―――教会地下の納骨堂。
参加者たちが、そして落ちてきたジョセフが再び去った後には先程までの喧騒が嘘のように静けさが訪れていた………
放置された
F・Fは、静かに座り込んでいた……すなわち、まだかろうじて生きていた。
とはいえ、何ができるというわけでもない。
残されているのは首から上をわずかに動かし、考える程度しかできない司令塔たる『意思』のみ。
川での出来事はおぼろげながら感じ取ったものの、そちらのプランクトンは既に死滅してしまったため勝負の結果は分からなかった。
(ここはまるで……『牢屋』のようだ………)
動けずとも周囲の様子は分かる。
上空からわずかな光だけが差し込み、静けさの中で蛍のみが舞うという儚く、寂しく、そして冷たく暗い場所。
あるいは、徐倫の命を奪った自分にはこんな場所で最期を迎えるのがふさわしいとでもいうのだろうか。
結局DIOの言った通り、自分は
空条徐倫にはなりきれなかったのかもしれない―――『牢屋の中から出られなかった』のだから。
「徐倫……?」
気がつくと、いつの間に目が覚めていたのかアナスイがそこにいて口を開いていた。
先程までの消え入りそうな声ではなく、かすれながらもしっかりと届く声で。
「さっきは明りがあったはずなのに、今はずいぶん暗くなったな……何にも見えやしない……
けど、わかる……やっと、二人きりになれた………」
碌に動かぬ視線で辺りを見る……蛍はいなくなってなどいない。
数匹程度は戦いに巻き込まれたり穴から外に出て行ったかもしれないが、それでも地下には数え切れないほどの蛍が残り、光を放っていた。
「返事をしてくれ……そこにいるんだろう……? それとも、違うのか………?」
その言葉で理解する……彼の意識と感覚は、既に失われつつあるのだと。
でなければ、既に死亡した徐倫に『返事をしてくれ』と言うはずがない。
目の前にいる自分に『そこにいるんだろう』と問いかけるはずがない。
やがて手探りで這いずってきたアナスイが、座り込む自分の膝に手をかける。
そのうち手の感触すらなくなったのか、彼はそこに頭を乗せてきた。
「ああ……この感触は確かに徐倫だ………君の声がもう聞けないのが、残念でならない………」
そんなはずはない、と思った。
体は抜け殻、中身はプランクトン……感触、体温はできるだけ人間に似せてはいる―――だが、徐倫をよく知るアナスイが間違えるほどだろうか?
さらに言うなら先程のDISCによって体内の水は沸騰しコントロールも不能、感触も体温も滅茶苦茶のはずだ。
まさかそれらの要素が組み合わさったことで奇跡的に空条徐倫の感触と酷似した……なんて馬鹿げたことはあるまい。
「後悔はない……承太郎さんは『間に合った』し、徐倫……君のすぐ傍で死ねるんだ………
呪われたオレが同じところへは逝けないかもしれないが……オレには君のいない世界なんてこれ以上耐えられない………」
真相はわからない。
感覚を失いつつあるアナスイの錯覚というほうがよほど現実的である。
ただ事実として、彼はまぎれもなく喜びを感じており……自分はそれを、壊したくないと思った。
そして、まるで眠りにつくかのようにアナスイは静かに目を閉じる。
このまま何もしなければ、彼はおそらく『永遠』の眠りにつくのだろう。
(………………どうする?)
自分にまだ出来そうなことを、見つけた。
かつて自分がやったように、今度はアナスイの肉体を奪い存在し続けるか。
あるいは徐倫の知るF・Fのように、自分を犠牲にしてアナスイを助けるか。
二者択一だったが、この殺し合いに呼ばれたばかりの自分ならばためらいなく前者を選んでいただろう。
しかし今は………
(………………)
徐倫は目的を果たすにはくだらないプライドなど捨て去ったが……人間として最後の一線だけは、決して越えようとしなかった。
会って間もない、ワケのわからない人物でさえ『友達』と認めたものは決して犠牲にしたりしなかった。
今ここでアナスイを犠牲にして生き延びるようなヤツは……少なくとも『徐倫ではない』。
だが、だからといってアナスイを助けて何になるというのか?
彼はつい今し方言っていたではないか―――後悔はない、徐倫のいない世界なんてこれ以上耐えられない―――と。
ここで生き延びさせても彼には『目的』が無い、ひょっとしたらそのまま死ぬことを選ぶかもしれない……それなら、残り受け継ぐべきは『自分』なのではないか?
いっそのこと…全てを諦め何もせず、ただ消滅を待つか。
それはそれでスッキリした終わりになると言えなくもない。
後には何も残らないのだから―――命も、自分が誰かを乗っ取ることで別の誰かに生まれる『悲しみ』や『苦しみ』も。
(3択―ひとつだけ選びなさい、か………)
答えは―――無い。
現実はそんなに甘くはない。
どれを選ぼうが、皆が喜ぶハッピーエンドになど辿り着けやしないのだ―――徐倫を殺したときから既に。
それでも、どれかを選ばなければならなかった……徐倫の意志など関係ない、『フー・ファイターズ』の意志で。
(………………)
永遠のように長く感じられ、しかし実際は短い思考の後―――決断した。
最後の最後、決め手となったのは……DIOの言葉。
『―――わたしと『これ』、何がどう違うというのだ?』
(違う……わたしは……おまえとだけは……断じて違うッ!)
