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  • [二代目]みんなで創る“最強”Wiki* | みんさいWiki
  • 【SS】瑞谷菫が洗脳から醒めた結果…

[二代目]みんなで創る“最強”Wiki*

【SS】瑞谷菫が洗脳から醒めた結果…

最終更新:2025年09月07日 09:39

tohfu

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概要

 瑞谷菫がクリミナルの人々から甘やかされた結果,洗脳から覚めてしまったときの話です。

Super Thanks!!!!!

甘味崎名港さん
十三銀行やクリミナルの方々の台詞を書いて頂きありがとうございます!!!!!

登場人物

  • 瑞谷菫
本作の主人公。本作は,《天照》で『悪』を殲滅していたところに,クリミナルに偶然接触したところから始まる。

  • 十三銀行の面々
  • クリミナルの面々
    • 近衛三咲
七姉妹の長女。二刀流使い。
    • 西園寺陽子
七姉妹の次女。音使い。
    • 大宮花園
七姉妹の三女。鋏使い。
    • 六角桜
七姉妹の四女。ナイフ使い。
    • 北小路夏音
七姉妹の五女。箱庭使い。
    • 穂波紗楽
七姉妹の六女。鎌使い。
    • 久我樫木
七姉妹の末っ子。狙撃手。

  • 瑞谷家
瑞谷繋がりで関与。
  • etc...

プロローグ

 瑞谷菫……祝福されし子供たちにおける戦闘員の一角。最高神から祝福(チート)のみならず,いくつかの術式を貰い受けている。つまりは.精鋭なのだ。
 一日10万人の『悪』とされる住民の排除をノルマとしている彼女は,今日も罪なき市民を空から焼き尽くす。今日,彼女はとある妖怪族の密集した集落に来ていた。

「さて……始めようかな。一方的虐殺(ゲーム)を」

 彼女は魔法で空に浮き上がり,空高くから住民や集落を見下ろす。
「……今日はここだけで10万は厳しいかなー。でもいいや。とりあえず周囲の国も巻き込めば問題ないか」
 そう呟いた彼女は魔力を溜め始める。彼女の設定した攻撃範囲は,妖怪族の集落のみならず,その周囲も含んでいた。攻撃範囲は彼女を中心とした半径十数km。天気は雲一つない晴天。
 彼女の持つ術式《天照(アマテラス)》の発動において,現在の状況は完璧に近いものであった。

 そして,次第に彼女から光があふれ出し,それは第二の太陽を思わせた。
「太陽の聖なる光の前に、悪は滅ぶ。正義の名の下に……『人間と天使以外は焼き尽くされればいい』」

 住民たちは何かに気づいたようだがもう遅い。嫌な予感がしたのか,その中の少数の者たちはその場から逃げ出そうとする。
 もはやこの場において,誰も彼女を止められなかった。
 彼女は逃げ惑う住民を一瞥し,術式の詠唱を始めた。

「太陽よ,悪を焼き尽くせ。《天照》……!!」

 彼女が詠唱した瞬間,地面には太陽の数万倍の光が降り注ぐ。モンスターも,住民も,攻撃範囲内にいる者はそれらの区別なく蒸発し,建物も,植物もすべて瞬時に,平等に焼き尽くされた。
 その後数十秒間,彼女は無慈悲で残酷なる光を灯し続けた。何もかもを灰にして残さない。その意思の表れなのであろう。

 彼女が魔法を解いた後は,地面も溶岩と化し,そこに文明があった事実すら疑いたくなるような焼け野原しか残っていなかった。人っ子一人どころか,生物すらもいない。

「……ふー!……ステータスの上がり方から見て,今日も10万人のノルマはクリアか。じゃ、撤収だね」
 円形状に広がった赤い地面を見て,今日もノルマ達成を確信した彼女は,空を飛んでその場から離れる。

