※投稿者は作者とは別人です
637 :外伝(またはパラレル):2008/02/02(土) 00:22:14 ID:OiXF2z220
ある日のウェルバンル
オールフェス「ソイツが『未来視』を使うって魔導師か?」
参謀 「この者がフェイレの居場所を突き止めてご覧に入れます」
魔導師 「視える、視えるぞ…星野仙一が韓国代表を“魔球パンジャンドラム”で…」
オールフェス「お前ら銃殺」
投下させていただきます
638 :外伝(またはパラレル):2008/02/02(土) 00:24:32 ID:OiXF2z220
カレアント公国レデンツ
緑豊かな牧場と果樹園が続く美しい田園地帯にも戦火は容赦無く及んでいた
ここではフランス・ノルマンジー地方のボカージに似た低木の生垣とトーチカ並に堅固な
石造りの農家がシホールアンル軍に格好の防衛拠点を提供しており、村落を小規模な要塞
に仕立てて頑強に抵抗するシホールアンル軍とアメリカ軍との間で連日激戦が繰り広げら
れていた
そんなレデンツのとある農村の一つで村からの視界が土手によって遮られた小道の奥に牧
歌的な周囲の景色と恐ろしくミスマッチな一団が待機していた
道路に沿ってパークするのはM4中戦車が3両とM3中戦車が5両
そしてハーフトラックに分乗したアメリカ軍の機械化歩兵部隊だった
「アルフちゃん大丈夫っスかねえ?」
「確かに少しばかり時間が掛かり過ぎているな…」
生垣の影から双眼鏡で村を観察するカッパドジア中尉とフェルマー少尉は敵に獣人がいる
とグリースの匂いで気付かれるからと銃を持たずグルカナイフに似た曲刀ひとつを身に帯
びて斥侯に向った獣人の女兵士の身を案じている
この頃になるとアメリカ軍でも人間より五感の鋭い獣人をスカウトとして使う部隊が増え
ていたが派遣されてくる兵士が何故か見栄えの良い若い女性ばかりというところに微妙に
下心が感じられなくもない
不意にカッパドジアの視界の隅に白い物体が投げ込まれる
双眼鏡の焦点を合わせるとそれは全裸に剥かれ豊かな胸に短剣を突き立てられた狐耳の女
兵士だった
「皆殺しにしてやる…」
カッパドジアはシシリー島のカポ(大親分)だったという曽祖父を彷彿とさせる声色で呟
いた
639 :外伝(またはパラレル):2008/02/02(土) 00:27:05 ID:OiXF2z220
「行け、“サラマンダー”シホット共を焼き殺せ!」
カッパドジアに激を飛ばされシャーマン戦車が動き出す
レデンツの戦いの初期の頃には生垣を“跨いで通る”ことの出来るキリラルブスがアメリ
カ軍の戦車に対して優位に立っていたが、やがて生垣を根元から切り崩すフォーク型のア
タッチメントを取り付けた戦車が登場し両者の力関係は再び戦車優位に傾いている
そして最近になってアメリカ軍が投入したもう一つの新兵器が正式名称POA-CWS-
H1、非公式には“サラマンダー”と呼ばれる火炎放射戦車だった
これはM4中戦車の75ミリ砲に火炎放射器を組み込むとともに車内にナパーム燃料1,
100リットルを収容する燃料タンクを設置したもので射程は最大でも70メートル、砲
塔内に燃料パイプを通す関係から砲塔の旋回範囲が260度に制限されるというデメリッ
トはあるものの、ボカージに潜む敵兵に対しては絶大な効果があった
そして火炎放射型M4を後方から支援するのは車体に75ミリ砲、旋回砲塔に37ミリ砲
を搭載するという変則的な武装配置が特徴のM3中戦車だった
“真っ当な”主力戦車であるM4が完成するまでのストップギャップとして各型合計6,
000両以上が生産されたM3はアメリカ軍が南大陸の戦いにデビューした1482年
(1942年)4月の時点で陸軍の全戦車戦力の55%を占めていた
1483年(1943年)9月には機甲師団の戦車大隊(軽戦車中隊を除く)の装備はM