自分はDIOとは違う……そうでなければ、自分を信じてくれたジョナサン、ジョセフ、仗助、ジョルノ、花京院、そして承太郎を否定することになる。
加えてあの邪悪の化身と同じ生き延び方をするなど……この上なく激しい嫌悪を感じる。
―――それは、自分の『本能』を捻じ曲げてしまうほどの強さを持った『感情』。
(わたしは、おまえが絶対にやらないことをする……それでおまえとわたしは違うと、胸を張ってそう言える…
彼に何かをしてほしいという訳ではないが、ひとつだけ……もしあの邪悪な男が生き残ったなら、再び皆の力になって奴を倒してほしい………
これはわたしの勝手で――『自由』な思いだ……)
DIOへの嫌悪は、同時に何もせず消滅するという選択肢も消していた。
アナスイに残った『知性』と『生命』を使い、傷を埋める。
彼に声をかけはしなかった……言葉が届くかどうかではなく、『自分は』何も言わないのが一番だと、そう思ったから。
そして………
(……そろそろ、限界のようだ)
残された時間で思考するのは―――『思い出』について。
自分が自分になってからまだ一日も経っていないというのに、この殺し合いであったことがそれ以前の時間全てよりも長く感じられる。
思えば徐倫の肉体に入り、単なる『記憶』は自分の『意思』に変わった―――その後、何があっただろうか。
川を流れ、
ホル・ホースという変な……しかしイイ奴に出会った――――――彼は今、どこで何をしているのだろうか。
DIOや怪物から逃げる最中、空条徐倫の意志を感じ取った――――――未だに、その意志は消えずに生き続けている。
新たに出会った
ストレイツォに
吉良吉影、そして…DIOと居た泥スーツの男から逃げ出した――――――結局彼らは、何者だったのだろうか。
逃げた先、地下にて承太郎と遭遇し…先ほどの怪物に連れ去られた――――――あの時二人の目に映った形容しがたい感情は、今も脳裏に焼きついている。
怪物は教会前で男と犬に襲い掛かり、自分は一人残された――――――彼らもまた、どのような結末を迎えたのだろうか。
―――そして教会へと入り、皆と出会い、DIOと戦い………自分は倒され、今ここにいる。
(………………)
成し遂げたことなど何ひとつない。
むしろ知らないこと、やり残したことばかりが思い浮かんでくるのみ―――それこそ、空条徐倫の記憶のように。
だが、たくさんの『思い出』が―――『記憶』とは違う『思い出』が不思議な満足感をもたらしていた。
下を見ると、アナスイが―――最後にただひとつ、自分が遺すだろうものが―――静かに眠っていた。
ようやく帰るべき場所を見つけ、辿り着くことができたような安らかな顔だった。
(もう、誰もいない……わたしの声を聞くものは誰も………寂しい? ああ、確かに寂しいが………)
記憶の中にあるF・Fは最期に『さよなら』を言っていた。
自分にはその相手はいない―――自分が死ぬ数分の間に傍まできてその言葉を聞いてくれる者は、もう存在しないだろう。
だが、それでよかった。
「さよならは言えない……これが『わたし』……『あたし』ではなく『わたし』だった証………『わたし』も生きていた」
それこそが自分は徐倫の知るフー・ファイターズじゃあない、別のフー・ファイターズ……徐倫になろうとしたF・Fとの違いなのだから。
自分を犠牲にアナスイを救うという同じような末路を迎えながらも、自分というF・Fが確かに存在した、その証拠。
最後のプランクトンか、それとも既に死んでいたはずの肉体から抜け出た魂か、残された『意思』が消えてゆく。
いや……消えるのではなく、ただそうなるべきところに還るのだろう。
首を上へと傾ける。
先ほど承太郎とDIOが開けた穴から、わずかながら光が差し込んでくる。
光の向こうには、遮る物などなく夜空が――――――星が、見えた。
意識がゆっくりと薄れてゆくなかで、ずっと空に輝く星の光を見続けていた。
やがて、その時は訪れ―――
フー・ファイターズであり空条徐倫でもあった存在は―――
一人の男に未来を託し、静かに頭を垂れた―――
【F・F 消滅】
【D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会 地下 / 1日目 夕方】
【
ナルシソ・アナスイ】
[スタンド]:『ダイバー・ダウン』
[時間軸]:SO17巻
空条承太郎に徐倫との結婚の許しを乞う直前
[状態]:睡眠中、精神消耗(中)
[装備]:なし
[道具]:
基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:???
0.徐倫……
【備考】
ジョニィとアナスイは、トリッシュ達と情報交換をしました。この世界に来てからのこと、ジョナサンの時代のこと、玉美の時代のこと、フーゴ達の時代のこと、そして第二回の放送の内容について聞いています。
※F・F(空条徐倫)の死体に膝枕されています。またその場にF・Fの基本支給品×2(水ボトルは1)があります。
※地下のどこかにストレイツォの死体や仗助、ジョルノの腕が落ちています。
※地下は今のところ無事ですが、地上の教会が倒壊したことでいつ崩落してもおかしくありません。
#
彼が目覚めて最初に考えたことは、状況の把握。
自分は生きて地上にいる、負傷はしているが戦闘不能ではない、先程まで建っていたはずの教会は崩落した……など、大きく変化した現状を確認する。
次に認識できたのは―――空条承太郎の姿。
一瞬夢かと疑った。
何故、奴がここにいるのか。
何故、奴は満身創痍ながらも『生きている』のか。
―――DIO"様"はどうなったのか。
(考えるまでもない、承太郎がここでこうしているということは………DIO様の身に『なにかがあった』のだ………ッ!!!)