 その場所に,十三銀行の標的がいたことも知らずに……。

本編

第一話 十三銀行

+ ...
 瑞谷菫の襲撃から数日後,十三銀行に訪れた依頼人たちは行き場のない怒りで当たり散らしていた。
 大量殺人事件の遺族たちは,その真犯人への復讐を依頼。しかし,真犯人が謎の事故死を遂げた。それは,標的のいた地域が『空に人間が浮かんでいて,光ったと思ったらいつの間にか一瞬で街ごと焼き尽くされた』ためとのこと(これはVOELFの《定理を蝕む病(ヴォルフィ・ウイルス)》による観測から分かった)。この説明にはまず遺族は納得していない。
 一般人同然の彼らが信じられる話でもない。とはいえ,彼らとしても未解決事件の関係者という立場から,泣き寝入りをするわけにはいかないのも当然である。彼らは今回のケースの担当者・石倉夏実に詰め寄っていた。
「聞いたか?犯人のいる町が滅亡したらしい。そこには,『空に浮かんだ少女がいた』とか……」
「ハァ!?どういうことだよオイ!!」
「担当者出せや!!」
(夏実)「落ち着いて下さい!現在事実確認を行っている最中です!」
 犯人への直接報復や,復讐の機会を依頼者に与えるのが目的である【十三銀行】にとって,復讐の標的となる人物の事故死は非常に厄介である。組織としての目的を果たせないだけではなく,復讐後に得られるはずの被害者の『報酬』も銀行側の『返済』もすべてが無に帰すためである。さらに,厄介なのはこれだけではなかった。
(徳大寺)「それは…本当なの?」
(檻神)「はい、下手人はどうも瑞谷家の関係者らしいです。」
(オスカー)「えー…あくまで聞くけど誤報とか言う可能性は無いの?」
(檻神)「それはないです!私の《エージェント》は諜報に必要な機能を詰め込んだマシンなんです。その《エージェント》からの調査結果が「瑞谷菫」っていう奴が下手人だって言ってるんです!」
(徳大寺)「そうなると…不味いわね」
 標的を殺害した相手はあろうことか,あの『瑞谷』の家名を名乗っていた。瑞谷家の関わる事件はその一家の性質上,極めて多いので,犯罪王に『瑞谷家関連の事案には一切のかかわりを禁ずる』と厳命されている。いくら組織の目的の達成とはいえ,迂闊に手は出せない。
(オスカー)「こーゆー時こそクリミナルの出番じゃないの?」
(御堂ヶ島)「私もそう思ってね、さっき全員に連絡したら出動させてた別の事案が終わったらしくて帰還する途中だったらしいからもう行ってると思うよ」
(オスカー)「はえー、じゃすぐ終わるかな」
(御堂ヶ島)「あのこ達はうちの最高戦力だから、多分ね」
 当面はクリミナルの状況が落ち着くのを待ち,この事件については彼らに対応を任せることで決定がなされた。

第二話 苛烈なる洗脳

+ ...
 瑞谷菫はあの妖怪族の集落を襲った後も,一日に10万人以上の殺害を行い続けていた。
 悲鳴を上げる暇すら与えず,そこにあった暮らしの痕跡すらも消し飛ばす。

『人間族・天界族以外はすべて滅すべき悪』
『そして,自身の邪魔をする者もすべて悪』

 彼女がこの無限世界に転生してから与えられた呪詛は,彼女に一切の罪悪感を残さない。来る日も来る日も,目に映った『悪』をすべて正義の光で焼き尽くす。

 襲われる者の事情なんて関係ない。呪うなら自分が生まれてきたことを呪えばいい。

 瑞谷の名を使うな?そんなの知らない。
 瑞谷家だって犯罪者の集まり。利用できるものはすべて利用する。
 目の前の『悪事』に目を瞑っていた今までとは違う。

 彼女は何かを忘れたいがために,今日も街を焼く。

(七種)「……《天照》!」

 今日焼いたのはロボットの集まる工業都市。10日分は期待できるかな。

 彼女の詠唱で街は光炎に飲み込まれる。ロボットの工場は一瞬で赤く焼けた荒野と化した。

(七種)「……あははっ……」

 彼女は笑う。ただ自分に焼かれるしかなかったロボットの群れに対して,その運命を嘲笑していた。
 今日もいつものように飛んで立ち去る……かのように思われた。

 しかし,今回は状況が違った。彼女は空中で浮き続けていた。
 そこには,例の集団・クリミナルがいたためである。

第三話 接触

+ ...
 瑞谷菫は自分の下にいる集団を見下ろす。
(七種)「……なに、アンタ達?私、今から帰るところなんだけど」

(西園寺)「そーゆー訳には行かないんですわ!とゆーのも」
(大宮)「あんたが前に復讐対象ごと妖怪の集落を消したせいでぇ…」
(穂波)「依頼者に報酬が出せなくてうちの銀行が迷惑被ったんだゾ!」
(北小路)「その件でキレた店長から私達で犯人をとっちめて来いと言われたのです」
(六角)「店長は犯人を最悪殺しても良いって言われたんだけど…私ら殺しは辞めたから~」
(久我)「銀行の業務に…影響が無いように…」
(近衛)「あなたを倒させて貰います」
(七種)「ああ、そうなんだ。私を止めに来た、と(……へえ。どうせろくでもないし,適当にあしらっておこうか)」
 彼女は地上に降り立つと,いきなり近衛三咲に向かって《サンシャイン》を放ち始める。異常な強さの光が熱を生み,光の差す部分を焼き続ける。
(七種)「私の邪魔をした奴は殺す。それが例え人間や天使でもね」
 彼女の影が差していた部分以外は,その周囲がすべて熱で赤く焼けていた。
(七種)「……面倒だなぁ。それに、あの瑞谷の名前を名乗っているのに、よく襲おうだなんて考えたよねー」
 近衛三咲は火傷一つ負っていない。すぐに終わらせられないと分かるや,彼女は舌打ちをして,《八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)》を発動した。

