「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 占い師と少女-a07

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占い師と少女 マッドガッサー決戦編 07


※花子さんの方の別行動2階へ裏切り後の占い師一行視点

○月×日 21:23

「…………止まれ。ここだ」

薄暗い廊下の中、私たちは化学準備室の前まで来ていた。
少し前まで一緒に行動していたTさんとはもう別れ、白衣の先生とその弟の青年だけが一緒に行動していた。
ちょっと前までは10人近かった事を考えると、半数近くまで減ってしまった事になる。
……といっても、これからまた二人ほど増えるのだけれど。

「しかし、いいのか? 鬱陶しい事この上ないが」
「構わない。今は少しでも戦力が欲しいからな」

――逃げ隠れするのに5人は多すぎる。とは、占い師さんが不良教師さんを説得するのに使った言葉だ。
「骨を溶かすコーラ」の契約者の青年がしばらく戦えない以上、逃げ隠れ出来ない関係で戦力が少しでも欲しいらしい。

「……分かった。ただし、後悔しても知らないからな」

不良教師さんが、白衣の内側から鍵束を取り出した。
その中の一つを手に取り、鍵穴へと差し込む。

…………カチャリ

小さな音と共に、鍵が開いた。
そのままガラガラと扉を開ける。
開いた扉から、中の少しこもった空気が漏れ出てきた。

「………………」

不良教師さんは、そのまま無言で中へと入っていき、弟さんの方もそれに続いた。

「……行くか」
「はい」
「おうよ」

占い師さんを筆頭に、私たちも中へと入る。
ここにいるのは、不良教師さんが契約した「人体模型」と「白骨標本」の都市伝説らしいのだが……。

「…………あれ、ですかね」
「…………あれ、だろうな」

確かに、化学準備室の中には人体模型と白骨標本がいた。
しかし、月明かりを浴び、動くそれは――

「…………フラメンコ、だな」
「…………フラメンコ、ですね」

――なぜか、フラメンコを踊っていた。
片方はそれを座ってみている体である。その横には不良教師さんと弟さんもいる。
ふと、私たちに気付いたのか、踊りながらこちらを向く人体模型。
その間も、足は激しいリズムを刻んでいる。なんとも不気味だ。

カッカッカッカッカッカッ!

リズムを響かせながら、人体模型の口が開いた。

「……あんさんたちが、旦那の言うとった都市伝説でっか?」

人体模型はコテコテの関西弁でそう言った。
……何というか、色々と謎な人体模型だと思う。

「ああ。……で、あんたたちがこの男と契約した都市伝説って事でいいのか?」
「はい、その通りです」

座っていた白骨標本が、女性の声で答える。
どうやら白骨標本は、女性だったらしい。……骨格は男性のものなのだが。
(…………何だか、頭が痛い)
学校の都市伝説は、こんなにもキャラが濃いものばかりなのだろうか?
しかし、不良教師さんは全く平然とした様子で

「お前らも気づいているとは思うが、この学校で今色々と面倒な事が起きている」
「旦那、わてらはずっとここにいたんやで。表が騒がしいのは知っとるけど、何が起こっとるかは知られへん」

カッカッカッカッカッカッ!

「……そうか。では一から説明するが、時間がないから少しはしょるぞ」
「頼んます」

カッカッカッカッカッカッ!

「今、屋上にマッドガッサーが――…………」

カッカッカッカッカッカッ!

「…………――弟も、ついさっきまで――…………」

カッカッカッカッカッカッ!

(……占い師さん)
(どうした?)
(何で不良教師さん、平然と話を続けていられるんですか?)
(恐らく、慣れだろうな)
(…………なるほど)

「…………――って事になっている。……分かったか?」
「はい」
「ちゃんと理解しましたで」

カッカッカッカッカッカッ!

……ついに、人体模型がフラメンコを続けたまま、不良教師さんの話が終わってしまった。
色々とショックを受ける私をよそに、占い師さんが人体模型と白骨標本の前まで歩み寄った。

「……これから俺たちと行動してもらう事になるが、大丈夫か?」
「はい。私たちは契約者さんを守らなければいけませんから」

カッカッカッカッカッカッ!

快い白骨標本さんの返事。

「分かった。……宜しく頼む」

占い師さんが手を差し出し、白骨標本さんが受け取る。
それだけでも十分異様な部類に入ると思うのだが……。

カッカッカッカッカッカッ!

踊り続ける人体模型に、それを気にせず振る舞う面々。

「……なんつーか、俺だけが異常みてぇに感じるな」

私の気持ちを代弁したかのような大将の言葉が、やけに部屋に響いたような気がしたのは、気のせいだったのだろうか。

○月×日 21:28 白骨標本、人体模型と合流完了




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