絶頂。
今になって分からなくなる。
絶頂とは何なのだろう?
全てが満たされたと思いこんだ、裸の王者の陶酔か。
築かれた死体の山に足をかけ、一人恍惚と戯れる白昼の夢の事を言うのだろうか。
そこまで考え、俺の口から小さな笑いが漏れる。
今、身を潜めている場所はE-4の端に位置する民家。
日本の一般家庭のリビングは薄暗い影に満たされ、橙色の夕陽がその影を切り取るように差し込んでいる。
乾いた唇から洩れた自嘲は、夕闇に吸い込まれた。
辺りに意識を向ければ、ソファに腰掛けた俺の周りを寂寞が包んでいて。
空笑いの次に漏れたのは、重いため息だった。
目下、事態は切迫している。
少年に書置きを残した後、俺は北へと歩みを進めていた。
道すがら、第三回目になる放送を落ち着いて聞くため適当な家屋に潜り込んだ。
この家の中に、家人はおろかネズミ一匹いない事は確認済みではあるが、悠々と休んでなどいられない。
ポルナレフを追って、すぐにでも北上しなくてはならない。
それなのに俺は追想を止められず、ひじ掛けに付いた右腕に寄り掛かる。
折れた肋骨が痛み、顔がゆがむのが自分でもわかった。
かつての自分は絶えず身辺に死と闇を纏わせ、ただひたすらに盲目で。
組織の拡大、対外勢力の排除、内部構成の整備。
日々思い煩うのは、己が絶頂の保持だった。
片割れと共に俺は頂点にあり、我々以外は全て信ずべからざる敵だと考えていた。
だが今思えば何の事はない、俺の敵は俺だったのだ。
その憎むべき本質を理解できなかったが故、私のドッピオは消えた。
そう、だから今やらねばならぬ事がある。
『忌むべき過去』を『大切な思い出』に変容させたい。
ジョセフの様に後悔を力に変え、未練をも抱きしめて先に進みたい。
失うことから始まるものもあるはずだ。
取りとめのない思考を弄びながら、手元に広げた
参加者名簿に視線を走らせる。
先刻、放送は聞き終えた。
禁止エリアと死者の把握、いずれも問題なく終了している。
ジョセフと共に殺害した
チョコラータの名前には、しっかりと線を引いた。
直属の親衛隊であった
ティッツァーノが死に、ブチャラティチームのグィード・ミスタも死んだようだ。
彼らの名にも、死を意味する二重の線を引く。
さらに驚く事に、参加者が一人増えるという。
どのような理由でかは知る由もないが、このタイミングで参加するという事は荒木の息がかかった者なのかもしれない。
『ダービー』という姓は名簿内で見た。すでに死亡しているダニエル・J・ダービーの家族か、たまたま同じであっただけか。
考えつつも、名簿の一番下にある余白に『テレンス・T・ダービー』の名を書き添える。
何にせよ今は大きな懸念事項ではない。
乗り越えるべき障害となって俺の前に立ち現われるのであれば、打ち砕くだけだ。
参加者が半分以下になった今、組織の人間達とどこかで出会う確率も跳ね上がるだろう。
特にジョルノ・ジョバァーナ、鎮魂歌の使用者に出会ったなら、俺はどのように立ち向かうべきなのか。
ちらついた恐怖を抑え込むように組んでいた足を組み替え、参加者名簿を脇のテーブルに置いた。
ジョセフの名に線は引かない。
あの男は、この鉄球の中に生きているから。
戦闘の最中、痛みと悼みの焔でその身を焦がしたあの男の名を、俺は消さない。
下らないこだわりであることは理解している。
だが俺は、決してあいつの名を消すことはしない。
禁止エリアと発動時刻を書き込んだ地図に目を移す。
北にある主要施設は『DIOの館』。
ポルナレフがどこを目指して進んでいるにせよ、この目立つ館にはほぼ必ず、立ち寄ることだろう。
奴や、先程特別懲罰房へ運んだ青年、更に突然攻撃してきた乱暴な女が忌々しげに口にした、DIOという名も気になる。