(近衛)「ッ!」
(穂波)「ワッー!あぶねっ!」
(久我)「レーザーは、受けきれない…」
(大宮)「いひひっ、レーザーとは面白いですねぇ!」
 光球を魔法で出現させ,そこから全方向に対してビームを放ち続ける。が,それでもその弾幕をかいくぐり,大宮花園は彼女に一撃を与えんとする。
(七種)「《八咫鏡(ヤタノカガミ)》……」

(大宮)「そんな結界、私の「断罪」でぇイチコロ…ッ!」

 菫の周囲に結界が形成され,それに対して花園が一撃を与えると結界から『強大な光』として跳ね返る。とっさに彼女は躱すが,跳ね返ってきた光は近くの森で大爆発を生んだ。
(全員)「…(後退りする)(*1)」
「……?あら、逃げるの?」

 菫は自分からなぜか離れる7人に対して嘲笑を浮かべる。が,彼女はある声を聴き,頭痛を催し始めた。
(七種)「い、いだい……な、なにこ、れ……」
 西園寺陽子の《旧型音響兵器「喧騒」》による発声から,彼女はその音に頭を抱え始める。菫の頭の中に陽子の声が響き続け,その場にうずくまる。
(七種)「ぬああ……」
(大宮)「うひひ…嵌めてやりましたね…」
(西園寺)「うん、一応ネタバラシすると、視認したと同時に私の囁き声をあんたの頭に染み込ませ続けたの。それをさっきの「喧騒」で増幅した声で破裂させた訳よ。その結果、染み込んだ大量の囁き声があんたの頭の中を跳ね回り続けて、頭痛を起こしてるのよ。」
(近衛)「私達は事前に調律を終えたから平気だけどね」
(七種)「な、なんですって……」
 頭痛で魔法を使えなくなった彼女を捕らえるのは,彼女たちにとっていとも容易かった。彼女らに捕らえられるまでの間,菫は激昂しており,彼女たちを睨みつけていた。

(大宮)「ひひひ…睨まられると怖ぁいですよぉ」
(近衛)「…うん、縛り終えたわ。早速この子運ぶわよ」
(久我)「うん…すぐに運ぼう…誰が担ぐ…?」
(六角)「じゃぁ、仕事してないから私が担ぐね。…この子細いね、あばらが浮いてる…」
(北小路)「その…頭痛大丈夫ですか?銀行についたら治してあげますから、少しの辛抱ですよ」
(七種)「くっ……ふざけんじゃないわよ」

 こうしてクリミナルの面々は件の瑞谷菫を捕縛することに成功した。

第四話 尋問

+ ...
 クリミナルによって十三銀行に連行された瑞谷菫は,頭痛の治療後,部屋に監禁されていた。監禁の後は十三銀行やクリミナルからの尋問を受けていた。
 とはいえ,彼らの尋問に対する瑞谷菫の態度は極めて反抗的なものであった。

「私は答えない」「しつこい。殺すわよ?」「……」

(近衛)「うーん、反抗的すぎない?」
(北小路)「多分、荒っぽい拘束されて苛立ってるんですよ。だから…わっ」
(西園寺)「あー、また暴れだした、また大人しくさせなきゃ」

 口ごたえする,黙るのはまだ序の口,時によっては範囲攻撃魔法を放って暴れるので,またしても西園寺陽子らの音響による精神操作で大人しくさせられ,自白を促される形となった。

(VOELF)「上手く自白させれそうな人…岸原君なら、多分大丈夫だよね」
(御堂ヶ島)「岸原君丁寧だから荒事にならなそうだし、頼んだよ」
(岸原)「分かりました。ではまず、お名前や出身、年齢を教えて下さい。」

(七種)「……名前は,七種すみれ。出身は日本の東京。異世界人よ。年齢は15歳。転生したのは二年前」
 本名が瑞谷菫ではなく,七種すみれであったことに彼らは様々な反応を見せた。もちろん,彼女が瑞谷を名乗る理由にはなんとなく察しがついていた。

(岸原)「瑞谷を名乗っている…というのはズバリ…そういう目的で?」
(七種)「……瑞谷家っていうヤバい家があって恐れられているから,その苗字を名乗ってる。手を出すようなバカもいないし」

 瑞谷家という組織が世界的に恐れられており,その一家の者や関係者に手を出すような者はまずいない。あの一家からの報復を恐れているのと,あの犯罪王やソフィアがその後ろに立っていることが事実であるためだ。瑞谷家を敵に回せば,そういった者たちまで相手にする必要がある。
 しかも彼らの財産から国家予算すべてが賄われている国もあるという程で,そういった地域に住む者にとっては死活問題にもなりうる。要は,権力があるためというのがまとめとしては正しい。

