阿波根(あはごん・アハグン)
発祥・伝承
- 発祥ははっきりしない。チョー阿波根なる人物が築いた阿波根グスクが存在する。
- 『塩真(スマ)』はオヤケアカハチの乱の9番大将・銭原の出自。
- 『伊元』は字賀数『伊元』の分かれ。
字賀数『伊元』の『前伊元』の人が、当時阿波根に住んでいた大里村稲嶺の人である『クラタイ』に引き取られて育ったのが祖。
- 『大照屋』は長男筋、豊見城市字高嶺『新屋』は二男筋、東風平町字小城『高嶺小』は三男筋といわれる。三門中は字阿波根の墓を共用している。
- 『神谷』は東風平町字小城の分かれであり、同腹の構成員は東風平町字當銘や字小城に広がる。
- 『具志堅』の出自は不明だが、ウマチーには豊見城市字平良『赤嶺』を拝む。
- 『座波小』はかつて『大屋』という屋号を名乗る。長嶺按司を匿ったという伝承が残る。
- 『大屋小』は『座波小(大屋)』の分かれ。
- 『渡喜』は首里王府にまつわる伝承があるが詳細不明。かつて那覇市牧志のヤマタイ門中が本家を拝みにきていた。
- 『平田』は尚巴志の系統で玉城村字富里から東風平町字小城に、そして300年ほど前に阿波根に移り住んだという。
- 『百次』は豊見城市字保栄茂『大上ン当』の分かれ。
門中一覧
門中名 | 読み方 | 名字 | 備考 |
塩真 | スマ | 島袋 | 嶽元。戦後に絶家。 |
座波小 | ザハグヮー | 長嶺 | ノロ元。長嶺按司系。 |
神谷 | カナ | 神谷 | 国元。東風平町字小城の分かれ。 |
大屋小 | ウフイグヮー | 長嶺 | 阿波根『座波小』の分かれ。 |
西門 | イリジョー | 長嶺 | |
大当元 | ウフトームトゥ | 長嶺 | |
伊元 | イームトゥ | 島袋・福田 | 糸満市字真栄里『栄元』腹がルーツ。字賀数『伊元』の分かれ。 |
大照屋 | ウフティーラ | 儀保・宜保 | |
国場 | ククバ | 島袋・加島 | 国場按司系。 |
具志堅 | グシチン | 具志堅 | |
徳島袋 | トゥクスンブクル | 島袋・島 | |
渡喜 | トゥチ | 島根 | |
平田 | ヒラタ | 平田 | 尚巴志系。東風平町字小城『富里』の分かれ。 |
百次 | ムンナン | 當銘・大城 | 豊見城市字保栄茂『大上ン当』の分かれ。 |
本家が字外にある。
門中名 | 読み方 | 名字 | 本家 | 屋号 |
金城小 | カングスクグヮー | 金城 | 字兼城『茂屋』 | 『金城』『金城小』『金城小前』等 |
上原? | 島袋 | 豊見城市字高嶺 | 『西本部前』『新西本部前』『新本部ヌ前』 |
戦後改姓
戦前は島袋姓が多かった。
『伊元』の『仲伊元』 | 島袋→福田 |
『大照屋』の一部 | 儀保→宜保 |
『国場』の多数 | 島袋→加島 |
『徳島袋』の一部 | 島袋→島 |
『平田』 | 島袋→平田 |
『渡喜』 | 島袋→島根 |
『百次』の一部 | 大城→當銘 |