もはや手出しは無用という命令など、知ったことではない。
どうしても、自分の気が治まらなかった。
(相手は無警戒、一撃で終わる………!)
ためらいなく狙いを定め、承太郎を撃った―――
1ミリの狂いも無く正確に承太郎の心臓へと放たれた射撃は―――
―――『承太郎の傍にいた花京院によって』弾かれた……!
「ば……か………な……」
『銃弾』を弾いたエメラルドスプラッシュは、そのまま狙撃手―――ジョンガリ・Aへと突き刺さっていた。
受けた弾はどれもこれも直撃……単なる反撃とは思えないほど、残虐にして鮮やかな逆襲。
「デ…ィ……D…I……O………さ……ま………」
声と共にジョンガリの体がゆっくりと崩れ落ちる……
二十年の時を経て、やっと再会した敬愛する主の名を最後に呟きながら、彼の意識はプッツリと途絶えた―――
【ジョンガリ・A 死亡】
「どうだ、忘れていただろう……?
おまえの指摘と同じく、敵は少なくとも『もう一人』…鐘楼のやつがいたことを………」
「やれやれ、だ……言い方は悪趣味だったが、助かったぜ」
完全に忘れていたわけではないが、意識の外にあったのは事実であった。
DIOはジョンガリに自分たちを狙撃させなかったり、花京院がジョニィを相手取ろうとしたときも手出し無用と…あくまでひとりだけで戦っている。
それゆえに、まさかこのタイミングでDIOの部下が襲撃してくるとは思っておらず―――承太郎らしからぬ気の緩みが発生していたのだ。
「銃弾がやけにはっきりと見えた……それだけだ。
なにより……わたしがおまえを撃ったこと、そのうえでなおわたしを助けてくれたことを考えれば、そんな言葉をかけられる資格など………」
エメラルドスプラッシュを放ったポーズのままの花京院に苦笑しつつも、承太郎は安堵していた。
『法王の緑』を引っ込めるのを確認し、当面の危険は去ったと判断すると地面へと倒れこむ。
だが、見上げられる形になった花京院は真剣な表情になっていた。
「わたしは、人を殺した」
まだ戦闘中であるかのように彼の声は張り詰めていた。
承太郎も倒れこんだままながら、黙ってそれに耳を傾ける。
「まぎれもなく自分の意思で、だ……正直、ゲロを吐きそうなくらい最悪な気分というやつだ………
だが、これが初めてではない………」
ピクリ、と承太郎の眉が動く。
思えば情報交換の際、彼だけは肉の芽のこともあって詳しい過去を聞いていなかった。
「今のを抜きにしても、この殺し合いが始まってすぐにひとり、数時間後にはさらに三人……
肉の芽や正当防衛などと言い訳はしない……全員、わたしがこのスタンドで命を奪った……
けして消えることのない、わたしの『罪』だ」
花京院は数日前まで、スタンド使いという点を除けば単なる学生だった。
それが気がついたときには『殺人者』になっていた……彼の心境がいかがなものかは、さすがの承太郎にもわからない。
「正気に戻って最初に、恐怖を感じた……自分が顔色一つ変えずに殺人を行ってしまったことを。
次に湧き上がってきたのは怒りだった……それをさせたDIOという男に対して。
二つの感情はわたしの中でぶつかりあい、勝ったのは怒りの感情……だからわたしはおまえたちに無理を言って同行したのだ………」
一旦言葉を切る。
花京院は話しながら……静かに、涙を流していた。
「だが、それは間違いだった………
DIOが言った通り、わたしは何一つ変わらぬまま再びDIOの前に立ってしまった……
そうなれば同じ結果が待ち受けるだけなのは、わかりきったことだというのに………」
「……花京院」
まだ何かいいたげではあったが、これ以上は見ていられず承太郎は口を挟む。
花京院一人が悪いのではない……どころか、花京院が悪いはずがないのだと。
「……それは俺の責任であり、この傷はその報いだ……
おまえが同行すると言ったあのとき、最悪殴り倒してでもおまえを止めるべきだった……
行かなければ死ぬより重く後悔すると言っていたが、実際に死んだことがない人間がそれを言っても説得力はない……
なによりおまえは……いや、俺が知っていた
花京院典明はDIOとの戦いの最中、ヤツの能力に敗れ………………命を落としたのだから」
「………………そう、か」
深くは聞かれなかった。
気を使ったのか、聞くのが怖いのか……おそらくはその両方だろう。
明かされた未来、そして末路を知らされ…花京院の声から震えが止まらないという気持ちが伝わってくる。
「幸い、おまえはまだやり直せる……
あいつらも、おまえを責めるような奴は一人だっていやしない。
自責の念があるのなら未来に向けろ……敵はDIOだけではないからな……
これから先、友であるおまえの力が必要だ」
承太郎の―――『友達』としての言葉に、花京院は泣いた顔のまま微笑む。
……微笑みながらも、その声はひどく悲しそうなものだった。
「昔から、わたしはひとりだった……」
「今は違う」
迷いのない承太郎の返しだったが、花京院は構わず言葉を続けていく。
―――何かを急ぐように。
「わたしはずっと、人生の最期までひとりのまま、寂しく死んでいくのだと思っていた……
しかし、違った……身勝手で…自分の意見を押し通し……挙句足手まといになったわたしを………友と言ってくれる者がいた……」
「……? 花京院、何を言っている………?」
花京院の様子が明らかにおかしいのを承太郎も感じ取った。
その体は震えだし、声もかすれていき、紡がれる言葉もまるで―――
「これでいい………感じるのだ……またしても自分が自分でなくなっていくのを……今度こそおまえを殺してしまうかもしれないのを……
そうなる前に……わたしがわたしであるうちに―――――――――――――死ねるのだから」
「花京院……? おい、花京院………ッ!」
だらり、と花京院の腕が落ち……それにより承太郎はようやく気づいた。
花京院の服の胸の部分に、小さな穴が開いているのを。
先ほど肉の芽を抜く前には間違いなく開いていなかった穴の部分から、学生服がじわりじわりと変色していくのを。
休息を望む体に鞭打って上半身を起こし、倒れこむ花京院を支える。
