自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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大陸暦1098年 9月20日 バーマント公国カルリア
鉄格子から眺めるカルレアの草原は、どことなく美しく、それでいて、寂しさも感じさせる。
空は曇っていて、今日の外の風景は寂しさが勝っている。
視線のすぐ左の細長い塔のてっぺんには対空機銃が設置されており、警備兵が何人か警戒に当たっている。
(そんな私の心も、寂しくなったのかな)
グリフィンはふと、そう思った。
紙は金髪でショートに纏められ、体つきはそこそこがっしりしている
。顔立ちは容姿端麗であるが、顎に生えた無精髭がその要望を少しばかり損ねている。
彼、グリフィン・バーマントは大きく背を伸ばすと、ベッドに座った。
側にあった小石を取ると、硬い石の床に傷をつけた。
同じような傷が780個もある。
これは、彼が投獄されてからの日数を表している。
そして今日、また1つ増えた。
「今日で795日か・・・・・・もう2年以上になるのか。」
グリフィンは小さな声で、そう呟いた。

2年前の3月。グリフィンはある1人の将官と話をしていた。
「これは・・・・・」
当時、第3皇子だったグリフィンは、将官、アルベルト・グライツラー騎士大将が携えてきた紙を見て驚愕した。
その文面に書かれていた作戦名、それはヴァルレキュア侵攻作戦とあった。
作戦内容は、ヴァルレキュア領に80万の兵力で侵攻し、一気に全土を占領すると言うものだった。
その際、ヴァルレキュア領の全ての人は殺害しても良いと書かれている。
「どこからこんな内容が!」
「それは・・・・あなたのお父上でございます。」
「父上が!?」
グリフィンは最初は驚きこそしたものの、すぐに落ち着きを取り戻した。
最近から、彼の父、グルアロスはしきりにヴァルレキュアを意識していた。
ある時などは、いずれヴァルレキュアが攻めてくるかも知れぬ、だから今のうちに何とかせねば、
などの、侵攻を匂わすような発言が目立っていた。
「ついにヴァルレキュアまで手にかけるつもりなのか。」
グリフィンはグルアロスの事をあまり好きじゃなかった。それどころか常に対立している。
3年前の小国エルボストを攻め入ろうとしたとき、当時16歳だったグリフィンは反対した。
だが、グルアロスは彼の反対意見を退け、強引にエルボストに侵攻して、あっという間に占領してしまった。
この侵攻で、エルボストの人口が約40%減ったと言う。

「グリフィン殿下、もはや、私は皇帝陛下の政策にはついてい行けません。」
「私から父に何か言ったほうが」
「いえ、皇帝陛下は聞き入れてくれないでしょう。それに、殿下は昨日、
陛下とかなりやりあったとお聞きしますが。」
グリフィンは思わずうっと唸ってしまった。
実は昨日の夜、グリフィンはグルアロスに対して、これ以上無意味な拡大戦争はやめるべきだと伝え、
これまで占領した国を元に戻したほうがいいと説いた。
だが、グルアロスは彼の意見を退け、しまいには掴みあい寸前の激論に達した。
結局、無意味な水掛け論に終始してしまった。
その事から、この日のグルアロスは朝から機嫌が悪く、侍従やメイドが粗相をしでかすと
たちまち雷が落ちた。
「殿下・・・・・・」
グライツラー騎士大将は何かを言おうとした。だが、彼は躊躇っているのか、何も話さなくなった。
「グライツラー、ここには貴官と私しかいない。言ってくれ。」
彼の言葉で心の使えが取れたのか、グライツラーは重い口を開いた。
「実は、皇帝陛下の政策を心良しとしないと思う者は軍にも幾人かおります。
その者たち同志で我々は反対派を組織しております。」
「反対派か・・・・とすると、君達以外のものは統一派というわけか。」
「そのようになります。殿下、あなたも皇帝陛下の政策は不快に思われているようです。
私は、どうもヴァルレキュア侵攻はやってはいけないような気がするのです。」
「私も同じだ。はっきり言って父上の対外政策は褒められるものではないからな。」
「そこでなのですが・・・・殿下、我々に加わっていただけませんでしょうか?」

