○ ○
ジョースター邸本館、正面の扉を開くと、やはりその男はいた。
邸内正面の階段の下、女性の石像の傍で、こちらを待ち受けるように佇んでいた。
承太郎と霊夢は、ひと目でその男が高貴な立場の人間である、と感じた。
遠目からもひと目で判る長い金髪は、毛先がカールしてきれいに整えられていた。
そして身に纏った明るい色のジャケットは袖と襟にフリルがあしらわれていた。
そして何よりその立ち姿が――19世紀の英国貴族の邸宅の中で佇むその立ち姿が――
一枚の絵画のように調和していたからだ。
「お初にお目に掛かる。そこのリボンの少女は……『
博麗霊夢』くんで良かったかな?
お燐……
火焔猫燐くんから、話は聞いている」
「ええ。私が『博麗霊夢』で間違いありません。
貴方は『ファニー・ヴァレンタイン大統領』……ですね?
お燐から姿形の特徴は聞いておりました」
「とりあえず話をしよう、ってことらしいな……『
空条承太郎』だ」
ヴァレンタインの問いに、霊夢は警戒を解くことなく答えた。
承太郎も同じく、である。
――但し、霊夢の口から敬語が飛び出したことについて、内心大いに驚愕していたのであるが。
「では、そこの君は……」
「では、これまでのことについて、情報交換することにしよう。
『誰の目にもつかない』、部屋の中で、な……」
○
○
○
先ほどまで邸内の探索を行っていた大統領の先導で、3人はジョースター邸の一室に案内された。
承太郎と霊夢にとっては既にひと通り調べた場所である。
だが朝の日差しで照らされた邸内は、壁から天井、階段の手すりからドアノブに至るまで豪華な装飾が施されている事が判り
屋敷の建設にいかに多くの手間暇が掛かったかを伺わせた。
(こんな屋敷が現代に残ってたら、間違いなく文化遺産だな……)と承太郎。
(承太郎の実家がこんなお金持ちってのは……何かムカつくわね)と霊夢。
(この一面に施された精密な細工も、みな人の手を掛けて作ったものなのか……。
実用に資する訳でもないのに、理解に苦しむな……)とFF。
思い思いの3名をよそに、先頭を歩く大統領がドアの前で立ち止まる。
「食堂だ。話し合うなら、ここが丁度いいだろう」
「……ここなら、『虫』などが入り込むことは無いと思うが」
入り口に経ったヴァレンタインは、慎重に部屋の中を見回しながらつぶやいた。
大統領の肩越しに、承太郎もこっそりと『スタープラチナ』の視力で部屋の中を覗きこむ。
動く物の姿はない。
「よし、ここが良いだろう。この『食堂』なら、話し合うには丁度良いだろう……」
大統領が戸を開き、3名を部屋の中に招いた。
部屋には白いテーブルクロスのかぶさった細長いテーブルと、何脚かのイスが備えられていた。
先ほど承太郎と霊夢がいた食堂である。
ヴァレンタインがテーブルの中央に、そして他の3人は彼に向かい合う位置の席についた。
窓はおろか、カーテンも閉め、シャンデリアと燭台の光が部屋を満たしている。
大統領が口を開いた。
「君たち3人の先ほどの戦い、見せてもらったよ」
「……見てたのなら、助けて下さっても良かったのでは?
私のことは知っていたのでしょう?」
不満そうに霊夢が答えた。
「そこはお詫びしよう。
何分こういった場だ、よく知らない相手との接触は慎重にならざるを得ないのでね。
……だが、結果だけ言えば、手出しせずにすんで良かったと思う」
「私のことか」
「そうだ。フー・ファイターズ、という名前だったね?
まさか博麗くんが君を手懐けることになるとは思わなかったよ」
「……霊夢の手助けをするのは正午まで、という約束なのだがな」
「ヴァレンタイン大統領……あんたの目的は何だ?」
承太郎の問いに、ヴァレンタインは淀みなく答えた。
「この馬鹿げた殺し合いからの脱出、主催者への報復、
そして参加者にバラバラで配られているであろう『遺体』の回収だ」
「お燐っていう妖怪から聞いた通り、か……。
最初の2つはともかくとして……『遺体』というのは何だ?」
承太郎たちは、彼にとって遺体がどれほど重要なものなのか、見極めなければならなかった。
お燐の話によれば、このヴァレンタインという男は殺し合いに積極的でないにもかかわらず
『遺体』の獲得のために
ブラフォードという屍生人を殺害している。
聞いた話では、片足を失ったブラフォードは『遺体』の両脚を得て歩く力を取り戻していたというが……。
返答次第では、この場で交戦ということも十分に有り得る。
「これを見て欲しい」
そう言って大統領が左手をかざすと、左手の中から木の枝のような物体が出現した。
「これが『聖人の遺体』、左手の部位だ」
「……カラカラに干からびているな」
FFにとってそれは馴染み深い物体であった。彼はDISCに近づく人間を何人も殺してきたのだ。
時には、人体の水分を奪い尽くすという手段で。
見たところ、それはただのミイラの一部でしかなかった。
「現在私はこの左腕と両耳を持っている他、両脚をお燐に託して他の遺体の回収を依頼している。
君たちも、遺体を見つけたら可能であれば回収を頼む」
ヴァレンタインがそう言って左腕を戻すと、聖人の左腕はめり込んでいく様にして彼の左腕の中に戻っていった。
「ヴァレンタイン大統領、貴方はどうして遺体を集めているのですか?
