Nの心/人間っていいな ◆Z9iNYeY9a2
定時放送が流れる。
その内容は、道を行く一人と一匹にも少なからぬ影響を与えていた。
その内容は、道を行く一人と一匹にも少なからぬ影響を与えていた。
「そんな…、遠坂さん…」
呼ばれた名は己の教え子の一人、そして士郎の友人であった遠坂凛。
その名が呼ばれた意味、それが分からぬほど彼女は鈍くはない。
なぜ彼女が死ななければならないのか。
大河の頭の中は疑問だらけであった。
その名が呼ばれた意味、それが分からぬほど彼女は鈍くはない。
なぜ彼女が死ななければならないのか。
大河の頭の中は疑問だらけであった。
「プクゥ…」
「プクちゃん?もしかしてあなたの知り合いも…?」
「プクちゃん?もしかしてあなたの知り合いも…?」
ピンプクの仲間も呼ばれたのか、悲しそうに大河の胸に顔をうずめる。
桜の謎の行動、そして呼ばれた教え子。
大河にはもはや何が何だか分からなかった。
桜の謎の行動、そして呼ばれた教え子。
大河にはもはや何が何だか分からなかった。
そんな疑問を持ったまま、やがて目的地である教会の近くへとたどり着いた。
やはり想像通りだったのか、すでにそこは焼け落ちた後だった。
真っ黒になった、かつて教会をなしていたであろう木材が見えるのみだった。もはや誰もいないだろう。
と、立ち去ろうとしたとき、焼け跡の下に人間の手を見た気がした。
やはり想像通りだったのか、すでにそこは焼け落ちた後だった。
真っ黒になった、かつて教会をなしていたであろう木材が見えるのみだった。もはや誰もいないだろう。
と、立ち去ろうとしたとき、焼け跡の下に人間の手を見た気がした。
「!プクちゃん、お願い!!」
「プ、プク!」
「プ、プク!」
ピンプクもそれに気付いたのか、その怪力で次々と木材をどけていく。
「ッ?! プクちゃん!見ちゃダメ!!」
そして、その下から現れたのは男の人の死体だった。
大河は怯えるピンプクをその胸に抱くことでそれが見えることを防いだ。
死体の有様は大河ですら正視に耐えられるようなものではなかった。これは火事に巻き込まれた死体ではない。
右腕はなくなり両脚は折れ、胸の辺りは潰れていて、挙句首の向きがおかしかった。
漫画でしか見たことの無いような、だが確かに現実としてそこにある惨殺死体。
大河は怯えるピンプクをその胸に抱くことでそれが見えることを防いだ。
死体の有様は大河ですら正視に耐えられるようなものではなかった。これは火事に巻き込まれた死体ではない。
右腕はなくなり両脚は折れ、胸の辺りは潰れていて、挙句首の向きがおかしかった。
漫画でしか見たことの無いような、だが確かに現実としてそこにある惨殺死体。
この人もさっきの放送で名前を呼ばれた一人なのだろうか。
大河は、改めてこの異常な状況というものをはっきりと理解した。
大河は、改めてこの異常な状況というものをはっきりと理解した。
「こんな所で落ち込んでいてどうするのよ私…!しっかりしなさい!!」
顔を叩いて喝を入れる。
そうだ。まだ士郎や桜ちゃんも生きているんだ。こんなところでグジグジやっている場合ではない。
目の前の死体には、せめて人目につかないように焼け焦げてボロボロになっているが布を被せる。
そうだ。まだ士郎や桜ちゃんも生きているんだ。こんなところでグジグジやっている場合ではない。
目の前の死体には、せめて人目につかないように焼け焦げてボロボロになっているが布を被せる。
「どうか安らかに眠ることができるよう祈っています…。遠坂さん…、力になれなくてごめんね…」
「プクゥ…」
「プクゥ…」
やることは山積みだが、まずは桜ちゃんを追わなければならない。
だがあの様子では一人で追うのは危険だろう。
桜ちゃんを助けるためなら危険だろうと行く覚悟はある。だが今の彼女はそれだけでどうにかできる状態ではないだろう。
まず誰か協力してくれる人を探したい。こんな危険なことに付き合ってくれる人がいるかどうか分からないが。
ここからあまり離れていないところに何かの店のような施設があるようだ。まずはそこに行く。
だがあの様子では一人で追うのは危険だろう。
桜ちゃんを助けるためなら危険だろうと行く覚悟はある。だが今の彼女はそれだけでどうにかできる状態ではないだろう。
まず誰か協力してくれる人を探したい。こんな危険なことに付き合ってくれる人がいるかどうか分からないが。
ここからあまり離れていないところに何かの店のような施設があるようだ。まずはそこに行く。
「じゃ、気を取り直して!行こう、プクちゃん!」
「プ、プク!!」
「プ、プク!!」
彼女は知らない。その死骸を作ったのは、先ほど出会った少女、間桐桜だということを。
◇
「やっぱり回復アイテムの数は少ないな…」
フレンドリーショップにて、ポケモンを回復させるための道具を探しにきたNとそれに同行する海堂、ルヴィア。
瀕死のリザードンの回復にはげんきのかけら、あるいはかたまりが必要であり、フレンドリーショップであればかけらぐらいはあるはずだった。