「反対派に・・・・・だな?」
「はい。」
グライツラーは真剣なまなざしで彼を見つめていた。
(父の暴走を止めるには、やはり俺が必要なのだろう)
そう思ったグリフィンは意を決し、反対派に加わる事に決めた。
だが、この時の会話は、グリフィンの妹、エリラに聞かれていた。
その1ヵ月後、反対派の面々は一斉に検挙された。

4月の始めのある日、グライツラーと共に部屋で話をしていたグリフィンの元に、
突然完全武装の騎士10人と、同い年の妹、エリラが乱入してきた。
「あら、お兄様。誰と話している思ったら。」
「エリラ!礼もなしに入ってくるなど、無礼だぞ!」
「無礼?」
彼女はそう反芻すると、ふんと鼻を鳴らした。
「叛徒ごときが何を言うのかしら。」
「叛徒?エリラ、どういうことだ!?」
声を荒げて、グリフィンはエリラに詰め寄ろうとしたが、彼女は一枚の巻かれた紙を彼に投げた。
「その文面にはこう書かれているわ、反逆者、グリフィン・バーマントは
本日を持って宮殿から追放し、カルリア監獄に収監する。」
「どういうことだ?」
「どういうこと?お兄様、あの時の話、あたし聞いてたから。」
「!!」
グリフィンは声にならない叫びを上げた。
「あの時、あたしはあんたの部屋の天井から見ていたわ。そこの国賊と反乱まがいの事をほのめかしていた事を!」
エリラの双眸が鋭くなる。まるで鷹の目つきのようである。
「なぜ天井に」
「お父様から指示されたの。お兄様を探れとね。」
その時、後ろにいたグライツラー大将が物凄いスピードでエリラに切りかかった。
あっという間の出来事で、護衛の騎士達もやや反応が遅れた。

細長い剣がエリラを串刺しにする、と、誰もが思った時、エリラは目にも留まらぬ速さで剣の横腹を足で蹴った。
わずかに逸らされた剣はそのままエリラの体を掠めた。
そしてグライツラーの後ろに回ったエリラは右腕で彼の首を締め上げた。
「お・・・おのれ。貴様・・・ごときに!」
急激に締め上げられる右腕。首を必死に動かそうとするが、左腕で頭を抑えているため全く動かない。
女とは思えない力強さである。
「ふふふ。あたしも普段からハードな訓練を行っているのですよ?大将閣下。
あなたを皇族殺人未遂の罪で・・・・処刑します。」
彼女は身も凍るような笑みを浮かべると、慣れた手つきで左腕を動かした。
首があっさりと捻られ、グリッという気色悪い音が鳴った。
首の骨をおられたグライツラーは、その場に倒れ付した。
「さて。」
エリラは冷たい視線をグリフィンに投げかけた。
「お兄様、もとい、そこの反逆者を連れて行きなさい。」
エリラの命令に従った騎士達は、グリフィンを後ろ手に縛り上げて、彼の部屋から連れ出した。
グリフィンは部屋から出るさいに後ろを振り返った。
彼の妹であるエリラの顔は、笑っていた。まるで、この時を待っていたかのように。

それから1時間後に、反対派はほとんどが捕らえられてしまった。
その時から、バーマントの国勢は再び戦争と言う歯車に突き動かされていく。

それから2年余り・・・・・
今では囚われの身となっている。だが、ここ最近は変わった事があった。
グリフィンはベッドの下から紙を取り出した。
その紙は、バーマント公国の広報紙である。
カルリア監獄の囚人達は、月に(不定期ではあるが)何度か、朝食と共に広報紙が配られている。
これはどこの刑務所、監獄でも同じで、情報の隔絶された囚人達のストレスを和らげようとして、
行われているものである。
この方法を取り入れたのは6年前からであり、それまで年間80件はあった刑務所内の暴動とかの事件が
ぱったりと止んでいる。

