何も考えたくないし、動きたくもない。
敗北に打ちひしがれ、恐怖に怯える藤波木陰は、行動も思考も放棄したまま、ただうずくまっていた。
目の前にある現実を直視する気力なんかもう残っていない。
これ以上何かあったら本当に折れてしまう。
ひび割れて砕ける寸前の心を守るには、“何もしない”以外に彼女にできることは無かった。
目の前にある現実を直視する気力なんかもう残っていない。
これ以上何かあったら本当に折れてしまう。
ひび割れて砕ける寸前の心を守るには、“何もしない”以外に彼女にできることは無かった。
『木陰ちゃんは死なない、俺たちが守るからな!!』
あの時、笑ってそう言ってくれた諸木と、深瀬の姿が脳裏に浮かぶ。
あの時、笑ってそう言ってくれた諸木と、深瀬の姿が脳裏に浮かぶ。
「おまえら、そう言ってたじゃねーかよ……」
そう呟く孤独な少女に助けの手が差し伸べられることはなく、ただ時間だけが過ぎていく。
そう呟く孤独な少女に助けの手が差し伸べられることはなく、ただ時間だけが過ぎていく。
だが、無情な周囲環境と自分の生態機能が、彼女にそのままでいることを許さない。
突然に強風が吹きつけ、身体がひときわ強く震える。それと共に、鎮痛剤で抑え込んでいた全身の傷と左耳の痛みがじんわりと蘇り始めた。
脳を圧迫するような不快な鈍痛と、全身を小さい針で刺され続けるような痛みで、弱った精神が更に擦り減らされる。
そのうえ深夜の寒風が、少なくない血を失った身体から容赦なく体温を奪っていく。
恐怖と寒さで体の震えは強くなるばかりだ。先ほどから歯の根もまったく合わない。
このままでは低体温症にもなりかねない。
突然に強風が吹きつけ、身体がひときわ強く震える。それと共に、鎮痛剤で抑え込んでいた全身の傷と左耳の痛みがじんわりと蘇り始めた。
脳を圧迫するような不快な鈍痛と、全身を小さい針で刺され続けるような痛みで、弱った精神が更に擦り減らされる。
そのうえ深夜の寒風が、少なくない血を失った身体から容赦なく体温を奪っていく。
恐怖と寒さで体の震えは強くなるばかりだ。先ほどから歯の根もまったく合わない。
このままでは低体温症にもなりかねない。
「……ちっく、しょぉ……」
できればこのまま石のように固まっていたい。でも、死ぬのはもっと嫌だった。
敗北感と絶望を、死への恐怖で強引に押しのける。
涙を浮かべながらザックを開け、震える手で地図を取り出す。
行動を開始しようとした矢先にあの少年に襲われた為、地図を詳しく見ている時間は無かった。
とにかく逃げ場を探さなければ。そう祈りながら地図を広げた。
できればこのまま石のように固まっていたい。でも、死ぬのはもっと嫌だった。
敗北感と絶望を、死への恐怖で強引に押しのける。
涙を浮かべながらザックを開け、震える手で地図を取り出す。
行動を開始しようとした矢先にあの少年に襲われた為、地図を詳しく見ている時間は無かった。
とにかく逃げ場を探さなければ。そう祈りながら地図を広げた。
「あっ………」
暗かった彼女の眼にわずかながら光が灯った。
暗かった彼女の眼にわずかながら光が灯った。
地図の四隅に記載された場所、“世界の端っこ”。
諸木良太が作り出した、かつて自分達の居場所であった空間である。
しかも他の施設と違い、入り口が複数ある。つまり、どこからでも向かいやすいということだ。
反面、それは他の人間も侵入しやすいというデメリットでもあるのだが、
今の彼女は逃げ穴を探す手負いの兎だ。そこまで考える精神的な余裕は無い。
何にせよ、深瀬も自分との合流を目指してここに向かう可能性は充分にある。
可能性が見えたことで、わずかに表情がほころぶ。
諸木良太が作り出した、かつて自分達の居場所であった空間である。
しかも他の施設と違い、入り口が複数ある。つまり、どこからでも向かいやすいということだ。
反面、それは他の人間も侵入しやすいというデメリットでもあるのだが、
今の彼女は逃げ穴を探す手負いの兎だ。そこまで考える精神的な余裕は無い。
何にせよ、深瀬も自分との合流を目指してここに向かう可能性は充分にある。
可能性が見えたことで、わずかに表情がほころぶ。
では、どうやってここまで行くか。
ルーラストーンでランダムに転移した為、そもそも今自分のいる位置が分からない。
周りを見渡すと、東の方向、そう遠くないところに巨大な城があった。
恐らく地図でいうアレクサンドリア城だろう。
つまり……
「――――ド真ん中じゃねえかよっっ!!!!」
激情のままに地図をくしゃくしゃに丸め、地面に叩きつけた。