(七種)「それに,あんな家なら『国一つ滅ぼす』くらいしててもおかしくないもの。」
(徳大寺)「確かに、あの家ならやりかねないわね」
(檻神)「んー、少し納得ですね」
(七種)「……もういいでしょう?さっさと帰らせてよ」

 菫としては,捕縛され不自由なこの状況が筆舌に尽くしがたい程に不満と感じている。1日最低10万人殺害のノルマが,クリミナルの彼女らに妨害され,溜まりつつあるのも菫には許しがたいことでもあった。あまりに苛立つので,彼女は思わず爪を噛んだり,貧乏ゆすりをし始めていた。

(岸原)「こらこら、落ち着きなさいな…」
(七種)「……五月蠅い!早く帰りたいの!アンタらの野暮用に付き合っている暇はない」
(徳大寺)「岸原君、少し退いて」
(岸原)「えっ、でも…」
(徳大寺)「良いから…。私、個人的に貴女に一つ聞きたいんだけど、どうして集落やら工場やら潰しているのかしら?何か目的があるからしているの?それとも…楽しいから?」
(七種)「『悪』を滅ぼさないと。町一つ,国一つを潰すだけでもいい。続けることに意味がある。それ以上に大事なことがあるの?」

 彼女の狂気ともいえる『正義観』。彼女の言葉から分かるのは,『毎日件の襲撃のように街や人を焼き続けている』という事実。 
 この日から,七種すみれの処遇については慎重に話し合われていた。

第五話 共同生活始動

+ ...
 慎重なる話し合いの中,ある提案がなされた。

(近衛)「私たちで面倒を見る,というのはいかがでしょうか?」
(御堂ヶ島)「……なんですって?」
(岸原)「ふむ……」

 クリミナルからの提案。それは、『瑞谷菫,もとい七種すみれを自分たちで面倒を見る(管理下に置く)こと』だった。

 七種すみれが偽名であるにせよ公的に瑞谷を名乗っている手前,表向きは関係者として扱われるであろうことは予想される。それ故,そうした人物の死亡は重大な事件として注目されうる。なにより,瑞谷家に関わるなと命じられているというのに殺害したとなれば,事態の収拾が付けられなくなる。つまりは,七種すみれの殺害による解決は望めない。彼女による損害を防ぐなら,自分たちの管理下に置くしかないのだ。

 そして,実行部隊たるクリミナルが,殺害などせずに穏便に済ませたいという意向を持っているためでもある。実際にすみれを捕縛できるほどの実力もある彼女らに,一任するというのも理に適っている。

 しかし、すみれにとってはしばらくは自由になれないことに加えて,自分の了解なしに勝手に話が進んでいることが,気に食わなかった。

(御堂ヶ島)「狩人が狩った獲物は狩人の物…どうしようが構わないわ」
(大宮)「むふふ…ありがとうございまぁす…」
(七種)「……ちょ、待ちなさいよ!」
(久我)「暴れないで…傷がついちゃう…」

 すみれは暴れるが,体の弱い彼女では彼女らの腕力では抵抗はかなわず,そのまま連れていかれた。
 ここから,すみれは面倒を見られる(管理下に置かれる)ことになり,彼女らとの共同生活(軟禁生活)が始まった。

第六話 共同生活Ⅰ

+ ...
 すみれは【十三銀行】より用意された家屋で,クリミナル7人と共同生活することが決定した。

 すみれはリビングに来ると,彼女らに会う。
(六角)「おはよう。朝ごはん,できてるから」
(近藤)「彼女は料理上手だし。安心していいよ」

 テーブルの上の皿には,パンとベーコンを焼いたもの,目玉焼きが載っていた。シンプルな朝食。
 彼女は席に着き,「いただきます」と手を合わせ,食べ始めた。

(六角)「美味しいですか?」
(七種)「……悪くはないかな」
(久我)「素直,じゃないな……」

 料理に手を付けて数分後,「ごちそうさまでした」と,テーブルの上の料理を完食すると共に,また手を合わせた。

 そして朝食のすぐ後に,彼女が攻撃に転じるのもつかの間であった。

(七種)「《八尺瓊勾玉》」

 周囲全方位に向けて,数個の光の玉からレーザー光線が飛び出す筈であった。
 西園寺らの音響が原因だと考えたすみれは,彼女に掴みかかるが周りにいた他の者に制止される。

(七種)「……なぜ出ない!?ふざけるな!何をした!?」
(大宮)「こらこら,危ないですよぉ」
(七種)「邪魔するな!!アンタらのせいだろうが!ふざけるな!!」
(穂波)「とにかく落ち着くんだゾ」