生存者や仲間がここに集っている可能性がある上、『館』と銘打っている以上水や食料の存在が期待できる。
必ず奴を見つけ出し、協力を。
「行かなくては」
立ち上がり、荷物を担ぐ。
疲労と怪我で悲鳴を上げる身体に鞭打つように無理やり背筋を伸ばし、ふと前を見た。
紅瑠璃の夕空を映した仄暗い室内。そのガラス窓に、俺の姿が映っている。
橙の空気の色は、先刻見た夢の中、燃え盛る我が故郷を思い起こさせた。
あの時の、狂おしいほどに弱い俺はもういない。
母の口唇を縫い合わせ、生きたまま埋めた。
穴を掘り起こした時に詰まった土の感触が、爪先に蘇っても。
俺は窓に映し出された自身を睨み、踵を返す。
開け放しだったリビングの入り口をくぐり、真直ぐに玄関へと向かう。
安っぽい素材で作られた門戸は、表面をなぞらっただけのアール・ヌーヴォー調。
その扉を押しあけ、外へと踏み出でた。
相も変わらず、俺の心はざわめいている。
だが、迷っているわけではない。
恐怖を乗り越える、この一点が現在の俺の全て。
それは今の自分には乗り越える事能わざる壁として、目前にある。
だというのに、この満たされた気分は何なのだろう。
目指すべき場所が確かに存在するという認識が、俺の魂を満たしているようだ。
「『魂は、苦悩と悲哀とによって鍛錬されねばならない』」
誰が言った言葉だったか。俺は歩み出しながら、小さくつぶやく。
刹那、進行方向から小さく足音が聞こえ、稲妻のごとき緊張が俺を襲った。
道の脇に飛び退き、身構える。
耳をそばだて、その足音がまだ遠い事、だが確実に、小走りでこちらへ向かって来ている事を確認する。
俺はゆっくりと近くにあった民家、その門の陰へと身体を滑り込ませた。
大きくなる足音。
近付くにつれ、心の臓腑が鼓動を早める。
唇を噛み締め、門の装飾の隙間から様子を伺う。
西日の中その影は、俺の潜む家のある通りとは反対側を横切った。
俺は眼を見開く。
それは、探していた人物の影だったからだ。
「ポルナレフッ」
思わず小さく声を漏らす。
呼び止めようと身を乗り出しかけた、それなのに。
ここにきて、ここまできて俺は迷った。
どう説得する?
奴は俺を、俺なんかを信じるのか?
何と声をかけるべきか?
攻撃されたらどうかわす?
気が遠くなりそうだ。
こうしている間にも俺と彼の距離は広がっていく。
突然、周りの風景が理解できないオブジェの様になり、収縮したかと思えば拡散し、足に根が生えたように動けなくなる。
まただ。
また、恐怖が俺の耳元で囁く。
うまくいかないさと。
彼は俺を信じないだろうと。
声をかけるなどと、まどろっこしいまねはするなと。
後ろから殴り倒して従わせろと。
「黙れ」
かぶりを振り、纏わりついた声を振り払い。
俺は額に手を当て、厭わしい思考を断絶させようともがいた。
足音が小さくなっていく。
余程火急の用があるのか、彼は高い足音を立てて遠ざかっていく。
俺は民家の門を掴み、植物をかたどった鉄の装飾に手をかけながら、ふらつく足取りで歩道へと出た。
追いつけないかもしれない。もう視認できる範囲に影は無い。
だが俺は追う。
追わなくてはならない。
足音はまだ聞こえている。まだ、間に合う。
俺は間違って無い。そうだろう、ジョセフ。
※ ※ ※
走った距離は大したものではない。だが俺は上がりかけた息を殺す事に苦心している。
音を頼りに直線の道を追っていると、突然ポルナレフの足音が消えた。
遠のき過ぎて聞こえなくなった訳では無い。立ち止まったようだ。
適度な間隔でエピタフを用いて警戒するも、髪の裏側には同じ風景が続く未来しか映し出されない。
昼間の一件で、エピタフが完全に信用できないかもしれない、という懸念はあった。
しかし俺は焦っていた。