取り出した広報紙の前面には一面トップに飾られた大戦果の報と、この広報紙では初の試みとなった写真が掲載されている。
写真の題名は燃える異世界の軍艦と書かれている。
その軍艦は甲板はほとんど平たく、中央部には大き目の煙突と一体化した船橋、それの前後に4つの箱らしきもの。
文面によると、去る5月12日に突然表れた謎の艦隊がララスクリスとクロイッチの我が軍をいきなり飛空挺で空襲した。
だが、わが勇敢なる第1、第2空中騎士団は全力を持ってこの謎の大艦隊を攻撃し、艦型不詳の大型艦4隻を撃沈した。
と報じている。
だが、グリフィンは最初、そんな内容には興味は無かった。
むしろ、この写真の軍艦に釘付けとなった。
彼は知らなかったが、この写真の軍艦はクロイッチ沖海戦で損傷した米正規空母バンカーヒルを、
攻撃後の避退中に撮影したものである。
しかし、グリフィンは後々、文面が間違った事を伝えていると思った。
グリフィンは元々、船に興味があり、何度か海軍にも視察に行ったことがあり、船に対する知識も豊富である。
一見良く撮れたバンカーヒルの写真だが、彼は一目で沈没には至っていないと確信した。
なぜなら、文には沈みつつあると書いてあるのに、写真の軍艦は艦首波が高く、かなりのスピードで航行している。
それに煙でよく見えづらいため判断できないが、船体は全く傾いていない。

唯一黒煙の量が多いだけで、その煙の多さがバンカーヒルの被害が甚大であると錯覚させている。
グリフィンも危うく沈没寸前の船と思い込みそうになったほどである。
彼の思ったとおり、実際バンカーヒルは中破の判定を受けているが、母艦機能は健在で、その後も作戦を続行していた。
「この広報紙を見つけて早4ヶ月か。」
それ以来、彼はたまに運ばれてくる広報紙を全て集めた。
7月には異世界軍がサイフェルバンに侵攻し激戦中。
8月の始めには王都付近に異世界軍の飛空挺の編隊が現れたが、ほとんどを叩き落したと広報紙には書かれている。
だが彼はあまり信じてはいない。
8月の初め、グリフィンは見張りの様子がどことなく、そわそわしているように感じられた。
ある時、グリフィンは朝食を運んできた兵に聞いてみた。
「サイフェルバンはどうなっているんだ?」
兵士は面食らったような表情を浮かべた。
「あ、ああサイフェルバンね。サイフェルバンはまだ敵と激戦が続いているよ。」
それだけ言うと、兵士はそそくさと去っていった。
その事から、彼はサイフェルバンの戦況が思わしくないと確信している。
鉄の扉がコンコンと叩かれた。
「朝食だ。」
兵士の事務的な声が聞こえた。トビラの3分の1ほどの高さの小さな開閉口から朝食が入れられる。
パンとイモのスープ。それにコップ1杯の水。朝食を彼の部屋に入れ終わった兵士は遠ざかって言った。
彼は立ち上がり、入れられた朝食を取ってベッドに座った。食事はいつもながら不味い。
最初はあまりの不味さに辟易していたが、今ではすっかり慣れっこである。

