去に先人がこのような事を行ってきた。そう、血塗られた歴史がある国の国民なのだ。それでも、
あなた方は私達に協力して欲しいのか?私はその是非を聞きたい。要請するのも、断るのも自由だ。」
フランクスは迷った。まさか召喚主の祖先が、バーマントと似たような方法で国土を広げたとは思わなかった。
それを知って彼は迷っている。いずれ、この召喚主達がヴァルレキュアを占領しようと企むのではないか。
その考えが頭をもたげてきた。すると、スプルーアンスが新たに付け加えた。
「私はこの召喚された部隊の最高責任者だ。私がいる限り、植民地も、君達の国を滅ぼそうとはしない。それだけは
約束できる。」
スプルーアンスは断言した。
「あなたは・・・・・あなた方の先人達が歩んできた事をしないと?」
「そうだ。」
フランクスの問いにスプルーアンスは断言した。
「分かりました。スプルーアンス大将、私はあなた方の部隊に協力を要請したい。わが国を、
かけがえのない住民をバーマントの牙から守ってください。」
彼の答えに、スプルーアンスはいつものように、
「分かった。」
と、冷静な表情で答えた。
「私達も、過去に先人がこのような事を行ってきた。そう、血塗られた歴史がある国の国民なのだ。それでも、
あなた方は私達に協力して欲しいのか?私はその是非を聞きたい。要請するのも、断るのも自由だ。」
フランクスは迷った。まさか召喚主の祖先が、バーマントと似たような方法で国土を広げたとは思わなかった。
それを知って彼は迷っている。いずれ、この召喚主達がヴァルレキュアを占領しようと企むのではないか。
その考えが頭をもたげてきた。すると、スプルーアンスが新たに付け加えた。
「私はこの召喚された部隊の最高責任者だ。私がいる限り、植民地も、君達の国を滅ぼそうとはしない。それだけは
約束できる。」
スプルーアンスは断言した。
「あなたは・・・・・あなた方の先人達が歩んできた事をしないと?」
「そうだ。」
フランクスの問いにスプルーアンスは断言した。
「分かりました。スプルーアンス大将、私はあなた方の部隊に協力を要請したい。わが国を、
かけがえのない住民をバーマントの牙から守ってください。」
彼の答えに、スプルーアンスはいつものように、
「分かった。」
と、冷静な表情で答えた。