はやる心を控えつつ、駆け足をやめ、大股で早く歩く。
ポルナレフが足を止めたのだとすれば、追いついて説得するチャンスではある。
だが、どうやら事はそう簡単には運ばない様だ。
俺は歩幅を狭める。
道の脇に佇む建物の壁伝いに、影の間を縫う様に進む。
かすかに話し声が聞こえていた。
それは未だ不明瞭ながら、語調のニュアンスは穏やかでは無い。
話し声が近づいた。ここからならばポルナレフと、相対する人物を視認できるだろう。
俺は警戒心を最大限に高め、歩みを止める。
冷えた壁を背に、気取られぬよう顔を覗かせ様子を伺った。
そこにいた人物は2人。
今まで追いかけていたポルナレフと、ブチャラティ配下のパッショーネ構成員、パンナコッタ・フーゴだった。
唾を飲み込む。
フーゴは、俺が何者か知って居るのだろうか。
情報ではブチャラティ達がパッショーネを裏切ると決めた時、単身でチームを抜けたと聞く。
だが、その後も組織内では碌な扱いを受けなかったはずだ。
裏切り者の元部下、俺の組織が優遇などするはずも無い。
恨まれているだろうか。
考えかけて首を振る。
恨まれて当然だ。
和解や、許しなどという甘い考えは捨てなくてはならない。
過去を未熟と忌み嫌い、目を逸らし続けたことこそ俺の最大の弱さ。
向かってくるのならば立ち向かう。
これだけは、依然変わりなく。
だが、奴が脱出を目指していたとしたら。
俺の取るべき行動は協力、なのだろうか。
心臓がせり上がる様な感覚に一瞬だけ目を閉じ、胸に刻んだ数々の事柄、大切な物を思い起こす。
怯むな。
茫漠たる過去を越えたなら。
未来は、俺が選んで掴み取れる道。
自らを叱責し、瞼を上げる。
フーゴに対してどう出るか決めるのは、奴がどういう考えの下行動しているのか把握してからだ。
俺は再び視線の先へと注意を向ける。
ポルナレフは、スタンドヴィジョンを発現させていた。
対するフーゴは、両腕の力をだらりと抜き顔をうつ向かせており、その表情は伺えない。
「てめえ、準備はできてっか? 死ぬ準備はよォ……」
ポルナレフが噛みしめた歯の奥からくぐもった声で唸る。
この一言に対して、俺の思考は反射する光の様に駆け巡った。
二人は初対面ではなく、且つポルナレフとフーゴは敵対している。
「何があってもてめえみてえなやつは許さねえ。ジョースターさんまで死んじまった……。
トニオさんは止めるだろう。だが俺はすでに、てめえを殺すと決めている! 」
そしてポルナレフの言葉の内容から、フーゴがポルナレフ乃至彼の仲間に危害を加えたのであろうということ。
フーゴは変わらず無反応だったが、ポルナレフのスタンドはレイピアを唸らせ、フーゴに切りかかる。
「待て! 」
俺はポルナレフの前へと躍り出た。
彼は驚き、スタンドを制止させる。
同時にフーゴは、驚愕した様な表情をし呟いた。
「デスマスクの男……ッ」
この言葉が何を意味するのかは、俺には分からなかった。
しかし、フーゴのスタンドにポルナレフのスタンドでは相性が悪すぎる。
フーゴが俺をどのように知っていようとも、咄嗟に飛び出た事を後悔していない。
組織内部の情報に記載されていた彼のスタンド、「パープル・ヘイズ」。
手の甲に仕込まれた細菌入りのカプセルを、ポルナレフが突き破ってしまう可能性は甚大だろう。
ポルナレフを死なせる訳にはいかない。
場合によっては、フーゴを始末しなくてはならない。
フーゴは悔しそうな表情で俺とポルナレフを交互に睨んでいたが、一歩、後ろへと足を引きつつ言った。
「早くけじめをつけたかった。だから地図の中央部に向かって歩いていたんだけれど……どうも分が悪すぎるようですね。一対二は、避けるべき状況」
「邪魔だ! どけ! 」
ポルナレフが俺を押しのけ前に立ちつつ怒鳴る。