―――ジョンガリ・Aの放った銃弾は、確かに狙っていた承太郎からは外れた。
だが……残酷すぎる運命か、ジョンガリ・Aの執念か……弾かれた銃弾は、彼を助けた花京院の胸を『撃ち抜いて』しまったのだ。
そして……それとは別に、花京院は恐竜に傷つけられたことにより『感染』しつつあった。
本来ならばとっくに意識を支配されていたはずなのに、その侵食を食い止めていたのは……意外すぎることに同じく意識を操る肉の芽。
その肉の芽が抜かれた今この瞬間だけ花京院は花京院のままでいられ、承太郎を助けることができたというのはなんと皮肉なことか。
「こんなどうしようもないわたしを……信じて………くれる…友に…看取……られて……逝ける……など……
わたしには、過ぎた……し…あ……わ…………せ…………」
「もう喋るな! すぐに――――――!!」
承太郎は自分の言葉に愕然とする―――すぐに、何をするというのか。
近くの人間で治療や延命処置が可能な者は全員、それらができそうな状態にはない。
そして承太郎自身は波紋を使えず、傷をなおすこともできないし、体の部品をつくることもできなければ、プランクトンをつめることもできないのだ―――
『スタンドにはそれぞれ、その能力にあった適材適所がある―――』
先程のDIOの言葉が思い返される……今この場で最も思い出したくない声と、内容が。
「……ッ………!!」
これほどまでに自分の無力さを感じたことはなかった。
母親も、娘も、仲間も………今まで見てきた悲劇は、自分がその場にいれば回避できたのではないかと心のどこかで思っていた。
うぬぼれなどではなく、それが可能なだけの力を確かに自分は持っている。
しかし今は違う―――自分は確かにここにいるのに、何もできない。
時を止めることさえ……いや、それすらなくとも本来ならばたった一発の銃弾など掴んで止められるはずなのに、できなかった。
―――空条承太郎は『何もできなかった』
震える承太郎の腕の中で花京院典明は静かに、その生を終えた。
最後にようやく見つけた友達を救い、新たに傷つけることなく彼は息絶えていった―――承太郎を残して。
「………………」
こんなことを見せられて頭に来ないヤツはいない―――その対象は他の誰でもない………自分。
悲運の最期を遂げたとは思えないほど安らかな表情で目を閉じた男の顔―――
その涙の筋から僅かに外れた水滴は彼自身の涙が跳ねたのか、それとも―――
【花京院典明 死亡】
【D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会跡 地上 / 1日目 夕方】
【空条承太郎】
[時間軸]:六部。面会室にて徐倫と対面する直前。
[スタンド]:『星の白金(スタープラチナ)』(現在時止め使用不可能)
[状態]:打撲、骨折、裂傷、内出血等による全身ダメージ(極大)、疲労(極大)、精神疲労(極大)
[装備]:ライター、カイロ警察の拳銃の予備弾薬6発
[道具]:基本支給品、
スティーリー・ダンの首輪、肉の芽入りペットボトル
[思考・状況] 基本行動方針:バトルロワイアルの破壊。危険人物の一掃排除。
0.…。
1.状況を知り、DIOが生き残っているようなら倒す。
※肉体、精神共にかなりヤバイ状態です。
※度重なる精神ダメージのせいで時が止められなくなりました。
回復するかどうかは不明です。
※承太郎の付近に二人の遺体と持ち物(花京院の基本支給品、ナイフ×3、ジョンガリ・Aの基本支給品、ミスタの拳銃(5/6)予備弾薬12発、『オール・アロング・ウォッチタワー』 のダイヤのA)が放置されています。
ジョンガリ・Aのライフルは落下の衝撃で壊れました。
#
「どわッ!……いててて………」
上空へと舞い上がったジョセフの体が、ジョルノの傍……硬い地面へと叩きつけられる。
無理な行動を繰り返していたため格好良く着地とまではいかなかったが、とにかく彼は無事だった。
そこへ、吹っ飛ばされた仗助もようやく追いついて来る―――
「ハァ、ハァ……ジジイ、無事かッ!!?」
「おれは、な……おめーこそフラフラじゃねーか……にしても、ひでー顔にあた……や、なんでもねえ」
未だ血まみれの顔で、荒い息ながらも必死に駆け寄ってきた仗助に心配されるが、ジョセフとしては逆に彼のほうが心配だった。
ひどい頭などと口走ろうものなら何をされるかわからないため、すんでのところで言葉を飲み込む。
「……ジョナサンと、DIOは…?」
「……決着、つけてたぜ。どっちが勝ったのかはわかんねーが……
なんか、カッコわりーな……あれだけデカイこと言っといて、おれ一人だけノコノコ帰ってきちまうなんて………」
「バカ言え……おれのとこまで聞こえてきたぜ? ジョナサンを何度も助けたうえにスタンドまで発現しちまったそうじゃあねえか………」
「へへ、ピンチのときに秘められた力が目覚めるってのはヒーローもののお約束って奴だぜ……しっかしこのスタンド、なんで皆みてーに人型じゃねーんだ……?」
「紫色した茨のスタンド………やっぱ、おめーは間違いなくジジイだよ―――」
ジョルノはそんな二人から離れて再び川岸に近づき、水面を確かめる―――どうにも、彼らの間に入れる気がしなかったのだ。
彼は決戦の一部始終を見届けるつもりだったのだが…眩い光が迸ったことで最後の最後、何が起こったかだけは見られなかった。
現在、浮かぶ誰かは見当たらないが―――決着は、確かについたのだという奇妙な確信があった。
結果はおそらく、もうすぐ始まる『放送』で明らかとなるだろう。
(………父さん)
心の中で、そっと呟く。
それがどちらの父親にどんな思いで向けられたものなのか……彼のほかには誰も知りえなかった。
「……しかし仗助ちゃん、ご自慢の髪型が……あー、その、なんだ、乱れてるぜ?」
「へ、へへっ……心配すんな……髪型はいくらでも……なお…せ………」
だが、思いを馳せるジョルノの後ろで事件が起こる。
突如仗助の体がグラリと傾き……誰も支えることが出来ずに、彼の体が地面へと倒れこんだ……!
