総評
- 『南総里見八犬伝』のおかげで誰もが一度は聞いた名に。曲亭馬琴よ、有難う。迫りくる現世の関東大戦を前に、出でよ、新たなる八犬士。
- 本拠地安房は初代風雲録と同様に安房・上総の2ヶ国分に相当する。居城である久留里城の築城主は武田信長という、今の世からすると冗談みたいな名前の人物。
- 難易度はシナリオ1~3は普通。シナリオ4は難しい。勢力的には小国大名だが、三船台の地形を活かせば北条家の撃退も可能。雪隠詰めの恐れもあるので序盤から積極的に打って出るべきか。
- 領国は全シナリオ通して安房1ヶ国。
- 人材は一門衆と正木一族で構成。決して恵まれていないわけではないのだが、図抜けた存在は見当たらない。数はシナリオによって大きく変動する。
政治面は若干の不安あり。里見義尭は行動力確保の点でもう一声欲しい所。全国的には並程度といえる水準なのだが、関東には優秀な人材が多いためどうしても見劣りしてしまう。
戦闘面は平均値が高く、なかなかの陣容となっているものの、核たる人物は不在で合戦を優位に進めるには一工夫必要になってくる。水軍という個性を剥奪された悲劇の大名家がまたここにも。
浪人はシナリオにもよるが、地理的な関係もあり総じて期待薄。人材拡充法としては他国を攻めて強引に家臣に引き込むほうがよほど現実的。 - 固定戦術は特殊系が2つ、攻撃系が1つ。
「鼓舞」はとりあえず使っとけ、程度の効果しか望めないか。それでも決め手に欠ける戦術揃いの里見家では士気の多寡は見逃せないポイント。
「挑発」は相手の弓攻撃を無効に出来るので、足軽主体の関東地方では有効。しかし教養のある武将が不在では宝の持ち腐れ状態。
「弓構」は関東大名の標準装備状態。「火矢」や「斉射」が無いので攻撃力不足。戦局を決める一手というよりも、相手本陣を遠巻きに削る手法として有効。 - 安房の文化効果は「商業コマンドの効果上昇」、技法は「兵法」。
- 最大石高は関東では標準的な数値だが、全国平均をやや下回る。初期文化値も同様。金山は無し。東南端に位置し安全圏にはしやすいが、生産拠点として特別優秀なわけではない。
文化効果は早めに全領国に波及させてこそ大きな意味を持つ。勢力拡大が一段落したら積極的に狙っていくのも悪くない。 - 隣接国は3ヶ国と少なめ。隣接大名家はシナリオ1の状態で結城家、深谷上杉家、北条家。
シナリオ2~4では武蔵を領有する大名家が北条家に変化。隣接大名家は結城家、北条家となる。 - 外交関係はシナリオ1・2では上杉家(長尾上杉家)との友好が若干高いが、影響はさしてない。北条家との友好はかなり低く、衝突は不可避。同盟関係にある大名家はなし。
シナリオ3では上杉家との友好がより良化。佐竹家・徳川家との友好も若干上昇する。他方で宇都宮家との友好が大きく悪化。北条家との険悪さは変わらず。同盟を結んでいる大名家はなし。
シナリオ4では宇都宮家との関係が一気に改善。佐竹家・徳川家との友好もより良いものに。更に宿敵北条家との友好がわずかながら上昇、同盟まで結んでいる。 - ちなみに家紋は「三階松」。
固定戦術
- 鼓舞
- 挑発
- 弓構
注目武将
里見 義尭‐政治69 戦闘78 教養57 魅力72 足軽B 騎馬B 鉄砲D 天性:猛将
家督相続時に助力を得るもそれはそれ。以後の北条家は不倶戴天の仇敵に。その北条方からも「仁者必ず勇あり」と称えられた房総半島の雄。
大名=政戦の中心という中小大名の轍を外さない。その中でも戦闘・兵科適正共に優れたほうだが、いかんせん北条家が相手では分が悪いか。
家督相続時に助力を得るもそれはそれ。以後の北条家は不倶戴天の仇敵に。その北条方からも「仁者必ず勇あり」と称えられた房総半島の雄。
大名=政戦の中心という中小大名の轍を外さない。その中でも戦闘・兵科適正共に優れたほうだが、いかんせん北条家が相手では分が悪いか。
里見 義弘‐政治68 戦闘72 教養52 魅力62 足軽C 騎馬C 鉄砲C 天性:猛将
国府台にて一敗地に塗れるも、三船山にて起死回生の大金星。父の後見の元最盛期を築きあげる。正解の無い後継者問題ってのは難しいよね。
