香水戦士コロン 春菜編(1-1)

「春菜君、話があるんだが・・」
「はい。何でしょうか?」

ある日の放課後、いつものように化学準備室で過ごしていた。
いつもと違うといえば、そこにレイナとみくが居ないというだけである。
まあ、これだけで部屋の中はだいぶ静かになるのだろうが。
そんな中で、静かな時間をすごしていたのだが、一郎が仕事を切り上げると春菜に話しかける。

「実は買い物に付き合ってもらいたいのだが・・」
「え?!買い物ですか・・?(それは・・で、デー・・ト?)」

一郎の口から出た頼みに、春菜は驚き半分喜び半分の気持ちで聞き返す。
しかし、直後の一郎の言葉で春菜の期待は裏切られることに・・

「い、いや・・特に深い意味はないのだが、この街に来てまだそれほど経っていないし、
街の事もよくわからないから教えて貰おうかと思っているんだ」
「あ・・そうだったんですか・・?(はぁ・・)」
「ダメだったかな?」
「そんなことありませんっ。ぜひ・・」

ガッカリしても、要は気の持ち様である。そう・・一郎がデートと思ってなくても、自分がそう思えばいいのだ。
こうやって納得すると春菜は目を輝かせて一郎の誘いを受けた。

「それで、いつがいいでしょうか?」
「それは・・」

二人がデート(?)の相談をしているころ、扉の向こうには中を覗くひとつの目が潜んでいた・・

「ふふふ~♪超のつく奥手のお姉ちゃんがデートなんて・・大きな進歩だね~♪」
「何を言ってますの!」

デートの話に当人たちより盛り上がり、廊下で独り言を喋っている。周りに誰かいたら、変人扱いは確実だろう。
まあ、人は居たのだが、それはレイナだったため結局変人扱いはないだろう。

「うわっ!?レイナ先輩・・しーーっ!中の二人に聞こえちゃうよ」
「中・・?」

みくの言葉で中の様子を見ようとするが、すでに声を出してしまっているため、感づかれては居ないかと心配になったみくに引っ張られてしまう。

「きゃっ!いきなり引っ張らないでくださいましっ!」
「しーっ!二人が今度デートするって話してたの・・」
「で、デートっ?!(天草先生・・いくらなんでも、公の場でデートだなんて誰かに見られたらどうするつもりですの?)」

二人の約束を聞いてしまったレイナは、みくのように喜んだりはしない・・
教師と生徒がデートというインモラルな行為に対する心配しか生まれない。
ましてや、場所は街。そして、その可憐なルックスで黙っていても目立ってしまう春菜がいるのである。
中等部を含めれば1000人以上の生徒・教師が属している薫風学園である。誰かに見つかってしまう確立は非常に高い。

「(もし、このことが学園に知られでもしたら・・)」

一郎は確実に責任を取って辞職。春菜も停学・・最悪の場合、退学も考えられる。
レイナの頭には悪いことばかりが過ぎり、首を振ってダメなイメージを払拭しようとする。

「それだけはいけませんわっ!みく、いいですこと?デートの当日はわたくしたちが後を追いますわよ?」
「え・・?そ、それって尾行?うわぁー・・」

まるで刑事モノのドラマのようだと、みくは目を輝かすが、提案者であるレイナは心配で仕方ない様子・・

「はぁ・・(みくも春菜も・・よくこの状況で嬉しそうにしてられますわね・・)」
「(何を着て行きましょう♪)」


そして、デート当日・・
二人ともよほど生真面目なのか、予定時間より30分前に到着。二人とも、出会ったためデートは予定より繰り上げて行うことになった。

「あの・・まず、何処に行きましょう?先生は何か見たいお店とかありますか?」
「そうだな・・ちょうど、スーツが一着足りないと思っていたから、出来れば見ておきたいが・・
他は特にないから、春菜君の好きに決めてくれないか?」

春菜が緊張しながらした質問に対し、主体性のない答えを返す一郎。そんな二人の様子を後方およそ20メートルから除く怪しい二つの影が・・

「もー!イチローせんせー、何考えてるの?!そこは、男の人がえすこーとしないといけないのにぃ!」
「確かに、あれは良くありませんわね・・春菜も苦労しそうですわ・・・それにしても、みく。この格好は一体何のつもりですの?」