そう思っていたのだが、どうやら予想は外れたようだ。
先ほどここに来たときからおかしいとは思っていたのだ。このショップ、回復アイテムの棚が随分奥のほうにある。
そして実際行ってみると、傷薬はある程度あったが、いい傷薬は数個、すごい傷薬に至っては一個しかなかった。げんきのかけらなど影も形もない。
そのくせ、ボール類やスプレー系など、この場においては必要なさそうなものに限ってしっかりと並んでいる。
リザードンをボールから早めに出してやりたいと思っていたが、それまでしばらく時間がかかりそうだ。
瀕死のリザードンの回復にはげんきのかけら、あるいはかたまりが必要であり、フレンドリーショップであればかけらぐらいはあるはずだった。
そう思っていたのだが、どうやら予想は外れたようだ。
先ほどここに来たときからおかしいとは思っていたのだ。このショップ、回復アイテムの棚が随分奥のほうにある。
そして実際行ってみると、傷薬はある程度あったが、いい傷薬は数個、すごい傷薬に至っては一個しかなかった。げんきのかけらなど影も形もない。
そのくせ、ボール類やスプレー系など、この場においては必要なさそうなものに限ってしっかりと並んでいる。
リザードンをボールから早めに出してやりたいと思っていたが、それまでしばらく時間がかかりそうだ。
「話が途中ですわよ」
「ああそうだったね。どこまで話したか…」
「ああそうだったね。どこまで話したか…」
ルヴィアと海堂も一応探してはいたが、どれがどういう道具なのか分からないため探し物はほとんどN任せだった。
それでも時間も惜しい。Nからは質問の答えを聞きながら一応道具を見て回っていた
それでも時間も惜しい。Nからは質問の答えを聞きながら一応道具を見て回っていた
「僕達はね、ポケモンと人間が本当に共に歩める世界を作ろうと思っているんだ」
「その為に彼らを人間から引き離す、と?」
「そう。もし彼らから本当の信頼を得られているならこんなものが無くたって一緒にいられるだろう?」
「ちゅーかよく分かんねーんだけどよ、ポケモンってつまりどういうやつなんだよ?ペットみたいなもんじゃねえの?」
「ペット、というのも少し違うね。
人間は彼らを共存と称して戦わせ、ポケモンを傷つけていながら競うことでお互いを伸ばしあうと言っている。
それはおかしいんだ。彼らと人間は対等の存在でなければならない」
「ピカ、ピカピ!!」
「ああ、違うんだよ。君達のように信頼し合っている者を引き離そうってわけじゃないんだ。
ただ君達のような関係を持ったトレーナーとポケモンってわけでもないんだよ」
「んー、よく分っかんねえなぁ」
「その為に彼らを人間から引き離す、と?」
「そう。もし彼らから本当の信頼を得られているならこんなものが無くたって一緒にいられるだろう?」
「ちゅーかよく分かんねーんだけどよ、ポケモンってつまりどういうやつなんだよ?ペットみたいなもんじゃねえの?」
「ペット、というのも少し違うね。
人間は彼らを共存と称して戦わせ、ポケモンを傷つけていながら競うことでお互いを伸ばしあうと言っている。
それはおかしいんだ。彼らと人間は対等の存在でなければならない」
「ピカ、ピカピ!!」
「ああ、違うんだよ。君達のように信頼し合っている者を引き離そうってわけじゃないんだ。
ただ君達のような関係を持ったトレーナーとポケモンってわけでもないんだよ」
「んー、よく分っかんねえなぁ」
確かに海堂が分からないのも仕方がないだろう、とルヴィアは思う。自分でもよく分からない。
つい数時間前に知った存在が元の世界でどのようなものであるかなど分かろうはずもない。
判断材料はN、そして先ほどのゲーチスの言葉ぐらいである。が、これから判断しても偏った答えしか得られそうにない。
まあこれ以上は彼らの問題だろう。自分達がどうこう言うようなことではない。
ただ、どうも胡散臭い印象はあるが。
つい数時間前に知った存在が元の世界でどのようなものであるかなど分かろうはずもない。
判断材料はN、そして先ほどのゲーチスの言葉ぐらいである。が、これから判断しても偏った答えしか得られそうにない。
まあこれ以上は彼らの問題だろう。自分達がどうこう言うようなことではない。
ただ、どうも胡散臭い印象はあるが。
「どうもここには目当てのものは無いみたいだ。そこまで遠くもないしポケモンセンターまで行こうと思うんだけど、君達はどうするんだい?」
「どうしましょうかしら…?あの女はこちらには来ていないみたいですし…」
「ショージキ俺は結花のことも気になるんだよなー。でも、そのキツネは……っと」
「どうしましょうかしら…?あの女はこちらには来ていないみたいですし…」
「ショージキ俺は結花のことも気になるんだよなー。でも、そのキツネは……っと」
元々あの女を追ってここまで来たのだ。いないとなれば移動したほうがよい。
それにあのゾロアークは言っていたらしい。喋る杖を持った少女と戦わされた、と。