常に父と行動を共にしていたためか、能力値は父親に瓜二つ。兵科適正はいずれの部隊も得意とも不得意とも言えず。利便性に富むとも言える。
国府台にて一敗地に塗れるも、三船山にて起死回生の大金星。父の後見の元最盛期を築きあげる。正解の無い後継者問題ってのは難しいよね。
常に父と行動を共にしていたためか、能力値は父親に瓜二つ。兵科適正はいずれの部隊も得意とも不得意とも言えず。利便性に富むとも言える。
里見 義頼‐政治59 戦闘64 教養49 魅力66 足軽C 騎馬C 鉄砲C 天性:勇将
事実上の屈服となる房相一和後も面従腹背。武田家と同盟を結んだり、佐竹家に行動を促したり、豊臣家と誼を通じたり。外交手腕は巧みなもの。
父や兄に比べて一回りスケールダウンした感は否めない。シナリオ4では大名と序盤の主力を兼任するも、特に月々の行動力確保に不安がある。
事実上の屈服となる房相一和後も面従腹背。武田家と同盟を結んだり、佐竹家に行動を促したり、豊臣家と誼を通じたり。外交手腕は巧みなもの。
父や兄に比べて一回りスケールダウンした感は否めない。シナリオ4では大名と序盤の主力を兼任するも、特に月々の行動力確保に不安がある。
敵大名としての特徴
- 他国に攻め込む様な動きを見せる事はまず無い。というか、北条家が軍事行動を起こす際最初に狙われることが非常に多いため、打って出る暇が無いといったほうが正しい。
北条家との戦は非常に分が悪いようで、撃退に成功する可能性は皆無に近い。北条家に滅ぼされた場合は一族郎党全処断という悲惨な目に遭ってしまう。
シナリオ4では北条家と同盟を結んではいるが、友好が低いためかほぼ間違いなく破棄されるため結果は同じ。 - 合戦を行う際に注意する点は特に無し。「弓構」は遠巻きにして効果が切れるのを待てば良い。よほど戦力差がない限り苦戦する事はないだろう。
シナリオ別攻略
・シナリオ1
武将は4人。
政務に優れる武将は不在。加えて北条家の矢面に立っている状態での内政優先策はあまり現実的ではない。里見義尭自ら兵を率いて新たなる領国と家臣を手に入れるべき。
まずは諸大名家に先んじて武蔵攻略を急ぎたい。深谷上杉家は壁役としても力不足。北条家との正面衝突に加えて武田家も刺激することになるが、やむを得ない。
しかし安房から武蔵に攻め込むと野戦は海上戦となり、こちらの損害を抑える戦運びが難しい。よってまずは下総を攻略、次いで武蔵を侵攻する手順を踏みたい。
弓の名手太田資正を家臣に加える事が出来れば里見義尭は主力としては御役御免。といっても「弓構」による弓射要員として当面は戦場に立つ事になるのだが。
武蔵攻略後は北上策か西進策。安全かつ確実なのは北上策。西進策が成るかは運の要素(主に相模の訓練値)がからむ。富国策はやはり上策とは言い難い。
北上策を採るならば下総から常陸→盤城→陸前…と反時計回りに進軍、東北地方を席巻した後下野に至るようにする。行動力に余裕があれば長尾上杉家との同盟締結も考慮したい。
関東・東北諸大名家のうち結城家、深谷上杉家系・安東家系の武将との相性は良く、佐竹家系の武将との相性も悪くはない。戦後登用にも快く応じてもらえるだろう。
関東以北を制すれば北条家との戦闘能力差も国力差で押し切れるはず。技術開発に力を注いで戦術「槍車」や「槍衾」を使用可能にしてから合戦を挑めば勝利はより確実なものに。
・シナリオ1
武将は4人。
政務に優れる武将は不在。加えて北条家の矢面に立っている状態での内政優先策はあまり現実的ではない。里見義尭自ら兵を率いて新たなる領国と家臣を手に入れるべき。
まずは諸大名家に先んじて武蔵攻略を急ぎたい。深谷上杉家は壁役としても力不足。北条家との正面衝突に加えて武田家も刺激することになるが、やむを得ない。
しかし安房から武蔵に攻め込むと野戦は海上戦となり、こちらの損害を抑える戦運びが難しい。よってまずは下総を攻略、次いで武蔵を侵攻する手順を踏みたい。
弓の名手太田資正を家臣に加える事が出来れば里見義尭は主力としては御役御免。といっても「弓構」による弓射要員として当面は戦場に立つ事になるのだが。
武蔵攻略後は北上策か西進策。安全かつ確実なのは北上策。西進策が成るかは運の要素(主に相模の訓練値)がからむ。富国策はやはり上策とは言い難い。