『聖人の遺体』とおっしゃいますが……それは、一体誰の遺体なんですか?」
「『聖人』とはおよそ1900年前に没したと推定される、ある人物のことだ。
……この『遺体』には、『信用』が集まる。聖人であるが故の信用がね。
いや……途方も無い程の『信用』を集めたために、聖人となったと言うべきか。
この遺体の全身が揃った際に集まる『信用』は図り知れない。
アメリカ合衆国という広大な国を治めるには、その『信用』が不可欠なのだ。
だから私は、どうしてもこの『遺体』を集め、帰還しなければならない。
もちろん、この殺し合いを打破する上でも『信用』を集めることはもっとも重要だ」
「『信用』が、か?」
フーファイターズにとってその言葉は、今ひとつ腑に落ちない概念であった。
「その通り。この殺し合いを打破するためには、互いに力をあわせるための『信用』こそが最も重要だ。
彼は私を害しないだろう、彼といれば私にとって吉になるだろう、というお互いの信用がね……。
殺し合いに乗った者から身を守る為の戦力、我々を縛る頭の中の爆弾を除去するための知識や技術、
主催者たちの元へ辿り着くための移動手段、一人ですべて併せ持つことは到底不可能だ。
だが、複数人で集まれば、いつ背中を撃たれるかわからない。そこで、お互いの『信用』が必要になってくるのだ……」
「……まあ、正論だな」
「……ですがヴァレンタイン大統領、この殺し合いを打破するために『信用』を集めるのは良いとして、
『遺体』を集めるのは貴方でなければならないのですか?」
一応の同意を示す承太郎の隣で、霊夢が問うた。
「私でなければならない。そうだ。現職でアメリカの大統領を務める私でなければな。
私には聖人の遺体に集まる『信用』を、国民のために正しく扱う責任がある。
他の『無責任』な者達には渡せない。
……とはいえ、私は不安なのだ。『信用』は力だ。だが、力でしかない。
邪な意思を持つ者に『聖人の遺体』が渡れば、間違った力の使い方をされるかも知れない。
お燐に会ったのであれば、私とブラフォードとの経緯についても聞いたことだと思う」
「……遺体を譲ってくれなかったために、貴方がブラフォードを殺害した、と聞きました」
「……彼を失いたくなかった」
沈痛な面持ちで、ヴァレンタインがこぼした。
「ブラフォードは、主君であるDIOに尽くすため、両脚の遺体を必要としていた。
既に片足を失っていたブラフォードに、聖人の遺体の両脚の部位が歩く力を与えていたのだ。
DIOでなく、私に付くよう説得したが、無駄だった。故に、殺害してでも奪わざるを得なかった。
……この遺体は、1つの部位だけでも『奇跡』と呼ぶにふさわしい現象を起こす力を持っている。
命懸けの殺し合いがもうそこかしこで始まっている。
『奇跡』を、『遺体』を必要とする者はブラフォードだけでなく、何人も現れることだろう。
故に君達にもお願いしたい。……遺体を、一刻も早く私のもとへ集めて欲しい。
私の知る限り、少なくとも『
ジョニィ・ジョースター』は、遺体を求めるために動いているはずだ」
「ジョニィ・『ジョースター』、か」
「彼について話しておこう。彼は没落貴族で、騎手の家系であるジョースター家に生まれた男だ。
彼もまた天才と呼べる技量の騎手だったが、ある日ごろつきとのいさかいで下半身不随となってしまった。
私の調べによれば、彼は……不随となった半身の治療の手がかりをつかむため、『遺体』を集めている。
漆黒の炎とでも表現できようか、強い意思を瞳に宿した青年だった……」
「そして、Dio、『
ディエゴ・ブランドー』。
現在私と彼は協力関係を結んでいるが……警戒したまえ。
彼のスタンドは生物を恐竜に変える。
既にミツバチを小さなプテラノドンに変え、全域に飛ばして偵察に当たらせているようだ」
「……わざわざカーテンを閉めたりしたのは、そのためか」
その後も、4人のこれまでの経緯と知り合いの情報交換は何事もなく行われた。
お互い明確に敵となりうる人物、危険と判る人物についての情報は教えあったが、
それぞれの味方についての情報は概略のみに留め、能力の詳細までを教える事は無かった。
現在いますぐ敵対する理由は無いが、今後どうなるかはお互い確証が持てなかったためだ。
故に暗黙のうちに、双方がそれで合意していたのだ。
結果として、以下の情報をお互いに共有することとなった。