俺は彼のデイバックをつかみ、制止をかけて言い放った。
「俺は、こいつのスタンド能力を知っている。お前では危険だ。能力不明の相手に不用意に切りかかるな」
俺の言葉をポルナレフが完全に信じたかどうかは分からない。
しかし会話をすることで頭に昇った血が降りてきたのか、歯ぎしりをしながらも黙り込んだ。
フーゴは眉をひそめていた。
当然だろう、初対面の人間が自分の能力を知ることなどほとんどあり得ない。
ある程度は俺の立場を推測されてしまうかもしれない。
いや、『以前の立場』か。最早そう重大な事実ではないな。
腹の内で苦笑いをする。
ますます悪手を打つ事になると思ったのだろう、フーゴはじりと後ずさると、背を向けて走り出した。
諦めた様子のポルナレフはフーゴに背を向け、後ろに立っていた俺と目を合わせる。そして何か話しかけようと口を開いた。
俺は奴に何と説明しようか考えあぐね、口を閉ざしていた。
時間にすれば二秒ほどだろうか。
次の瞬間――時の過ぎ去る、ほんの一瞬だった。
甲高い音が夕闇をつんざく。つんざく、つんざく。
俺がその三発の銃声を認識するのと、ポルナレフが地面に倒れ伏すのは同時だった。
全身が、総毛立つ。
衝撃で白みかける思考を奮い起し、揺れる視線をフーゴへと移す。
意外にも、奴も驚いた顔をしていた。
フーゴの額に浮かんだ汗が、暮れかけた弱々しい夕日に光りながら、こめかみを伝い落ちている。
見れば、奴が肩に持ったデイバックから小さな紙片が一枚、はみ出していて。
紙?
いや違う。あれは、写真だ。
写真紙から立体映像の様に老人が飛び出し、硝煙を上げる拳銃をこちらに向けて構えている。
俺は混乱した頭でどう動く事も出来ず、何故か震えているフーゴの手を見ていた。
「吉廣さん貴方……何を」
「けじめってのはな、青っちょろい坊主。先送りにはできないんじゃよ。いい加減しびれを切らしたわい。わしが実践してやったんだ」
写真から飛び出した老人は、俺に銃口を向けながら喋った。
奴は誰なのか、一体何のスタンドなのか、フーゴとの関係は何なのか、俺には考えが及ばない。
老人は照準を俺に合わせ、引き金に力を込めかけた。
「キング・クリムゾン」
その瞬間に、時を飛ばして。
俺だけが移動できる時の狭間でフーゴに駆け寄り、スタンドを解除。
彼のデイバックに入った写真を奪い取る。
いつの間にか近付いた俺に、何が起こったかわからない、といった様子の写真の老人。
俺はその一瞬のすきを突き、手から拳銃を奪うと素早く自分のスラックスのポケットへとねじ込む。
同時に、拳銃が自動式の物である事に気付く。装弾数も多い。
動作を見ればわかる、銃の扱いにおいては素人であろう老人。
そんな人間が、グリップの太い自動式拳銃で正確に撃ち込んで来た事が忌々しかった。
持ち手部分が太ければ重量も増え操作性が低下し、照準も定めにくいはずなのに。
どうして三発すべて命中するのだ。なぜ、外れてくれなかった。
これを、こんな事を『運命』と、納得しろというのか。
消し飛ばした時の先で、自分の視界から写真が消え、俺が接近していた事に驚いたのだろう。
瞳を見開き、フーゴが俺をその瞳の中に映して。
覚束ない足取りで後ずさり、俺から距離を取った。
写真の老人は悲鳴じみたわめき声を上げている。
ヨシカゲ、皆死ね、と断片的な言葉が耳に残る。
ヨシカゲ――名簿にあった『
吉良吉影』か。
この老人が何を知っているのだとしても、今、粛清することに変わりはない。
情報を聞き出すこともできるかもしれない。
だが今殺すタイミングを失えば、またいつ今の様に不意打たれるかわからない。
この老人が人間なのかスタンドなのかよくわからないが、方法は実に単純だ。