「……仗助?」
「………! まさかッ!!」
嫌な予感を覚えたジョルノは仗助の元へ駆け寄り……
自分の手がないことに気づいてジョセフを呼び寄せる。
「急いで心音と脈を! あと体温も確認してくださいッ!!」
「!? お、おう……!」
言われたことを確かめようと体に手を当てたジョセフはすぐに異変に気づく―――
「お、おめー! なんだこりゃ!? 体が『冷たい』ッ!! まさか、新手のスタンド攻撃かッ!?」
「違う! この症状は……『出血多量』だッ!!」
―――仗助の身体が、恐ろしく冷たくなっていることに………!
仗助自身の能力ならば流れ出た血液も『なおす』ことができるが……言うまでもなく、彼は自分だけは治療できない。
殺し合いが始まって間もなくナイフで腕を刺され、手当てはしたがあくまで応急処置程度。
その後も碌に睡眠をとらず他の者をなおしつづけ……
先程の戦いで腕を落とされ、プランクトンを詰められたもののその後とどめに頭を負傷………
―――そう、仗助は『無理をしすぎていた』。
承太郎とは別の意味で弱みを見せようとしなかった彼もまた、限界を迎えてしまったのだ………!
「ここまで出血していたならさぞかし寒かっただろうに……
ぼくが大丈夫だったことから、油断していた……!」
「HOLY SHIT! おめーずっとやせ我慢してやがったなッ! 辛いなら辛いって………」
と、唐突にジョセフの頭にフラッシュバックする光景があった。
『………にしても、なんか寒くねーッスか? 俺だけ?』
『ブァァァカ者がァアアア! 戦場では苛酷な―――』
―――救急車内で、彼が『弱音を吐いた』光景が。
「……おめー……まさかあのとき………チキショー! なんてタイミング悪いやつなんだよッ!!」
続いて彼の脳裏によぎったのはDIOの言葉―――これ以上ないくらい、嫌な言葉。
『儚い命の虫けら―――最もその短い寿命すら待たずして、このDIOに潰されてしまうのだろうがな………』
「―――まだだ、まだ間に合う……! おめーの思いどおりになんて………させるかッ!!」
「ジョセフ、その義手を貸してください」
「ああん?」
ジョセフの体は自然に動き、仗助の身体に波紋を流しはじめたところで唐突にジョルノが提案してきた。
本題しか述べないその用件に困惑しながらも延命は続けつつ、話半分で耳を傾ける。
「彼を救いたいなら急いでください……一刻の猶予もありません」
「義手って……おめーまさか、スタンドの腕代わりにする気か? んなことできるんだったらもっと早く……」
「できるかどうかはわからない……つまり、やってみる価値はあるッ!
それと一応言おうとしましたが、あなたは中々姿を見せなかった上に聞く耳持たなかったでしょう。
いざ戦いに赴こうというときに言うわけにもいきませんでしたし………」
文句を言いつつも彼らの体は淀みなく動き、ジョセフは外した義手をジョルノにつけようとする。
使える腕が二人あわせて一本しかないため苦戦しつつも、無事装着は完了した。
だが、いざその腕を振り下ろそうとしたとき………
―――悪い、ジジイ、ジョルノ……もう、駄目みてーだ………
「なッ!」
「……幻聴? いや、違う………」
声が聞こえてくる―――まるで直接頭の中に語りかけてくるように。
二人には理解できた……気丈なように振舞いながらも、今にも泣き出しそうなほど震えるその声の主を。
「魂が……行ってしまう………」
「バッ、バカヤロー! 冗談言ってんじゃあねえ!!
仗助、おめーこのバカ息子……そうだぜッ! 息子のくせに…親より先に死ぬんじゃねー!!」
―――康一たちには、約束守れなくてすまねぇって…せめてそれだけは伝えといてくれねぇか……
ジョセフは………またしても、自分の胸が張り裂けそうな感覚に襲われる。
勝手なことばかり言っている仗助の声からは、あまりにも無念という感情がありありと伝わってきたのだから―――
「伝え……るんなら……てめー自身で…生き延びて………伝え…やがれ……ッ!!」
「馬鹿な……ことを……飛ばす前に言ったでしょう………『覚悟』とは、犠牲の心ではないと……!」
堪えきれなくなったジョルノは俯き、ジョセフは……人目も構わず、男泣きしていた。
涙を流しながら、必死に呼びかけながら仗助の体へと波紋を流し続ける。
だが……その体は動かない、魂も戻らない………!