ルーラストーンでランダムに転移した為、そもそも今自分のいる位置が分からない。
周りを見渡すと、東の方向、そう遠くないところに巨大な城があった。
恐らく地図でいうアレクサンドリア城だろう。
つまり……
「――――ド真ん中じゃねえかよっっ!!!!」
激情のままに地図をくしゃくしゃに丸め、地面に叩きつけた。
自分が現在位置は、座標で言えばD-4。
地図のほぼ中心であり、“世界の端っこ”のどこの入り口からも遠い。
早々に傷を負い、支給品も一つ失い、精神的にも折れかけている自分がそこまで辿り着けるビジョンが見えない。
手にしたと思った希望があっという間に転げ落ちていく。
木陰は、半ば放心状態になって崩れ落ち、
地図のほぼ中心であり、“世界の端っこ”のどこの入り口からも遠い。
早々に傷を負い、支給品も一つ失い、精神的にも折れかけている自分がそこまで辿り着けるビジョンが見えない。
手にしたと思った希望があっという間に転げ落ちていく。
木陰は、半ば放心状態になって崩れ落ち、
「…………助けてくれよ、深瀬、諸木…………」
そう、ぽつりと呟いた。
そう、ぽつりと呟いた。
◆
「――――そこに誰かいるのか?」
◆
「――――っっ!!??」
突然暗がりの中から響いてきた声に、心臓が跳ね上がった。
心の準備が全くできていない。パニックで頭がどうかしそうになる。
混乱している間にもそいつはどんどん近づいてきている。
無害な人間ならいい。だがもし、アイツみたいな危険な奴だったら……
突然暗がりの中から響いてきた声に、心臓が跳ね上がった。
心の準備が全くできていない。パニックで頭がどうかしそうになる。
混乱している間にもそいつはどんどん近づいてきている。
無害な人間ならいい。だがもし、アイツみたいな危険な奴だったら……
「あ、安心してくれよ。俺は殺し合いなんてするつもりはねえから……」
そんな言葉は耳に入らず、人影が見えた瞬間、木陰はそれに向かって反射的に能力を発動させていた。
「うわわわ!? なんだこれ!?」
「そこを動くなっ!! 両手を上げろぉっ!!!」
「そこを動くなっ!! 両手を上げろぉっ!!!」
木陰の警告に、来訪者は、おずおずと手を上げた。
現れたのは、少年だった。
学ランを着ており、背は低めで童顔、活発そうだが攻撃的な気配はまるでない。
木陰の受けた印象は『どこにでもいる普通の男子』。
自分の仲間である深瀬とは、何から何までまるで正反対だ。
学ランを着ており、背は低めで童顔、活発そうだが攻撃的な気配はまるでない。
木陰の受けた印象は『どこにでもいる普通の男子』。
自分の仲間である深瀬とは、何から何までまるで正反対だ。
彼の両脚には、先ほど生み出したツル植物が巻き付いている。
頭を働かす余裕は無かったので麻痺毒などは仕込めていない。
簡単には動けないだろうが、男なら思い切り力を込めれば引き千切られる程度だ。
その程度の拘束だが、本当に目の前の相手に敵意が無いなら、まだ警戒行為として言い訳が効くレベルだろう。
結果的には正解だったかも知れない。
何にせよ、まずは情報を聞き出さないと。
頭を働かす余裕は無かったので麻痺毒などは仕込めていない。
簡単には動けないだろうが、男なら思い切り力を込めれば引き千切られる程度だ。
その程度の拘束だが、本当に目の前の相手に敵意が無いなら、まだ警戒行為として言い訳が効くレベルだろう。
結果的には正解だったかも知れない。
何にせよ、まずは情報を聞き出さないと。
「最初に確認しとく。殺し合いに乗ってねえってのは本当だろうな!?」
「だからさっき言った……」
「だからさっき言った……」
そこまで言って、少年の表情が固まる。恐らくこちらの様子に気が付いたらしい。
「待てよ! その傷、どうしたんだよ!?」
「うるせえ!! まずはこっちの質問に答えろバカ!!!」
「んなこと言ってる場合じゃねえだろ! そうだ、いいものがあるからちょっと待ってろ!」
そう言って少年はポケットを探り出す。
手を挙げろと言ってる相手を前に堂々とそんなことを仕出かし始め、逆に木陰の方が血の気が引いた。
「バッ…… バカかお前! 手を動かすなっつってんだよっっ!!」
「違うから! ほらこれ! これ使ってくれよ!! 薬、らしいからさ!!」
そう言うと、少年は赤いスプレーのようなものを取り出し、地面に置いた。
「うるせえ!! まずはこっちの質問に答えろバカ!!!」
「んなこと言ってる場合じゃねえだろ! そうだ、いいものがあるからちょっと待ってろ!」
そう言って少年はポケットを探り出す。
手を挙げろと言ってる相手を前に堂々とそんなことを仕出かし始め、逆に木陰の方が血の気が引いた。