霊夢、承太郎、FFからヴァレンタインに与えられた情報
(DIOが肉の芽で人を操ることができるということも)
(承太郎がスタンド使いであるということは既にヴァレンタインに知られていたため、
彼の仲間もスタンド使いであることは隠しようがない、と判断した。能力の詳細は教えていない)
(このバトルロワイアルに参加させられる直前はFFと敵対していたが、
承太郎の娘とその友人であるため、能力の詳細を伝えることはしなかった)
(霊夢が最初ゲームに乗っていたことは、伝えなかった)
- FFはスタンド使いによってスタンドDISCを与えられて生み出された生命体であること
- 参加者の時間軸のズレについて
(承太郎が1988年から、フーファイターズが2012年からやってきたこと)
ヴァレンタインから霊夢、承太郎、FFに与えられた情報
- Dio(ディエゴ・ブランドー)に幻想郷縁起が支給されたため、
そこから得た情報で幻想郷の住民について大まかの事は知っているということ
(ジョニィはタスクAct3まで、ジャイロはボール・ブレイカーをまだ覚えていない)
- Dio(ディエゴ・ブランドー)の容姿と能力の詳細、そして現在紅魔館にいること
(この情報は、ヴァレンタインから教わったということは秘密ということにした。
今は協力関係だが、彼の性格からして今後確実に敵対することになるだろう、とも伝えた)
(リンゴォの性格から、能力を教えても問題ないとヴァレンタインは判断した。
ヴァレンタインの本来の時間軸であれば、彼は既にジャイロたちに敗れたはずだ、とも伝えた)
共通の疑問点
承太郎はジョニィの事を知らない。馬乗りの家系だなどと、聞いたこともない。
ヴァレンタインはジョニィ以外のジョースター家の家系を知らない。
同姓の別の家系か?→ジョースターは珍しい姓だ。その可能性は低い。
承太郎の時代、ブランドー家についての記録は無い。
生まれた時代とスタンド使いという共通点から、DIOとディエゴは親戚関係の可能性がある。
だが、ディエゴがスタンドを使い始めたのはヴァレンタイン調べでレース途中から。生まれつきではない。
血縁でなく赤の他人の可能性もあるが、今は何とも言えない。
○
○
○
「……と、まあこんな所か」
ヴァレンタインはあらかたの情報を話し終え、三者の顔を見回した。
――彼らの表情は相変わらず硬いままだ。
とてもこちらを信用してくれているようには思えなかった。
このまま彼らと別れたとして、いつ背中から襲われるか判ったものではない。
自分は殺し合いに積極的に乗っている訳ではないものの、
遺体を集める為ならいつ殺人を犯さないとも限らない危険人物には違いないのだ。
あと『一手』、欲しい。
特に博麗霊夢、彼女は人のみならず妖怪からも信用を集める不思議な人望があるようだ。
ついさっきまで敵対していた人ならざる者であるフー・ファイターズを時間限定とはいえ、手懐けているように。
彼女からの信用は、名簿に多く載る幻想郷の住民達の信用を得ることに直結する。
何としても、信用が欲しい。
大統領は心細い時の癖で懐に手を伸ばし――そしてあるものが無いことに気がついた。
「……ああ、それと、もう一つ探して欲しいものがあった」
「何でしょうか、ヴァレンタイン大統領」
「ハンカチだよ。無地で、1847年9月20日、私の誕生日が刺しゅうされている。
……これは『遺体』と違って、奇跡を起こす力を持っているという訳ではない。
アメリカという国にとって大きな影響力があるものではないのだ。
だが私にとっては『遺体』の次に大事な、父の形見なのだよ。
このバトルロワイアルに呼び出されるにあたって、どうやら没収されてしまったらしい。
『遺体』と同じように、他の参加者の手に渡ってしまったのだと思う」
長くなるがよろしいか、と前置きして大統領は続けた。
「ハンカチは、私が7歳の時に父から受け継いだもの。
軍人だった父は敵兵の捕虜となり、酷い拷問を受けた。
お前の隊は何人いるのか、武器は何を使っているか、狙撃兵はどこにいるのか……などとね。
父は決して口を割ることは無かったが、心が挫けそうになった。
そんな時、私の誕生日が記された、あのハンカチが父の支えとなったのだ。
だが捕虜は衣服さえ着ることができない、穴という穴を痛めつけられる。
牢屋にも隠せない、では、どこにハンカチを隠したか?