 すみれの顔は怒りに震え,クリミナルの面々に抑えられながら暴れる。テーブルの上から皿が落ちて割れ,水などが飛び散り,家中のものが散乱していく。

(七種)「はぁ……はぁ……うぅぅぅ!!!」

 思うように抵抗すらも許されない現状に,彼女は周りに当たり散らすか,頭を抱えることしかできなかった。不覚にも彼女は泣き始める。

(七種)「なんでよぉ……なんで……」
(北小路)「……しばらくそっとしておきましょう」

 体育座りのまま,部屋の隅で泣いているすみれ。
 近衛とは彼女が暴れた跡を片付け始めた。

 そこへ北小路がやってくる。どうやら,先ほど暴れた際に傷がないか見に来たようだ。

(北小路)「大丈夫ですか?あ……傷がある」
(七種)「触んないで!」

 すみれの手に皿か,コップのガラス片が刺さっているのをみて,北小路はすぐに手当てをしようとする。それを見たのか,六角と近衛はすみれを抑え,彼女が手当てしやすいようにする。
 北小路はピンセットで破片を取り出す。

(北小路)「これでよし……取れましたよ」
(六角)「よく頑張ったね」
(七種)「あ,ありがと……あと子ども扱いしないで」

 素直ではないものの,すみれは彼女らに対して心を許し始めていた。

第七話 共同生活Ⅱ

+ ...
 その頃。瑞谷家では。

(宗太郎)「……その話,真か?」
「はっ,確かです」

 瑞谷家十三代当主・瑞谷宗太郎は,直属の配下から『クリミナルが瑞谷菫こと,七種すみれを捕らえた』という報告を受けた。十三銀行での聴取の内容もすべて把握しており,『この世界で生き延びるために瑞谷の家名を借りた』ことも筒抜けであった。

(宗太郎)「ふむ,我が瑞谷の名を騙ることで生き延びようとしたか。実に,面白い」
(黒服)「なんと不届きな!すぐに処遇を決め  」
(宗太郎)「待て。それだけ我が家名も意味を持っておるということ……近いうちにこちらに会わせるよう,伝えておくのだ」
(黒服)「畏まりました。御堂ヶ島様に伝えておきます」

 直属の配下が宗太郎の執務室を後にする。彼はその背後でつぶやく。
(宗太郎)「……異世界から来て我が一家を見出すとは。どれほどの器であるか,見せてもらおう」



 すみれがクリミナルと共同生活を送るようになって数日が経過する。彼女たちにはまだ反抗的な態度はあったが,その態度も軟化し始めていた。すみれ自身も,この日常が悪くないものと捉え始めていた。
 そんなある日,外では雨が降りしきる家の中で,すみれは魔導書を読んで過ごしていた。

(七種)「……」
(近衛)「あら,本を読んでいるんですか?」
(大宮)「勉強熱心ですねぇ」
(七種)「勉強はそこまで嫌いじゃなかったから」
(穂波)「魔法の本ですか……すごいなぁ」

 なお,今の状態は,すみれの背後に穂波が,前方左右に近衛と大宮がいる状態である。3人から甘やかされているように見える格好ではあるが,すみれは以前ほどの拒絶はしなくなっていた。

(西園寺)「前だったら暴れるか,その場から離れるかしていたのに……」
(北小路)「変わりましたねー」
(六角)「ええ。羨ましいなぁ」
(久我)「……あとで私たちもああしましょうか」

 すみれは,こんな状況でも嫌がる顔一つせず,こちらを眺める視線に少し照れている様子すらあった。

(七種)「……なんだか照れるんだけど」
(久我)「毒が抜けるとこんなにかわいいんですね。よしよし」
(七種)「触るなっ!子ども扱いしないでよ!」

 久我らも頭をなでたりするのに,照れ隠しで文句はいうものの,すみれは受け入れていた。




 クリミナルの面々と過ごすことを受け入れ始めたその瞬間。





 『すみれは,《祝福》を喪った』。
 《天照》,《八尺瓊勾玉》,《八咫鏡》……そして魔力も。
 彼女にかかっていた苛烈な洗脳も姿を消した。





(すみれ)「……へ?」
(近衛)「?」
(すみれ)「ちょっと,いい……」

 すみれは,試しに魔法を使ってみることにした。
「《天照》……出ない」
(北小路)「え?」
「おかしいよ……もしかして……《祝福》,奪われた?」
(西園寺)「どういうこと?」

 本来ならここ一帯を軽く焼き尽くせるはずの魔法。それが出ない。
 ここで彼女は,ある小話を思い出す。
 すみれは以前,組織を離れ《祝福》を剥奪された男がいたことを聞いていた。組織を裏切れば,《祝福》を剥奪される。当時の彼女は一笑に付していたが,今の状況を考えるなら,そうであるとするのが妥当である。

