バスク・オム

登録日:2012/01/10 Thu 14:39:24
更新日:2025/04/05 Sat 23:15:08
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シロッコ。貴公の許せん所は、自分以上に能力の高い人間はいないと思っていることだ。馬鹿にするな!


バスク・オムは『機動戦士Ζガンダム』の登場人物。
CV:郷里大輔大友龍三郎(U.C.ENGAGE)


地球連邦軍独立組織「ティターンズ」の前線指揮官で階級はティターンズ大佐(連邦軍准将待遇)
宇宙世紀0087に発生した「グリプス戦役」においては宇宙におけるティターンズ部隊を戦役の終盤まで指揮・統率した。
ティターンズではジャミトフに次ぐ実質ナンバー2の地位にあった。
身長約2mの巨漢で浅黒い肌にスキンヘッド、常に特徴的なゴーグルを着用しているという、傍目には連邦軍高官とはとても思えないインパクトのある風貌の持ち主。
ちなみに頭髪はともかく眉毛もよく見るとないが、これは「放射線の影響(で毛根がやられた)」という裏設定がある。

来歴

前線指揮官として実績を重ね、一年戦争終結時点で大佐の地位にあった。
一説によればこの戦争中にジオンの捕虜となり、その際に苛烈な拷問を受けたことで視覚障害を負い、それを補うために特徴的なあのゴーグルを着用することを余儀なくされたとも言われる。
ただ、劇中で明確に言及・描写されたことはなく、公式的には「一年戦争の時期に負傷した」というのは間違いなさそうなものの、詳しい経緯は不明。
上記の内容は近藤和久による漫画「サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ」における設定である。
産みの親である富野由悠季が直接手掛けた小説においてはブレックス・フォーラから、「彼は政治家だ」、「一年戦争さえ経験したことのない男」と酷評交じりに否定されているが、こちらの小説版も例によってパラレルワールドであるので、こちらの設定が映像作品にどの程度反映されうるのかは不明瞭。
ただ、状況からすればジオンによって障害を負うことになったというのは自然な成り行きなので、それが彼の思想を強めた一因になったのかもしれない。

U.C.0083においては地球軌道第1艦隊司令代理を務め、ソーラ・システムⅡの設営、運用の現場指揮を執った。
この戦いで彼はアナベル・ガトーの妨害によるコントロール艦の破壊によって『コロニー落とし阻止を妨害された』ために感情的になり、部下の制止を押し切り味方もろともソーラ・システム第2射を発射する暴挙を行い巻き込まれる味方の艦艇共々コロニーがソーラ・システムの光に包まれる光景を気持ち悪さすら感じる程ニヤけついた笑顔で眺めていた。直後健在だったコロニーを見て驚愕したが。
後に部下(ジャマイカン)が同じようなことをして即座に謀殺されているように、後年ティターンズ内ですら非難される行為を当時から行っていたことになる。

実はこの時点のバスクは改革派のジョン・コーウェン中将の派閥に所属していたのだが、彼が保守派のジーン・コリニー提督及びジャミトフ・ハイマン准将(当時)らとの派閥争いに敗れると、バスクはあっさりコリニー派に転向。上記の暴挙も握り潰されて問題化することはなく、逆にティターンズ実戦部隊司令官に栄転することになる。

しかし、次第に彼はジャミトフの思惑以上に暴走。
(もともとバスクはジャミトフの「真意」を全く知らされていなかったのだが)
ちなみに暗殺を実行するなど地位を簒奪する気満々だったシロッコは分かるが、バスクからジャミトフへの感情については不明。
前線に居続けていることや諸々の後処理などを考えると悪く思ってはいないと思われるが、確かなことは言えない。