父は拷問ですでに潰されていた左目の中に心の支えであるそのハンカチを隠し、
最後まで拷問に屈することなく、部隊の仲間を守り抜いて、死んでいったのだ。
……父から受け継いだハンカチは、私の愛国心の原点なのだよ」
ヴァレンタインの語りは熱を帯びだした。
「私は決して私利私欲の為に『遺体』を使わない、と私の愛国心に賭けて誓う。
アメリカという国を一つにまとめるため、『遺体』が必要なのだ。
人ならざるフー・ファイターズくんや、
妖怪達と共存する土地に生きてきた博麗くんには理解できないことかも知れないが、
私がまだ君達くらいの年頃には、同じ人間の肌の色の違い、ただそれだけで奴隷とするかしないかを区別し、
その奴隷制の存続の有無、それだけでアメリカを二分する内戦が起こったのだ。
奴隷制が無くなった今でもアメリカは不安定だ。
父を殺した『戦争』を再び起こさないためにも、『遺体』の集める信用はどうしても必要なのだ。
……話が少々脱線してしまったか。とにかく、ハンカチも見つけたらぜひ確保を頼む」
「ああ、わかった。ハンカチについても、出来る範囲だが協力しよう」
「私も……良く、分かりました。ヴァレンタイン大統領、貴方が遺体を求める理由……。
但し、一つだけ約束があります。
たとえ遺体のためであっても、今話した私達の仲間と、幻想郷の住民達を襲うことはしないで下さい。
もし、約束を守れないのであれば……」
霊夢は約束を守ることを期待していなかった。遺体を求める動機が強すぎる。
遺体を求めるのは、私利私欲の為でなく、自分の国のため。
アメリカほど大きな国でないにせよ、幻想郷という一つの国の統治に加担する霊夢にそれは大いに響いた。
だからこそ、約束などで彼を縛ることはできない。国の為ならば、きっと破る。
「『約束』しよう。……こちらの正当な防衛以外で、君たちの仲間は襲わない、とね」
だが、敢えてヴァレンタインは約束した。
「え……」
その余りに淀みない返答に、霊夢は一瞬面食らった。
「君の『信用』を得るためだ。
約束できないのであれば、攻撃も辞さない。君は、そう言いたいのだろう。
……私としてもそれは避けたいのだ。君達3人とこの場で交戦して私が勝利したとしよう。
その後遺体を首尾よく集めたとしても、私がここを脱出し、アメリカに持ち帰ることができなければ意味が無い。
君が妖怪たちから慕われる不思議な魅力を持っているのは知っている。
君と協力関係を結ぶことで得られる『信用』は、
このバトルロワイヤルを打破する上では必要なものだと、考えているのだよ」
「本当に?」
「ああ。『約束』しよう」
「頭の爆弾を解除したり、主催者の連中を倒すのも、手伝ってくれますか?」
「それも『約束』する。私のできる範囲ならば、何だってしよう」
「もう一度聞きますが、貴方から私達の仲間を襲うことはしないと、約束できるのですね?
……例えそのヒトが『遺体』を持っていたとしても」
「『約束』する」
「…………」
霊夢は左右に座る承太郎、FFと顔を見合い、小さく頷いてから――
「わかりました。貴方の事を信じましょう。
そこまで言われて貴方を信じなければ、私達が悪者になってしまいます」
――初めてヴァレンタインに笑顔を見せたのだった。――苦笑いではあるが。
さらに霊夢は、デイパックから缶を取り出し、大統領に投げ渡した。
ヴァレンタインがそれを受け取ると、冷たい。その缶は結露で表面に水滴が付くほど冷たかった。
「これは……缶ビールか?」
「ぜひ、お近づきの印にと思いまして……お酒は苦手ですか?」
「いや、ビールは好物さ。……ん?」
ヴァレンタインは缶を見て戸惑った様子を見せた。
逆さにしたり、ひっくり返して底の面を覗きこんだりしている。
「心配しなくても、ビールに変なものは何も入っていませんよ。……缶詰めで密閉されていますから」
「いや、そうではなくてね……ああ、このツマミを折り返して開けるのか」
「大統領、アンタ本当に19世紀からやってきたみてーだな……」
「……では、頂くとしようか」
そう言うとヴァレンタインはデイパックから鉛筆を取り出した。
そして缶ビールの側面、底に近い部分に鉛筆を突き刺してその穴を口で塞ぐと、
上部のプルタブを開いたのだった。
「ブッ、ガブッ、ガブッッ! ゴブッゴブッゴブッゴブッゴブッ!
