※投稿者は作者とは別人です
690 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:27:03 ID:OiXF2z220
南大陸連合諸国との首脳会談のため戦艦アイオワに乗り込んだルーズベルト大統領をオー
ルフェスに味方する根来十三忍衆が狙う
道中の無事を願うルーズベルトは飛騨の国から仮面の忍者を呼んだ
その名は-
「赤影s(横山プロに拉致されますた
投下させていただきます
691 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:28:06 ID:OiXF2z220
カレアント公国アルブレントス
街外れに駐屯する第366爆撃飛行中隊は突然全長60フィートはあろうかという甲虫型
モンスターの襲撃を受けた
満月のように光る両眼の間に突き出した頭部の角をレーダーアンテナのように回転させ
巨大甲虫は列線に並んだB-26を几帳面に端から順番に破壊していく
「おのれ妖怪め!」
怪忍獣に襲われた織田信長のような怒声を上げて滑走路の端に据えられた40ミリ砲に向
って駆けていく警備中隊の兵士の一団に先端がY字型に分かれた背中の角から発せられた
怪光線が浴びせられる
「えうろぱ!」
「でねぶ!!」
「あるたいる!!!」
天文学チックな悲鳴をあげて倒れ伏す兵士たち
滑走路の反対側からマクソン・ターレット-ブローニング機関銃4挺を架装した電気モー
ター駆動の砲塔でこれをM3ハーフトラックに搭載したものをM16と呼ぶ-が火線を飛
ばすが巨大甲虫が口から霧状の粘液を噴射すると刺激臭を放つ白濁液を頭から浴びた射手
はたちまち悶絶する
抵抗を排除し滑走路に並んだ爆撃機を全て破壊し終わるとモンスターは基地の兵士達が見
守る中忽然と姿を消した
「これは何のジョークかね?」
「ジョークではありません、純然たる事実です」
イチョンツの街に置かれた軍団司令部
航空参謀のベイツ大佐は机の上で組んだ両手の上にアゴを乗せ、部下のプロゲッティ中尉
を胡散臭そうに見上げた
「この二週間で襲撃を受けた飛行場は6箇所、損害は戦闘機48機、双発爆撃機92機、
輸送機が16機、そしてここが重要なのですが」
692 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:30:09 ID:OiXF2z220
キラーン!とメガネを光らせるプロゲッティ
「死傷者は正確にゼロですサー。モンスターは正確に航空機だけを破壊し、光線にやられ
た兵士も一時的に麻痺しただけで翌日には全快しております」
「どうなっとるんだこりゃあ?」
「どうなっとるんでしょうねぇ?」
二度目は悲劇、三度目は喜劇と言ったのはシェイクスピアだったか
トニー・マクタイアは補給部に勤務する古参下士官で、古参故に部隊間や地元の商人相手
の非公式な経済活動を円滑に遂行すべく色々な場所に出入りしている
それは歳の頃は17~8、艶やかな黒髪を腰まで伸ばした清楚な美少女だった
最初に見かけたのはパルモンの街
飛行場の前でGI相手に果物の行商をしていた
次に見かけたのはイケメンゲン
見えそうで見えない絶妙な振り付けで踊っていた
どちらの基地も少女を見かけたその日にモンスターの襲撃を受けていた
そんな訳でサラミナの街で少女を見かけたマクタイアは三度目の正直とばかりに後をつけ
てみた
少女は基地に向うトラックの運転手に道を聞く振りをしながらトラックの荷台に何かを投
げ入れる
トラックが基地に入ったのを見届けた少女はオカリナに似た楽器を取り出し息を吸い込ん
だところで
「そこまでだ」
45口径のGIコルトを持ったマクタイアとM1カービンを構えた助手のスタンリー上等
兵に挟み撃ちにされてしまった
693 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:31:19 ID:OiXF2z220