宇宙世紀0085年7月には連邦政府の要請によりサイド1の30バンチにて行われていた反連邦デモを、G3ガスによってその住民1500万人を虐殺するという強硬手段によって鎮圧する。
これでもジオンがやったことの1/300以下なのだから末世である。
ジャミトフによる情報操作によってこの暴挙は隠ぺいされるが、完全には隠しきれず、ブレックス准将を筆頭に反ティターンズ派の連邦軍将兵やスペースノイド、企業、ジオン残党などが結託し、独自の軍閥「エゥーゴ」を結成、ティターンズとの対決姿勢を強めていく。
つまり、後に発生した「グリプス戦役」の種はバスク自身が撒いたのであり、言い換えれば彼によってグリプス戦役は引き起こされたのである
その後もバスクはさらに増長、0087の時点にいたってティターンズは当初の理念から暴走した軍隊となり果てていた。
…とは言え、エリートなどを色々なところからかき集めた部隊*1*2であり、増長はバスクだけの問題ではない。
ティターンズに配属されることはエリートの誉れであり、能力の高さと同時にプライドも高い連中が集まりやすい土壌が形成されていたことも大きい。
これは後にティターンズを掌握することとなるシロッコにも共通している。

このバスクの専横に危機感を抱いたジャミトフはバスクへのけん制のために「木星帰りの男」パプテマス・シロッコを登用し、力の均衡と分散を図ろうとするも、両者の対立と派閥間での抗争を激化するだけの結果となる。

0087の時点においてはサイド7に建設されたグリーン・オアシスにおいて同基地の司令及び新型MS、ガンダムMk-Ⅱの実地運用テストを行っていたが3月2日に発生したエゥーゴによるガンダムMk-Ⅱの奪取作戦に遭遇、民間人であるカミーユ・ビダンの協力もあって二機のガンダムMk-Ⅱを奪取される。
バスクは即座にエゥーゴ追撃の艦隊を出動させ、自らも前線指揮を執る。
なお、この時バスクに意見を具申したブライト・ノアに対して部下共々暴力を振るうなど横柄な指揮官として描かれる。
また、彼はカミーユの両親であるビダン夫妻を人質にとり、その後見せしめとして夫人を殺害
更にエゥーゴによるジャブロー侵攻作戦に際しては味方ごとジャブローを核自爆させるなど、味方・地球すらも顧みない非道な作戦を展開する。

その後、エゥーゴによる反攻により、地球における拠点を喪失して以後はその行為がさらに苛烈化。
月面都市グラナダに対してのコロニー落とし作戦を実施し、さらに各コロニーとエゥーゴとの接近をけん制すべく中立コロニーであったサイド2に対してグリプスⅡのコロニーレーザーによる直接攻撃やG3ガスの使用による「第2の30バンチ事件」を再現し、コロニー政府を恫喝する。
しかし、これらの行為はコロニーのエゥーゴへの接近、ティターンズへの対決姿勢を強めるという逆の効果を生んでしまう。

最終的にエゥーゴ・アクシズとの三者会談に臨んでいたジャミトフがシロッコによって謀殺されたことで最大の後ろ盾を失ったバスクはティターンズ内で孤立。
ジャミトフの死後、時をおかずしてシロッコ派であったレコア・ロンド(劇場版ではヤザン・ゲーブル)によって戦死に見せかけ謀殺されることになる。

地球連邦軍史上最大の内部抗争であった「グリプス戦役」。その引き金を引いた男はこの戦役がどのような形で終結したのか、そして自らが育てた「巨人達」の最期を看取ることなくこの世界から退場を余儀なくされたのであった…。


人物・能力

狂信的な地球「人」至上主義者であり、そのため彼の崇拝対象は「地球連邦政府」でもなければ「地球」ですらなく「地球に住む人類=アースノイド」であった。
これが彼のコロニー住民に対する弾圧の行動原理となっており、彼にとって「スペースノイド」とは常に潜在的な「敵」であり「宇宙人」であった

軍人としては常に最前線で指揮を執り、部下達を叱咤するなど勇猛な武人であった。
数々の作戦を指揮し、優秀ではあるがアクの強いジェリド・メサヤザン・ゲーブルといった隊員達をも抑え込み統率するなど、指揮官としては非常に高い能力を備えている。
非人道的な作戦を実行しながらも部隊レベルでの離反や反抗が発生しなかったのはジャミトフの政治的な支援がもちろんあるのだが、
一方で彼の上官としての人望の高さや組織運営の巧妙さが相当だったことの証左とも言える。
ただ単に恐怖政治で従わなければ使い捨てにされるので逆らえないだけの可能性もあるが。シロッコやハマーン様からは無能扱いだし。