詳しい特徴を聞くと、それは美遊の特徴に当てはまる。戦ったということもありやはり気がかりだ。
だが、そっちに行くにしてもゾロアークの案内を受けるのは難しいだろう。
Nはポケモンセンターとやらに行くと言っている上、ゾロアークは彼にしか心を開いていないようだ。
今でも露骨な警戒心が発せられているのが分かる。
それにあのゾロアークは言っていたらしい。喋る杖を持った少女と戦わされた、と。
詳しい特徴を聞くと、それは美遊の特徴に当てはまる。戦ったということもありやはり気がかりだ。
だが、そっちに行くにしてもゾロアークの案内を受けるのは難しいだろう。
Nはポケモンセンターとやらに行くと言っている上、ゾロアークは彼にしか心を開いていないようだ。
今でも露骨な警戒心が発せられているのが分かる。
と、唐突にゾロアークが何か物音を捕らえたのか、耳を立てて警戒の様子を見せる。
「ゾロアーク、どうしたんだい?…誰か近付いてくるって?」
ガチャッ
と、その直後、フレンドリーショップの扉が開く。
と、その直後、フレンドリーショップの扉が開く。
「あの~、誰かいらっしゃいますでしょうかー?」
「プ?プク!」
「ピカピカ?!」
「プクゥ~!」
「あ、プクちゃん!」
「プ?プク!」
「ピカピカ?!」
「プクゥ~!」
「あ、プクちゃん!」
現れたのは虎縞の長袖と緑のワンピースを纏った女性とピンクの丸い、ポケモンと思わしき生き物だった。
「このピンプクは君の仲間かい?」
「ピカ!」
「プク~」
「よしよし、ここは大丈夫だよ。僕は君の味方だからね」
「ピカ!」
「プク~」
「よしよし、ここは大丈夫だよ。僕は君の味方だからね」
ピンプクは知り合いと会えた喜びと安心感からだろうか、泣き出してしまった。
やはり仲間の死がよっぽど堪えていたのだろう。
やはり仲間の死がよっぽど堪えていたのだろう。
「あなたは?」
「私は藤村大河、穂群原学園の英語教師よ。よろしくね」
「ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと申します。以後お見知りおきを」
「海堂直也っちゅーんだ。こっちのクソ生意気なガキはNってんだとよ」
「こら、そんな言葉遣いじゃ駄目でしょ!よろしくね、N君」
「私は藤村大河、穂群原学園の英語教師よ。よろしくね」
「ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと申します。以後お見知りおきを」
「海堂直也っちゅーんだ。こっちのクソ生意気なガキはNってんだとよ」
「こら、そんな言葉遣いじゃ駄目でしょ!よろしくね、N君」
「よろしく」
簡潔に自己紹介を済ませる3人。ピンプクの仲間がいたこと、大河の警戒心の無さ(というより雰囲気)からお互いに安全であることが確信できていた。
やはりというか、ゾロアークのみ警戒を解かなかったが。
と、全員の自己紹介が終わったところで、ルヴィアは一つの聞き覚えのある名前に気がつく。
やはりというか、ゾロアークのみ警戒を解かなかったが。
と、全員の自己紹介が終わったところで、ルヴィアは一つの聞き覚えのある名前に気がつく。
「…一つ伺いたいのですが、穂群原学園と言いました?」
「え?そうだけど、あなたももしかしてうちの生徒?」
「ええ、少し前に留学した者ですわ」
「ちょっと待って、留学した子なんてうちの学校にはいなかったと思うんだけど?」
「え?そうだけど、あなたももしかしてうちの生徒?」
「ええ、少し前に留学した者ですわ」
「ちょっと待って、留学した子なんてうちの学校にはいなかったと思うんだけど?」
何かがずれているような気がする。藤村大河という教師が英語教員ではなかったはずだ。
「ミスフジムラでしたわね。あなたの知り合いはこの場に呼ばれていらして?」
「私の知り合いは、士郎…衛宮士郎と間桐桜ちゃんと、遠坂凛さんとセイバーちゃんね。
遠坂さんは残念だったけど…。誰かと会ったりしてない?」
「え?」
「私の知り合いは、士郎…衛宮士郎と間桐桜ちゃんと、遠坂凛さんとセイバーちゃんね。
遠坂さんは残念だったけど…。誰かと会ったりしてない?」
「え?」
聞き間違いだろうか。
今の答えの中に明らかにおかしな者がいた。
今の答えの中に明らかにおかしな者がいた。
「あなたシェロの知り合いの方ですの?」
「う~ん、まあ知り合いっていうよりは保護者かなぁ。ルヴィアゼリッタさんって士郎のこと知ってるのよね?
ほら、あの子って切嗣さん、父親が亡くなってから家に一人じゃない?だからやっぱりちゃんと面倒を見る人必要じゃない」
「……一つ伺いたいのですが、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンという少女をご存知かしら?」
「聞いたことないなぁ。士郎の知り合いか誰か?」
「う~ん、まあ知り合いっていうよりは保護者かなぁ。ルヴィアゼリッタさんって士郎のこと知ってるのよね?