キング・クリムゾンで握りつぶす。
次に、ばらばらに破く。
四度ほど破った頃だろうか。絶叫が消えた。
フーゴが息をのむ気配がする。
只の破れた紙切れとなった小さな破片を夕風に散らし、俺は彼を見た。
その瞳に恐怖は無かった。焦りだけが彼の顔色を青くさせているらしい。
汗が彼の顎先から落ちた。
俺と目を合わせたまま少しずつ後退し、俺が手を出さないとわかると背を向けて駆けだす。
俺は黙って見ていた。
今ここでフーゴを殺すのは、間違ったことの様な気がする。
優先事項はポルナレフの治療だ。フーゴと事を構えていては、彼が死んでしまう。
足音が完全に遠ざかった事を確認し、俺は地面に伏したままのポルナレフを見た。
酷い出血だった。すさまじい流血だった。
撃ち込まれた弾丸は皮膚を裂き肉を吹き飛ばし、彼の身体に赤黒い穴を作り出している。
銃創の位置を確認すると、背の中央付近に二発、首筋に一発。
俺はポルナレフの服を破り取り、包帯代わりに首の傷口へと押しつける。
「止血をする。動くんじゃない」
「……お前、誰、なんだよ……? 」
俺は答えに窮し、だまったまま布を持つ手に力を込めた。
この処置にほとんど意味のない事を悟りながら。
「……あいつ、あの野郎……トニオさんを殺しやがった。こんなゲームに乗りやがって、くそったれが……」
なんだこれは、この有り様はなんだ。
こいつをこのまま死なせることしかできないのか。
俺は、一体なんだ。何もできないまま終わるのか。
傷口に当てた布の端から血液が滴る。
もう血を吸い過ぎて、この布の量では間に合わない。
「なあ、頼む。殺してくれ、J・ガイルを……俺の、仇だ。頼む……」
民家のカーテンを使おうと離れかけた俺の腕を、ポルナレフが掴む。
本当に死にかけているのかと思うほどの強い力で。
「あと、花京院が……もし、わかんねーけど、もしほんとの花京院だったら謝らねえと……『ごめん』って……」
「喋るな、死ぬぞ。おい、離せ! 」
俺が言うと、こいつは笑った。
死を前に笑った。
「……ふ、はは……いいぜ。女の子一人、助けられたんだ。フランス男、冥利に尽きるって、もん、――」
さっきまで痛いほど俺の腕を掴んでいた手が、血だまりの中に落ちた。
「おい。ジャン・ピエール・ポルナレフ。……死ぬな」
こぼれた言葉は、無意味な音となって血溜まりの中へ消えていく。
※ ※ ※
「俺は夢を見た。愛した女と、燃やした故郷の赤く染め抜かれた空の夢を。過去は恐怖そのものであり、それは今、絶対に乗り越えなくてはならない」
死んで、死んで、死に続けた。
今また死に向かいつつあるとしても、俺に後悔は無い。
だが、やり遂げるべき事はやり遂げなければ。
ジョセフの鉄球が言っている。
前へ進めと言っている。
「『J・ガイルを殺す』、『花京院に謝る』どちらもやらなくてはならないのが、真の絶頂を目指す俺の辛いところだな」
俺は口の端を上げる。
弱い俺が、何をするべきなのか。
ああ、やっとわかった。
足りないのは小手先の策略や思想ではない。
地に足を着けて悠然と先へ進む意志だ。
生きて帰りたい、故郷に。彼女に花を供えたい。
同時に、ジョセフに続いてポルナレフの遺志を継ぐ。
「俺に目的をくれたな。感謝するぞポルナレフ。そしてパンナコッタ・フーゴ……曲がりなりにも俺の部下だった者。
お前がゲームに乗った以上、再び出会ったなら必ず、引導を渡してやる」
目指す場所はDIOの館。
『DIO』とは何者なのか、それを調べる。
情報収集も出来るだろう。
館に居る者にJ・ガイルや花京院を知る人間がいるかもしれない。
ポルナレフの死体は、民家の中に安置した。
だが、死者に敬意を表し、弔うには早い。
まだ俺には足りない物がたくさんある。