ゾブッ、ゾブッ、ズズゥーーーーーッ……プハーーーーッ
YES! YES、YES! イェ……おっと、失礼。
いや、缶ビールはこうして飲むに限るよ」
口元を袖で拭いながら、ヴァレンタインもようやく笑顔を見せたのだった。
一瞬あんぐりとした霊夢だったが、すぐ気を取り直してデイパックを床に下ろすため、視線を落とした。
霊夢の膝の上、テーブルに隠れたスカートの上で、黒っぽい泥がジュルジュルうごめき、
『ノマセタ』
という文字の形になった。
霊夢はそれを見るとすぐに身体を起こして視線をテーブルの上に戻し、手の平で泥を押しつぶすと
『ウゴカスナ』
と潰れた泥の上に指でなぞった。
霊夢、承太郎、FFの3名は交渉のテーブルで、
こうした水面下のやりとりを行っていたのである。
泥が再び動き出し、
『イ』『イ』『ノ』『カ』
と、順番に文字を描いた。
膝の上に置いた手の平の感覚でそれを読み取った霊夢は泥を押しつぶすと
『イイ』
となぞる。
すると泥は
『ワ』『カ』『ツ』『タ』
『J』『モ』
『オ』『ナ』『ジ』『イ』『ケ』『ン』
と、順番に文字に変化した。
かくして、霊夢がヴァレンタインに投げ渡した缶ビールを通じてヴァレンタインの体内に入り込んだFFの分身は、
当初の役目を果たすことなくFF本体の操作射程外に離れ、やがて消化・吸収される運命が決定した。
当初の役目とは、勿論ヴァレンタインの体内に侵入して、彼の体内で増殖して身体の自由を奪うこと。
では、FFはどのようにしてヴァレンタインの体内に侵入したか?
霊夢の『ビールに何も入っていない』という言葉に嘘は無かった。
FFの分身は冷えて結露した缶ビールの側面に付着していた。
砂粒のように小さな分身の一匹は、ヴァレンタインの目を欺いてビールに紛れ、
体内に入り込むことに成功していたのだった。
だが、霊夢たちはまさにそのヴァレンタインを拘束するチャンスを敢えて手放してしまったのだった。
○
○
○
その後、霊夢、承太郎、FFの3名は大統領と別れ、ジョースター邸の厨房でFFの体内の水を補給し、館を出た。
既に一度見て回った場所である、特に有用な情報を得ることはできなかった。
本棚の資料などを詳しく漁ればまた違う情報を得ることができたのかも知れないが、今そこまでする理由は無かった。
「……さて、どこに行きましょうか。紅魔館にはディエゴっていうのがいるだけみたいだし。
今は一応、敵じゃないのよね。情報集めに便利な能力を持ってるみたいだし、頼ってみる?」
ジョースターの門前で、霊夢は二人に問いかけた。
肩にはつい先程ジョースター邸でちゃっかり失敬したモップの柄を担いでいる。
殴るための用途なら、アヌビス神の鞘よりもこちらの方が、元のお祓い棒に形状が近くて扱い易いと気づいたのだ。
「……どうにも信用できねー奴だがな、ディエゴって奴は」
「お前の仇敵、DIOの親戚の可能性があるからか?」
「それもある……それに大統領から聞いた話では、性格までDIOにソックリときたもんだ。
おまけに大統領の味方のはずなのに、ディエゴにオレたちとの話を聞かれねーように用心するどころか、
スタンド能力まで詳しく教えてくれやがった。大統領もディエゴって奴のことは、全く信用してねぇみてーだ。
まるで『時期が来たら奴は別に始末してくれて構わねー』って言ってくれてるみてぇだったぜ」
「まぁ、話を聞く限りだと、あんな奴信用しろって方が無理な話よねぇ」
「紅魔館に行くにしても、備えは万全にしておく必要があるだろーな……。
紅魔館の方に、オレの同族の、星のアザを持った奴がいるみてーだしな」
「備え、か……そうだな、水のペットボトルを体内に仕込んでも、
この身体で陸上を動き回るのには限度があるしな。
……承太郎と霊夢の分の水ももらったが、大統領との情報交換を終えた頃には殆ど空になっていた。
この家で水を補給できなければ危ない所だった」
「何とかなんないのかしらね、その体質」
「人の身体……新鮮な死体があればそれに入り込んで動く事ができる。
水分の消費も、ずっと少なくできるだろうな。
このまま動くなら、水分が減りすぎた時はお前たちの体内に避難させてもらうこともできるがな」
「新鮮な死体……か。心当たりが無い訳ではないな」
「……廃洋館の、咲夜。
私が言う筋合いは無いんでしょうけど……もし咲夜の身体を使うのなら、大事に使うのよ。
既に亡骸とはいえ、むやみに傷つけるようなマネしたら、レミリア達が……悲しむわ」
