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氏名 イルタ・ヴァルコイネン
年齢 25歳
性別 男性
身長 173センチ
職業 スオラ州議会名誉議員(エテラ県代表扱い)・スオラ自衛軍砲術部隊名誉隊長・本人は「職業猟師です!」と主張
出身地 スオラ自治州エテラ県ラウハ村
現住所 基本的にはスオラ自治州エテラ県ラウハ村、用事があればスオラ自治州州都ムーリカウプンキ市の議員宿舎
性格の特徴 極めて温厚、お人好し。暴力沙汰になると率先して止めに入る平和主義者で、口癖は「みんな仲良くしなさい!」。スオラ人のわりには愛想が良く、対外的には取っつきやすい第一印象を与える。実際人見知りはしないので、何も知らない異種族のひとびとはムーリカウプンキでうっかり彼に観光案内をしてもらってから最後の最後に彼が伝説の狙撃手であると知ることも多い。
頼まれたら断れない性格でいつの間にか肩書きがすごい増えていたうっかりさん。相当な泣き虫でもあり何かあるとすぐ涙目涙声で「お、男だから泣かないもの……」とぷるぷるしている。
内戦で最愛の先妻を殺されて以来過激なナショナリストに変貌し、特にエーデマルク人に対しては激しい嫌悪感を示す。少しでも気にかかることがあればその場で射殺することも厭わないため、スオラの中でもたまに持て余している。当人も内戦で負った心的外傷の後遺症に苦しんでおり、昼間はみんなの保護者役をかって出ているが夜は酒に溺れる毎日を送っていて再婚相手であるタルヴィともうまくいっていない。幼馴染みでいとこのルスカに対してもエーデマルク寄りの発言をすると厳しく叱責し村へ戻るよう説得するなど、精神的に安定している時と不安定になっている時の落差がものすごく激しい。
小さい頃はどちらかと言えば女性的で村の年下のこどもたちには「イルタ姉ちゃん」と呼ばれていた。婚約する直前まで女性化するつもりでいたせいか今も自分が男性であるという意識が薄いらしく、「姉さん」とか「母さん」とかと呼ばれてもわりと普通に反応する、怒らない。料理が得意で、特に叔母兼ルスカの母親に教わったマンシッカ・ピーラッカと呼ばれる甘いパイを作ってはよくその辺で配っている。女子力すごい高い。
外見の特徴 ほとんど銀髪に見える明るい金髪を肩まで伸ばしてひとつに束ねている。やや濃い青色の瞳。白い肌。中性的な面立ちに柔らかい表情が多いので余計に女性的な優男に見える。かなり着やせする方で、実は銃の反動をすべて受け止められる強靭な体躯の持ち主。両肩と足腰が特にたくましい。案外大きくてごつごつした手をしている。
普段からスオラのおとなの男性の民族衣装を今風にアレンジしたシャツを着ているお洒落さん。だいたい本人のハンドメイド。女子力すごい高い。
備考 ラウハ村出身者の中でも最高の腕をもつ狙撃手。ヤギホ製の粗悪な猟銃でも1キロ先からウサギを仕留める才能の持ち主。スオラ内戦では、キルカスリンナの戦いで対岸から数百メートル離れたところにいたグスタヴ1世の狙撃し眉間を撃ち抜いた上、内戦全体を通じて500人近いエーデマルク兵を射殺して『雪中の死神』と呼ばれた。
女子力は誰よりも高い。本人は恐妻家だと言っているが、周りは誰ひとりとしてそうは思っていない。
一人称:僕、二人称:基本は君、名前が分かる身内は呼び捨て、その他名前+ちゃん・くん・さん、ベルンドだけあんた。エーデマルク語はもともとあまり得意ではなかったが今は話したくもないと思っている模様。
人間関係 タルヴィは内戦が終わった翌年に再婚した妻だが、ことあるごとに亡き先妻と比べてしまって現在お互いに針のむしろ状態。ルスカはいとこ(母親の妹の子)で生まれた時から一緒だったためほとんどきょうだいみたいな感覚であり、何よりも大事にしてきたつもりだったので、なぜ今エーデマルクに身を寄せているのか理解できないし、グスタヴにものすごい敵意を抱いている。ベルンドは内戦中ともに行動することが多かった悪友、一夜どころか内戦が終わってタルヴィと再婚するまでの間に何十回か過ちを犯しているが、最終的にベルンドに黙って再婚したため「僕、最低かな……」「まあ、最低だなって思ってはいるけど、お前が正気だとも思ってないから気にするな」というやり取りを繰り返している。