4に統一されていたが独立戦車大隊には多数のM3が在籍していた
陸軍機甲軍は1943年中にはM3を全車退役させたいと考えていたのだが、実際には本
国から送られる戦車は全て損害の補充に回される状態で-10月だけで275両の戦車を
失っていた-M3の退場はまだまだ先になりそうだった
砲身から伸びる炎の帯を鞭のように振るい鉄の火竜が村落の周囲を焼き払っていく
部隊のアイドルだった女兵士を惨殺され激昂したアメリカ兵達だったが住民が居残ってい
る可能性を考慮し無差別に建物を攻撃しないだけの理性は残っていた
まず生垣を掃除してから農家の制圧に取り掛かる段取りで行動を開始した戦車隊は果樹園
の中に潜んでいたキリラルブスに気付かずに側面を晒したM4の1両が命中弾を受けて炎
上したものの、M4を仕留めたキリラルブスもM3の迅速な反撃を受けて退避する間もな
く撃破された
車高が高く乗員の多い-七人兄弟用棺桶という有難くない仇名もある-M3は見通しの悪
い地形での見張り能力が高かった
そして戦闘の終盤になってM3のギミックが生かされる事態が起きた
それは久方振りの空襲で珍しくもシホールアンル軍のワイバーン2騎が現われアメリカ戦
車に襲い掛かってきた
低空で飛来し炎のブレスを叩きつけようとするワイバーンに対しM3は砲塔の37ミリ砲
を指向する
M3の37ミリ砲は何故か対空戦闘にも使えるよう最大60度まで仰角が取れる
そして37ミリ砲にM2キャニスター弾を装填した5両のM3が一斉に発砲すると、1発
当り122粒の散弾が扇状に広がり散布界に突っ込んだワイバーンは一瞬にして挽肉と化
した
戦闘は夕刻には終結しシホールアンル兵は自ら投降した3名を除き全員が射殺された
GI達に愛された陽気な女性スカウトは村外れの草原に葬られた
640 :外伝(またはパラレル):2008/02/02(土) 00:29:38 ID:OiXF2z220
投下終了です
637 :外伝(またはパラレル):2008/02/02(土) 00:22:14 ID:OiXF2z220
ある日のウェルバンル
オールフェス「ソイツが『未来視』を使うって魔導師か?」
参謀 「この者がフェイレの居場所を突き止めてご覧に入れます」
魔導師 「視える、視えるぞ…星野仙一が韓国代表を“魔球パンジャンドラム”で…」
オールフェス「お前ら銃殺」
投下させていただきます
638 :外伝(またはパラレル):2008/02/02(土) 00:24:32 ID:OiXF2z220
カレアント公国レデンツ
緑豊かな牧場と果樹園が続く美しい田園地帯にも戦火は容赦無く及んでいた
ここではフランス・ノルマンジー地方のボカージに似た低木の生垣とトーチカ並に堅固な
石造りの農家がシホールアンル軍に格好の防衛拠点を提供しており、村落を小規模な要塞
に仕立てて頑強に抵抗するシホールアンル軍とアメリカ軍との間で連日激戦が繰り広げら
れていた
そんなレデンツのとある農村の一つで村からの視界が土手によって遮られた小道の奥に牧
歌的な周囲の景色と恐ろしくミスマッチな一団が待機していた
道路に沿ってパークするのはM4中戦車が3両とM3中戦車が5両
そしてハーフトラックに分乗したアメリカ軍の機械化歩兵部隊だった
「アルフちゃん大丈夫っスかねえ?」
「確かに少しばかり時間が掛かり過ぎているな…」
生垣の影から双眼鏡で村を観察するカッパドジア中尉とフェルマー少尉は敵に獣人がいる
とグリースの匂いで気付かれるからと銃を持たずグルカナイフに似た曲刀ひとつを身に帯
びて斥侯に向った獣人の女兵士の身を案じている
この頃になるとアメリカ軍でも人間より五感の鋭い獣人をスカウトとして使う部隊が増え
ていたが派遣されてくる兵士が何故か見栄えの良い若い女性ばかりというところに微妙に
下心が感じられなくもない
