「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - Tさん-15

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 ≪夢の国の地下カジノ≫にて、振る舞われた酒の入ったグラスを見つめながら青年は電話をかける。
 相手はさる大企業の社長で、
「……ああ、そうだ。祭り囃とか流してるスピーカーとかあるだろ? あれで"悪夢の国は落ちた。各々方始末を着けなさいますよう"と何度か流してほしい……、ああ、大丈夫だ。娘さんはちょっと迷子になっただけだよ。すぐそこで疲れて眠ってる…………、ん、じゃあ頼んだ。……迷子が多い? それは人が多いからだろう。…………変な物の目撃情報ね、夢だよ夢、白昼夢。…………町が壊れてる? ははは、祭りが終わってからもそんなことが言えるかな? ………………ああ、まあ、≪会員相互の特性と人格の向上をはかり、よき人々をさらに良くしようとする団体≫の実力をご覧あれってね。…………それ以上は教えない。それが互いのためだろう? では」
 青年はそう言って携帯を切る。
 そして、同じように電話をかけて回っていた黒服に目を向ける。彼は今どこかから電話を受けており、
「はい………はい、そうですか。「鮫島事件」も終息しましたか……………すみません、では、そちらの後処理はおまかせします」
 そう言って電話を切る黒服。
 ≪鮫島事件≫も片が付いたか。
 青年が思っていると、黒服はすぐにまた別の誰かに連絡を取り始めた。
「私です………はい、「夢の国」と「鮫島事件」、どちらも解決を確認しました。「鮫島事件」の後処理に関しては、「呪われた歌」と「合わせ鏡に映る死に顔」を担当しています彼に確認をとってください。こちらは、「夢の国」戦における街の破損箇所の確認を。修復は、住宅街を優先的に…」
 青年は疲労の色も濃い黒服を呆れた表情で見る。
 まあ今回の件で大いに巻き込んでしまった俺が言うのもなんだが、
 青年は心の中で一度そう思い、
「……黒服さん、少し、休んだ方がいいんじゃないのか?」
 言った。
 自分が強いたことはとりあえず棚に上げておく。彼の契約者からのツッコミがないのが寂しい。
 黒服は申し訳無さそうに笑いながら、答える。
「いえ、何分……街への被害を考えずに戦った方も若干名いるようですし…「鮫島事件」が終わった今、「暗部」に対する今後の扱いなどもありますし…………あともう少したったら仮眠を取るつもりですし、問題はありませんよ」
 その仕事をやり遂げた瞬間に天にでも召されそうなんだって。
 青年はそう思い、 
 いっそ無理やり昏倒させるか。
 身の内のケサランパサランに祈って見ると手に光が現れた。どうやら相棒も同意見らしい。
「……無駄、だと思いますよ。彼は昔から、こうですから」
 さてではぶつけてやろうと思っていると、酒を振舞ってくれた小人が苦笑してきた。
「人間だった時から、そうです。自分の身など省みずに仕事をするのですよ、彼は」
「そうなのよね~」
「そうやって、昔も倒れてたりしてたわ~」
 介抱を終えたのか、≪夢の国≫の姫君たちも現れた。
 前王の支配からのがれていた彼女らはやたら気合いを入れて皆の介抱をしてくれていた。青年も銃弾の摘出を手伝ってもらったし、
 怪我は治せるといったんだがな~。
 そう思って腕に巻かれた包帯を見る。
「人間だった時から……か」
 苦労症だな~、と言いながら思う。彼等は確か黒服さんが人間だった時からの付き合いのはずで、
「……彼も、元々≪組織≫に?」
 無理やり昏倒させるのは一旦やめて彼女らに訊ねてみると、
「違うわ~、彼はフリーよ」
「でも、みんなで一緒だったわ。5人一緒」
 きゃいきゃいきゃいと、
 青年の言葉に答える姫君たち。
 その答えは、どこか懐かしそうで、……そして、悲しそうだった。
「色々あったのですよ。彼が人間でなくなった、その時まで……我々は、あの時間が続くと信じていましたよ」
 やはり悲しそうに、懐かしそうに言う小人。
 思わせぶりで訊きたいことが多いなぁ。
 青年は苦笑する。が、
「そうか。いらないことを訊いたな」
 言って立ちあがる。
 ソファに寝かされている契約者と肩の人形、赤い靴の女の子と彼女を護るようにしている異国風の男を確認。最後に≪夢の国≫の新王を見て、
「≪夢の国≫――ああ、夢子ちゃんか。ともかく新しい王様はこっちでしばらく預からせてもらう」
 言った。
「えー」
「なんでー?」
 姫君たちは不満げだった。
 うちの契約者と似てるなー。
 思いつつとりあえず説明する。
「ちょっと派手にやってしまってるからな。幾人かは彼女の姿を知っている。≪夢の国≫はこのままだといらん喧嘩を売られかねん」
 まあ勝つだろうがな。
 だが無駄な戦闘は彼女の望むところではないだろう。
「だから、いくつかの組織だった集団に話を付けなきゃならん」
 言って、彼女らにオーケー? と訊く。
「お願いします」
 小人が答えて言う。姫君たちも渋々とだが頷いている。
「よし、任された」
 青年は笑って応え、
「さしあたって」
 また張り紙でも貼るか……。
 青年は翌日の行動予定を組み立て始めた。

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秋祭り 2日目 悪夢を終えて

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