「……ああ、その時は大事にすると約束しよう。
なあ、霊夢に承太郎。……本当に良かったのか? ヴァレンタインの事は。
さっき交わした『約束』を守ってくれる保証などない。
あの時に倒しておくべきだったのではないのか」
「さっきヴァレンタインに話した通りよ。
あそこまではっきり約束する、と言われた以上、こちらから断るなんてできないわ」
「しかし……」
「FF、アンタの心配することもまぁ、わかるわ。
向こうがいつ『約束』を破るか、保証なんて無いも同然。
確かにこんな約束、障子紙みたいに簡単に破れるわ。
……だけど、障子紙を破った奴には、家主からの制裁が来る。
仮にも一国の主なら、それを理解できないハズがないわ」
「……承太郎、お前は、どうしてヴァレンタインを信じようと思った?」
「おおむね霊夢と同意見、ってトコだ……。
それに、あの交渉の場で不意討ちのようなマネを仕掛けるのは、ちと汚ねーだろ。
少なくとも、奴には奴なりの正義がある、そんな相手に汚ねー手は使えねぇ……。
もちろん、向こうが卑怯な手を使ってきたなら話は別だがな」
「承太郎、アンタでも迷ったりすることはあるのね。
……ってFFを通じてテーブルの下で密談しようって提案したのは、アンタじゃないの。
急に足元からドロドロしたのが登ってきて、ビックリしたわ」
「アレは必要な備えをやったってだけだ。
ビールに混ぜてFFを仕込むことを考えたのは、霊夢。おめーだ。
澄ました顔の下でエゲツねぇこと考えつきやがる」
――こうして3者が歩き出した時、FFがふとつぶやいた。
「『卑怯』、か……。また一つ、理解できないことができたな。
どんな手段を用いても、生き残れば、目的を達成すればいいのではないのか?」
すると承太郎が立ち止まり、FFに向かって振り返ると言った。
「スタンド使いの戦いなんて、何でも有りだからな。そういう事を考えたくなるのも理解できる。
いや、そういう考え方こそが自然なのかも知れねー。
……だが、スッキリしねえだろ。相手が正々堂々と来てるのに、卑怯な手で勝ってもな」
霊夢も
「それに、ルールの無い戦いを際限無く続けたら、お互い生命がいくつあっても足りないわ。
戦いといってもどこかで一線を引いて、踏みとどまる必要があるのよ。お互いが生きていくためにはね」
と続いた。
「うーむ、霊夢の言い分は何となく分かるが、な……。
ところで二人とも、『遺体』の方はどうする?
こちらで集めて大統領に提供すれば、奪い合いの危険は減ると思うのだが」
「持ってる奴に遭ったら、あまり大事な物じゃねえ風にそれとなく聞いてみて、
要らなさそーならもらっときゃ良いんじゃねえのか」
「そうね。……問題はあのブラフォードっていうゾンビ騎士みたいに、『遺体』の奇跡を目撃しちゃった人よね。
知らないヒトなら警告だけしとくとして、知ってるヒトが『遺体』を後生大事に持ってたりしたら……面倒ね。
聞けば、よほどのご利益があるみたいだもの、あの『遺体』」
「霊夢、まさか『遺体』を大統領からネコババしようなんてことは……」
「……しないわよ。アレをご神体にしたら、博麗『神社』じゃなくなっちゃうでしょ」
【C-3 ジョースター邸(門前)/朝】
【博麗霊夢@東方 その他】
[状態]:右肩脱臼(処置済み。右腕は動かせますが、痛みは残っています) 左手首に小さな切り傷(処置済み)、
全身筋肉痛(症状は少しだけ落ち着いてきています)、あちこちに小さな切り傷(処置済み)
肉体疲労(中)、霊力消費(大)、全身打撲(大)
[装備]:いつもの巫女装束、モップの柄
[道具]:基本支給品、自作のお札(現地調達)×たくさん(半分消費)、アヌビス神の鞘
DIOのナイフ×5、缶ビール×8、不明支給品(現実に存在する物品、確認済み)、
その他、廃洋館及びジョースター邸で役立ちそうなものを回収している可能性があります。
[思考・状況]
基本行動方針:この異変を、殺し合いゲームの破壊によって解決する。
1:紅魔館へ移動。もしくは、廃洋館で咲夜の遺体を回収。
2:戦力を集めて『アヌビス神』を破壊する。殺し合いに乗った者も容赦しない。
3:フー・ファイターズを創造主から解放させてやりたい。
4:全てが終わった後、承太郎と正々堂々戦って決着をつける。
5:『聖なる遺体』を回収し、大統領に届ける。今のところ、大統領は一応信用する。
6:出来ればレミリアに会いたい。
7:暇があったらお札作った方がいいかしら…?