「バッ…… バカかお前! 手を動かすなっつってんだよっっ!!」
「違うから! ほらこれ! これ使ってくれよ!! 薬、らしいからさ!!」
そう言うと、少年は赤いスプレーのようなものを取り出し、地面に置いた。
……流石にここまでくれば、コイツがどんな奴なのか自分でも分かる。
地面に置かれたスプレーを拾うと、彼の脚を拘束していた蔓をゆっくりと外した。
地面に置かれたスプレーを拾うと、彼の脚を拘束していた蔓をゆっくりと外した。
「こいつは使わせてもらう。あと、アンタが殺し合いに乗ってねえのとバカだってのはよーく分かった。
傷の手当てするから少し待ってろ」
「お、おう。落ち着いたなら声かけてくれよ」
傷の手当てするから少し待ってろ」
「お、おう。落ち着いたなら声かけてくれよ」
そう言って物陰に消える少年を見届けると、
木陰は一際大きく溜息を吐いた後、あらためて少年の置いていった薬とやらを眺めてみた。
説明書によると、スプレー式の傷薬であることは確からしい。
――――だが、この薬の名前を見て、木陰の表情は凍りついた。
木陰は一際大きく溜息を吐いた後、あらためて少年の置いていった薬とやらを眺めてみた。
説明書によると、スプレー式の傷薬であることは確からしい。
――――だが、この薬の名前を見て、木陰の表情は凍りついた。
『すごいキズぐすり』
……………………呆れや怒りを通り越して笑えて来た。
どんなネーミングセンスだよ。コレ作ったのどこだ。シルフカンパニー? 知らねーし。
百均のド安物でもこんな名前にはしねーだろ。
よりにもよって“秘薬創造”の魔法を使える私にこんな意味不明な薬を使えってのか。
ポケモン用とか書いてあるけど本当に人間に使えるのかよ。
これで全然効かなかったらアイツ覚悟しとけ……
木陰は罵倒の言葉を頭の中で羅列しながら、薬を傷口に吹きかけた。
どんなネーミングセンスだよ。コレ作ったのどこだ。シルフカンパニー? 知らねーし。
百均のド安物でもこんな名前にはしねーだろ。
よりにもよって“秘薬創造”の魔法を使える私にこんな意味不明な薬を使えってのか。
ポケモン用とか書いてあるけど本当に人間に使えるのかよ。
これで全然効かなかったらアイツ覚悟しとけ……
木陰は罵倒の言葉を頭の中で羅列しながら、薬を傷口に吹きかけた。
◇
「さすがに、手を挙げろって言われてんのにアレはまずかったかなあ……」
藤波木陰の前に現れた少年・広瀬岬一は、興奮する心臓を抑えながら深呼吸していた。
あそこまでやらかした自分に危害を加えなかったことから、あの兎パーカーの子は殺し合いには乗っていないと知れたのは良かった。
だが、それは結果論だ。自分でも相当に無茶をした自覚はある。反省はしないといけない、と思う。
――それでも、全身傷だらけで、追い詰められた眼をしていた彼女の姿はあまりに痛々しくて、とても放ってはおけなかった。
あそこまでやらかした自分に危害を加えなかったことから、あの兎パーカーの子は殺し合いには乗っていないと知れたのは良かった。
だが、それは結果論だ。自分でも相当に無茶をした自覚はある。反省はしないといけない、と思う。
――それでも、全身傷だらけで、追い詰められた眼をしていた彼女の姿はあまりに痛々しくて、とても放ってはおけなかった。
「おい」
「ん?」
物陰から、さっきの少女が呼ぶ声が聴こえた為、立ち上がる。
「良くなったのか? もうそっち行っていいのか?」
「……ああ。クッソ不本意だけど、だいぶ治った。意味分からないくらいの即効性だった。
だから礼代わりに、話だけはしてやる」
「ん?」
物陰から、さっきの少女が呼ぶ声が聴こえた為、立ち上がる。
「良くなったのか? もうそっち行っていいのか?」
「……ああ。クッソ不本意だけど、だいぶ治った。意味分からないくらいの即効性だった。
だから礼代わりに、話だけはしてやる」
こうして、2人の少年少女は再び向き合った。
結果的にだが、先ほどのやり取りで互いに殺し合いに乗っていないのは自明になった為、
互いに警戒心を緩め、会話が始まった。
結果的にだが、先ほどのやり取りで互いに殺し合いに乗っていないのは自明になった為、
互いに警戒心を緩め、会話が始まった。
「んじゃま、初めは自己紹介かな。俺は広瀬岬一。青箱高校の1年」
「…………藤波木陰。
最初に質問。お前、ここで深瀬黒って奴に会わなかったか?」
「いや、そもそも誰かに会うのは君が初めてで……」
その返事を聞いた木陰はあからさまに大きくため息を吐いた。
だが、始まってあまり時間も経っていないのだから、それも仕方ないだろう。
「…………藤波木陰。
最初に質問。お前、ここで深瀬黒って奴に会わなかったか?」
「いや、そもそも誰かに会うのは君が初めてで……」
その返事を聞いた木陰はあからさまに大きくため息を吐いた。
だが、始まってあまり時間も経っていないのだから、それも仕方ないだろう。
「んじゃ今度こっちからいいか? どうしてそんな怪我をしたんだ? 誰かに襲われたのか?」
岬一の問いに、木陰は黙って頷く。あの時のことを思い出し、再び手が震えだす。
「……無茶苦茶な奴だった。仮面を被った鬼みたいのを連れてた。
お前が想像する“危険人物”の何十倍もやばい奴だと思え。
お前みたいなフツーの奴がどうこうできる相手じゃねーよ。はっきり言って……」
「あ、すまねえ、そんなこと思い出させて……」
岬一の問いに、木陰は黙って頷く。あの時のことを思い出し、再び手が震えだす。
「……無茶苦茶な奴だった。仮面を被った鬼みたいのを連れてた。
お前が想像する“危険人物”の何十倍もやばい奴だと思え。
お前みたいなフツーの奴がどうこうできる相手じゃねーよ。はっきり言って……」
「あ、すまねえ、そんなこと思い出させて……」
語るうちに呼吸が浅くなり、血の気も引き始めた木陰の様子を見て、岬一は話を中断させようとする。
が、木陰の口は止まらない。
が、木陰の口は止まらない。
「でさ、お前、人と人との殺し合いなんて知らねえだろ?
私がどんな人間だか分かってもいないのに警戒もしねえで」
「だ、だけどさ…… あの時のお前の様子見てりゃあ、そりゃあ」
「話が終わったら、一緒に行こうぜ、とか言うつもりだったか?」
「……ああ」
「そうかよ。よーするに、お前は―――― “他人(ひと)に優しくできる奴”、なんだな」
「ど――」
どういう意味だよ、と言いかけて、岬一は固まる。
木陰がこちらを睨みつけていた。
その瞳は、岬一が今まで見たことのない、深く黒い色をしていた。
私がどんな人間だか分かってもいないのに警戒もしねえで」
「だ、だけどさ…… あの時のお前の様子見てりゃあ、そりゃあ」
「話が終わったら、一緒に行こうぜ、とか言うつもりだったか?」
「……ああ」
「そうかよ。よーするに、お前は―――― “他人(ひと)に優しくできる奴”、なんだな」
「ど――」
どういう意味だよ、と言いかけて、岬一は固まる。
木陰がこちらを睨みつけていた。
その瞳は、岬一が今まで見たことのない、深く黒い色をしていた。
◇
藤波木陰が見る限り、広瀬岬一は、諸木良太に近い人間に思えた。
バカで、間が抜けていて、お人好し。
だが、広瀬岬一と諸木良太は決定的に違う点がある。
諸木も穏やかで社交的であるが、それでもib能力者だ。
木陰は諸木の過去を詳しく知らないが、彼もまた普通の生活を送ることのできない、
世界に対する悪意を背負った人間であることは直感的に感じ取っている。
バカで、間が抜けていて、お人好し。
だが、広瀬岬一と諸木良太は決定的に違う点がある。
諸木も穏やかで社交的であるが、それでもib能力者だ。
木陰は諸木の過去を詳しく知らないが、彼もまた普通の生活を送ることのできない、
世界に対する悪意を背負った人間であることは直感的に感じ取っている。
だが、広瀬岬一は違う。こいつは本当の意味で真っ当で優しい人間なのだ。
自分はこの殺し合いが始まった時、殺し合いに乗らない人間を探して古砂夢の真意を糾そうと、漠然と考えていた。
だが、なんでこんな肝心なことを忘れていたんだろう。
藤波木陰とは、マリアドラッグで多くの人間を狂わせ、どんな形であれ人を殺し、世界を終わらせようとした人間じゃないか。
普通の人間に受け入れられる資格など、ある訳が無い。
深瀬や諸木のように、心の闇を互いに感じ取り、その重さや辛さを共有できる人間なら、まだ一緒になってもいい。
だが、広瀬岬一のような人間は、藤波木陰にとって―――― 眩しすぎる。
だが、なんでこんな肝心なことを忘れていたんだろう。
藤波木陰とは、マリアドラッグで多くの人間を狂わせ、どんな形であれ人を殺し、世界を終わらせようとした人間じゃないか。
普通の人間に受け入れられる資格など、ある訳が無い。
深瀬や諸木のように、心の闇を互いに感じ取り、その重さや辛さを共有できる人間なら、まだ一緒になってもいい。
だが、広瀬岬一のような人間は、藤波木陰にとって―――― 眩しすぎる。
「お前の知り合い、ここに呼ばれてんのかよ」
木陰の問いに、岬一は黙って頷く。
その様子を見た木陰は一気に噛み付いた。
「――――なら、私なんかよりそっちを助けてやれよ!!
分かったろ!? ここには人殺しなんか何とも思わない奴がゴロゴロいるんだよ!!」
木陰の問いに、岬一は黙って頷く。
その様子を見た木陰は一気に噛み付いた。
「――――なら、私なんかよりそっちを助けてやれよ!!
分かったろ!? ここには人殺しなんか何とも思わない奴がゴロゴロいるんだよ!!」
少女の端正な顔が歪んでいく。
ナイフのような言葉が喉奥から溢れ出てくる。
ナイフのような言葉が喉奥から溢れ出てくる。
「お前みたいに平和ボケした奴の知り合いじゃ、いつ殺されてもおかしくないぜ!!
いや、もしかしたらもう殺されてるかもしれねえなあ!?
私なんかにお節介焼いてた所為で間に合わなかったら、もう笑うしかねえじゃねえかよ!!
そうなったらお前はどんなツラして詫びるんだよ!? ハハハハハハハハハハ!!!」
いや、もしかしたらもう殺されてるかもしれねえなあ!?
私なんかにお節介焼いてた所為で間に合わなかったら、もう笑うしかねえじゃねえかよ!!
そうなったらお前はどんなツラして詫びるんだよ!? ハハハハハハハハハハ!!!」
悪意に満ちた言葉を吐きながら笑うその姿とは裏腹に、少女の心は冷めきっていた。
分かっている。分かってはいるんだ。
今自分のやっていることは、生き残りを考えるなら完全に悪手だ。
追い詰められているのは自分なのだから、善意は素直に受け取るべきだ。
気に入らなくとも適当に話を合わせて、深瀬や、もし来ているなら諸木と合流するまで耐えればいいだけの話だ。
ここで広瀬岬一を挑発することで自分が得することなど、はっきり言って何もない。
今自分のやっていることは、生き残りを考えるなら完全に悪手だ。
追い詰められているのは自分なのだから、善意は素直に受け取るべきだ。
気に入らなくとも適当に話を合わせて、深瀬や、もし来ているなら諸木と合流するまで耐えればいいだけの話だ。
ここで広瀬岬一を挑発することで自分が得することなど、はっきり言って何もない。
でも、駄目なんだ。
優しい人にみっともなくも妬みと羨望を向ける自分を、
この期に及んで他人を傷つけようとしている自分を、藤波木陰は許すことが出来ない。
広瀬岬一は何も悪くない。悪いのは全部自分自身だ。
善意を受け入れる勇気も無い。
他人を利用するしたたかさも無い。
心の底から助けを求めながら、いざ手が差し伸べられれば拒絶する。
そんな、中途半端な人間だ。
私は多分この先も間違い続けるだろう。
優しい人にみっともなくも妬みと羨望を向ける自分を、
この期に及んで他人を傷つけようとしている自分を、藤波木陰は許すことが出来ない。
広瀬岬一は何も悪くない。悪いのは全部自分自身だ。
善意を受け入れる勇気も無い。
他人を利用するしたたかさも無い。
心の底から助けを求めながら、いざ手が差し伸べられれば拒絶する。
そんな、中途半端な人間だ。
私は多分この先も間違い続けるだろう。
……だから、そんな私にお前が付き合う必要はない。
お前の優しさは私なんかに使うもんじゃない。
取り返しが付かなくなる前に、お前の大切な人のところに行ってやれ――
お前の優しさは私なんかに使うもんじゃない。
取り返しが付かなくなる前に、お前の大切な人のところに行ってやれ――
――それが、彼女の言葉の裏にある真意。
藤波木陰が示すことができる、あまりにも不器用な、精一杯の優しさ。
藤波木陰が示すことができる、あまりにも不器用な、精一杯の優しさ。
「…………行けよ、ほら」
抱える想いを吐き出し終えた木陰は、“他人(ひと)に優しくできる少年”にそう促した。
◆
客観的に見ても、広瀬岬一は藤波木陰の言う通り、“普通の優しい人間”と言えるだろう。
無論、彼の人生に不幸が無かったわけではない。
幼い時に両親を失い、兄の凪も大人になるまで生きられないと聞いている。
だがそれでも、祖父やもう一人の兄から愛情を受けて育ち、友人にも恵まれ、健全かつ真っ当に生きてきた。
悪意によって能力に目覚めるib能力者の、いわば対極に位置すると言っていい。
幼い時に両親を失い、兄の凪も大人になるまで生きられないと聞いている。
だがそれでも、祖父やもう一人の兄から愛情を受けて育ち、友人にも恵まれ、健全かつ真っ当に生きてきた。
悪意によって能力に目覚めるib能力者の、いわば対極に位置すると言っていい。
広瀬岬一と藤波木陰は、あまりにも生きてきた世界が違いすぎた。
藤波木陰から見れば広瀬岬一は眩しすぎるし、広瀬岬一に藤波木陰の抱える闇は分からない。
例え今、広瀬岬一が藤波木陰の過去を全て知ったとしても、
その裏に渦巻く感情を―― 人に優しくできない、人を傷つけることしかできない人間の苦悩を、理解することはできないだろう。
藤波木陰から見れば広瀬岬一は眩しすぎるし、広瀬岬一に藤波木陰の抱える闇は分からない。
例え今、広瀬岬一が藤波木陰の過去を全て知ったとしても、
その裏に渦巻く感情を―― 人に優しくできない、人を傷つけることしかできない人間の苦悩を、理解することはできないだろう。
結局は藤波木陰の言う通りなのだ。
共に過ごした時間もない。恩義を受けたわけでもない。彼女の闇を理解できているわけでもない。
あるのは、偶然出会った傷ついた少女を可哀そうだから助けたという、一方的な同情だけ。
それゆえに、広瀬岬一は、藤波木陰の仲間になることはできない。
共に過ごした時間もない。恩義を受けたわけでもない。彼女の闇を理解できているわけでもない。
あるのは、偶然出会った傷ついた少女を可哀そうだから助けたという、一方的な同情だけ。
それゆえに、広瀬岬一は、藤波木陰の仲間になることはできない。
“ひとりぼっちになっちゃったよう……!”
そう言って泣く侵略者の女の子に、『仲間にして』と語りかけたときとは違うのだ。
…………それでも。
そうであったとしても。
黙りこくっていた岬一の口が、静かに開いた。
「お前はさ」
「……なんだよ」
「俺のこと、優しい人間って言ってたよな」
「……違うのかよ」
「そうか、優しい人間かよ。くっくっくっくっく…………」
「え……?」
「お前はさ」
「……なんだよ」
「俺のこと、優しい人間って言ってたよな」
「……違うのかよ」
「そうか、優しい人間かよ。くっくっくっくっく…………」
「え……?」
突然ニヤリと笑い、不気味な声を発し始めた岬一に、木陰は困惑する。
読めない。こいつが何を考えているのか分からない。
読めない。こいつが何を考えているのか分からない。
「残念だが、それは完全な間違いだぜ。何故なら……」
そう言って岬一は身を翻すと、
そう言って岬一は身を翻すと、
「俺は、地球侵略を企む宇宙人の仲間だからさ!!!!」
人差し指を天に向け、ばばーんとでも効果音が鳴りそうなポーズをキメた。
木陰は固まっていた。
意味が分からない。頭が理解を拒否している。
そんな木陰の前で、岬一は胡坐をかき、両膝をぱんと叩く。
意味が分からない。頭が理解を拒否している。
そんな木陰の前で、岬一は胡坐をかき、両膝をぱんと叩く。
「だからさ、ずるいやり方でも別にOKってことにする!!」
「な、な、訳分からないこと言い出すんじゃねえ!!
それになんだよ! お前の知り合いは見捨てるって言うのかよ!!」
「だから、ずるいやり方をするんだよ!
ついでになんか勘違いしてるみたいなんで言っとくけどな、俺だって全部が全部考えて動けてたわけじゃないんだぞ!
薬上げた時だってそうだ! 急に涙目浮かべてボロボロの女の子と会って、話そうとしたら脚縛られて手を挙げろって脅されて!
はっきり言って半分パニクってたし!!」
「涙目って、な、泣いてなんか、なかっただろっ!?」
「あと、自分を見捨てろって言うけどなあ! 言われた方からすれば結構きついもんがあるからな!!」
「じゃあどうすんだ。どっちも見捨てないなんて都合のいい選択肢はないぜ」
「分かってるよ。でもそうだとしてもな、先輩達を取っても、君を取っても、どっちにしろ俺は後悔すると思う!!
「……それで? 自分一人だけ生き残ろうってのかよ」
「だから提案する。とりあえず、休もうぜ」
「な、な、訳分からないこと言い出すんじゃねえ!!
それになんだよ! お前の知り合いは見捨てるって言うのかよ!!」
「だから、ずるいやり方をするんだよ!
ついでになんか勘違いしてるみたいなんで言っとくけどな、俺だって全部が全部考えて動けてたわけじゃないんだぞ!
薬上げた時だってそうだ! 急に涙目浮かべてボロボロの女の子と会って、話そうとしたら脚縛られて手を挙げろって脅されて!
はっきり言って半分パニクってたし!!」
「涙目って、な、泣いてなんか、なかっただろっ!?」
「あと、自分を見捨てろって言うけどなあ! 言われた方からすれば結構きついもんがあるからな!!」
「じゃあどうすんだ。どっちも見捨てないなんて都合のいい選択肢はないぜ」
「分かってるよ。でもそうだとしてもな、先輩達を取っても、君を取っても、どっちにしろ俺は後悔すると思う!!
「……それで? 自分一人だけ生き残ろうってのかよ」
「だから提案する。とりあえず、休もうぜ」
木陰は、一瞬何を言われたのか分からなかった。
「休む……?」
「君さ、はっきり言って滅茶苦茶疲れてるだろ。身体もそうだけど、心もさ。
多分このまま動いても、良い結果にはならないと思うんだよ」
「…………ちっ」
木陰は舌打ちしたが、否定はしない。実際、今の自分が冷静な判断力を失っているという自覚はあった。
「君さ、はっきり言って滅茶苦茶疲れてるだろ。身体もそうだけど、心もさ。
多分このまま動いても、良い結果にはならないと思うんだよ」
「…………ちっ」
木陰は舌打ちしたが、否定はしない。実際、今の自分が冷静な判断力を失っているという自覚はあった。
「だからさ、一緒にどこか安全なとこ探して、休むんだよ。
まず頭すっきりさせて、それから先はその後に考える。それでいいだろ……?」
木陰を真剣な表情で見つめながら、岬一はそう言った。
まず頭すっきりさせて、それから先はその後に考える。それでいいだろ……?」
木陰を真剣な表情で見つめながら、岬一はそう言った。
岬一が出した答え、それは妥協と先送りだった。
広瀬岬一は藤波木陰の仲間にはなれないし、本気で彼女を助けると言うには付き合いが薄すぎる。
だが、決裂する必要もないのだ。
疲れ果て、追い詰められた女の子にまず休息の場所を探してやる。それから先のことは、後で。
中途半端だけれども、これが岬一なりに考えた末の選択だった。
広瀬岬一は藤波木陰の仲間にはなれないし、本気で彼女を助けると言うには付き合いが薄すぎる。
だが、決裂する必要もないのだ。
疲れ果て、追い詰められた女の子にまず休息の場所を探してやる。それから先のことは、後で。
中途半端だけれども、これが岬一なりに考えた末の選択だった。
「…………本当に、お前はっ…………」
木陰は下を向いていた。岬一の出した答えを批判する言葉は幾らでも頭の中に沸いてくる。
でも、声が出なかった。胸が詰まって、頭の中がどうにかしてしまいそうだ。
木陰は下を向いていた。岬一の出した答えを批判する言葉は幾らでも頭の中に沸いてくる。
でも、声が出なかった。胸が詰まって、頭の中がどうにかしてしまいそうだ。
「っ……」
頭を抱えて呻く。でも、大丈夫、これはただの眠気だ。
岬一との話を続ける中で、木陰の張りつめていた心がわずかに緩んだ。
それを合図に、疲労した肉体と擦り減らした精神から、休息を求める信号が脳に向かって一気に押し寄せてきたのだ。
でも、この眠気は救いだ。このごちゃごちゃした感情を、一時でも忘れさせてくれるから。
頭を抱えて呻く。でも、大丈夫、これはただの眠気だ。
岬一との話を続ける中で、木陰の張りつめていた心がわずかに緩んだ。
それを合図に、疲労した肉体と擦り減らした精神から、休息を求める信号が脳に向かって一気に押し寄せてきたのだ。
でも、この眠気は救いだ。このごちゃごちゃした感情を、一時でも忘れさせてくれるから。
「お、おい、大丈夫か?」
「……何でもねーよ、ただ、めっちゃ眠くなっただけ。くっそ、お前が休めなんていうから……」
「そ、それならいいけど、歩けるか?」
「…………無理っぽい」
「だーーーーっ!! じゃあ俺が場所を探して寝かしてやっから! そっから先は後で考える!! それでいいよな!!」
「…………好きにしろよ」
そう言い終えると、藤波木陰の意識はまどろみの中に落ちた。
「……何でもねーよ、ただ、めっちゃ眠くなっただけ。くっそ、お前が休めなんていうから……」
「そ、それならいいけど、歩けるか?」
「…………無理っぽい」
「だーーーーっ!! じゃあ俺が場所を探して寝かしてやっから! そっから先は後で考える!! それでいいよな!!」
「…………好きにしろよ」
そう言い終えると、藤波木陰の意識はまどろみの中に落ちた。
◇
その後、岬一は地図を広げ、木陰を安全に寝かせられそうな場所が近くに無いか探した。
行先としてまず考えられるのはアレクサンドリア城だ。寝室の1つや2つあるとは思う。
だが、城の構造なんてさっぱり分からない。
それに、木陰の言うような危険人物が多くいるというなら、
あんな目立つ場所で人を背負いながらあちこち歩き回るというのは避けたい。
行先としてまず考えられるのはアレクサンドリア城だ。寝室の1つや2つあるとは思う。
だが、城の構造なんてさっぱり分からない。
