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氏名 タルヴィ・ヴァルコイネン
年齢 19歳
性別 女性
身長 152センチ
職業 専業主婦
出身地 旧スオラ属州南部地方ラウハ村(現スオラ自治州エテラ県ラウハ村)
現住所 スオラ自治州エテラ県ラウハ村
性格の特徴 無愛想で無表情。嫌そうな顔をする時だけは天下一品。いざとなったら銃を構えていつでもどこでも発砲する姿勢。村ではたまに『取扱い危険物』と呼ばれる。
ただでさえ人見知りをする上に口を開けば皮肉屋で常に喧嘩腰のため、ベルンドとルスカ以外の友達がいない。若干村八分気味だが、本人は「近所付き合いなんて煩わしいだけだから」と言ってまったく意に介さない。雄々しい。
いついかなる時にも動じない肝の据わり方だが、伴侶のイルタに何かがあった時だけは過激な言動をとりがち。口癖は「わたしがイルタを守る」。イルタに対して盲目で、典型的なスオラ人のおとなの性質ではある。
外見の特徴 まっすぐの銀髪を腰に届くほど長く伸ばし、普段は太い二本の三つ編みおさげにしている。氷色の瞳。白い肌。すでに性分化済みだが、顔立ちだけ見ていると中性的で、少年めいて見える。細身で小柄。
常にスオラのおとなの女性用の民族衣装を着ている。
備考 猟銃の扱いもお手の物だが、得意なのはナイフで、イルタが狩ってきた獣を解体するのは彼女の仕事。肉は料理に、皮は売り物に。ちなみに料理の腕は良い。
聖隷教の教会で育ったが、『ラウハ村の悲劇』でみんな殺されてしまったことから、「神様なんかいなかった」と言って棄教。かと言っていまさらスオラの神話や民間伝承に浸かることもできず、宗教的には宙ぶらりんの珍しい思想の持ち主。
一人称:わたし、二人称:お前(同い年~年下)、あんた(年上)、名前が分かるひとは呼び捨て、機嫌が悪いとテメエとか貴様とか。エーデマルク語が苦手で、スオラ語以外は喋れないも同然。一人称こそ「わたし」を使っているが、基本的には男ことばで、ルスカとタルヴィが喋っているのを聞いているイルタがたまに「ルスカの方が女の子に聞こえる……」と嘆いている。
人間関係 イルタの『二番目』の伴侶、後妻。イルタとそのきょうだい、おまけにルスカは幼馴染であり、特にルスカとは小さい頃よく取っ組み合いの喧嘩をした悪友。ベルンドは、なんか何となく全体的にムカつくが、イルタを守ろうという方針でだけは一致しているので、仕方なく休戦協定にある。ちなみに二人の関係にも薄々勘づいてはいるが、イルタを傷つけたくないので何も言わない。