ほら、あの子って切嗣さん、父親が亡くなってから家に一人じゃない?だからやっぱりちゃんと面倒を見る人必要じゃない」
「……一つ伺いたいのですが、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンという少女をご存知かしら?」
「聞いたことないなぁ。士郎の知り合いか誰か?」
違和感が膨れ上がる。
士郎の知り合いというならイリヤのことは知っていなければおかしい。
それにイリヤの父親は家にはいないと聞いていたが、まだ存命だったはずだ。
さらに、セイバーという存在も気にかかる。それはあの時自分達を追い詰めたクラスカードの名前のはず。それと士郎にどんな関係があるというのか。
士郎の知り合いというならイリヤのことは知っていなければおかしい。
それにイリヤの父親は家にはいないと聞いていたが、まだ存命だったはずだ。
さらに、セイバーという存在も気にかかる。それはあの時自分達を追い詰めたクラスカードの名前のはず。それと士郎にどんな関係があるというのか。
だがそれを問おうとしたとき、先に大河の口から質問が発せられた。
「それで一つ聞きたいんだけど、私の知り合いの誰かと会ったりしていないかな~って」
「いえ、ワタクシの知る限りではあなたのお知り合いとは会っていないと思いますわね」
「そいや、あのベルト使った女が暴れたあの学校には結構色んなやつ集まってたけど、あん中にいたかもな。
俺にゃー分かんねーが」
「いえ、ワタクシの知る限りではあなたのお知り合いとは会っていないと思いますわね」
「そいや、あのベルト使った女が暴れたあの学校には結構色んなやつ集まってたけど、あん中にいたかもな。
俺にゃー分かんねーが」
ルヴィアにはNやゲーチスが演説をした場所という印象が強いが、海堂はさっきまで戦っていたあの女の方が記憶に残っているのだろう。
だが、ここで海堂がそれを言った直後、大河の顔色が変わった。
だが、ここで海堂がそれを言った直後、大河の顔色が変わった。
「ベルト…?もしかしてその女の子って、紫の髪をした子じゃなかった?!」
「え、ええ、たしか紫の長髪に赤いリボンをして――」
「桜ちゃんだ!ねえ海堂君、暴れてたってどういうことなの?!!」
「うわ…!ちょ、落ち着けって!な?」
「その人ってあのアッシュフォードって所で人を殺したあの子だよね?」
「おいコラァ!!!」
「え、ええ、たしか紫の長髪に赤いリボンをして――」
「桜ちゃんだ!ねえ海堂君、暴れてたってどういうことなの?!!」
「うわ…!ちょ、落ち着けって!な?」
「その人ってあのアッシュフォードって所で人を殺したあの子だよね?」
「おいコラァ!!!」
ただでさえややこしくなっているところに発せられたNの言葉。
当然大河の耳にも届く。
当然大河の耳にも届く。
「何でおめぇはいちいち余計なこと言うんだよオイ!ちったあ空気読めや!」
「余計なことって。かなり重要なことだと思うんだけど?」
「ああもう、テメェは向こうであいつらの面倒でも見てろ!!」
「余計なことって。かなり重要なことだと思うんだけど?」
「ああもう、テメェは向こうであいつらの面倒でも見てろ!!」
余計なことを喋られるとややこしくなると考えた海堂はNを追い払う。
言葉に従いNはピンプクやゾロアークの面倒を見始めた。
言葉に従いNはピンプクやゾロアークの面倒を見始めた。
「…ねえルヴィアちゃん、今のって、本当?」
誤魔化せそうにはなかった。
しかし先延ばしにしても辛い事実だろう。ルヴィアは口を開く。
しかし先延ばしにしても辛い事実だろう。ルヴィアは口を開く。
「ええ、本当ですわ。それに加えて、私達も彼女に襲われましたわ」
間桐桜がしたであろうことを知っている限りで、魔術については伏せた上で全て話した。
「そんな…!だって桜ちゃんは、とってもいい子で、士郎の手伝いもしてくれるいい子なのに…!!」
「その間桐桜とは、どのような子でしたの?」
「その間桐桜とは、どのような子でしたの?」
空気を読んだ問いではなかったかもしれないが、ルヴィアとしては会話をさせることである程度気を紛らわせることもできると思い、大河に問いかけた。
それに、あの遠坂凛の妹という存在がどのように生きてきたのか、それを聞きたかったのだ。
それに、あの遠坂凛の妹という存在がどのように生きてきたのか、それを聞きたかったのだ。
大河は桜のことを知りうる限り話し始めた。
自分の学園で受け持っている弓道部に所属していて、士郎の家によく手伝いに来ること。
おとなしいいい子で料理やマッサージができること。
話し方もちぐはぐで内容もそれ以上のことを言おうとしていたのだろうが、やはり動揺は収まっていないのか、分かりづらいところも多かった。
説明の大半は皆が聞きたいことからはかなり外れていたが、逆にそれが大河という人間をよく表していた。
自分の学園で受け持っている弓道部に所属していて、士郎の家によく手伝いに来ること。
おとなしいいい子で料理やマッサージができること。
話し方もちぐはぐで内容もそれ以上のことを言おうとしていたのだろうが、やはり動揺は収まっていないのか、分かりづらいところも多かった。
説明の大半は皆が聞きたいことからはかなり外れていたが、逆にそれが大河という人間をよく表していた。
また、この会話から確信する。藤村大河は魔術とは何の関わりも持っていないものだということを。
そしてもう一つ、あの女が言っていた先輩とは―――衛宮士郎のことなのだと。
そしてもう一つ、あの女が言っていた先輩とは―――衛宮士郎のことなのだと。
◇
「どうして…、そんな…」
「どうして…、そんな…」
(…あー、正直こういうのあんま好きじゃねえんだがな…
それにしてもまさかあの女がただの人間だったってーのはなぁ。
………ただの人間、なんだよな?)