―――あばよジジイ……ヨボヨボになって俺が誰だかわかんなくなるまで……
「じょ―――」
―――俺の…知ってる……ホントのジジイになるまで……こっち…来んじゃあ…ねーぞ……約束…だからな………
「仗助ェェェェ―――――――――ッ!!」
最期の…まるで泣きじゃくる子供のような声がふっと消え、仗助は…行ってしまった―――あまりにもあっけなく。
結局ジョセフたちの思いなど何一つ聞かず、言いたいことだけ言って彼は去ってしまった。
「………………」
ジョセフは現実を受け止められず、しばらく呆然とする……しかし、いつまで経っても彼の手に温かみが戻ることは無かった………
いまや『空洞』となったその身体を片手で抱きかかえたまま……ジョセフはジョルノに背を向け、歩き出す。
「……ばあちゃんは」
仗助の亡骸を平らなところに横たえてやり……虚ろなようで、その実はっきり聞こえるように呟いていた。
彼の寂しさが痛いほど理解できたジョルノも、何も言わずにそれを聞き届ける。
「エリナばあちゃんは、昔……おれのじいさんは『美しすぎる』最期を迎えて、父親は『勇敢に戦って』散ったって…
だからおれは誇り高き血統の一員なんだって、そう言ってた………
けどな、その話をするときのばあちゃんは、とても寂しそうだったんだ………
格好悪くたってかまわねえ、ばあちゃんはじいさんたちに生きててほしかったんだと……おれは勝手にそう思ってた」
ジョセフは仗助のポケットから櫛を取り出し、崩れた髪型を丁寧に整えてやった―――波紋を使わず、自分の手で。
それが終わると櫛を戻して彼の目を閉じ……立ち上がって空を見上げる。
いまや満天の星が輝きだした、夜の空を―――
「今―――はっきりそうだったんだって理解したぜ……かっこつけの大馬鹿息子が………」
言葉が見つからないジョルノを背に、ジョセフは空を眺め続けていた。
昇っていった彼を……誇り高き血統を受け継いだ男の魂を探すかのように―――
【東方仗助 死亡】
【D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会西の川岸 / 1日目 夕方】
【
ジョセフ・ジョースター】
[能力]:『隠者の紫(ハーミット・パープル)』AND『波紋』
[時間軸]:ニューヨークでスージーQとの結婚を報告しようとした直前
[状態]:全身ダメージ(中)、疲労(大)、義手を外している
[装備]:ブリキのヨーヨー
[道具]:首輪、基本支給品×3(うち1つは水ボトルなし)、ショットグラス
[思考・状況]
基本行動方針:チームで行動
1.仗助………
2.悲しみを乗り越える、乗り越えてみせる……けど、今は………
※不明支給品のひとつはショットグラス(2部)でした。
【
ジョルノ・ジョバァーナ】
[スタンド]:『ゴールド・エクスペリエンス』
[時間軸]:JC63巻ラスト、第五部終了直後
[状態]:体力消耗(大)、精神疲労(大)、両腕欠損(右腕は肩ごと、左腕は二の腕から先)
[装備]:ジョセフの義手
[道具]:基本支給品一式、地下地図、トランシーバー二つ、ミスタのブーツの切れ端とメモ
[思考・状況]
基本的思考:主催者を打倒し『夢』を叶える。
1.放送で状況を把握しつつ、周囲の仲間と合流する。
2.父さん……仗助………
※ジョセフの義手を装着しています。
義手でスタンド能力が発動できるかどうかは次の書き手さんにお任せします。
[備考]
仗助の遺体が近くに安置されています。
持ち物である基本支給品(食料1、水ボトル少し消費)もその場にあります。
#
教会の真下……からは少し外れた地下、ここで一人の男が何かを待っていた。
男の名は
ディエゴ・ブランドー―――教会にて話の中心となっていた吸血鬼の名と同じ『ディオ』の愛称を持つ男。
先程までの戦いにおいて何度もその存在を匂わせておきながら、ついに直接姿を見せることは無かった男。
彼の近くに先程までいた
ルーシー・スティールの姿は見られない……
ディエゴはルーシーを―――遺体をDIOから引き離していたのだ。
(しかし、7……8人相手に一人で十分だなんて、あの男はマジに何を考えているんだか……)
―――『ジョジョ』たちが一つの目的に向けて結束したのとは対照的に……『ディオ』は決して相容れたりはしなかった。
一時的な協力はしたものの、その先の関係には決して踏み込もうとしない。
彼らはどちらも『奪う者』……それが分かるゆえ相手に自分のものを奪われぬべく、信頼しあうことは無かったのである……!