「御免なさい御免なさい」
町外れにあるマクタイアのアジトに連れ込まれた少女はひたすら謝っている
少女の名はカザハ
幻の虫使いの一族の技を伝える最後の一人
アゴンと呼ばれる巨大甲虫-普段は手の平に収まるサイズだが虫笛の合図で巨大化する-
を意のままに操ることが出きるのだという
「ホントは戦争になんか関わりたくなかったんです、でも私が協力しないと村のみんなが
どんな目にあわされるか…」
「ウンウン、俺弱いんだよなーそういう話…」
すっかり感情移入しているマクタイア
「オレ弱くないっスよ、それにホントはかわいい女の子の前でイイカッコしたいだけなん
じゃないスか?」
クールに突っ込むスタンリー
「お前、ソレは良くないよ!良くない中流個人意識だよ」
マクタイアは顔を俯かせたまま“ビッ”とスタンリーを指差した
「そのテの小ブル排外主義は浪花節で乗り越えるしか無いよ!!」
「イヤその台詞マンマ『気分はもう戦争』のパクリだし」
「とにかく俺が力になるから、お前さんの村ってのはどこにあるんだ?」
すっかりその気になっていたマクタイアだが村の場所を聞くとなんとも言えない表情を浮
かべた
「マクタイアだ、情報部のホーガンを頼む」
地図を片手に電話を掛け始めるマクタイア
「ホーガンか?マクタイアだ。ブランデーとストッキング用意したぜ、おう、俺が手を回
しゃあ一発さ。ところでちょいと教えてほしいんだが…」
電話を終えたマクタイアはゆっくりと振り向いた
「お前の村…三日前に開放されてるぞ」
「はいぃぃぃぃぃい!?」
戦後アメリカに渡ったカザハとアゴンは数多くの映画やショウに出演し大好評を博す
いつのまにかマネージャーに納まっていたマクタイアはハリウッドのエージェントとして
それなりの成功を収めたという
694 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:33:11 ID:OiXF2z220
投下終了
今回は特撮ネタ
怪獣映画でミリタリーに目覚めた人は結構いると思います
690 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:27:03 ID:OiXF2z220
南大陸連合諸国との首脳会談のため戦艦アイオワに乗り込んだルーズベルト大統領をオー
ルフェスに味方する根来十三忍衆が狙う
道中の無事を願うルーズベルトは飛騨の国から仮面の忍者を呼んだ
その名は-
「赤影s(横山プロに拉致されますた
投下させていただきます
691 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:28:06 ID:OiXF2z220
カレアント公国アルブレントス
街外れに駐屯する第366爆撃飛行中隊は突然全長60フィートはあろうかという甲虫型
モンスターの襲撃を受けた
満月のように光る両眼の間に突き出した頭部の角をレーダーアンテナのように回転させ
巨大甲虫は列線に並んだB-26を几帳面に端から順番に破壊していく
「おのれ妖怪め!」
怪忍獣に襲われた織田信長のような怒声を上げて滑走路の端に据えられた40ミリ砲に向
って駆けていく警備中隊の兵士の一団に先端がY字型に分かれた背中の角から発せられた
怪光線が浴びせられる
「えうろぱ!」
「でねぶ!!」
「あるたいる!!!」
天文学チックな悲鳴をあげて倒れ伏す兵士たち
滑走路の反対側からマクソン・ターレット-ブローニング機関銃4挺を架装した電気モー
ター駆動の砲塔でこれをM3ハーフトラックに搭載したものをM16と呼ぶ-が火線を飛
ばすが巨大甲虫が口から霧状の粘液を噴射すると刺激臭を放つ白濁液を頭から浴びた射手
はたちまち悶絶する
抵抗を排除し滑走路に並んだ爆撃機を全て破壊し終わるとモンスターは基地の兵士達が見
守る中忽然と姿を消した
「これは何のジョークかね?」
「ジョークではありません、純然たる事実です」
イチョンツの街に置かれた軍団司令部