しかし、いくら慣れていても、不味いと思う事には変わりは無い。
グリフィンは10分ほどで食べ終えると、開閉口の前に食器を置いた。
グリフィンはいつもの日課である筋力トレーニングをやり始めた。腕立て、腹筋各600回。背筋500回。
それに各種の柔軟体操。これのトレーニングメニューが終わった時には1時間が経過していた。
トレーニングが終わったあとは支給されたタオルで体を拭き、ベッドに横たわって考え事をする。
ベッドに横たわったとき、不意に扉を叩く音が聞こえた。
「なんだ?食器を取りに来るまで時間はあるのに。」
何度も繰り返されるノックに誘われるように、グリフィンはトビラの前に近づいた。
「殿下、私の声が聞こえますか?」
扉の向こうから声がした。しわがれた年季の入った声である。
「誰ですか?」
グリフィンは不審に思いつつも返事をする。
ここの司令官か?いや、司令官でも俺の事は反逆者と呼び捨てにしている。
では、扉の向こうの人物はいったい?
「当番兵・・・・・ではなさそうですね。」
「当番兵ではないことは確かですね。当番兵には薬で眠ってもらっています。」
小さな声にもかかわらず、どことなく聞き取りやすい。凄く冷静でもある。
「と、言う事は、あなたは」
「侵入者・・・・と言いたいのですね?」
グリフィンの言葉を、声の主は先取りする。
「その答えはやや間違いです。ですが、これだけはハッキリ言えます。私は貴方の味方です。」
「味方・・・・か。と言う事は、この監獄にずっといたのか?」
「そうです。本来ならもっと教えたいのですが、私の事に関してはあえてここまでにしておきます。」
なるほど、とグリフィンは思った。もし現場を押さえられても、不必要な情報をグリフィンに教えていなければ、
捕まって取調べを受けても知らないのだから意味が無くなる。

(まず最初は自分の本当の姿を教えないか。なかなかやるな)
グリフィンはそう思うと同時に、同じ監獄、それに敵側にも自分の賛同者がいると思うと、
いくらか心強いように感じた。
「それで、あなたはこうして私を呼び寄せたわけですが、何か用があるのですか?」
「ええ。」
扉の向こうの人物はそう言って頷いた。
「近々、我々は起ちます。」
「起つ?どういう事なのだ?」
いきなり起つと言われても、何が何なのか分からぬグリフィンは首をかしげる。
「一言で言うと、我々は24日に、革命を起こします。」
その瞬間、グリフィンは体に電撃が走るような感触がしたと思った。
「革命・・・・・だと?」
「はい。一応説明いたします。数ヶ月前、ヴァルレキュア軍に異世界の軍隊、
アメリカ軍と呼ばれる軍勢が加わった事は存じておりますね?」
「ああ。最近広報紙でもやたらに話題になっている。
わが、いや、父上の軍隊は本当に敵に勝っているのか?」
「勝ってはいません。」
声の主は即答した。
「アメリカ軍との戦闘は常にこちらの負けとなっております。
唯一、大戦果をあげた戦いもありましたが、その時の結果は小型空母1隻と小型艦1隻を撃沈し、
他に3隻被害を与えたのみです。そして逆に、攻撃を仕掛けた空中騎士団は損耗率8割の大損害を受けて壊滅しています。
その時の空中騎士団は第13空中騎士団です。」
「あの第13空中騎士団が・・・・・」
第13空中騎士団の勇名はグリフィンも何度も聞いている。
夜間飛行に関しての腕前はバーマント1で、最精鋭部隊と謳われている。

「広報紙には損耗は40%の大損害だと書いてあったが、それを遥かに上回る被害だとは。」
「アメリカ空母部隊の対空火力はこの次元を遥かに凌駕するものです。
この他の戦いも、常に我が軍は負けとおしています。それに公国側の誇大戦果を流していた事が、
12日にアメリカ軍の大型飛空挺のビラ配布によって明らかになりました。」
「誇大戦果を流すとは・・・・・・」
グリフィンは日頃から、誤りを伝えているのでは?と内心で感付いていはいた。
だが、改めて知らされるとショックを隠せない。
なぜなら、バーマント公国では嘘をつくものはあまりいい待遇を受けない。
それを、公国の重鎮たる皇帝が大々的に行っていたのである。
だから、グリフィンは強いショックを受けた。
「わざわざ自ら泥を塗りたくるような事をするとは・・・・・父上も愚かだ。」
「グリフィン様。もはや国民の心は皇帝陛下から離れつつあります。
殿下、私は近々実行される革命勢力の指導者になっていただきたいと思っております。
あなたが、新たなバーマント公国を作るのです。」
グリフィンは一瞬耳を疑った。革命勢力の指導者だって?
「待ってくれ。私は囚われの身だ。どうやって指導者になれるというのだ?
なりたくても、こんな所で捕らえられている私には」
「殿下」
声の主はグリフィンの声をさえぎった。
「その事についてはご心配いりません。我々の同志達は、決行日にはこの監獄も襲撃する予定であります。」