(すみれ)「……私……なんてことを……」

 洗脳が解ければ,自分がしたことへの罪の意識が重くのしかかっていく。
 2年の間も,1日で10万人を焼いていたことから察するに,少なくとも彼女一人で7300万人以上も人を殺めているのだ。
 そのような行為を嬉々として行っていた彼女は,まず泣くしか出来なかった。

(すみれ)「わ,私は,なんてことを……!?ううぅ……」
(近衛)「……」

 罪の意識に苛まれ始めた彼女。
 クリミナルの7人は,彼女を黙って抱きかかえ,支えることしかできなかった。

第八話 急変

+ ...
 すみれの洗脳が解け,《祝福》を剥奪されたのと同じころ。十三銀行に一本の電話がやってきた。

(瑞谷家の配下)「もしもし,瑞谷家です。十三銀行ですね?御堂ヶ島様に繋いで欲しいのですが」
(岸原)「へ!?はい,直ぐ変わります!」
(徳大寺)「岸原君,どうしたの?」
(岸原)「瑞谷家からです。御堂ヶ島さんに繋いでくれ,と」

 瑞谷家からの電話に,それを受けた岸原は驚きつつも,用件を伝える相手である御堂ヶ島に電話を替わるよう促した。

(御堂ヶ島)「もしもし」
(瑞谷家の配下)「御堂ヶ島様ですか?七種すみれ様のことで,当主様よりお伝えすることがあり,こちらに連絡をさせて頂いたのですが」
(御堂ヶ島)「七種すみれさんのことで?」
(瑞谷家の配下)「はい。クリミナルの方々にもよろしくお伝えください」

 御堂ヶ島は瑞谷家からの電話をとると,用件の内容について説明を受けた。その内容は,『瑞谷菫こと七種すみれを近いうちに瑞谷本家に一度連れていくこと』,『クリミナルだけでなく,瑞谷家も彼女を保護する用意があること』の二つであった。

(御堂ヶ島)「なるほど……」
(瑞谷家の配下)「『無理にこちらで過ごせ,とは言わん。偽りあれ瑞谷の名を持つ以上,一度顔が見たい』,とのことでした。対面する日程は,そちらで決めてもらって結構です。何やら訳ありと,当主様より伺っておりますので」
(御堂ヶ島)「……分かりました。あの子たちにも伝えておきましょう」
(瑞谷家の配下)「ご理解いただけたようで何よりです。それでは失礼します」

 電話はそこで切れた。御堂ヶ島はクリミナルの長女・近衛から『すみれは危険ではなくなったが、精神的にかなり危険な状態である』と報告を受けていたことから,瑞谷家が日程を合わせてくれるのは正直ありがたかったと思った。その反面,当主の瑞谷宗太郎が彼女の事をどう思うのか,不安でもあった。


 すみれは,用意された家屋の一室で,一人で引きこもっていた。
 自分などがこのまま生きていていいのか,と思案する日々。ドアをノックする音も,なにやら自分を呼び掛ける声も聞こえるが,耳をふさいで,聞こえないふりをしたがった。

(すみれ)「……もう,私,生きていていいのかな……」

 外では雨足が強まっている。彼女は窓から,飛び降り,一人で自決することを決めた。

(すみれ)「さようなら,みんな。元気でね」



 雨に濡れながら,一人であてもなく歩く。
 どこかいい死に場所はないのか,

 何km歩いただろうか。何時間歩いただろうか。
 自分の方に,なにやら3人組が自分の前に立ちふさがる。RPGに出てくる勇者,魔法使い,僧侶,戦士のような恰好をした4人が話している。

(勇者男)「おい,アイツだ。間違いない」
(魔法使い女)「ええ」
(すみれ)「……」
(戦士男)「おーい,聞こえる?」
(すみれ)「なに……?」
(僧侶女)「七種すみれ,であってる?」
(すみれ)「うん」
(勇者男)「なあ,どうした?落ち込んでるのか?」
(すみれ)「……わかんないよ。話したって」

(すみれ)「……color(red,black){自分が大量虐殺者だってこと,誰が信じるのさ}」

(すみれ)「……ねえ。私を殺してよ」
(勇者男)「?」
(すみれ)「1億人以上,殺した私をさ。あなたたち,きっと強いでしょ?」
(魔法使い女)「ま,まあ……ね。《祝福》持ちだし……」
(戦士男)「なぁ……もうやっちまおう。裏切り者が自分で死にたいって言ってるんだし」
(僧侶女)「そうね……」