ディエゴにとっては甚だ不本意だが、戦って勝てるかどうかがわからない以上、聖なる遺体そのものであるルーシーをこれ以上DIOの側においておきたくなかった。
そのため、DIOの部下より『敵』が先に着いたことを知った彼はルーシーを移動させる役目を買って出て、まんまと引き離しに成功したのだ。
そして自分は別の『頼み』を聞きつつ教会近くで待機する……万が一DIOと戦闘になってもベストな状態で戦えるように―――
(だがもし、『遺体の意志』があの男を選んだのだとしたら……? いや、たとえそうだとしてもオレはそれすら『克服して必ず殺す』……『試練』は乗り越えるものだ)
しばらくすると、通路の先からは彼の忠実な僕たる恐竜が現れ……それが何枚もの『紙』を持っているのを確認しディエゴは思考をやめてニヤリと笑う。
支給品が消えたのはこの恐竜の仕業……動けなかったりDIOに気をとられていたりした者たちの隙を突き、ひとりひとりデイパックに穴を開けて盗み出してきたのだった。
行動自体はDIOにそう頼まれた―――断じて『命令』されたわけではない―――のが発端。
DIOとしては『遺体』があれば回収、また妙な支給品に邪魔をされたくないというのが理由だったが、ディエゴにとっては別の意義が存在した。
『遺体』をDIOに渡さず自分の手札に加えておきたい、いわゆるピンはねというやつである。
無論、DIOのほうもディエゴの性格上予想していなかったわけではないが……
ムーロロが分散させたトランプは教会付近にたいした数がいない以上、その時点でDIOが動かせる有効な手駒はディエゴしかいなかったのである―――
(さて、一部分でも遺体があれば儲けものだが……確認したら、次はDIOの部下が持ってる『右手』と『脊椎』部分だな………)
回収の際にちょっとした『トラブル』は発生したが、大きな問題ではない。
結果としては、最小のリスクで大きなリターンを得られたといえよう。
………だが、そうは問屋がおろさなかった。
ディエゴがご苦労、と声をかけようとした瞬間―――
ボ コ オ ア ア ッ ! !
―――恐竜の頭に『穴』が開いたッ!!
恐竜のすぐ後ろから現れ、紙の束に足を踏み入れてくるその姿はまぎれもなくジョニィ・ジョースター……
先ほどの争いの中でただ一人、DIOよりも恐竜のほうが重要だった彼は地上に出ず、こうして恐竜の後を追ってきたのだった……!
「人が『拾った』ものを横取りしようとは、ずいぶんと手癖が悪いことで」
「他の誰に言われようと、おまえにだけはそれを言われたくない」
遺体の左眼球、レースの順位、そして遺体全て―――ジョニィが横取りされたものは数多く存在する。
何より、ひとつとしてディエゴから直接取り返せたものはないという屈辱的な戦績だった。
勿論、ディエゴは『盗られるほうが悪い』という考えの持ち主……何をいわれようと痛くも痒くもない。
「加勢に行かなくていいのかい? どういう関係かは知らないが、地上のやつらはおまえと同じ『ジョースター』らしいぜ?」
「『答え』を得るには時に遠回りが必要……まずはおまえを始末してからだ……そっちこそ『ディオ』の加勢には行かないのか?」
「オレはいいのさ、なにせその『DIO』本人が手出し無用と言ってきたからな。
頼まれたのはヤツらの退路を断つのと支給品の回収だけ―――」
ふっ、とため息をつき続ける。
「―――あいつらの戦いに、オレはお呼びじゃなかったってことさ」
ジョニィはそれを聞いてわずかながら違和感を覚える。
自分の知るディエゴとは欲しいものにはとことん貪欲である一方、無駄な争いはしない男………少なくともジョニィが知る限り、彼がジョースターたちと戦う理由はないはず。
しかしディエゴの口調は、まるで『戦いに参加したかった』とでも言いたげな不満そうなものだったのだから。
「カキョーインという男には手を出していただろう」
「ああ、そいつはオレが命じたわけじゃない、なぜかは知らんがあの恐竜が勝手にやったことさ」
「……」
「信じてもらおうなんて思っちゃいないが本当だ…オレも恐竜の動きを隅から隅まで指定してるわけじゃあない。
これは推測だが……この恐竜の元となった人間がカキョーインって奴に恨みでもあったんじゃあないか?
例えば……『生前そいつに殺された』とかね」
地面に横たわる死体を見つめる。
そこにある死体は既に恐竜の姿ではなく、かつてナチスのコマンドーであった男のそれに戻っていた。
ジョニィは無言でディエゴへと視線を戻し、その右手を彼のほうへと向ける。
しかし狙われながらも、ディエゴは余裕の笑みを浮かべていた。
「おいおい、やる気か? 敵は大統領とスティール氏……オレがおまえに何をしたっていうんだ?」
「いろいろとやってくれたし、『これから』もするんだろう……おまえを、生かしておくわけにはいかない」
ジョニィの右手の指先は一分の狂いもなくディエゴのほうを向いており……添えられた逆の手にはベルトのバックルが握られていた。
かつて
ジャイロ・ツェペリが身に着けていた『黄金長方形』のコピーを持つバックルが―――
そして、彼らの周りには地下道から抜け出した蛍がわずかながら舞っていた。
ジョニィが先程からそれを見て『爪弾』を回転させていた、この会場内で新たに生み出された『生命』が―――
【D-3 南西部(地下) / 1日目 夕方】
【ジョニィ・ジョースター】
[スタンド]:『牙-タスク-』Act1→Act2
[時間軸]:SBR24巻 ネアポリス行きの船に乗船後
[状態]:疲労(小)、困惑
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、リボルバー拳銃(6/6:予備弾薬残り18発)、ジャイロ・ツェペリのベルトのバックル
[思考・状況]
基本行動方針:ジャイロに会いたい。
0.ディエゴを殺害後、地上に戻りジョースターの所へ行く
1.ジャイロを探す?
2.第三回放送を目安にマンハッタン・トリニティ教会に出向く
3.ジョナサン!?僕の本名と同じだ。僕と彼との関係は?