航空参謀のベイツ大佐は机の上で組んだ両手の上にアゴを乗せ、部下のプロゲッティ中尉
を胡散臭そうに見上げた
「この二週間で襲撃を受けた飛行場は6箇所、損害は戦闘機48機、双発爆撃機92機、
輸送機が16機、そしてここが重要なのですが」
692 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:30:09 ID:OiXF2z220
キラーン!とメガネを光らせるプロゲッティ
「死傷者は正確にゼロですサー。モンスターは正確に航空機だけを破壊し、光線にやられ
た兵士も一時的に麻痺しただけで翌日には全快しております」
「どうなっとるんだこりゃあ?」
「どうなっとるんでしょうねぇ?」
二度目は悲劇、三度目は喜劇と言ったのはシェイクスピアだったか
トニー・マクタイアは補給部に勤務する古参下士官で、古参故に部隊間や地元の商人相手
の非公式な経済活動を円滑に遂行すべく色々な場所に出入りしている
それは歳の頃は17~8、艶やかな黒髪を腰まで伸ばした清楚な美少女だった
最初に見かけたのはパルモンの街
飛行場の前でGI相手に果物の行商をしていた
次に見かけたのはイケメンゲン
見えそうで見えない絶妙な振り付けで踊っていた
どちらの基地も少女を見かけたその日にモンスターの襲撃を受けていた
そんな訳でサラミナの街で少女を見かけたマクタイアは三度目の正直とばかりに後をつけ
てみた
少女は基地に向うトラックの運転手に道を聞く振りをしながらトラックの荷台に何かを投
げ入れる
トラックが基地に入ったのを見届けた少女はオカリナに似た楽器を取り出し息を吸い込ん
だところで
「そこまでだ」
45口径のGIコルトを持ったマクタイアとM1カービンを構えた助手のスタンリー上等
兵に挟み撃ちにされてしまった
693 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:31:19 ID:OiXF2z220
「御免なさい御免なさい」
町外れにあるマクタイアのアジトに連れ込まれた少女はひたすら謝っている
少女の名はカザハ
幻の虫使いの一族の技を伝える最後の一人
アゴンと呼ばれる巨大甲虫-普段は手の平に収まるサイズだが虫笛の合図で巨大化する-
を意のままに操ることが出きるのだという
「ホントは戦争になんか関わりたくなかったんです、でも私が協力しないと村のみんなが
どんな目にあわされるか…」
「ウンウン、俺弱いんだよなーそういう話…」
すっかり感情移入しているマクタイア
「オレ弱くないっスよ、それにホントはかわいい女の子の前でイイカッコしたいだけなん
じゃないスか?」
クールに突っ込むスタンリー
「お前、ソレは良くないよ!良くない中流個人意識だよ」
マクタイアは顔を俯かせたまま“ビッ”とスタンリーを指差した
「そのテの小ブル排外主義は浪花節で乗り越えるしか無いよ!!」
「イヤその台詞マンマ『気分はもう戦争』のパクリだし」
「とにかく俺が力になるから、お前さんの村ってのはどこにあるんだ?」
すっかりその気になっていたマクタイアだが村の場所を聞くとなんとも言えない表情を浮
かべた
「マクタイアだ、情報部のホーガンを頼む」
地図を片手に電話を掛け始めるマクタイア
「ホーガンか?マクタイアだ。ブランデーとストッキング用意したぜ、おう、俺が手を回
しゃあ一発さ。ところでちょいと教えてほしいんだが…」
電話を終えたマクタイアはゆっくりと振り向いた
「お前の村…三日前に開放されてるぞ」
「はいぃぃぃぃぃい!?」
戦後アメリカに渡ったカザハとアゴンは数多くの映画やショウに出演し大好評を博す
いつのまにかマネージャーに納まっていたマクタイアはハリウッドのエージェントとして
それなりの成功を収めたという
694 :外伝(またはパラレル):2008/02/07(木) 23:33:11 ID:OiXF2z220
投下終了
今回は特撮ネタ
怪獣映画でミリタリーに目覚めた人は結構いると思います