また、常に前線って言っても旗艦という安全な場所でえらそうにしているだけでは?という批判や疑問があるかもしれないが、
周囲の戦力が充実していることは想像に難しくないものの、ガンダム世界ではミノフスキー粒子によって有視界戦闘をほぼ強制されているので戦場に出るだけでも危険である。
08小隊に出てくるイーサン・ライヤー大佐辺りが分かりやすい描写だが、後方に居ても敵の射程範囲外とは限らない。
ここらも過激な行動や性格の割に、長きに渡って指揮官を務めあげた秘訣かもしれない。

いかにもオールドタイプ的な人物ではあるものの人を見る目は有り、冒頭のシロッコに対する名言は実に的を射たものと言える。
お互いに強く反感を抱いていることを察することが出来るが、バスクの方はシロッコが優秀ということは認めていることがうかがえる。
他にも高圧的な発言などで敵を作ったりもしているので器用に生きているとは言い難い。
基本的に悪い意味ではあるものの、自分の信念はたやすく曲げないという人物なのだろう。

他方でもその権力を私腹を肥やすなどの汚職に用いた様子は一切なく、あくまで「自らの正義」を果たすために振るっており、ある種の「高潔な軍人」ではあったと言える。
しかし、ジャブローの核自爆に代表される地球本土での彼の行動から、彼自身もまたティターンズの思想に芯から賛同したというよりは、ただ単にスペースノイドに対する復讐を望む「悪い意味での」軍人であったと言えるだろう。
彼の暴走行動そのものに関しては酌量の余地はない。まごうことなき悪役である。


一方で宇宙世紀0087という一年戦争後の時代背景は考慮に入れる必要はあるだろう。

一年戦争後の地球圏は、ジオン公国のコロニー潰し・コロニー落としによってその人口の半数が死に絶え、多くの居住可能な土地が不毛の大地と化していた。
そこから更にジオン残党によるテロや(後発作品とは言え)0083にデラーズ・フリートが行ったコロニー落としによって地球はさらに荒廃し、地球全土にジオンひいてはスペースノイドに対する怨嗟の声が渦巻いていたのは想像に難くない。
そのスペースノイドにおいても、実に過半数(七つのサイドのうち五つ)がジオンの虐殺による被害を受けており、彼らもまたジオンを憎んでいた。
(実際、FGの小説版では「連邦宇宙軍の兵士はジオンのコロニー潰し・コロニー落としの生き残りが大半を占めていて、ジオンへの敵意がすさまじい」とされている。これは状況的に映像作品でも同じであろう)。

しかもティターンズ結成の直前には彼が所属している連邦軍が、不意打ち核攻撃によって数多の犠牲を出しているという背景もある。
当然、あの一件で死亡した連邦兵士にも家族や友人はいるわけで、彼らもまたジオン残党への憎悪や嫌悪を抱いたであろう。
ティターンズが大きな武力を持つに至った経緯は、地球連邦のみならずそういった地球圏市民そのものの感情も大きいと言える。
さすがにその後のやりすぎとしか言いようがない暴走が世間に明らかになると地球連邦からもつま弾きになったわけだが、軍備強化や後のロンド・ベルでも見られるような単純な取り締まり強化などに関しては支持も多かったはずである。

また、連邦を暴走させて粛清したいというのもジャミトフの思惑の一つだったので、仮にバスクが穏やかな人物だったら他の人物を台頭させた可能性が高い。それこそジオン憎しの人物などたくさん居るだろう。
そのように考えるのであれば、彼は実のところは常軌を逸した選民思想の持ち主ではあるが、時勢を得た人物だったとは言えるかもしれない。