8:大統領のハンカチを回収し、大統領に届ける。
※参戦時期は東方神霊廟以降です。
※太田順也が幻想郷の創造者であることに気付いています。
※空条承太郎@ジョジョ第3部の仲間についての情報を得ました。
また、第2部以前の人物の情報も得ましたが、どの程度の情報を得たかは不明です。
※白いネグリジェとまな板は、廃洋館の一室に放置しました。
※フー・ファイターズから『スタンドDISC』、『ホワイトスネイク』、6部キャラクターの情報を得ました。
※
ファニー・ヴァレンタインから、ジョニィ、ジャイロ、リンゴォ、ディエゴの情報を得ました。
【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース】
[状態]:右手軽い負傷(処置済み)、全身何箇所かに切り傷(処置済み)
肉体疲労(大)、F・F弾による弾痕(処置済み)スタンドパワー消耗(中)
[装備]:長ラン(所々斬れています)、学帽、ミニ八卦炉 (付喪神化)
[道具]:基本支給品、DIOのナイフ×5、缶ビール×2、不明支給品(現実に存在する物品、確認済み)
その他、廃洋館及びジョースター邸で役立ちそうなものを回収している可能性があります。
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の二人をブチのめす。
1:放送を聞いた後に紅魔館へ移動。もしくは、廃洋館で咲夜の遺体を回収。
2:花京院・ポルナレフ・ジョセフ他、仲間を集めて『アヌビス神』を破壊する。DIOをもう一度殺す。
その他、殺し合いに乗った者も容赦しない。
3:『聖なる遺体』を回収し、大統領に届ける。今のところ、大統領は一応信用する。
4:大統領のハンカチを回収し、大統領に届ける。
5:ウェザーにプッチ、一応気を付けておくか…
6:霊夢他、うっとおしい女と同行はしたくないが……この際仕方ない。
7:あのジジイとは、今後絶対、金輪際、一緒に飛行機には乗らねー。
8:全てが終わった後、霊夢との決着を付けさせられそうだが、別にどーでもいい。
※参戦時期はジョジョ第3部終了後、日本への帰路について飛行機に乗った直後です。
※霊夢から、幻想郷の住人についての情報を得ました。女性が殆どなことにうんざりしています。
※星型のアザの共鳴によって同じアザの持つ者のいる方向を大雑把に認識出来ます。
正確な位置を把握することは出来ません。
※フー・ファイターズから『スタンドDISC』、『ホワイトスネイク』、6部キャラクターの情報を得ました。
※ファニー・ヴァレンタインから、ジョニィ、ジャイロ、リンゴォ、ディエゴの情報を得ました。
【フー・ファイターズ@第6部 ストーンオーシャン】
[状態]:プランクトン集合体(むき出し)
[装備]:なし(本体のスタンドDISCと記憶DISC)
[道具]:ジャンクスタンドDISCセット2
[思考・状況]
基本行動方針:スタンドDISCを全部集めるが、第2回放送までは霊夢たちと行動する。
1:霊夢たちと同行する、一先ずDISCは後回し。
2:寄生先の遺体を確保したい。
3:墓場への移動は一先ず保留。
4:空条徐倫とエルメェスと遭遇したら決着を付ける?
5:『聖なる遺体』を回収し、大統領に届ける。
6:大統領のハンカチを回収し、大統領に届ける。
[備考]
※参戦時期は徐倫に水を掛けられる直前です。
※能力制限は現状、分身は本体から5~10メートル以上離れられないのと
プランクトンの大量増殖は水とは別にスタンドパワーを消費します。
※承太郎、霊夢と情報を交換しました。
※ファニー・ヴァレンタインから、ジョニィ、ジャイロ、リンゴォ、ディエゴの情報を得ました。
[モップの柄]
霊夢がジョースター邸で調達した。木製のモップの柄。
バトルロワイヤル原作でもお馴染み、清掃用のモップから柄だけを取り外したもの。
手に馴染む太さとちょうどいい長さで、棍棒の代用としては十分。
現在は霊夢が装備中。
「……行ったようだな」
ヴァレンタインはジョースター邸本館2階のベランダで、敷地を去る三者を見送っていた。
ベランダの出入口から、もう一人のヴァレンタインが顔をのぞかせた。
「困難な話し合いだったが、よくやってくれた。『もう一人の私』よ」
「結局、『基本の私』の力が必要な事態にはならなかったようだな」
霊夢たちがヴァレンタインと情報交換を行っていたのは、本来の参加者である『基本のヴァレンタイン』――ではなかった。
食堂で話し合いに出ていたのは、彼のスタンド能力・D4Cで呼び出された『並行世界のヴァレンタイン』であった。
『基本のヴァレンタイン』は食堂での話し合いが破談となり、戦闘となった際に備えて食堂の外で待機していたのだった。
「では、私は持ち場に戻るとしよう。後は頼んだ、基本の私よ」