「あ~、そのだな、ちょっくら俺のほうに心当たりがあったりするかなーって」
それにしてもまさかあの女がただの人間だったってーのはなぁ。
………ただの人間、なんだよな?)
「あ~、そのだな、ちょっくら俺のほうに心当たりがあったりするかなーって」
あまりにも悲しそうな様子を見ていられなかったのか、海堂がフォローを入れ始めた。
考えながら言っているのか説明はあまりスムーズではなかったが。
考えながら言っているのか説明はあまりスムーズではなかったが。
「あのベルトみたいなやつあったろ?
あれな、たぶん帝王のベルトってやつかもしれねぇんだよな。
一応オルフェノクのために作られたものだから人間が使ったらどうなるかは分かんねえんだよな。
もしかしたら何かの副作用っちゅーのがあったかもしれねえんだ」
あれな、たぶん帝王のベルトってやつかもしれねぇんだよな。
一応オルフェノクのために作られたものだから人間が使ったらどうなるかは分かんねえんだよな。
もしかしたら何かの副作用っちゅーのがあったかもしれねえんだ」
帝王のベルト。それはオルフェノクのために作られたものである以上、人間が使うとどうなるかは分かっていない。
もしオルフェノクにしか使えないよう調整されていてもおかしくはないだろう、とたった今思いついた。
もしオルフェノクにしか使えないよう調整されていてもおかしくはないだろう、とたった今思いついた。
「…つまりあなたは彼女があのベルトで変身したことで何かしらの異常を引き起こしたと?
例えば精神汚染や幻覚などの」
「まあ、かもしれねぇってことだけどよ」
「そ、そうよね、桜ちゃんあれを使ってちょっとおかしくなっただけなんだよね?」
例えば精神汚染や幻覚などの」
「まあ、かもしれねぇってことだけどよ」
「そ、そうよね、桜ちゃんあれを使ってちょっとおかしくなっただけなんだよね?」
フォローとしては割と苦しいものでもあったが、それでも少しは大河の気持ちを落ち着かせるのには役立ったようだ。
実際はそのフォローも外れではないのだが、それを知っているものはこの場にはいなかった。
さらにいうと、もう一本の帝王のベルトは今海堂の仲間の木場勇治の持っているオーガギアのことなのだが。
実際はそのフォローも外れではないのだが、それを知っているものはこの場にはいなかった。
さらにいうと、もう一本の帝王のベルトは今海堂の仲間の木場勇治の持っているオーガギアのことなのだが。
「それで、あなたは彼女に会ったのですわね?」
「え?うん、私を見た途端、何だかよく分からないことを呟きながら逃げていったの。なんか魔術師がどうとかなんにも知らないだとか自分は汚いとか。
確か北の山道を降りたところを東に向かっていったと思う」
「分かりましたわ。ワタクシがそのマトウサクラを追いましょう。危険ですから貴方はここで待っていてくださいな」
「え?行ってくれるの…?って、私も行くわよ!あの子が苦しんでるなら私だってちゃんと助けてあげたいもの!!」
「え?うん、私を見た途端、何だかよく分からないことを呟きながら逃げていったの。なんか魔術師がどうとかなんにも知らないだとか自分は汚いとか。
確か北の山道を降りたところを東に向かっていったと思う」
「分かりましたわ。ワタクシがそのマトウサクラを追いましょう。危険ですから貴方はここで待っていてくださいな」
「え?行ってくれるの…?って、私も行くわよ!あの子が苦しんでるなら私だってちゃんと助けてあげたいもの!!」
ルヴィアとしてはついてこられるのには気が進まなかった。
危険なのもあるが、おそらく彼女を追えば自分もあの女も魔術を使うことになるだろうから。
一般人に魔術の存在を知られるのは避けたい。自分と同じ(かもしれない)世界の人間となればなおさらだ。
それにもし海堂のフォローの言葉が当たっていたとして、彼女がああなった原因はそれだけとも思えなかった。
相対したときの叫びは、間桐桜の中に何かしらの歪みを抱えているとしか思えなかった。
それを知らせるのは、大河のためになることではないだろうと思う。
危険なのもあるが、おそらく彼女を追えば自分もあの女も魔術を使うことになるだろうから。
一般人に魔術の存在を知られるのは避けたい。自分と同じ(かもしれない)世界の人間となればなおさらだ。
それにもし海堂のフォローの言葉が当たっていたとして、彼女がああなった原因はそれだけとも思えなかった。
相対したときの叫びは、間桐桜の中に何かしらの歪みを抱えているとしか思えなかった。
それを知らせるのは、大河のためになることではないだろうと思う。
一方で大河も譲らなかった。
大河にとって桜は生徒であり、それ以上にもはや家族のようなものなのだ。
仮にあのベルトのせいで道を間違えてしまったのであれば、ちゃんと元に戻して支えてやるべきだと考えていたのだ。
何の異能的なものの無い、一般人であるからこその思いであるともいえる。
大河にとって桜は生徒であり、それ以上にもはや家族のようなものなのだ。
仮にあのベルトのせいで道を間違えてしまったのであれば、ちゃんと元に戻して支えてやるべきだと考えていたのだ。
何の異能的なものの無い、一般人であるからこその思いであるともいえる。
結局折れたのはルヴィアのほうだった。
(全く…、仕方ありませんわね。まあこんな場所でもありますし…。
魔術を見られても少しぐらいなら誤魔化せますわよね…?)