しかし、あくまでジオン(コロニーにおけるサイド3であり宇宙移民の一部)との紛争であったはずなのに、スペースノイド全体に対するものとし(そこにバスク個人の私念が存在)、拡大して激しい弾圧を加えていく欺瞞や扇動が存在していたのは事実であり、それが連邦に属する者達からすら離反を招き、遂には地球連邦からも手を切られてしまって、ティターンズ崩壊のみならず、後年のティターンズと一体関係にあった地球連邦(エゥーゴが正規軍、ティターンズは反乱軍だったと捏造したが)に対するスペースノイドからの反発心増大(ロンド・ベルの立ち入りを一般人が妨害など)、登場する反連邦組織への下支えとなり、多くの紛争が発生していった

さらには、グリプス戦役後、ティターンズは「精鋭部隊とは名ばかりの、地球至上主義に凝り固まった危険思想を孕んだ過激なテロリスト集団」「連邦軍から生まれたジオン」のレッテルを貼られ、元構成員は不当な処罰を受けたり、僻地送り等の冷遇を受ける事になり挙げ句の果てに一部はティターンズ残党になったり、ネオ・ジオンに加わったりするが、ティターンズの負のイメージを定着させたのは、間違い無くバスク・オム(または腰巾着のジャマイカンも加えて)であり、上記の後年における諸紛争発生の件も含めて、その責任は非常に大きいと言わざるを得ないものがある。
なにせ実行した作戦が友軍を巻き込んだ大規模攻撃、コロニーへの毒ガス、人質作戦、味方ごと核爆発、コロニー落とし、コロニーに直接コロニーレーザー発射などどれも極悪非道なものばかりなのだから。

なお余談だが、一年戦争時の階級を大佐であったとするなら、八年近くに渡って全然昇進できなかったことになる。
このあたりの理由は定かではないが、虐殺行為は基本隠ぺいされていることを考えると、やっぱり味方ごとのソーラ・システム照射が連邦上層部に響いたのだろうか。
むしろスペースノイドを討つことに拘って前線に居続けているっぽいので、戦場に居づらくなる場合を考えて昇進を自ら蹴っていた可能性もありうる。
「ティターンズは2階級上として扱う」って慣例はこれへのフォローなのかもしれない。

また後に似たような悪い意味での将校として「STARGAZER」のホアキンや「00」のアーサー・グッドマンアーバ・リントなどが登場するが彼らもバスク同様自ら「敵」と認めたものには無差別虐殺も辞さない殲滅主義者でありバスクはある意味彼らのような悪逆非道な将校としての開祖であると言っても過言ではないだろう。ついでに全員戦艦のブリッジへの直撃弾で戦死しているところまで同じ。


ゲーム・他メディアでの活躍


基本的に完全無欠の度し難い敵役弾圧以外能が無い愚かな人物として描かれている。
実際やたら暴力的だったりアレな作戦をしているので、役割的に言えば基本的に原作に忠実だと言えるだろう。
一方で行動理念は分かっている限り、どこまでもスペースノイド絶対殺すマンとしか言いようがないため、
(ティターンズにもスペースノイドが一応いる辺り所属員や敵対的かどうかの線引きは出来るようだが、概ねこの認識で良いだろう)
様々な勢力やら思惑が交差するクロスオーバー作品においては、単なる都合の良い悪役に仕立て上げられた結果やや不自然に見える言動も散見される。
上記の通り(傍から見るとアウトにしか見えなくても)最低限の線引きは出来る男なので、メタ的な役割ではなく設定という意味では逆スパロボ補正と言っても良いだろう。

スーパーロボット大戦シリーズ

基本的に親玉であるジャミトフの扱いが空気なので、「単なる脳筋な悪役」みたいなイメージで描かれることが多い。
『X-Ω』ではあのムルタ・アズラエルですら、「あそこまで考えなしだとは!」「(バスクを野放しにしては)こちら側の名目が立たない」と焦り出すほどであった。
そんな彼も『Z』において「そんな猿芝居が通じるか!」とツッコミに回ったことがある
『Z』では終盤で死亡するがもし『時獄編』まで生きていた場合バスク並みにとんでもない奴と組んでいたかもしれない......
それ以前の時系列の並行世界』にもとんでもない奴らがいるし......
多くの作品においてはプレイヤー自ら引導を渡すことになるが、『Card Chronicle』では恐竜帝国が発射したマグマ砲に巻き込まれて消し飛ぶというあっけない最期を迎える。
また『GC/XO』では登場した時点で既にジャミトフ共々逮捕されておりその後2度と語られない。

ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス

本作におけるティターンズはエゥーゴ内部のタカ派*3という設定であり、ジャミトフがほぼ登場しないのでティターンズの実質的なトップである。
クーデターを起こしてガンダム大陸を制圧するも、用済みと見なされて部下であるシロッコに銃殺され、ティターンズを簒奪される。

ギレンの野望シリーズ

地球連邦軍編、ティターンズ編で登場。
連邦軍編では0083と同様の服装だが目が潰された経緯は描かれておらず最初からゴーグルを装着している。階級は中佐。
耐久に優れそこそこの戦闘力を持つため、一年戦争限定シナリオでは低すぎる魅力を差し引いても艦長キャラとしてはそれなり以上の働きが期待できる。魅力の低さが気になるなら、レビルやティアンムやジョン・コーウェンといった指揮系が申し分ない将官の近くにおいて艦長に専念させるのもあり。
一方一年戦争以降も取り扱うナンバリングのレビル将軍編では彼の所属するティターンズとバスクとは致命的にそりの合わないエゥーゴのどちらと協調路線をとるか或いは双方ともに敵に回すいばらの道を選ぶかというイベントがある。
が、片やジオン公国以上に公式でも扱いが悪いティターンズでもう片方はそれより印象がだいぶんマシで数多の主人公やWB隊など歴戦の猛者が所属しているエゥーゴとくれば心象的に後者の方が選ばれやすい傾向にあり、バスクの方は不遇。
しかもアクシズの脅威では攻略を調整することで黒服版のパプテマス・シロッコがレビルの直臣ポジとして最後まで尽くしてくれるしエゥーゴとも一緒に行動してくれるので、強化人間を加味してもティターンズを選ぶメリットは少なめ。

ティターンズ編では原作通りの非道ぶりを発揮。
イベントで彼の要請にYESと答えるとろくな事にならない。(核で敵味方の部隊が壊滅、パイロットが死亡・離脱する等)
NOと断ると、とても上官に対する言葉とは思えないような返事が返ってくる。
中盤でシロッコがバスクの殺害許可を申し出てくるが、
ここで断るとシロッコ、ヤザン隊、サラとレコア、ハイファンがアクシズに寝返ってしまう。 \(^o^)/*4
そして許可を出した場合、粛正されるのはバスクだけで、原作でシロッコとそりが合わないように描写されたジャマイカンやアヤチ*5は生き残り、引き続き方面指揮官として使用可能。ヒデェ。

性能は指揮・耐久・射撃の能力が高く使いやすいが魅力が一桁。
連邦編ではバスクより強い指揮官が多く埋もれがち。
ティターンズ編では総大将のジャミトフより強く、指揮官不足な事もあり非常に頼りになるが、実はティターンズ(ジャミトフ)のベストエンドではシロッコが在籍していることが必須条件、つまりバスクを残すとベストエンドが見れない。
そしてやり方次第ではシロッコを残留させながら暴政エンドも可能。
上記のイベントの都合上殺してしまう事が多い。実に不遇な男である。

ティターンズ・シロッコでも冒頭のイベントにのみ登場。
ジャミトフ死亡を聞きつけシロッコを問い詰めるも、速攻で絶命する。出オチ。

・絵本

ひかりのくに社が出版した子供向けの絵本そもそもZガンダムの内容自体子供向けではないが……。では子供でもわかりやすい悪役の外見のためか、ティターンズという悪の組織のボス的な存在として描かれている。
さらにここでは『地球連邦政府は地球を綺麗な星から汚れた星に作り替えようとしているが、それに反対する人がいるので、連邦政府のバスク大佐は宇宙に浮かぶグリーン・オアシスに、反対する人間をやっつけるための基地を作った』という、原作を考えると前半部分は驚愕なあらすじ*6となっている。
しかし、カミーユが乗ったMk−Ⅱの活躍で戦いが不利になると、「う~ん、おぼえていろ!」と凄く気の抜ける悪役らしい捨て台詞を吐いた。
さらに講談社版の方でも、わるものバスクたいさは、いつもきょうりょくなモビルスーツをつかって、ガンダム=マークIIをたおそうとしているぞ!(原文ママ)とここでも「悪者」扱いされている。