※Act3が使用可能かどうかは次の書き手さんにお任せします。
※バックルの入手先は不明です。
誰かの支給品だったのを手に入れたのかもしれませんし、空条邸にてジャイロ本人の死体から外してきたのかもしれません。
【ディエゴ・ブランドー】
[スタンド]:『スケアリー・モンスターズ』+?
[時間軸]:大統領を追って線路に落ち真っ二つになった後
[状態]:健康
[装備]:遺体の左目、地下地図
[道具]:基本支給品×4(一食消費)鉈、ディオのマント、ジャイロの鉄球
ベアリングの弾、アメリカン・クラッカー×2
ランダム支給品0~3(ディエゴ:0~1/確認済み、ンドゥ―ル:0~1、
ウェカピポ:0~1)
[思考・状況]
基本的思考:『基本世界』に帰る
0.目の前のジョニィを…さて、どうしたものか?
1.遺体が揃うまでDIOと協力。その後は状況次第
2.なぜかわからんがDIOには心底嫌悪を感じる、特に遺体なんて絶対渡したくない
3.ルーシーから情報を聞き出す。たとえ拷問してでも
※DIOから部下についての情報を聞きました。
ブラフォード、大統領の事は話していません。
※ルーシーには監視役の恐竜を付けて別行動中です。居場所は(何事もなければ)常に把握しています。
[備考]
二人の間にカイロ警察の拳銃(6/6) 、シュトロハイムの足を断ち切った斧と大量のランダム支給品入りの紙が散乱しています。
内訳はジョナサン1~2、
アダムス、ジョセフ、エリナ2~5、花京院1~2、仗助1~2、徐倫、F・F2~4
承太郎、
犬好きの子供、織笠花恵2~5、アナスイ1~2、
ブラックモア1~2(計11~24)です。
#
エア・サプレーナ島。
会場においてはティベレ川の下流側に位置し……暗く、それでいて神秘的で華麗な趣を見せる島。
今、長らく静かだったこの島に、流れ着く『何か』があった……
ひとつは、石でできた仮面―――かつて柱の男が開発した、人間の脳から未知なる能力を引き出す石仮面。
本来石とは水に沈むはずの物であるが、何の偶然かこの仮面は川底に沈むことなく、こうしてこの島に辿りついていた。
そのすぐ隣にあったのは、真っ赤に光る宝石―――一点の曇りもない自然が生んだ奇跡の完全結晶たるスーパー・エイジャ。
石仮面とは質量も重さも大きく異なるはずのそれが、またしても不思議なことに時と場所を同じくしてこの地に流れ着いていた。
そして、その二つからほんの少し離れた場所に打ち揚げられたそれは……まぎれもなく人の形をしていた。
一見水死体と見間違えるほどにピクリとも動かなかったが………
しばらくしてその人物はゆっくりと眼を開け、次いで口を開き、言葉を喋った……!
「生き残ったのは――――――」
「――――――ぼく、か………………」
歴代の『ジョジョ』たちがその総力を持って、一族因縁の相手である邪悪の化身を打ち倒した瞬間だった!!
とはいえ既に見たとおり……この事実が明らかになったところで、仲間たちから歓喜の声など上がりはしないだろう。
結果だけ見れば『ジョジョ』たちは間違いなく、因縁の戦いに勝利したが……これもまたDIOの死してなお恐ろしい影響力故か。
DIOの残した爪痕は、さまざまな形で彼らを深く深く抉り取っていたのだから。
「ディオ…これで本当に最期だ…」
幸か不幸か、仲間たちに起きていることなど一切知らぬジョナサンは静かに目を閉じる……彼もまた、力を使い果たしていた。
DIOが考えた通り、運命は歪んだのかもしれない―――DIOが承太郎に敗北した運命も、ジョナサンがディオに敗北した運命も変わる、という形で。
ジョナサンがその眠りから無事に目覚めることが出来るのか、そして彼が目覚めて何を成すのか。
それを見守るかのように石仮面と赤石が―――
無かった
彼と一緒に流れ着いていた石仮面も赤石も、いつのまにか忽然と姿を消していた。
誰かが持っていったのか……誰が、何のために?
目を放した隙に流されたのか……どこまで?
ただひとつ、言えることは―――
――――――『バトル・ロワイアル』は、まだ終わらない。
to be continued…
【DIO――――完全敗北…死亡】
【残り 30人】
【F-4 エア・サプレーナ島 / 1日目 夕方】
【ジョナサン・ジョースター】
[能力]:『波紋法』
[時間軸]:怪人
ドゥービー撃破後、
ダイアーVSディオの直前
[状態]:気絶中、左手と左肩貫通、疲労(極大)、痛みと違和感
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(食料1、水ボトル少し消費)
[思考・状況]
基本行動方針:力を持たない人々を守りつつ、主催者を打倒。
0.気絶中。
1.仲間と合流したい。
[備考]
- D-2 サン・ジョルジョ・マジョーレ教会が轟音と共に倒壊しました。教会が見える位置ならほぼ確実に気付きます。
- エア・サプレーナ島に流れ着いた石仮面とエイジャの赤石がどこに消えたのかは次回以降の書き手さんにお任せします。
- DIOの遺体と石仮面以外の持ち物はどうなったか不明です。
- ジョンガリ・AがDIOに献上したタルカスのランダム支給品はロードローラー(3部)と水を熱湯にするDISC(6部)でした。
DISCは消滅、ロードローラーは教会跡の地下入り口付近に放置されています。
投下順で読む
時系列順で読む
キャラを追って読む
最終更新:2016年02月18日 00:51