二人の格好は奇抜という以外何の評価も出来ないものだった。長いトレンチコートを着込み、ハンチング帽を被っている。
レイナ自慢の長い金髪も、その中にすっぽり収められている。

「レイナ先輩がいけないのっ!レイナ先輩が居たら目立っちゃって尾行にならないもん!それはかもふらーじゅ!」
「カモフラージュ・・じゃあ、このアンパンはどういう意味ですの?」
「そ、それは・・気分だよ、気分♪」

結局みくは刑事者に憧れてこんなことをしているのだろう・・それにつき合わされている自分は一体・・
と、レイナは深いため息をつくが、いまさらこの場で着替えるわけにもいかず、
仕方なしにそのままの格好で。

「それじゃあ、見たい映画があるんですけど、映画館に行ってもいいですか?」
「あ、ああ・・わかったよ」

一郎に行先を任されて少し悩んでいた春菜だったが、無難に映画を選択すると二人並んで映画館に向かう。

「あっ!動きましたわ!」
「もー!ダメだなぁ・・あそこは手をつながなくっちゃ」

二人の様子を心配(?)した様子で、レイナとみくが尾行する。
その後、映画館、喫茶店、ショップと周り、最後に一郎がスーツを買いに行こうとしたところ・・

ズキンッ

「んっ・・!(あれ?なんだろう・・?二人がうまくいくのは嬉しいはずなのに・・胸が苦しい・・)」

中むつまじい二人を今までずっと見ていて平気だったみくだが、突然違和感を感じ、少し落ち着こうと視線を二人から外す。

「ん?レイナ先輩、あそこで人がたくさん走ってるんだけど・・」
「本当ですわ・・まさか・・・」

人々が何かから逃げるように必死になって走っている。こんな光景に見覚えのある二人はひとつの結論に至る。

「「悪臭モンスター!」」
「(うーー・・まだ、二人のデートが終わってないけど・・)急いでいかなくっちゃ!」
「そうですわね。せめて、あの二人に気付かれる前に終わらせますわよ!」


「こぉらー!やめなさ~いっ!!」
「好き放題やれるのもここまでですわよっ!?」

変身を済ませ、悪臭モンスターの前に登場するピクシー・コロンとプリティー・コロン。
二人とも、ビシッと指をさしてポーズを取っている。

「ふむ・・どうやら、狙いはあっていたようだな・・」

二人の登場に悪臭モンスターは驚くどころか、あごに携えた髭を摩りながら不敵な笑みすら浮かべている。

「いいですこと?すぐに片付けて、あの二人に余計な心配をさせませんわよ?」
「う・・うんっ!(・・んっ!・・・まただよ・・何で・・?)」

プリティー・コロンの言葉で、今頃デートをしている二人を思い出し、再び胸を締め付けられるような苦しみを覚える。

「(だ、ダメッ・・今は戦いに集中しないといけないのに・・・)」

集中しようと思えば思うほど苦しみは強くなり・・

「みくっ!!」
「隙有りだ・・!」
「え?!・・やあああぁぁ!!!」

完全に戦いから気が逸れていたプリティー・コロンを悪臭モンスターが狙い撃ちする。
しかし・・

「くっ・・ぅ・・・・はぁ・・戦いに集中しないなんて、何を考えてますの?」
「レイナ先輩♪・・ご、ごめんなさい・・」

間一髪のところでピクシー・コロンが間に入ったため、プリティー・コロンは無事。
ただ、その代わりにピクシー・コロンが相手の攻撃を直撃してしまう。
しかし、直撃を受けたにも拘らずピクシー・コロンにはそれほどダメージが見えない・・・ように見えた・・

「っ?!!くさっ・・(なぜですの・・?何もされてませんのに・・)」
「先輩ッ!?こんのぉ・・一体、何をしたのっ!?」

攻撃から数十秒の間を空けてピクシー・コロンは鼻を押さえてその場に両膝を着く。
直前に何かをされたわけではない・・ただ、いきなり臭がり始めたのだ。
プリティー・コロンはこの正体不明の攻撃に、何をしたのかと問い質す。

「ふふ・・何をされたか・・・か・・・・それは、身を持って知ると良い!」

その言葉が終わると同時に、プリティー・コロンに襲い掛かる。
悪臭モンスターの攻撃はなんてことはない・・ただの握りっ屁である。

「ん・・・・・・あれ?・・へへ~ん♪何をしたのかはわかんないけど、みくにはへっちゃらだよ~だっ!!」

ピクシー・コロンが苦しみ始めた攻撃後の数十秒が経過しても、プリティー・コロンの身には何も起こらない。
呆気に取られたようなプリティー・コロンだったが、自分は大丈夫だと思うと、胸を張ってどうだっと示す。

「ふぅ・・・そろそろ・・だな・・・」
「ふぇ?・・あううぅぅぅっ!!!な、なんでぇ・・」
「わ、わたくしたちに・・何を・・・しました・・の・・・?」

結局はプリティー・コロンも謎の攻撃に倒れてしまい、二人は悪臭モンスターを見上げる。

「簡単なことだ・・・こいつをお前たちの鼻の中に入れた・・」

悪臭モンスターの手には、数匹の虫が乗っていた。その虫は、体の表面から体液を分泌しており、
それが鼻の中に入ることでいつまでも残り続ける悪臭を放ち、二人を苦しめているのだ。

「どうだ・・?鼻の中からでは、どんな悪臭でも逃げられまい」
「(ち、力が・・でないよぅ・・・)」
「(ぐ・・油断・・しましたわ・・・)」
「では、付いてきて貰うぞ・・」

気絶こそしなかったが、悪臭に脱力して抵抗する術を失った二人はそのまま連れ去られていった。


「う・・ぅ・・わたくしたちを一体どうするつもりですの!?」
「こんな事したって、お姉ちゃんがすぐに助けに来てくれるんだからっ!」

連れ去られた二人は、椅子に座った状態で両手両足を拘束された状態で目を覚ます。
周りを見ると、そこにはたくさんのビーカーやらフラスコといった理科の実験道具が置いてあり、
一人の男・・街で彼女たちを倒したモンスターではなく、白衣を着た男がいた。
窓の一切ないのに、不気味なくらい明るいその部屋の中で机に向かっていた男は二人の言葉で振り返る。

「ふふふ・・それは言えんねぇ・・言ったところで何も変わらないだろうしねぇ・・」

男は二人にゆっくり迫ってくるが、悪臭などまったく感じられない・・
一体何者だと思いながらも男を睨み続ける。

「おやおや・・そんなに睨まれてもねぇ・・」

男は怯むことなく歩みを続け、二人の目の前に・・その手には小さな瓶が握られている。
無色透明なその瓶の中身は何も見えない・・つまり、中身は気体もしくは本当に空ということになる。
一体どんなものが入っているのか?二人がそう思いながら瓶を見つめていると、
男は二人の目の前で瓶のふたを開けてみせる。

むわぁ~~ん

「んぐっ・・!っ・・く・・」
「ふむぅっ・・・・く、くさぁ・・・」

ツーンとした、まるでアンモニアのような刺激臭が舞い上がってくると、鼻を覆えない二人はそれをもろに嗅いでしまい、顔を背ける。
しかし、謎の気体はただ単に刺激臭を持っているだけではない・・
二人は急に頭がボーっとし始め、何処を見ているかわからないような目つきへと変わっていく。

「ふぁ・・ぁ・・(・・頭が・・ふわふわ・・・するよぉ・・)」
「・・・・・・(な・・なんですの・・・・これ・・は・・・?)」
「さぁて・・じゃあ、はじめようかぁ・・催眠をねぇ・・」

催眠・・・不気味な笑みにも似た表情を浮かべている男の口からそう告げられると、一枚の写真が男の懐から取り出される。
その写真に移っている人物とは二人の良く知っているキューティー・コロン。

「君たちは、こいつが羨ましいねぇ・・こいつが憎いねぇ・・?」

二人がキューティー・コロン・・そして、春菜に対して抱いている負の感情を引きずり出そうと、ひたすらそれだけを耳元で反復する。
すると二人に変化が現れ・・

「う・・うぅ・・・・(春菜・・)」

ピクシー・コロン、もといレイナは春菜に対し、自分より人に好かれている所に羨ましさを感じていたのだが、
それが催眠によって妬みに・・そして、憎しみへと変化していく。

「あぁ・・あぅぅ・・・・(お姉ちゃん・・・)」

そしてみくの頭には春菜と同時に一郎が現れる・・つまり、一郎を独り占めする春菜に対し、知らず知らずのうちに嫉妬を抱いていたということだ・・

「くくく・・いいね、いいねぇ・・その調子だよ」


「春菜君には本当に世話になりっきりだな」
「いえ、天草先生にはいつもお世話になってますから。お互い様です」

夕方・・昼前から始まった二人のデートもどうやら終わりのようで、最初の集合場所に戻った二人は今日買ったものを手に持ちながら会話している。

「自宅まで送らなくても大丈夫なのかい?君が良ければ送っていくのだが・・」
「大丈夫です。いつもこれくらいの時間帯には帰り慣れていますから。それじゃあ、さようなら」

数十メートル歩いて振り返って自分を見送っている一郎に手を振ると、自宅に向かって歩き出す・・

「・・・・あら?・・みくちゃん、それにレイナさん・・ど、どうしたんですか?変身したままなんて・・誰かに見つかったら大変ですよ?」

自宅への帰り道の途中。突然目の前に二人が変身した状態で現れる。
春菜はキョトンとしながらも、変身を解くように言うが、二人からは何の返事もない・・
不審に思った春菜だが、歩み寄ろうとはしない・・

「くすっ・・・♪」
「ふふ・・」

見たことのない二人の不気味・・いやサディスティックな笑みに、何かを感づいた春菜は後ずさりしていく。

「なんだか、戦わないといけないみたいですね・・『クロス・フレーバー』!!」

かくして、キューティー・コロンたち仲間同士の戦いが始まった。


「お姉ちゃん、そんなに硬くならないでよぉ?みくたちは、ただお姉ちゃんを倒しに来ただけだから♪」

変身したものの、キューティー・コロンは相手がピクシー・コロンとプリティー・コロンということもあって、
なかなか手を出せず、向かい合ったままでいると、緊張とは無縁の口調でプリティー・コロンが話しかける。

「みくちゃん、お願いですから正気に戻ってください!私たち仲間じゃないですか」
「えぇ~?みくは、いっつも正気だよ。そ、れ、にぃ・・今のみくとレイナ先輩はお姉ちゃんの敵だよ♪」
「そういうことですわ。春菜、闘いたくないと言うのなら、わたくしたちに大人しくやられれば良いのですわ」

催眠に掛かり、完全にキューティー・コロンを敵として見ている二人・・だが、それ以外はいつもの二人となんら変わりないため、
キューティー・コロンは余計に攻撃をしづらくなってしまう。
だが、このまま攻撃をしなければピクシー・コロンの言うとおり大人しくやられるだけである・・

「(あっ!『フローラル・シャボン』の中に入っていて貰えば・・)」

泡の中に二人を閉じ込めておけば、その間に一郎を呼んできて、この洗脳を解いて貰えるかもしれない。
そうすれば、二人にも危害は加わらないし、自分がやられることもない・・そう考えると、
すぐさま『フローラル・シャボン』を放とうと身構える。
しかし・・

「もー!お姉ちゃんが責めてきてくれないから退屈しちゃったよ☆・・と、いうことで・・罰としてこれをしっかり嗅いでね?」

むわぁぁああん・・

さっきまで十数メートル先のレイナと一緒にいたみくは、いつの間にか目の前にやってきており、
いきなり握った手を鼻先に突き出してくると、握りこんだオナラを開放する。

「っむぅ・・!?げほっ・・み、みく・・ちゃん・・」

不意を付く悪臭を嗅いでしまったキューティー・コロンだが、すぐさま自分を取り押さえようとするプリティー・コロンの手からは逃れる。

「むぅ・・お姉ちゃんの、いけずぅ・・ちゃ~んと優しく抱き締めてあげるのにね」
「みくのやり方は生ぬるいのですわ!やるならこれくらいは・・」

ぶうううぅぅぅうううぅ!!!!

プリティー・コロンの攻撃から逃れたキューティー・コロンに休んでいる暇はない。
続いて、ピクシー・コロンからの特大のオナラ攻撃を受ける。

「これなら回避不能ですわ!わたくしの香りに悶絶なさい?!」

事実、キューティー・コロンは完全にガスに包まれており、この状態からの回避は不可能である。
オマケに
その匂いは、悪臭というより激臭というほうが相応しいほどのものである。
当然、こんな匂いの中にいるキューティー・コロンの反応は・・

「ごほっ・・げほっ・・・・(い・・息が・・でき・・な・・・)」

せっかくプリティー・コロンの不意打ちに耐えたものの、オナラの中でむせ返り、
隙だらけの姿を晒す事になる。

「ふふ・・・良い様ですわね・・・でも、これくらいで気絶することは許しませんわよ?
貴女には地獄を見せるのですから・・さあ、みく。好きにやってよろしくてよ?」
「おっけぇ~♪じゃ、お姉ちゃん。さっき逃げちゃった分まで、ちゃんと嗅いでね~?」

ピクシー・コロンが作った絶好のチャンス。それを抜け目のないプリティー・コロンが逃すはずもなく、
ガスの中に飛び込んで、未だに苦しんでいるキューティー・コロンを押し倒す。

「・・ごほっ・・みく・・・ちゃん?・・きゃっ?!」

そして、あろう事か恥ずかしがることもなくスカートの中にキューティー・コロンの顔を収めてしまう。
むしろ恥ずかしがっているのは下着に押しつぶされているキューティー・コロンの方で、顔が真っ赤になってしまっている。

「っ?!!?!!(な、なななな何をしてるんですかぁ~~!!?)」
「えへへ~♪そんなに慌てなくっても、ちゃんとあげるから我慢しててねぇ?」

ぷっすうぅぅぅーー・・

フェイスシットの体勢で、お尻の真下僅か数ミリメートルのとこにあるキューティー・コロンの鼻を目掛けて、
超至近距離のすかしっぺが炸裂する。

「んぐっ・・!げほっ・・(くさっ・・!くさぃ・・・)」
「ほぉら♪大好きなお姉ちゃんにはプレゼントをたくさん用意してるんだから☆受け取って貰わなくちゃヤだよ?」

ぷぅ・・ぶううぅ・・・ぷっすぅ・・

地獄を見せる・・まさにその言葉通り、気絶しないギリギリの加減をしながらオナラを連発して、
キューティー・コロンの体をゆっくりとオナラで満たしていく。

「んっ・・ぅぅ・・・・んぅぅ・・(鼻が・・曲がってしまいそう・・です・・・・それに・・匂いが・・篭って・・・いつまでも・・)」
「えへへ♪逃げないとぉ・・お姉ちゃんのきれいなお顔がどんどん臭くなっていっちゃうよぉ?」

「悪臭」という毒に体を蝕まれ、どんどん動きが弱っていくキューティー・コロンの顔を、無邪気に笑みを浮かべながらお尻で嬲る。

「息も苦しくなってきたでしょ~?みくのオナラを空気だと思って吸っちゃってもいいんだよっ♪」
「ぅ・・ん・・・・んっ・・(そんな・・おかしく・・・なっちゃい・・・ます・・)」

この様子を黙ってずっと見ていたピクシー・コロンだったが、ふと歩き出すとプリティー・コロンの耳を引っ張る。

「みく、物には限度・・というものがありますのよ?春菜を気絶させてわたくしの楽しみを奪うつもりですの?
(まあ、気絶したら無理やりたたき起こせば良い話なのですけど・・)」
「ご、ごめんなさ~い・・ぅぅ・・お姉ちゃん。ごめんね?せっかくだけど、レイナ先輩にバトンタッチだよ」


「ようやく、貴女を苦しめることが出来ますわ・・ふふ・・・」
「ぅ・・レイナ・・・さん・・」

妖艶な笑みを浮かべながらキューティー・コロンを見下す。

「それにしても、情けない・・あれくらいの責めでひれ伏すだなんて・・・キューティー・コロンが効いて呆れますわ」
「それって、みくの責めが大したことないって意味ぃ~~?」

ため息を吐いて首を左右に振り、あからさまな素振りで呆れていると表すと、プリティー・コロンは不満顔を見せる。
しかし、そんなプリティー・コロンを無視して、ピクシー・コロンはしゃがんで視線を近づける。

「あらあら・・顔にこんなに匂いが染み付いてしまって・・・せっかくの美人が台無しですわね」

そう言ったピクシー・コロンの顔は、心配しているというよりはむしろ喜んでいると思えるようなもので、目や口にそれが表れている。
さらに、キューティー・コロンの髪の毛を掴むと、それをお尻に近づけていく。

「・・っ!ま、まさか・・!」
「くすっ・・そのまさかですわ・・」
「うっわぁ~・・レイナ先輩、えげつな~い♪」

ぶっすぅぅううぅぅぅぅぅうぅぅ

ガス量の多いすかしっぺを放つと、ドライヤーでも掛けるかのように念入りに・・髪の毛の根元までしっかりと浴びせていく。
長いすかしっぺを何度も何度も・・そうしていくうちに、キューティー・コロンの髪には顔に負けず劣らずのオナラ臭が染み付いていく。
そして、もう十分だろうと判断したところでピクシー・コロンのお尻が離される。

「しっかりと染み付きましたわね・・これは、一生取れないかもしれませんわ」
「ぁう・・ぅぅ・・・・ゲホッ・・(匂いが・・ここまで・・・)」

もともと、顔に染み付いていた匂いに加え、髪にまで・・当然、何もしなくてもキューティー・コロンの鼻を強烈な悪臭が襲い、
下手したらこのまま放っておくだけでも気絶してしまい兼ねない。
だが、地獄の苦しみを与えるといったピクシー・コロンがただで彼女を気絶させるはずがない。

「まだまだ・・これくらいじゃ、わたくしは満足できなくてよ?」

無理矢理キューティー・コロンの顔を上げさせて、彼女を地獄に突き落とすような一言を言い放つ。
髪がなびいたことで、染み付いていた悪臭が振り撒かれ、表情を重くするキューティー・コロンだが、
その表情の理由は自分の髪が悪臭を振り撒いているショック・・ということより、むしろピクシー・コロンの一言へのショックだろう。

「これをお飲みなさい?」
「んっ・・・・っ・・・うっ・・」

ふと取り出した小瓶をキューティー・コロンの口元まで持っていくと、中に入っていた液体を無理矢理飲ませてしまう。
わけのわからない液体を飲まされ、地獄や苦しみ・・などの言葉から毒の類かと思っていたが、
苦しくなったり痛みに襲われるといった異変は何もない・・だが、それでもピクシー・コロンは不適な笑みを浮かべており、
キューティー・コロンはそれが気掛かりでならなかった。
すると、しばらく経過して・・

「ぁぅっ・・・れ、レイナ・・さん・・・こ、れ・・はぁ・・・」
「ふふっ・・わたくしに聞かずとも、貴女が一番わかっているのじゃなくて?」

徐々にキューティー・コロンの身体に異変が現れてきたのか、彼女の表情に変化が表れる。
しかし、顔色が悪くなっているというわけではない・・むしろ赤く染まってきている。
一体彼女のみに何が起きているのか、ピクシー・コロンは当然知っているのだろうが、意地悪な口調でとぼけた振りをする。

「ぅ・・んっ・・・」
「春菜・・わたくしとみくは普段から貴女の傍にいますのよ?貴女の性格は誰よりも知ってますわ」
「お姉ちゃんが、人一倍恥ずかしがり屋って事もねぇ☆」

意味深な言葉を残すと、プリティー・コロンは倒れているキューティー・コロンのお腹を思い切り押す。
すると、キューティー・コロンの顔色が急変し、一気に青ざめる。

「それじゃ、ちょっと離れて・・♪」
「ぅぅ・・っ・・・(こんな・・あんまりです・・)もぅ・・だ、め・・・」

ぶほおおぉぉおぉぉぉおお!!!!!

なんと、あろう事か洗脳されていないはずのキューティー・コロンのお尻から大量のガスが噴射される。
しかも、その匂いは先程ピクシー・コロンが放ったものよりも上をいっており、ガス源であるキューティー・コロンはもちろん、
少し離れた場所にいた二人にまで届いてしまう。

「ごほっ・・こほっ・・・こ、こんな・・人前で・・・」
「自分のオナラで苦しむなんて、滑稽ですこと・・ふふふ・・・」
「くんくん・・うっわぁ・・くっさいよぅ・・お姉ちゃん、こんなオナラするんだ~」

匂いに当然のように苦しむキューティー・コロン。しかし、彼女にとってオナラの匂いよりも大きなダメージがあった。

香坂春菜は薫風学園の二大アイドル・・容姿端麗、文武両道、品行方正・・彼女をほめる言葉といったら、
ありきたりと思えるかもしれないが、このような言葉がぴったり来る。
しかし、彼女の人気の本当の理由はここに挙げられたものではない・・
それは、彼女が人一倍女の子らしいということだ。当然、女の子らしい彼女はオナラなど人前ですることは一切無い。
それなのに、彼女は・・キューティー・コロンという姿ではあったにしても盛大なオナラをしてしまった。
そして、それを親友と幼馴染に立ち会われ侮蔑の言葉を浴びせられる。
そのショックは計り知れない・・

「いやっ・・私・・私・・・・」

ショックのあまり、キューティー・コロンはたった今起こったばかりの悪しき記憶を忘れようと、両手で頭を押さえ左右に激しく振る。


「でも・・これで、お姉ちゃんもみくたちと一緒だね♪うれしいよっ」

キューティー・コロンが動揺している隙に、目の前にはいつのまにかプリティー・コロンが・・
本当の笑顔ではない・・嘲笑を含んだ笑顔をキューティー・コロンに向けて「一緒」であると言うプリティー・コロン。
「一緒」とは、おそらく自分たちと同じように臭いオナラをすることを指しているのだろう・・
遠回しな言い方ではあったが、その言葉はしっかりと通じる。

「ち、違うんです・・・今のは私のじゃなくて・・」
「違うも何もありませんわ。今のは正真正銘、貴女のお尻から出たガスじゃありませんの」

自分がしたのではない・・飲まされた液体のせいだと主張しようとするが、言いたい事を言い切る前にピクシー・コロンにすっぱり言い切られてしまう。
親友にここまで突き放されると、キューティー・コロン、もとい春菜は俯いて何もいえなくなる。
しかし、そんな彼女を慰めようと言うのか、彼女をここまで貶めた一人であるプリティー・コロンがキューティー・コロンの顔を覗き込む。

「おねえちゃん。そんなに落ち込まないで?何をしたって、みくはおねえちゃんの事キライになったりなんかしないよっ♪」
「みくちゃ・・・んっ?!!∇β~л★%!!!?」

慰められ、少しはショックから立ち直ったキューティー・コロンだったが、彼女の苦労はまだ続く。
プリティー・コロンの顔を見ようと僅かに顔を上げた瞬間、飛びついて来たプリティー・コロンに唇を奪われてしまったのだ。
予想だにしない出来事に頭が真っ白になり、何も考えられなくなったが、反射なのかプリティー・コロンを引き剥がそうとする。
しかし・・

「むぅ・・(恥ずかしがっちゃってぇ・・かわいい♪で、も、簡単には放さないよっ☆)」

がっしりと掴んで逃げられないようにした後、プリティー・コロンは口から息をキューティー・コロンに吹き込んでいく。
プリティー・コロンの息は、オナラと同様に常人よりも遥かに臭いものとなっている。
ただ、幸いなことに鼻に直接ではなかったため、匂いよるダメージは大きくなかったが・・

「んぅっ・・!(な、何ですか・・?なんだか、ねっとりして・・・)」

およそ気体とは思えないような粘度を持っている・・そう錯覚させるほどの汚染された息。
顔に吐きかけられていたらどうなっていたか・・・
もし、これを直接鼻に注ぎ込まれていたら・・・
キューティー・コロンは背筋が凍る思いをすると同時に、安堵する。

「(くくっ♪安心してる安心してる・・でもね、そんな油断してたら痛い目見ちゃうんだよ♪)」

近すぎて表情などまともに見れないのにどうやって見抜いたのか・・
プリティー・コロンはキューティー・コロンの心の内を読んで、送り込む息の量をさらに増やす。
すると・・

「っ・・ぅっ!(まさか、匂いが・・・く、くさいです・・っ!)」

息が上へと逆流したのだろうか、徐々に鼻が悪臭を感知し始め遂には強烈と思うほどに息が鼻腔を侵略してくる。
こうなっては鼻を塞ごうが息を止めようが関係ない。悪臭はじわじわと上り詰め、嗅覚を犯す。

「あらあら・・女性同士でこんなに長いキスをしてるなんて・・卑猥ですわ・・・」
「んっ・・(ひ、ひどい・・レイナさん・・・)」
「こんなところを天草先生に見られたら・・どう思うのかしら?・・それに、香坂春菜は女の子の方が好き・・
このような噂が学校に広まれば・・ふふっ・・楽しみですわ」

口をキスによって閉ざされ、何も喋ることの出来ないプリティー・コロンに対し、一方的に、しかも相手の弱い部分をえぐるように言葉責めを始める。
学校はもちろんのこと、一郎の名を出されたキューティー・コロンは動揺してしまい

「っ・・っ~~~!!(そんな・・やめてくださいっ!お願いしますっ)」
「あら?動揺すると言うことは、女の子が大好きと言うのは図星だったんですのね」

もちろんそんなことは本当ではない・・しかし、慌てるキューティー・コロンの様子に満足そうなピクシー・コロンは、
弄ぶかのように動揺と羞恥を煽っていく。

「みく、もういいですわ。放しておやりなさい」
「はぁ~い。くすっ♪お姉ちゃん、みくはお姉ちゃんならいつでも大歓迎だよ☆」

キスを中断したプリティー・コロンは、女の子が大好きなのだと言われてしまっているキューティー・コロンに対し、
冗談半分に・・しかし、キューティー・コロンにしてみれば冗談に聞こえないような事を言い放つ。

「じょ、冗談はやめてください!!」
「ふふ・・後ろがお粗末ですわね・・」

プリティー・コロンの言葉に気を取られたキューティー・コロン。すると、いつの間にか背後にはピクシー・コロンが回っており、
口と鼻を手で塞がれて、さらに拘束されてしまう。

「しまっ・・!っ?!!くさっ・・くさいッっ!!んううぅぅぅ!!」

その瞬間、キューティー・コロンは強烈な悪臭に襲われる。原因はピクシー・コロンの手・・そう、にぎりっぺだ。
匂いを衰えさすことなく封じた掌、それを鼻に押し付けられ、さらには呼吸を奪われてしまう。

「ん・・ぅぅ・・・うぅ・・(頭が・・くらくら・・します・・・・)」

脳に酸素が行き渡らず、加えてこれまでのダメージがある。
プリティー・コロンのオナラ責めはもちろんの事、させられてしまった自分のオナラの匂いにも劣っているのだが、
目の前に移るプリティー・コロンの顔がぼやけていく。

「お姉ちゃんにはとっておきの物を用意しておいたんだよっ」
「春菜、貴女にピッタリのものですわよ」
「そ、れ、じゃ・・いらっしゃ~い♪」

ぼやける視線の中、キューティー・コロンが目にしたのは、ただのミキサー車・・
他と違うとすれば、側面にマンホールほどの蓋がされていると言う事だけだろうか。
重たいエンジン音を響かせながら接近してきたそれは、徐々にスピードを落として3人のそばに止まる。
どうやらこれが「とっておき」なのだと、キューティー・コロンは察知する。
最終更新:2009年02月25日 01:49
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