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初期知覚機能

  • 従来の解釈→画像成分の抽出機能
  • 現在 →さらに面の知覚・注意・意識

視知覚の信号伝達

  1. 網膜
  1. 視床の外側膝状体(がいそくしつじょうたい,LGN,lateral geniculate nucleus)
  2. 皮質第1次視覚野(V1)→V2→V3→V4→MT
  3. さらに高次の領野へ

外側膝状体(LGN)の主要機能

  • リレー(信号の伝達)
  • 知覚、意識へ直接介入
    • 両眼視野闘争における知覚 ー LGN神経細胞 の強い相関
    • 周辺抑制効果の一部 ← LGNからの求心性の信号による(皮質からの遠心性の信号でない)
    • コントラストと輝度に対する順応の独立性がLGNで見られること

V1の特性

V1は視覚過程で最初に強い非線形を示す複雑型細胞

  • 時空間的特性
    • 両眼視差変調の精度がV1細胞受容野の時間的・空間的解像度と一致
    • 複数刺激に対する応答の非線形性は、最大値選択演算でよく記述される
    • 眼間時差からの知覚がV1細胞の両眼特性時空間特性からよく説明される

V2の特性

図方向決定(輪郭のどちら側に図があるかを決定)

周辺抑制・促進

V1細胞は、古典的な受容野の内部に刺激が与えられると反応する。

  • 反応は受容野の数倍程度の周囲にある刺激から影響を受けて抑制/促進される
  • 周囲構造は局所的で中心に対して非対称的

周辺抑制には2種類の機構がある

  1. 高コントラストで動作し順応が観察されるものは、両眼性・方位依存性・鋭敏な時空間特性をもつ
  2. 低コントラストで動作し前者と反対の特性を示すもの →入力源(V1,LGN)の違い

両眼性の周辺効果

  • コントラストや運動で顕著な一方、色感受性は影響を受けない
  • V2細胞がさまざまな方位の周辺刺激から抑制・促進を受ける


参考文献

  • ヒューマンインフォメーション(メディア情報,<特集>映像情報メディア年報) (映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア 58(8), 1107-1112, 2004-08-01) (塩入 諭,酒井 宏,井上 哲理,小峯 一晃,新井 啓之)
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最終更新:2011年03月04日 14:16