魔術を見られても少しぐらいなら誤魔化せますわよね…?)
向こうが魔術を使ってきたときは全てをあのベルトのせいにすれば誤魔化せるだろうか。
探し人の居場所が分かった今、こんなやり取りで時間を取られたくはない。
探し人の居場所が分かった今、こんなやり取りで時間を取られたくはない。
「でもおい、おめぇの妹はどうすんだよ?そっち追ってたら多分見つけられなくなるんじゃね?」
「確かそっちにはあなたの探し人もいらっしゃるんでしたわね?ならそちらはあなたに任せますわ」
「おいおめぇ、妹のこと心配じゃねえのかよ」
「もちろん心配ですわ。だからあなたに任せると言っているのです。
N、あなたはどうしますの?」
「確かそっちにはあなたの探し人もいらっしゃるんでしたわね?ならそちらはあなたに任せますわ」
「おいおめぇ、妹のこと心配じゃねえのかよ」
「もちろん心配ですわ。だからあなたに任せると言っているのです。
N、あなたはどうしますの?」
海堂に追い払われて話にあまり混じってこなかったNにも一応聞いてみるルヴィア。
「僕はポケモンセンターに行きたいな。リザードンを早く回復してあげたいんだ」
「まあ、そうでしょうね」
「まあ、そうでしょうね」
ポケモンセンターは間桐桜の向かった方向の近くにある。Nとはもうしばらく共にいることになるだろう。
と考えているとNはピカチュウの傍で佇むピンクのポケモンに話しかけていた。
と考えているとNはピカチュウの傍で佇むピンクのポケモンに話しかけていた。
「ピンプク、君はどうするんだい?」
「プ?プク!!」
「なるほど、彼女と一緒に行くということでいいんだね?」
「? N君、君もしかしてプクちゃんの言葉が分かるの?」
「…ああ」
「へぇー、すごーい!!ねえねえ、プクちゃんは何て言ってるの?」
「あなたはポケモンを知る人間じゃないのなら、あまり彼らについて詮索するべきではない」
「むー…?別にそこまで言うことないと思うんだけどなー。もう少しオープンになってくれてもいいと思うんだけどなー」
「あまり彼らに関わってほしくないんだ。ポケモンについて余計なことを知ってしまえば強引に引き離すことになりかねないからね。
アナタがこの子のトレーナーでないのならなおさらだ」
「えっと…、N君?」
「確かにこのピンプクは本来のトレーナーでもないあなたであっても気を許しているようだ。
でもそれに甘えて何をしてもいいということにはならない。むしろそうだからこそその辺りの分別は必要だ」
「プ?プク!!」
「なるほど、彼女と一緒に行くということでいいんだね?」
「? N君、君もしかしてプクちゃんの言葉が分かるの?」
「…ああ」
「へぇー、すごーい!!ねえねえ、プクちゃんは何て言ってるの?」
「あなたはポケモンを知る人間じゃないのなら、あまり彼らについて詮索するべきではない」
「むー…?別にそこまで言うことないと思うんだけどなー。もう少しオープンになってくれてもいいと思うんだけどなー」
「あまり彼らに関わってほしくないんだ。ポケモンについて余計なことを知ってしまえば強引に引き離すことになりかねないからね。
アナタがこの子のトレーナーでないのならなおさらだ」
「えっと…、N君?」
「確かにこのピンプクは本来のトレーナーでもないあなたであっても気を許しているようだ。
でもそれに甘えて何をしてもいいということにはならない。むしろそうだからこそその辺りの分別は必要だ」
何故か大河をピンプクと引き離そうとするN。
大河は何か気に障るようなことを言ってしまったか考え込む。
大河は何か気に障るようなことを言ってしまったか考え込む。
(何か気に障るようなこと言っちゃったかな…。それにしてもN君、私のこと嫌ってるのかな?…………N?)