経歴


 19年前のとある冬の夜、旧スオラ属州南部地方ラウハ村(現スオラ自治州エテラ県ラウハ村)にあった聖隷教の教会の前に捨てられているのを発見され、聖隷教の牧師夫妻が経営していた孤児院で育てられる。両親は不明、ラウハ村の者ではないことだけは確か。捨て子であったことから周囲に偏見の目で見られていたため、物心がついた時から冷めた目で周囲を見る子になっていた。孤児院の中でも腕っ節が良く乱暴な振る舞いをすることが多かったので、友達ができず、牧師夫妻も手を焼く日々。
 そんな中で唯一心を開いていた相手が、たまに訪れるイルタだった。孤児たちにも分け隔てなく接し、一匹狼を気取っていたタルヴィにも積極的に声をかけてきた美しいこどものイルタに淡い恋心を抱き、小さい頃から「おとなになったらイルタを嫁に貰いたい」などと思ってはいた。6歳の歳の差がどうにもならないこと、イルタの取り巻き代表でありイルタのいとこでもあるルスカと取っ組み合いの喧嘩をしても勝てないことから、仕方なく諦める。ルスカとお互いに「将来は絶対男になってお前を思いきりぶん殴ってやるからお前も絶対男になれよ」と言い合う。男性化することを念頭に置いて髪を短くし、牧師夫妻の言いつけに背いて銃や刃物の扱いを練習する。
 11歳の時、イルタが村の中で特に親しかったケサと婚約する。分かっていたことではあったが、はてしなく落ち込む。しかもなぜかイルタの方が男性化したのでわけが分からないとルスカとこそこそ話をする。未だにイルタとケサの間で何があったのかは不明。
 13歳の時、スオラ内戦が勃発。その年のうちにいわゆる『ラウハ村の悲劇』が起こり、教会に火が放たれ、隣接していた孤児院も焼け落ちる。牧師夫妻は最後までこどもたちの助命を嘆願していたが、エーデマルク兵が殺害。孤児たちのうち、半数は森に逃げられたものの、半数はその場で殺害もしくは焼死。タルヴィは年長者として乳幼児たちを抱えて森に逃げ込んだため生き残る。しかし、翌朝ラウハ村全体の惨状を把握して、さすがにショックを受け、動揺。しかも、犠牲者の中にケサが含まれていることを知り、エーデマルク兵の返り血で真っ赤に染まったイルタを見て、絶望する。
 ラウハ村のおとなの男たちがエーデマルクへの復讐を誓って出ていく中、おとなの女たちがタルヴィを始めとするこどもたちを連れてグランダシアに逃げることを提案。しかし、元より他の村人たちを信用していなかったタルヴィは、あえて村の跡地に残ることを選択。イルタルスカと過ごした村を元に戻すため、わずかに残ったおとなの男たちと村の再建に携わる。
 14歳の時、瞳が赤くなる。しかし、周囲には他にこどもがいなかったため、恋をすることもできず、悶々として過ごす。何となく、イルタも男になったし、村からおとなの女が減ったことを考えて、男になろうと誓った気持ちが揺らいでいき、おとなの女たちに倣って髪を伸ばし始める。
 16歳の時、スオラ内戦が終結。ラウハ村の男たちも次々と帰村するが、3年前に家族を喪った記憶や内戦中にエーデマルク兵を殺した記憶に苛まれ、自ら命を断つ若者が続出。同じく心神喪失状態にあった上、ルスカがなぜか戻ってこなかったことから、イルタを心配して、まめにイルタのもとへ足を運ぶようになる。
 それから間もなく、酩酊状態で半ば錯乱していたイルタがむりやりタルヴィを抱いてしまったことから、何の準備もないまま女性化が始まってしまう。村の周囲の人間がイルタに責任を取って再婚するよう勧めているのを知り、これ以上イルタを刺激したくないのでこのまま村の外に出て消えてしまおうかとも考えたものの、分化の身体的な変化の速度とそれに伴う激痛や発熱に耐え切れず途中で倒れる。意識のないうちに村人たちとイルタが勝手に話を進め、タルヴィ本人も知らない間にイルタの後妻に。
 以来、ずっとイルタと暮らしているが、初恋の相手でもあり生まれて初めてにして今や唯一の家族となったイルタから離れることなどできず、かと言って他の村人たちを頼ることもできぬまま。村の人口が減ってしまったので、村人たちから言外に早く子供を作るよう圧力をかけられているのと、イルタ自身がケサを忘れられなかったり男になりたがっていたタルヴィを女にしてしまった罪悪感に苛まれたりと情緒不安定が続いていて夫婦生活どころではないのとで、実は板挟み状態。たまに様子を見に来るベルンドと同じくたまに里帰りをするルスカぐらいしか親しく話せる相手もいない。しかし、当人の性格とイルタの状態のせいでこの二人にも現状を説明したことはない。
 この1年くらいでようやく慣れ親しんだ森や湖に癒やされてきたのか、イルタの精神状態が徐々に安定しつつあるので、このまま何事もなくうまくいくよう祈っていた。しかし、2、3ヶ月前から月経が止まっていること、最近嘔吐感や倦怠感があることから、もしや、という危機感と焦燥感でいっぱい。でもやっぱり誰にも相談できない。
 最近は、グスタヴに求愛されて悩んでいるとぼやくルスカに「お前がこどもだからあれこれ考えちまうんだ、とっとと抱かれて女性化した方が何もかも解決して全部すっきりだぞ」と言い放ち、イルタに小突かれた。ベルンドだけは唯一タルヴィに「お前の方こそひとのことを言ってる場合じゃねーだろ村の子持ちの女たちに今のうちからいろいろ相談しとけよ」と忠告しているが、やっぱりイルタを刺激したくないので彼もそれ以上口を挟めない。いろいろヤバい。のに、表向きは能天気に、のどかな村の暮らしを続けている。





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最終更新:2015年11月09日 11:32