不意にカッパドジアの視界の隅に白い物体が投げ込まれる
双眼鏡の焦点を合わせるとそれは全裸に剥かれ豊かな胸に短剣を突き立てられた狐耳の女
兵士だった
「皆殺しにしてやる…」
カッパドジアはシシリー島のカポ(大親分)だったという曽祖父を彷彿とさせる声色で呟
いた
639 :外伝(またはパラレル):2008/02/02(土) 00:27:05 ID:OiXF2z220
「行け、“サラマンダー”シホット共を焼き殺せ!」
カッパドジアに激を飛ばされシャーマン戦車が動き出す
レデンツの戦いの初期の頃には生垣を“跨いで通る”ことの出来るキリラルブスがアメリ
カ軍の戦車に対して優位に立っていたが、やがて生垣を根元から切り崩すフォーク型のア
タッチメントを取り付けた戦車が登場し両者の力関係は再び戦車優位に傾いている
そして最近になってアメリカ軍が投入したもう一つの新兵器が正式名称POA-CWS-
H1、非公式には“サラマンダー”と呼ばれる火炎放射戦車だった
これはM4中戦車の75ミリ砲に火炎放射器を組み込むとともに車内にナパーム燃料1,
100リットルを収容する燃料タンクを設置したもので射程は最大でも70メートル、砲
塔内に燃料パイプを通す関係から砲塔の旋回範囲が260度に制限されるというデメリッ
トはあるものの、ボカージに潜む敵兵に対しては絶大な効果があった
そして火炎放射型M4を後方から支援するのは車体に75ミリ砲、旋回砲塔に37ミリ砲
を搭載するという変則的な武装配置が特徴のM3中戦車だった
“真っ当な”主力戦車であるM4が完成するまでのストップギャップとして各型合計6,
000両以上が生産されたM3はアメリカ軍が南大陸の戦いにデビューした1482年
(1942年)4月の時点で陸軍の全戦車戦力の55%を占めていた
1483年(1943年)9月には機甲師団の戦車大隊(軽戦車中隊を除く)の装備はM
4に統一されていたが独立戦車大隊には多数のM3が在籍していた
陸軍機甲軍は1943年中にはM3を全車退役させたいと考えていたのだが、実際には本
国から送られる戦車は全て損害の補充に回される状態で-10月だけで275両の戦車を
失っていた-M3の退場はまだまだ先になりそうだった
砲身から伸びる炎の帯を鞭のように振るい鉄の火竜が村落の周囲を焼き払っていく
部隊のアイドルだった女兵士を惨殺され激昂したアメリカ兵達だったが住民が居残ってい
る可能性を考慮し無差別に建物を攻撃しないだけの理性は残っていた
まず生垣を掃除してから農家の制圧に取り掛かる段取りで行動を開始した戦車隊は果樹園
の中に潜んでいたキリラルブスに気付かずに側面を晒したM4の1両が命中弾を受けて炎
上したものの、M4を仕留めたキリラルブスもM3の迅速な反撃を受けて退避する間もな
く撃破された
車高が高く乗員の多い-七人兄弟用棺桶という有難くない仇名もある-M3は見通しの悪
い地形での見張り能力が高かった
そして戦闘の終盤になってM3のギミックが生かされる事態が起きた
それは久方振りの空襲で珍しくもシホールアンル軍のワイバーン2騎が現われアメリカ戦
車に襲い掛かってきた
低空で飛来し炎のブレスを叩きつけようとするワイバーンに対しM3は砲塔の37ミリ砲
を指向する
M3の37ミリ砲は何故か対空戦闘にも使えるよう最大60度まで仰角が取れる
そして37ミリ砲にM2キャニスター弾を装填した5両のM3が一斉に発砲すると、1発
当り122粒の散弾が扇状に広がり散布界に突っ込んだワイバーンは一瞬にして挽肉と化
した
戦闘は夕刻には終結しシホールアンル兵は自ら投降した3名を除き全員が射殺された
GI達に愛された陽気な女性スカウトは村外れの草原に葬られた
640 :外伝(またはパラレル):2008/02/02(土) 00:29:38 ID:OiXF2z220
投下終了です