北上策を採るならば下総から常陸→盤城→陸前…と反時計回りに進軍、東北地方を席巻した後下野に至るようにする。行動力に余裕があれば長尾上杉家との同盟締結も考慮したい。
関東・東北諸大名家のうち結城家、深谷上杉家系・安東家系の武将との相性は良く、佐竹家系の武将との相性も悪くはない。戦後登用にも快く応じてもらえるだろう。
関東以北を制すれば北条家との戦闘能力差も国力差で押し切れるはず。技術開発に力を注いで戦術「槍車」や「槍衾」を使用可能にしてから合戦を挑めば勝利はより確実なものに。
・シナリオ2
武将は5人。
深谷上杉家に代わり北条家が武蔵を領国としている。北条家の圧力は強まるものの、戦闘能力に優れる北条氏康と北条綱成が同じ国に所属していない点は僥倖とも言える。
新たに加わった里見義頼を残す事により、里見義尭・義弘親子と正木兄弟による天性効果を最初から受けられる。これを追い風として前シナリオ以上に急ぎ北上したい。
1561年内に佐竹家を軍門に下す事を目標に、下総→常陸と立て続けに進軍。この計画が成功するかどうかで後の展開が大きく変化する。
上手く佐竹義昭を登用出来れば翌年に佐竹義重が加わる(佐竹義昭不在時は浪人として登場)。常陸攻略が年明けにずれ込むと敵として相対する事になり、良い事は何もない。
佐竹義重を主力に据える事が出来れば、以降の展開はシナリオ1よりもはるかに楽。東北地方に手を伸ばすのも良し、そのまま北条家と渡り合う事も可能だろう。
北条家との交戦を選択する場合は武蔵・相模いずれから攻略するにせよ、徴兵後の訓練が下がっている時を狙って攻め込もう。総大将をあえて逃がせば残った国の訓練も低下しているはず。
なお史実ではシナリオ開始翌年に里見義尭は剃髪入道、家督を里見義弘に譲っている。里見義弘を大名に据えて開始するのも一興だろう。メリットは特に無いが。
武将は5人。
深谷上杉家に代わり北条家が武蔵を領国としている。北条家の圧力は強まるものの、戦闘能力に優れる北条氏康と北条綱成が同じ国に所属していない点は僥倖とも言える。
新たに加わった里見義頼を残す事により、里見義尭・義弘親子と正木兄弟による天性効果を最初から受けられる。これを追い風として前シナリオ以上に急ぎ北上したい。
1561年内に佐竹家を軍門に下す事を目標に、下総→常陸と立て続けに進軍。この計画が成功するかどうかで後の展開が大きく変化する。
上手く佐竹義昭を登用出来れば翌年に佐竹義重が加わる(佐竹義昭不在時は浪人として登場)。常陸攻略が年明けにずれ込むと敵として相対する事になり、良い事は何もない。
佐竹義重を主力に据える事が出来れば、以降の展開はシナリオ1よりもはるかに楽。東北地方に手を伸ばすのも良し、そのまま北条家と渡り合う事も可能だろう。
北条家との交戦を選択する場合は武蔵・相模いずれから攻略するにせよ、徴兵後の訓練が下がっている時を狙って攻め込もう。総大将をあえて逃がせば残った国の訓練も低下しているはず。
なお史実ではシナリオ開始翌年に里見義尭は剃髪入道、家督を里見義弘に譲っている。里見義弘を大名に据えて開始するのも一興だろう。メリットは特に無いが。
・シナリオ3
武将は7人。
正木憲時、正木頼忠が新たに加入。状況を一変させるほどの戦力とは成り得ないものの、家臣団の数は依然として増加傾向。
基本的な戦略はシナリオ2と大差ない。下総から常陸へと速攻を仕掛けることで進軍路を確保しつつ戦力の強化を図りたい。
常陸攻略時には太田資正、佐竹義重というシナリオ1・2での救世主をまとめて相手にする事になるため、奇襲の活用や弓隊の大量投入等、細心の注意を払いたい。
最大のライバルである北条家の当主、北条氏康の寿命は尽きかけている。万全を期すならば、事を構えるのは彼の死を待ってからでも良い。
仮に北条家を打倒したとしても、その先には武田家が待ち構えている。元々強力な家臣団を擁するうえ、登用し損ねた北条家の武将が武田家陣営に加わる事も考えられる。
しかし、武田信玄が身罷る時もまた近い。攻略する好機は必ず訪れるので、それまでに武田家・上杉家・織田家との連戦に耐え抜くだけの国力を蓄えよう。