「ああ」
『並行世界のヴァレンタイン』は『基本のヴァレンタイン』に『聖人の左腕』を返すと、
カーテンと窓のすき間に入り込んだ。
風でカーテンがはためくと、『並行世界のヴァレンタイン』の姿は既に消えて無くなっていた。
「……どうにか、凌いだか」
ここで霊夢たち三名と話し合いを試み、一応の信用を得ることができたのは大きな成果だった。
彼女らがジョースター邸に近づいた時に不意討ちを仕掛ければ、
少なくとも一人以上を仕留め、生き残りからも姿を知られずに逃げ切る自信があった。
話し合いを試みれば、お燐を通じて自身の行動を知られている危険性があった。
『遺体』欲しさに他の参加者を殺害するという行動を。(実際に知られていた)
こうして『並行世界の自分』を話し合い役に出すことができるとはいえ、
話し合いは最もリスキーな選択だった。
そんなヴァレンタインが敢えて話し合いという最もリスキーな行動に出たのは、
『信用』が必要だったからに他ならなかった。
既に霊夢達に話したように、脱出の手段も、主催者との戦いも、一人で全てどうにかするなど、到底不可能だと、
ヴァレンタインは理解していた。大統領の政務と同じだ。一人で何もかもはできない。
目的達成のために『信用』のある協力者はどうしても必要だった。
その点Dioは有能だが、信用ならない。
いつでも『切れる』よう、彼の情報はこれからもバラ撒いておくこととしよう。
――もちろん、プテラノドンを会場全域に飛ばしているDio本人にバレない状況で、だが。
最悪Dioは、霊夢達や他の誰かに殺害されてしまっても構わない。
霊夢たちの『信用』を得るために払った対価は安くない。
先ほど交わした約束で霊夢、承太郎、FFの知り合いを下手に襲撃することができなくなった。
彼らの見ていない所で殺ったからといって嘘をつくことはできない。
『幻想郷縁起』で得た情報によれば、心を読む能力や心の中を聞き取ることのできる者たちもいる。
霊夢らが次に遭った時に、彼女らと合流していない保証はない。
だから話し合いの際も、全て包み隠さず話した上で『信用』を勝ち取る必要があったし、実際その通りにした。
失くしていたハンカチの話で情に訴えたりもした。(どの程度効果があったかは不明だが)
とにかく、3名から一応の信用を得ることができたのは大きな成果だ。
フー・ファイターズ。
どう見ても人でない外見は他者を警戒させるだろうが、戦いぶりを見た限り、使いでのあるスタンド能力だ。
空条承太郎。
17歳の割に、相当な場数を踏んでいるようだ。スタンドは単純なスピードとパワーが凄まじい。
スタンド能力は――見たところ、リンゴォと同様の、ごく短い時間を操作できるものなのかも知れない。
そして彼らの仲間もまた、スタンド使いのようだ。
そして、博麗霊夢。
彼女自身の実力もさることながら、彼女と友好関係にある参加者は実に半数を占める。
『信用』を集めることが脱出の上で重要ならば、彼女から信用を得るのが最も早道だ。
だが、『信用』は貨幣のように、人と時と場合によって価値を変えるもの。
彼らの『信用』が価値を持つのは、脱出の手段を確保して遺体を総取りし、
ヴァレンタインが最初にナプキンを取る、その時までだ。
結局、不易不変の『信用』を持つのは『聖なる遺体』だけなのだから。
【C-3 ジョースター邸(本館ベランダ)/朝】
【ファニー・ヴァレンタイン@第7部 スティール・ボール・ラン】
[状態]:健康
[装備]:楼観剣@東方妖々夢、聖人の遺体・左腕、両耳@ジョジョ第7部(大統領と同化しています)
紅魔館のワイン@東方紅魔郷、暗視スコープ@現実、スローダンサー@ジョジョ第7部
[道具]:通信機能付き陰陽玉@東方地霊殿、基本支給品×2
[思考・状況]
基本行動方針:遺体を集めつつ生き残る。ナプキンを掴み取るのは私だけでいい。
1:遺体を全て集め、アメリカへ持ち帰る。邪魔する者は容赦しないが、
霊夢、承太郎、FFの3者の知り合いには正当防衛以外で手出しはしない。
2:形見のハンカチを探し出す。
3:火焔猫燐の家族は見つけたら保護して燐の元へ送る。
4:荒木飛呂彦、太田順也の謎を解き明かし、消滅させる!
5:ジャイロ・ツェペリ、ジョニィ・ジョースターは必ず始末する。
6:ディエゴとは相変わらず連絡が取れないが…
※参戦時期はディエゴと共に車両から落下し、線路と車輪の間に挟まれた瞬間です。
※幻想郷の情報をディエゴから聞きました。
※最優先事項は遺体ですので、さとり達を探すのはついで程度。しかし、彼は約束を守る男ではあります。
※霊夢、承太郎、FFと情報を交換しました。彼らの敵の情報は詳しく得られましたが、
彼らの味方については姿形とスタンド使いである、というだけで、詳細は知りません。
最終更新:2016年09月18日 21:26