経歴


 旧スオラ属州南部地方ラウハ村(現スオラ自治州エテラ県ラウハ村)に生まれる。父は猟師で、母は刺繍の名人。兄弟は下に二人で、いとこのルスカも近所に住んでいてよく家に出入りしていたため、気持ちの上では四人兄弟の一番上。さらに、両親が社交好きのこども好きだったことから、特に信者というわけではなかったがまめに聖隷教の教会へ通い村人たちや牧師一家と交流したり教会附属の孤児院の孤児たちに衣類や食事を寄付したりしていたため、孤児院のこどもたちまで何となく自分の弟妹であるような心持ちで接する。
 小さい頃からおっとりとしていて争いを好まなかったこと、母と叔母姉妹の刺繍や菓子作りに多大な関心を寄せていたこと、年下のこどもたちにとって母親代わりの存在になっていたことから、結構早い段階から気持ちが女性に傾いており、10歳の頃にはすでに『イルタ姉ちゃん』という愛称が通っていて、本人も何となく自分は将来女性になって子だくさんのお母さんになりたいなぁなどと考えるようになっていた。
 16歳の時瞳が赤くなり、前々から気になっていた村の同い年のこどもケサに近づく。ケサの方もずっと「結婚するならイルタ」と言い続けていたので、イルタを嫁に欲しがっていた村の一部の連中の失恋騒ぎの他には特に揉めることなく半年の交際を経て婚約。17歳で結婚。イルタなら可愛いお嫁さんになるんだろうなと思っていた村人全員(ルスカとタルヴィ含む)を裏切り、イルタが男性化しケサが女性化。この時ケサがイルタの価値観を根底から揺るがすことを言ったようだが、イルタは今でもケサとの秘密の思い出として大事に胸に秘めている。1年半後、ケサが妊娠。幸せいっぱいのどこにでもあるスオラ人家庭を築こうとしていた。
 19歳の時、スオラ内戦が勃発。ラウハ村の村人たちは、こんな片田舎まで内戦の脅威に晒されるわけがないとのんびり構えていたが、グスタヴ1世は海沿いにスオラ属州を南下、ある日何の前触れもなくラウハ村を襲撃する。昼間のことだったので、イルタは猟で森へ出掛けていたため難を逃れたが、急いで帰宅したイルタを待っていたのは腹部を切り裂かれ胎内の胎児を放り出されていたケサの変わり果てた姿だった。この瞬間、イルタの中で何かが崩壊。村に残っていたエーデマルク兵を持っていた猟銃と家にあった鉈で片っ端から殺害する。以後、母親やまだこどもだった下のきょうだいたちをグランダシアに預け、反王国軍に合流。ラウハ村の猟師たちがそのまま狙撃部隊に。キルカスリンナの戦いでは、対岸からグスタヴ1世のこめかみを撃ち抜くという人外めいた腕を見せ、スオラの過激派には英雄として喜ばれたが、エーデマルク兵からは『雪中の死神』として恐れられるようになる。
 復讐鬼と化したイルタはその後もエーデマルク人の狙撃を続け、2年間で500人近いエーデマルク人を撃ち、8割以上を即死させている。戦闘に参加していた兵士だけでなく負傷兵や補給部隊、医療部隊なども皆殺しにしていったことから、彼のいた部隊は必ず戦闘に勝ったが、次第にスオラの内部でも彼の憤怒が狂気に変化していることに気づいて、イルタを『死神』と呼ぶ者が現れ始める。徐々にひとが離れていく中、最後までともに戦っていたのはベルンド一人だけだったという。
 内戦終盤、イルタの狂気を恐れたルスカが部隊を出奔、少人数の新しい部隊を組織して前線にいたグスタヴ王子(当時)を拉致してくる。グスタヴを挟んで、停戦の交渉材料として使うかこのまま見せしめとして殺すかで意見が割れたが、この時のイルタはエーデマルク人と対話すること自体を拒みグスタヴの顔を見ることすらなくルスカに殺すよう告げて、ルスカが同じく過激派のひとびとに心ない言葉を浴びせかけられて傷ついていることにまったく気づかなかった。結局、スオラ軍の内部での多数決により、スオラに有利な条件で終戦にもっていくことを約束させてグスタヴを解放することとなるが、グスタヴを殺さなかったことでルスカと口論に。
 直後、なぜかグスタヴ王子が王に即位し、スオラに謝罪と賠償を行ない今後もスオラに有利な政策をとると約束したことで終戦に至る。しかし、エーデマルク人を撃つ口実を失なった上、グランダシアでは息子が何百人もの人間の命を奪ったという事実に耐えきれなかった母親が自殺していたこと、きょうだいたちも兄を恐れてラウハ村への帰還を拒んでいること、いつの間にか自分が『みんなのイルタ姉ちゃん』から『死神』になっていたのを知ってしまったことで、脱け殻のような状態でラウハ村に帰る。この時ルスカがイルタと行動をともにすることを嫌がりエーデマルク側へ逃げたことにも追い討ちをかけられた。
 終戦後、スオラのナショナリストたちはもっともエーデマルク兵を射殺したイルタを名誉市民として扱い、さまざまな役職を呈示しては新州都ムーリカウプンキへの移住を勧めるが、イルタには判断ができず、無作為に受けたり拒んだりしている。また、教会の孤児院出身でもっともイルタになついていたタルヴィがイルタの身を案じて同居を申し出るが、家族を欲したイルタが半ば強引にタルヴィを女性化させてしまい、責任を取ると言って再婚。昼間は猟をしたりキノコを摘んだりしてタルヴィと料理を楽しみながら生活しているので、一見平和なスオラの暮らしを取り戻したかのように見えるが、夜になると多量の酒を飲んで暴れる有り様。タルヴィと時折様子を見に訪れるベルンド以外はもはやラウハ村の村人たちすらイルタとまともに会話をしようとしない。




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最終更新:2015年10月18日 22:02