・【SDガンダム外伝】

そんな風にSF路線では不遇まっしぐらのバスクだが、剣と魔法の世界観であるナイトガンダム系では一転してなかなかの強キャラとして君臨する。
『SDガンダム外伝 円卓の騎士編』においてはザビロニア帝国に忠誠を誓いドゴス・ギアをモチーフとした鎧を身にまとう歴戦の戦士である「戦士バスクオム」*7として登場。
HP300を超えれば人間族としては一流&HP500を超えればガンダム族並みの超一流という世界観においてHP640はエリートというに相応しい数値。
しかもFC版『伝説の騎士団』では不死鳥の館を防衛しており、気合の一撃とスロウの魔法を絡めた技巧派でこちらを翻弄する。

さらに言えば、シロッコとジャミトフとジャマイカンは出番すらもらえなかった&ハマーンとヤザンは出番はもらえたが小物臭い損な役回り&ジェリドやカクリコンやライラは雑魚に毛が生えた程度のネームドという扱いも考慮すると、中ボスとして役割を与えられ其れにふさわしい実力も持たされたバスクはなかなか優遇されたといえるだろう。

……と言いたいところだが、問題は見た目。
先述の通り彼はドゴス・ギアを象った鎧を着ているのだが、そのカラーリングもドゴス・ギアそのもの。つまりドギツいマゼンタ色
そんなド派手な鎧を着たグラサンハゲという色んな意味で衝撃的なファッションセンスはとても腹筋に悪い。

ちなみにFC版では上記の通りだが、SFC版『円卓の騎士』では設定変更されて「ザビロニアが主催する武闘大会の出場者」として登場。
こちらではザビロニア所属ではなくフリーの戦士である様子。
試合前で気が立っているのか、話し掛けられただけで相手を突き飛ばす乱暴者。ある意味原作通り。
同大会に正体を隠して参加した皇騎士ガンダムと2回戦で対戦するものの、FC版と違って単なる木偶の坊で弱い。1回戦で戦うジェリドよりはマシだが
負けると「まさか こ…こんなガキに…」と捨て台詞を残して逃げる。試合前の威勢はどこへやら、なんとも情けない。


「建て主、貴公の許せん所は、自分以上に追記・修正の上手い人間はいないと思っていることだ。馬鹿にするな」

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  • SD外伝では強キャラ
最終更新:2025年04月05日 23:15

*1 デラーズ紛争後、戦争犯罪人として有罪判決を受けたコウ・ウラキと極刑が執行されたエイパー・シナプス、北米オークリー基地へ再配属となったチャック・キースやモーラ・バシット等極一部を除いたアルビオンの元クルーは口封じを兼ねてティターンズに配属されたとされている。

*2 もちろん根こそぎではなく、連邦にもエースやベテラン兵士は多数残っている。『Z』の登場人物では、ライラ・ミラ・ライラブラン・ブルタークなどが正規の連邦軍人。

*3 そもそも部隊が地球ではないので連邦軍が存在しない。

*4 ちなみにハイファンとはジュピトリスの艦長でシロッコの副官っぽい人

*5 エゥーゴのジャブロー攻略作戦妨害の時に、シロッコが補給に立ち寄ったハリオの艦長。事実とはいえ積んでたMSが旧式だらけなことを嘲笑された苦労人

*6 ただ、本編でもダカール演説でクワトロが「本来地球の環境負担を減らすため宇宙進出を始めたのに、ティターンズは地球に魂を引かれて地球を食い潰そうとしている(大意)」とティターンズを批判してたので、案外企画時点でティターンズが地球環境破壊に加担している(と非難される)設定が用意されていたのかもしれない。

*7 こちらでは「バスク・オム」ではなく、「バスクオム」で一つの名前になっている。