「数は?」
「7000でございます。」
「たったそれだけなのか?」
グリフィンは呆れた。この監獄を守備する部隊は1000。
これにカルリア地方には2個旅団14000名のバーマント軍が守備している。
その1キロ離れた隣町のユウルリアには新たに1個旅団が配置されている。
これらのうちの1個旅団が革命に賛同するとしても、残り2個旅団に抑えられてしまう。
「無茶だ。」
「無茶ではありませぬ。実は、我々は別の部隊にも協力を要請してあります。
その援軍を持ってすれば、あなたを助ける事も不可能ではありません。」
声の主は自信満々に言う。勝算が無い事ではないのだ。
「殿下、どうか・・・・・どうか、バーマントのために。」
グリフィンは言葉に詰まった。革命に失敗すれば、革命派は皆殺しにされてしまうだろう。
だが、失敗を恐れれば、戦争によってさらに何十万、いや、百万を超える犠牲者が出るかもしれない。
それよりかは、革命の少ない犠牲で国を取るしかない。
座して滅ぶよりは、希望を信じて前進あるのみ・・・・なのだろうか。
グリフィンはそう思った。
「君は、この国を良くしたいと思っているのだな?」
「はい。私はそう思っております。いや、他の同志達も、そして、国民達も。
あなたが起つ事を心待ちにしておられます。どうか・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
グリフィンは言葉に詰まった。だが、彼の内心には既に新たな決意が芽生えていた。
「では、あなたの言葉に乗ろう。共に・・・・・かつてのバーマントを取り戻そう。」

9月20日 サイフェルバン 第7海兵旅団防衛陣地
「止まれ!」
陣地を守備していたミハエル・クラーク軍曹は、白旗を掲げながら向かってくる数人の男たちを止めた。
軍曹の分隊は、すかさず100メートルほど手前で止まった彼らにゆっくりと近づいた。
彼らは西の森ではなく、北のバーマント領から姿を現した。
「敵の斥候か?」
と思った彼はすぐさま狙い撃ちにしようとした。だが、撃つ前に彼は、その一団が白旗を掲げている事に気がついた。
そして彼らが近距離まで近づいた時に念のため歩みを止めたのである。
彼はトミーガンを構えてゆっくりと近づいた。
「アメリカ軍の陣地ですな?」
白旗を持つ先頭の男が聞いてきた。
「そうだ。あんたは?」
「我々は訳あって味方陣地から脱走してきました。あなた方に重大な情報をお教えするため、
白旗を掲げてここにやってまいりました。我々は敵対する意思はありません。」
クラーク軍曹は後ろの部下と顔をあわせた。

「敵対する意思はないと言っていますが。どうします?」
「ん~、とりあえず、臨時の捕虜収容所に連れて行こう。それから小隊長に報告しよう。」
一通り、処遇について打ち合わせをすると、クラーク軍曹は降伏してきたバーマント人に向き直った。
「では、あなた方を連れて行く。もし、敵対行動を取るならば、我々は然るべき対応を行う。
我々の指示に従うか?」
「あなた方の指示に従います。」
「よし。では我々とともに後方の収容施設に向かってもらう。」
軍曹の分隊は、白旗を掲げたバーマント人の集団を取り囲むようにして陣地のほうに向かっていった。

その1時間後に、第5艦隊司令長官スプルーアンス大将と、幕僚一同は慌しくインディアナポリスを離れていった。
向かう先はサイフェルバンの第5水陸両用軍団司令部である。
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