それに、木陰の言うような危険人物が多くいるというなら、
あんな目立つ場所で人を背負いながらあちこち歩き回るというのは避けたい。
そこで、ここより北のD-3にある『ばんだ荘』という施設に向かうことにした。
確か〇〇荘という名前の建物は、アパートや民宿を指す筈だ。
どっちにしろ布団くらいあるだろう。
確か〇〇荘という名前の建物は、アパートや民宿を指す筈だ。
どっちにしろ布団くらいあるだろう。
移動すべく、眠っている木陰を背負う。
その過程で目に入った木陰の体の生々しい傷跡から、
ここが殺し殺される世界なのだということをあらためて思い知らされる。
その過程で目に入った木陰の体の生々しい傷跡から、
ここが殺し殺される世界なのだということをあらためて思い知らされる。
実際、先ほど木陰に見せた姿は半分以上虚勢であり、今もなお内心では葛藤が続いていた。
藤波木陰を助けたいというのも本心なら、大鳥先輩や凪、リコのところに今すぐ飛んでいきたいというのもまた彼の本心なのだ。
特に、身体の弱い凪の安否には、強い焦りと危機感を抱いている。
藤波木陰を助けたいというのも本心なら、大鳥先輩や凪、リコのところに今すぐ飛んでいきたいというのもまた彼の本心なのだ。
特に、身体の弱い凪の安否には、強い焦りと危機感を抱いている。
広瀬岬一はその優しさゆえに、藤波木陰に手を差し伸べた。
だがその優しさの為に、大鳥希や広瀬凪に手が届かなくなるかもしれない。
全てを救える選択肢が存在しない以上、優しい人間はその優しさゆえに、決断するたびに何かしらの後悔を抱えていく。
そして、その決断がいかなる結果を生もうとも、己の責として受け入れるしかないのだ。
だがその優しさの為に、大鳥希や広瀬凪に手が届かなくなるかもしれない。
全てを救える選択肢が存在しない以上、優しい人間はその優しさゆえに、決断するたびに何かしらの後悔を抱えていく。
そして、その決断がいかなる結果を生もうとも、己の責として受け入れるしかないのだ。
(悪い。先輩、凪、リコ。なんとか生きててくれ……)
侵略者の仲間である少年はそう願いながら、眠る少女を背に走り出した。
【D-4/一日目 深夜】
【広瀬岬一@ひとりぼっちの地球侵略】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~2(確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:仲間を集め、殺し合いを止める
1.ばんだ荘で藤波木陰を休ませる
2.大鳥先輩、凪、リコが心配
3.木陰が言う危険人物(スグリ)に対する警戒(※スグリの名前はまだ名簿に載っていないので、名前や顔は確認できていません)
【広瀬岬一@ひとりぼっちの地球侵略】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~2(確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:仲間を集め、殺し合いを止める
1.ばんだ荘で藤波木陰を休ませる
2.大鳥先輩、凪、リコが心配
3.木陰が言う危険人物(スグリ)に対する警戒(※スグリの名前はまだ名簿に載っていないので、名前や顔は確認できていません)
【藤波木陰@ib-インスタントバレット-】
[状態]:過労による睡眠、ダメージ(極小)、身体中に切り傷(ほぼ完治)、左耳欠損(処置済み)、恐怖心(中)、精神消耗
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品×1(確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:何をすればいいか分からない
1.――――
2.世界の端っこに行って深瀬と合流したいが、一人で行ける自信が無い
3.優しい人の仲間になる資格なんか、私には――
4.あの子供(スグリ)にはもう会いたくない。
[状態]:過労による睡眠、ダメージ(極小)、身体中に切り傷(ほぼ完治)、左耳欠損(処置済み)、恐怖心(中)、精神消耗
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品×1(確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:何をすればいいか分からない
1.――――
2.世界の端っこに行って深瀬と合流したいが、一人で行ける自信が無い
3.優しい人の仲間になる資格なんか、私には――
4.あの子供(スグリ)にはもう会いたくない。
【支給品紹介】
【すごいキズぐすり@ポケットモンスター バイオレット】
スプレー式の傷薬。HPを120回復する。
【すごいキズぐすり@ポケットモンスター バイオレット】
スプレー式の傷薬。HPを120回復する。
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