自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

097 外伝8

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tapper

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223 :外伝(またはパラレル):2007/11/27(火) 20:23:52 ID:OiXF2z220
第51機甲砲兵大隊B中隊、トム・“ラバーダック”・ジョーンズ伍長の回想
あれは9月の大攻勢が始まって五日目くらいのことだよ
整備中隊の連中と一緒に酷使しまくってガタのきた大砲を新品に交換し終わって肉体労働
の後のビールを楽しんでると中隊長のシリング大尉が物凄い勢いでジープを飛ばしてやっ
て来た
敵の石像部隊が前線を突破して味方の燃料集積所に迫っているらしい
前衛の戦車隊が前に出すぎて側面がガラ空きになったところを抜かれたそうで
敵にも抜け目の無い奴がいるもんだ
とにかく敵さんは燃料集積所の手前7マイルのところまで迫っていて急場に間に合うのは
俺達だけなんだそうだ
それを聞いて俺達の血は滾ったね
今までは姿も見えない遠くの相手に効いてるかどうかも分からない砲撃をしてるだけだっ
たのが遂に面とむかっての撃ち合いが出来るんだ
まあ後から考えりゃ随分と無茶な話だったんだが
なにしろ俺達の乗ってるのは戦車じゃなくあくまで自走砲だ
大砲は車体に固定されてるし戦闘室は露天だし装甲版の厚みは0.5インチしかない
それがあん時は“でもそんなの関係ねえ!”って勢いだったな
多分中隊の全員がアドレナリン中毒に陥ってたんだろう
全速ですっ飛ばしてギリギリ集積所の手前の丘に布陣するのに間に合った俺達が稜線の陰
に車体を隠し105ミリ砲に目一杯俯角をかけて敵を待ち受けてると背中に大砲を背負っ
た四つ足のゴーレムが1ダースほど俺たち目がけて真っ直ぐ突っ込んできやがった
向こうは景気良くぶっ放しながら前進してくるけどプロから言わしてもらやあ行進間射撃
なんて当るもんじゃない
IBM社製のスタピライザー付けてるこっちの戦車だって実戦じゃとても使えたモンじゃ
ないってもっぱらの評判だしな
そんなわけで俺達は500ヤードまで引き付けてから射撃をはじめ最初の斉射で4体のゴ
ーレムを吹っ飛ばした
そこまではよかったんだがそこから先は今思い出しても何がどうなっていたのか分からな
いくらい無茶苦茶な乱戦だったな
敵は止まらずドンドン弾を撃ち込んでくる
距離が詰まるにつれて段々狙いも合ってくる
こっちはすぐ後ろに集積所があるんで後退も出来やしない
ヤケクソになって映画の騎兵隊みたく丘を駆け下りて敵のド真ん中に飛び込んだよ
後はもうツバを吐いても届くくらいの距離でのどつきあいさ
お互い相手に狙いをつけさせないように犬の喧嘩みたいにぐるぐる回りながらぶっ放して
るんでさっぱり弾が当らない
HEATを撃ち尽くしてからは普通の榴弾を撃ってたけどこれが結構効いたんだな
結局ゴーレムは全部やっつけたけどこっちも自走砲4輌がオシャカになったうえ中隊の仲
間も半分近くが戦死しちまった
俺はエンジンに一発喰らった自走砲から運よく逃げ出せたけどガキの頃からお守りにして
たゴムのアヒルが自走砲と一緒に燃えちまったのが今でも残念で仕方なくてね
まあお陰で名誉負傷章がもらえたし国に帰れることにもなったんだけど
もう一度おんなじ事やれって言われても絶対御免だね
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