「どうかなさいまして?」
「…そういえばNっていえば……もしかして」
「どうかなさいまして?」
「…そういえばNっていえば……もしかして」
何かぶつぶつ言っているが、ルヴィアにははっきり聞き取れない。
「ねえ、ルヴィアゼリッタさん、ちょっと待っててもらってもいい?」
「構いませんけど、どうかなさいまして?」
「5分くらいでいいの。N君と二人で話をしたいの」
「え?」
「構いませんけど、どうかなさいまして?」
「5分くらいでいいの。N君と二人で話をしたいの」
「え?」
突然の大河の申し出に、Nは困惑するかのような声を出す。
「いきなりどうしたの?」
「いいから。ちょっと二人っきりにしてほしいの。もちろん、このピカちゃんや黒キツネさんも抜きでね」
「いいから。ちょっと二人っきりにしてほしいの。もちろん、このピカちゃんや黒キツネさんも抜きでね」
そう言うと、ゾロアークは大河に噛み付くかのように警戒心を剥き出しにして威嚇を始める。
余りにも危険なその様に、しかし大河は全く怯む様子を見せない。
海堂がオルフェノクに変身してゾロアークを抑えようかと動く直前、Nが宥めた。
余りにも危険なその様に、しかし大河は全く怯む様子を見せない。
海堂がオルフェノクに変身してゾロアークを抑えようかと動く直前、Nが宥めた。
「大丈夫だよ、危険なことなんてないから。少しここで待っていてくれればいいから」
そう言って、Nは大河と共に奥の事務室か何かに入っていった。
納得がいかないのか、ゾロアークは唸り声を上げ続けている。
納得がいかないのか、ゾロアークは唸り声を上げ続けている。
「フシュルルルルル」
「ピカ、ピカピ!」
「何ですの?あれは」
「さぁ?もしかしたらあのガキにガツンと言ってくれると俺は期待してるんだが」
「?…まあいいですけど」
「で、お前は待―ってうおっと」
「ピカ、ピカピ!」
「何ですの?あれは」
「さぁ?もしかしたらあのガキにガツンと言ってくれると俺は期待してるんだが」
「?…まあいいですけど」
「で、お前は待―ってうおっと」
そう言いながら、ルヴィアから海堂の元に一枚のカードが投げられた。
書かれているのは中世の戦車のような物を繰る戦士の姿。
書かれているのは中世の戦車のような物を繰る戦士の姿。
「何だこれ?」
「おそらくあなたの探しているユカという人の近くには美遊がいるはずですわ。
そのカードはこの場において使いこなせるのはおそらく二人、その一人が――」
「おめーの妹ってわけか?」
「ここまで言えば分かりますわね」
「おう、つまりこいつをその美遊ってやつに渡せばいいんだな?
しゃーねえ、それぐらいのことはしてやんよ」
「お願いしますわ。もう行ってもよろしくてよ。
大切な人なのでしょう?」
「べ、別にそんなんじゃねえよ、ただの仲間だ、ただの。
…あーくそ!じゃああとのことは任せたかんな!!」
「おそらくあなたの探しているユカという人の近くには美遊がいるはずですわ。
そのカードはこの場において使いこなせるのはおそらく二人、その一人が――」
「おめーの妹ってわけか?」
「ここまで言えば分かりますわね」
「おう、つまりこいつをその美遊ってやつに渡せばいいんだな?
しゃーねえ、それぐらいのことはしてやんよ」
「お願いしますわ。もう行ってもよろしくてよ。
大切な人なのでしょう?」
「べ、別にそんなんじゃねえよ、ただの仲間だ、ただの。
…あーくそ!じゃああとのことは任せたかんな!!」
そうして海堂直也は走っていった。
途中でオルフェノクに変身したのだろうかと思うほどのスピードで足音は遠ざかっていき、やがて聞こえなくなった。
途中でオルフェノクに変身したのだろうかと思うほどのスピードで足音は遠ざかっていき、やがて聞こえなくなった。
色々と頼りないところもあるが、何だかんだであの男に助けられたのも事実だ。
それにこんな考えを持つなど笑われそうな話でもあるが、あの男なら何かやってくれそうな、そんな気がしてくるのだ。
自分の目に間違いがなければ、きっと美遊の力にもなってくれるだろう。
それにこんな考えを持つなど笑われそうな話でもあるが、あの男なら何かやってくれそうな、そんな気がしてくるのだ。
自分の目に間違いがなければ、きっと美遊の力にもなってくれるだろう。
「妹を頼みますわよ、カイドウ」
そんな願いをこめて、おそらく声が聞こえることがないと分かっていながらもその男の名前を、おそらく初めて呼んだ。
【C-4/森林/一日目 黎明】
【海堂直也@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】
[状態]:怪人態、体力消耗
[装備]:クラスカード(ライダー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:人間を守る。オルフェノクも人間に危害を加えない限り殺さない
1:結花の元へ急ぐ。ついでにルヴィアの妹も探す。
2:パラロス世界での仲間と合流する(草加含む人間解放軍、オルフェノク二人)
3:プラズマ団の言葉が心の底でほんの少し引っかかってる
4:村上とはなるべく会いたくない
5:結花……!
