「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち-27

最終更新:

guest01

- view
だれでも歓迎! 編集


「落ち着きましたか?」
「…はい。お見苦しい所をお見せしました」

 司祭の仮面を被りなおす
 …この姿で地が出かけるなど、随分と久しぶりだ

 あのババアめ、ひきこさんとか呼ばれていたな
 確か、この国の都市伝説だったか
 …ばーちゃん、とも呼ばれていた
 都市伝説と人間のハーフだぁ?
 いや、全くいない訳じゃない
 ヨーロッパじゃあ、聖人とか呼ばれるような奴の中に一部、そう言う連中がいたりするし、ジェボーダンのベートの野郎も、昔暴れていた時に孕ませた女がいて、その子孫が今も生きていたはずだ

 まぁ、どちらにせよ…厄介な連中に関わってしまったのかもしれない

「…すみませんね。あまり、正体には触れられたくないのですよ。ヨーロッパにいた頃は、正体が知れただけで殺意を向けられていたもので」
「正体が知れただけで、ですか?」
「向こうには、都市伝説と呼ばれる存在を狩る事を生業としている者も多いんです。その手の者は、その都市伝説がほんの少しでも悪い噂から…人を害する噂から生まれた、となれば、たとえその都市伝説が人間と分かり合おうとしていても、狩りたてようとしますから」

 …教会の、狗共め
 何度もこちらを殺そうとしやがって
 まぁ、あんな連中に殺されるほど、自分は弱くないから、毎度返り討ちにして美味しく頂いてやったが

「その時の、癖でして…どうにも、正体を知られる事に嫌悪があるのですよ」
「そうですか…」

 大きな胸を揺らし、その女は頷く
 この女も、都市伝説であるらしい
 どんな都市伝説なのか知らないが…もしかしたら、こいつも、俗に言う人間に害をなすと言われる都市伝説なのかもしれない

 たとえ、人を傷つける、とされている都市伝説であっても
 生れ落ちたからには、それに従うとは限らない
 その自分に課せられた能力や生まれた理由を嫌悪する者とている
 …嫌悪したところで、それに逆らおうとしたところで、誰にも信じてもらえないしどうにもならない
 自分は、ヨーロッパでそれを学んだのだ

「…もしかしたら、ですが。「爆発する携帯電話」の契約者の彼の能力を知っていた事で、警戒したのも…?」
「えぇ…彼は、命を狙われた経験がありますし。先日、あなた方に助けられた時も…どうやら、あの能力を持っていたことで、狙われたようですから」

 嘘はついていない
 少なくとも、あいつが命を狙われた事が在るのは事実だし、コーク・ロアの契約者に襲われた時は能力を狙われたようだった
 …あいつの能力は、携帯の番号さえ知っていれば、誰でも殺せる能力だ
 あの能力目当てで、引き込もうとする連中がいるだろう事も、事実なのだ

「私達は、そう言った経験をした者同士…寄り添うように、生活しています。できれば、静かに暮らしたいのですよ」

 そう言って、笑って見せた


 …何を言っているのやら、自分は
 自分たちは、この街で騒ぎを起こしている張本人だ
 静かに暮らす、だ?
 むしろ、この街に混沌を撒き散らしているというのに
 きっと、そんな事など許されないだろう

 …だが、そう口にしたその瞬間
 確かに、自分はそれを望んだのかもしれなかった


fin




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー