【常磐堅磐(ときわ・かきわ)】
常磐(ときわ)と堅磐(かきわ)は、いずれも山、川、石、木など何千万年あるいは、それ以上の長い年月を経ても不変のまま存在しつづける存在を示す。地における久遠の存在であり、
磐境(いわさか)として信仰されることも多い。
- 万代は高御座山動きなき常磐堅磐に仰ぐべきかな(栄花物語)
- 皆人の命もわれも三吉野の滝の常磐のつねならぬかも(萬葉集922)
「とこしえなるイワ」「かたきイワ」の語義であり、木などには榊、樒、松、竹などを示す常葉の緑(ときわのみどり)があるが、これも常磐から転用された語であり、意味は堅く不変であることを示している。
「ときわ」は「床磐」、「かきわ」は「垣磐」を示しており、メンヒルやストーンサークルに用いられるような巨石を意味していたという解釈もある。
地での常磐堅磐は山、川、石、木などであるが、天での常磐堅磐は日、月、
太一(北極星)である。いずれも悠久に姿を変えることなく存在するものたちである。
【茎幸(くくのち)】
草木から得られる果実、種子、菌類などの幸のこと。木の霊である句々廼馳(くくのち)は同じ意味の語である。
【咲耶(さくや)】
草木に咲く花のことを示す。「さきはや」(開光映)の意味。桜(さくら)は咲耶の転じたものであり、花のうちで最も輝くものであるとされる。
最終更新:2022年08月02日 20:27