武将は7人。
正木憲時、正木頼忠が新たに加入。状況を一変させるほどの戦力とは成り得ないものの、家臣団の数は依然として増加傾向。
基本的な戦略はシナリオ2と大差ない。下総から常陸へと速攻を仕掛けることで進軍路を確保しつつ戦力の強化を図りたい。
常陸攻略時には太田資正、佐竹義重というシナリオ1・2での救世主をまとめて相手にする事になるため、奇襲の活用や弓隊の大量投入等、細心の注意を払いたい。
最大のライバルである北条家の当主、北条氏康の寿命は尽きかけている。万全を期すならば、事を構えるのは彼の死を待ってからでも良い。
仮に北条家を打倒したとしても、その先には武田家が待ち構えている。元々強力な家臣団を擁するうえ、登用し損ねた北条家の武将が武田家陣営に加わる事も考えられる。
しかし、武田信玄が身罷る時もまた近い。攻略する好機は必ず訪れるので、それまでに武田家・上杉家・織田家との連戦に耐え抜くだけの国力を蓄えよう。
・シナリオ4
武将は2人。
義尭、義弘が相次いで逝去。お家騒動を経て里見義頼が新当主に。房相一和(相房御和睦)によって安房の民は安寧を得るも、依然として里見家・北条家間の緊張状態は続いている。
里見家の武を支えた猛将がことごとく退場する一方で新加入武将は無し。状況は極めて苦しいが、ジャイアントキリング成るか。
やはり北に活路を見出したい。下総攻略時に被害が大きい場合は一度徴兵を行った後に常陸に進軍。今回は結城家家臣であった水谷正村が主力となる。
軍備に手間取る等して常陸の訓練が整ってしまった場合は、常陸を避けて下野→岩代→羽前と進み東北攻略を優先しよう。東北制覇後ならば佐竹家も勧告に応じる可能性がある。
佐竹義重不在時は伊達家攻略の時期を見極めないと苦労する事に。伊達家が北上あるいは南下した直後が好機なので、逃さず一気に仕留めたい。
また同盟中の北条家は西の徳川家とも同盟を結んでいるため、兵を持て余し気味。東北攻略中に防備を怠ると攻め込まれる可能性が極めて高い点には要注意。
その北条家の領国に侵攻する際は北条綱成の所属する国を最後に回すような手順を踏みたい。総大将となって本陣に居てくれさえすれば「弓構」によって被害を極力抑えられる。
シナリオ4では武将の少なさ、非力さが序盤最大のネックとなる。更に新当主義頼の命数にあまり余裕はなく、次代里見義康は父以上に平凡な能力値の持ち主。
ウルトラCとして里見家に縁のあるSP武将、御子神典膳の投入という手もありといえばあり。展開が一気に楽になるため、剣豪武将参加を容認出来る方は是非。
武将は2人。
義尭、義弘が相次いで逝去。お家騒動を経て里見義頼が新当主に。房相一和(相房御和睦)によって安房の民は安寧を得るも、依然として里見家・北条家間の緊張状態は続いている。
里見家の武を支えた猛将がことごとく退場する一方で新加入武将は無し。状況は極めて苦しいが、ジャイアントキリング成るか。
やはり北に活路を見出したい。下総攻略時に被害が大きい場合は一度徴兵を行った後に常陸に進軍。今回は結城家家臣であった水谷正村が主力となる。
軍備に手間取る等して常陸の訓練が整ってしまった場合は、常陸を避けて下野→岩代→羽前と進み東北攻略を優先しよう。東北制覇後ならば佐竹家も勧告に応じる可能性がある。
佐竹義重不在時は伊達家攻略の時期を見極めないと苦労する事に。伊達家が北上あるいは南下した直後が好機なので、逃さず一気に仕留めたい。
また同盟中の北条家は西の徳川家とも同盟を結んでいるため、兵を持て余し気味。東北攻略中に防備を怠ると攻め込まれる可能性が極めて高い点には要注意。
その北条家の領国に侵攻する際は北条綱成の所属する国を最後に回すような手順を踏みたい。総大将となって本陣に居てくれさえすれば「弓構」によって被害を極力抑えられる。
シナリオ4では武将の少なさ、非力さが序盤最大のネックとなる。更に新当主義頼の命数にあまり余裕はなく、次代里見義康は父以上に平凡な能力値の持ち主。
ウルトラCとして里見家に縁のあるSP武将、御子神典膳の投入という手もありといえばあり。展開が一気に楽になるため、剣豪武将参加を容認出来る方は是非。