 勇者の格好をした男は,すみれに向けて剣を構える。

(勇者男)「……」

 そして彼はすみれに向け剣を振り下ろす。




 ……振り下ろした。




 なのに,彼女は謎の黒服の男に助けられている。このとき,すみれは彼に抱きかかえられた状態であった。剣はなぜか弾き飛ばされていて,『銃弾が当たったかのようなへこみ』が一つみられた。

(黒服)「瑞谷菫こと,七種すみれ様ですね。私は,瑞谷家に仕えている配下の一人です」
(すみれ)「は,はぁ……」
(勇者男)「まあいい……剣を弾き飛ばしたの,アンタの仲間か?」
(黒服)「はて?何の事でしょう?」

 勇者の男はどこからか頭を撃ち抜かれ,倒れた。

第九話 救出

+ ...
 時間は少し遡る。

 クリミナルの面々は,行方が知れなくなったすみれを探し続けていた。裏切者が組織に処刑されるような裏の世界を知る彼女たちからするなら,すみれは追われている身である,というのはすぐに察しがついた。

(近衛)「すみれ!」
(大宮)「どこに行ったんですかぁ!?」

 すると,近衛に電話がかかる。

(近衛)「もしもし」
(???)「近衛三咲さん,ですね」
(近衛)「誰ですか?」
(???)「彼女の位置は特定しています。座標は送るので,あとはその場所へ向かってください」

 謎の女性から電話がかかったかと思えば,『すみれの位置を送るからあとはそちらに向え』とのことだった。

(六角)「……」
(北小路)「一体,なんだったんでしょうか?」
(久我)「とにかく,行ってみましょう」

 彼女たちは指示された場所に向かい始めた。


 その場所の近くに来た時,すでにすみれは例の四人組の手にかかりつつあった。来るべき戦闘に備え,最終確認をし始めていた。

(久我)「……私が狙撃します」
(近衛)「分かった。『調律』は済んでる?」
(西園寺)「問題ないよ。済んでる」
(大宮)「むふふ,さぁて,行きましょうかぁ」
(穂波)「うん。すみれを助けに行くんだゾ」

 久我はスナイパーライフルを構えた。

 ちょうど,彼が剣をすみれに振り下ろすというところで,彼女は漢の頭ではなく,『剣』を狙い撃ち,弾き飛ばした。そして,男の剣はどこか別の場所に刺さる。

 そこへ先ほどの黒服の男がすみれを抱きかかえ,救出に成功した。

(久我)「うまくいきましたよ」

 そして,西園寺陽子が《旧型音響兵器「喧騒」》ですみれと黒服以外の4人の聴覚を封じる。どうやら,「調律」は彼らに対しても行われていたようである。

(魔法使い女)「な,何よ!?これは!《テラブレイズ》!!」
(近衛)「はぁっ!」

 魔法使いの女は火炎魔法を放つも,近衛の小太刀「凪」により魔法を無効化される。

(魔法使い女)「な,なによそ  」
(近衛)「そして  」

 大太刀「威風」により彼女は斬られた。戦士の男もそこへ近づいてくるが,六角の放つナイフ「無限」がその者の行く手を阻む。

(戦士男)「な,なんじゃそりゃぁ……ああ……」
(六角)「君、只の質問だけどさ、シチューとソルベ、どっちになりたい?」
(戦士男)「なにをいってやが」
(六角)「意味わかんないかぁ。だったら教えてあげるよ!」

 無数のナイフが戦士の男に飛んでいく。彼はそれらを避ける術がなかったのか,それとも単にナイフに恐怖していたのかは分からないが,それらを回避することなくナイフは彼に刺さり続けた。

(僧侶女)「な,なんなんですか!?もういやぁ!!!!」

 そして4人目。僧侶の格好をした女はがくがくと,震えていた。そして,彼女たちから逃げ出した。

(すみれ)「あっ,逃げちゃう……いいの?」
(黒服)「ハハハ,まあいいじゃないですか。それよりも,彼女たちに会わなくていいんですか??」
(すみれ)「へ?」

 クリミナルの面々はすみれに駆け寄る。

(近衛)「……」
(大宮)「みんな,心配してたんですよぉ」
(すみれ)「ごめん……わたし,どうかしてた」
(穂波)「ほら,一緒に帰るんだゾ」

 すみれは,クリミナルの姉妹たちに連れられ,一緒に帰っていた。
 黒服の男はそれを見送る。

 すると彼は連絡を取る。
「ああ。もしもし,至急だ。一人,仕留め損ねた者がいる。始末しておけ」
 冷酷に命令するかのように告げ,彼はすぐに戻り始めた。


 僧侶の格好をした女性は,逃げた先でタクシーを呼び,それに乗り込んだ。
 ドアが閉まり,運転手は告げる。
 ドアには『瑞谷交通』と書かれていた。

「この度は,瑞谷交通をご利用いただきありがとうございます。行先は……」
「へ……」
「『地獄』……でよろしかったでしょうか」

 運転手は外に出て,ドアを閉め,その場を離れる。
 そこへロケットランチャーが撃ち込まれ,大爆発を起こす。

「終わったか」
「ええ。徹底的にやるようにと言われましたのでね」
「瑞谷家は証拠を残さないし,舐められてはいけない。近頃はナノマシンとかいう便利なものまであるからな。隠滅が簡単になったよ」