「我々は皆、運命に選ばれた兵士。ドナテラ、ジョセフ、ポルナレフ……ドッピオ。俺が、帝王になるまで待て。」
今はただ、先へ行く。
【吉良吉廣 消滅】
【J・P・ポルナレフ 死亡】
【残り31人】
【E-4/1日目 夜】
【
ディアボロ】
[時間軸]:レクイエムジョルノに殺された後
[状態]:右手に負傷(小)。肋骨二本骨折。身体疲労(中)。精神疲労(中)。鼻にダメージ(中)。強い決意。強い恐怖
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(水は全消費)、ジャイロの鉄球 、ミスタがパくった銃【オートマチック式】(11/15)
ポルナレフのディバック(中身は未確認):
空条承太郎の記憶DISC、携帯電話
[思考・状況]
基本行動方針:ジョセフの遺志を継ぎ、恐怖を乗り越え荒木を倒す。
1.DIOの館へ
2.ジョルノには絶対殺されたくない。来るなら立ち向かう。 フーゴも同様。
3.恐怖を自分のものとしたい。
4・ 『J・ガイルを殺す、花京院に謝る』。2つのポルナレフの遺志を継ぐ。
4.自分の顔と過去の二つを知っている人物は立ち向かってくるだろうから始末する。
5.電車内の謎の攻撃、謎の男(
カーズ)、早人怖いよ。だが乗り越えたい
6.駅にあるデイパックを回収したい
[備考]
※音石明の本名とスタンドを知りました。
※参加者が時を越えて集められたという説を聞きました
※『恐怖を自分のものとして乗り越える』ために生きるのが自分の生きる意味だと確信しました。
※
アレッシーとの戦闘により、『エピタフ』への信頼感が下がっています。
※キング・クリムゾンになんらかの制限がかかってます。内容は次の書き手さんにお任せします。
※
サンドマンのメッセージを聞きました。
※ポルナレフのデイバックは、ディアボロが持って行きました。
【パンナコッタ・フーゴ】
[時間軸]:ブチャラティチームとの離別後(56巻)
[状態]:苦悩と不安、傷心、重度の鬱状態、極度の人間不信、精神消耗(極大)、額に瘤、右腕に中程度のダメージ、服が血まみれ
[装備]:拳銃【リボルバー式】(4/6)
[道具]:支給品一式、ディアボロのデスマスク、予備弾薬42発(リボルバー弾12発、オートマチック30発)閃光弾×?、不明支給品×?
[思考・状況]
基本行動方針:死にたくない
0.僕は僕自身の意志で生きたい
1.誰かを『殺す』ことでけじめをつけ、誰にもとらわれない生き方をする。 取り敢えず地図中央部付近の主要施設を回る。
2.デスマスクの男……一体何者?
[備考]
※荒木の能力は「空間を操る(作る)」、もしくは「物体コピー」ではないかと考えました(決定打がないので、あくまで憶測)
※空条承太郎、
東方仗助、虹村億泰、
山岸由花子、岸辺露伴、
トニオ・トラサルディー、
ジョセフ・ジョースターの能力と容姿に関する大まかな説明を聞きました
※吉良吉影の能力(爆弾化のみ)を把握しました。しかし、一つしか爆弾化できないことや接触弾、点火弾に関しては聞いていません。
また、容姿についても髑髏のネクタイ以外には聞いていません
※吉良吉廣のことを鋼田一吉廣だと思い込んでいます。
※荒木がほかになにか支給品をフーゴに与えたかは次の書き手さんにお任せします。また閃光弾が残りいくつか残ってるかもお任せします。
※花京院とその仲間(ジョセフ・ジョースター、
J・P・ポルナレフ、
イギー、空条承太郎)の風貌、スタンド能力をすべて把握しました。
※アヴドゥルと
フェルディナンドの考察から時代を超えて参加者が集められていることも知りました(納得済み)。
投下順で読む
時系列順で読む
キャラを追って読む
最終更新:2010年11月08日 20:15