 そして爆裂した車は『ひとりでに崩れ』,砂のように散っていた。

エピローグ

+ ...
 すみれ殺人未遂事件から数日後。
 とある人物がクリミナルの元に訪れていた。

(御堂ヶ島)「すみれさん,お客様だそうよ。失礼のないようにね」
(すみれ)「えーと,このお爺さんは,誰ですか?」

 すみれがおじいさんと呼ぶ人物。初老の男で,着物に身を包み,背後に部下を待機させている異常な覇気の人物。

(宗太郎)「私は,瑞谷家・第十三代当主,瑞谷宗太郎だ」
(七種)「ふぇ!?え,あの」
(宗太郎)「その件は承知している……。みだりに瑞谷の名を騙ったこと,本来であればお主の首でその罪を償ってもらうところだが……一つ聞こう」
(すみれ)「な,なんでしょうか……」

 平気で『首を刎ねる』ことをほのめかす彼に,すみれは内心怯えていた。というより,生命の危機すらも感じ始めている彼女にとって,次の一言が出るまでの時間が長く感じられる。

(宗太郎)「何故,瑞谷の名を騙る?他の家でもよかったであろうに」
(すみれ)「えーと……手を出す人もいないと思ったので。あと,悪いことをしているとも聞きました」
(宗太郎)「なるほど。尤もだ。正直に申すとは,関心なことだ」
(すみれ)「ええ……(え,知っててこの質問したの?)」

 宗太郎はさらに尋ねる。

(宗太郎)「お主に身寄りはないのか?」
(すみれ)「ないです……異世界にはいますけど」
(宗太郎)「そうであるか……」
(すみれ)「あの……名前をパクったことは,謝ります。どうか……」

 すみれは頭を下げ,宗太郎に許しを請うた。が,彼はそれを笑って流す。

(宗太郎)「よい……」
(すみれ)「え?」
(宗太郎)「……我が一家は,お主を見守る。いつでも瑞谷家を頼るがいい」
(すみれ)「え……?」
(宗太郎)「……今回は特別である。『瑞谷菫』を名乗ることを,私が許そう」

 すみれは安堵した。自分は許されたのだと。ほっとした彼女はつい言葉を失った。

(宗太郎)「……不服か?」
(すみれ)「いえ……その。ほっとしたので」
(宗太郎)「そうか……」

 すると,誰かが転ぶ音がする。クリミナルの面々は,このやり取りをのぞき見していたようであった。

(すみれ)「あ……」
(宗太郎)「……どうやら,我らは長居し過ぎたようだ。日紗音よ,私はお暇する」
(御堂ヶ島)「ええ。またいつでもいらしてください」
(宗太郎)「時には我が館にくるように。七種すみれよ」

 そう告げ,部下と共に瑞谷宗太郎は帰っていった。



 宗太郎との対面が終わったすみれは,一気に疲れが出ていた。

(すみれ)「……すごく緊張した。一体何者なんですか,あの人」
(御堂ヶ島)「……昔,上名木一族っていう暗殺者の家系があったの」
(すみれ)「……?」
(御堂ヶ島)「私たちとあの子たちは全員,親戚にあたるのよね」
(近衛)「私たちクリミナルはもともと7人姉妹。御堂ヶ島さんが本家,私たちが分家です」
(すみれ)「すごい関係性だなぁ……それとあんなに強かったのも,納得ですね」
(穂波)「ちなみに,上名木家は瑞谷家と深い関係があったんだゾ」
(すみれ)「え?そうなんですか?」

 瑞谷家は上名木家と深いつながりがあった。まさか……。

(すみれ)「……同じく暗殺者の家系ってこと!?」
(御堂ヶ島)「そうよ。一族のお得意先だったからね」
(すみれ)「……とんでもない一族と関係持っちゃった」
(大宮)「まあまあ……その話は置いて。今日はどうしますかぁ?」
(すみれ)「え?えっと……」
(六角)「ほらほら,こっちこっち」

 戸惑っているすみれは御堂ヶ島から引きはがされ,六角により他の姉妹の元へ連れられて行った。
 御堂ヶ島はその様子を温かく見守り,そして,仕事へと戻っていった。



 クリミナルと瑞谷家によって庇護されることになった瑞谷菫こと,七種すみれ。
&br;()
 彼女の行く末が明るいことを願うばかりである。


~~Fin.~~

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