[備考]
※草加死亡後~巧登場前の参戦です
※並行世界の認識をしたが、たぶん『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の世界説明は忘れている。
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました……がプラズマ団の以外はどこまで覚えているか不明。
[状態]:怪人態、体力消耗
[装備]:クラスカード(ライダー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:人間を守る。オルフェノクも人間に危害を加えない限り殺さない
1:結花の元へ急ぐ。ついでにルヴィアの妹も探す。
2:パラロス世界での仲間と合流する(草加含む人間解放軍、オルフェノク二人)
3:プラズマ団の言葉が心の底でほんの少し引っかかってる
4:村上とはなるべく会いたくない
5:結花……!
[備考]
※草加死亡後~巧登場前の参戦です
※並行世界の認識をしたが、たぶん『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の世界説明は忘れている。
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました……がプラズマ団の以外はどこまで覚えているか不明。
◇
フレンドリィショップ。
そこは様々な物品を取り扱う店舗であり、当然客の入れない場所には事務室もある。
本来であれば関係者以外立ち入り禁止であるその空間も、関係者の存在しないこの空間においては立ち入ることは容易い。
そこは様々な物品を取り扱う店舗であり、当然客の入れない場所には事務室もある。
本来であれば関係者以外立ち入り禁止であるその空間も、関係者の存在しないこの空間においては立ち入ることは容易い。
「こんなところで何の話があるんです?」
その空間、Nは大河の前に二人っきりで立っていた。
そもそもなぜ友達であるピカチュウやゾロアークまで排してこのような場所にいさせられているのか、Nには分からなかった。
そもそもなぜ友達であるピカチュウやゾロアークまで排してこのような場所にいさせられているのか、Nには分からなかった。
「うん、まあ少しね。大したことじゃないの。
ただね、ちょっと藤村先生、N君とお話したいなーって」
「…分からないな。何がしたいんだい?」
「だからただお話がしたいだけだって。少しでいいの」
ただね、ちょっと藤村先生、N君とお話したいなーって」
「…分からないな。何がしたいんだい?」
「だからただお話がしたいだけだって。少しでいいの」
全く意図が掴めないNに対して大河は言葉を続ける。
「N君ってさ、夢とかある?」
夢。無論持っている。
ポケモンを人間から解放し、本来の意味で人とポケモンが共存できる世界を作ること。
それが夢、己の存在意義だ。
多くのトレーナー、人間は反対するだろう。でも決して否定はさせない。
それを許すのは、――だけだ。
ポケモンを人間から解放し、本来の意味で人とポケモンが共存できる世界を作ること。
それが夢、己の存在意義だ。
多くのトレーナー、人間は反対するだろう。でも決して否定はさせない。
それを許すのは、――だけだ。
その夢、理想の全てを話すN。
「あなたも僕を間違っているというのかな?」
「……ううん、私は間違ってはいないと思うな」
「?」
「……ううん、私は間違ってはいないと思うな」
「?」
だが予想外なことに、全てを話し終えた後大河から発せられた言葉は肯定だった。
なぜポケモンのことも知らないはずの彼女が僕の理想を肯定できるのか、理解できなかった。
なぜポケモンのことも知らないはずの彼女が僕の理想を肯定できるのか、理解できなかった。
「でもね、その夢を叶えるのに君は一つだけやらないといけないことがあるの、分かる?」
やるべきこと?それは伝説のドラゴンポケモンを従え、僕の理想と対等に渡り合えるようになった彼を倒し――
「人というものを理解すること、それがN君がやらなきゃいけないこと」
「え…?」
「え…?」
◇
「遅いですわよ」
「ごめんごめん、あれ?海堂君は?」
「もう出発させましたわ。向かう場所が違うのなら待たせていても仕方ありませんでしょう?」
「ごめんごめん、あれ?海堂君は?」
「もう出発させましたわ。向かう場所が違うのなら待たせていても仕方ありませんでしょう?」
5分を若干過ぎた頃、ようやく戻ってきたNと大河。
別にそれをとやかくいうほどルヴィアは狭い心をしてはいないが。
待ちくたびれたのか、ゾロアークはNの元に飛びついていく。
そんなゾロアークの頭を撫でるN。
別にそれをとやかくいうほどルヴィアは狭い心をしてはいないが。
待ちくたびれたのか、ゾロアークはNの元に飛びついていく。
そんなゾロアークの頭を撫でるN。
「一体何の話をなされていましたの?」
「うん、ちょっとね。ちょっとした面談みたいなもの。でももう終わったからいいの。
それじゃ、早く桜ちゃんを追いかけに行こう!!」
「うん、ちょっとね。ちょっとした面談みたいなもの。でももう終わったからいいの。
それじゃ、早く桜ちゃんを追いかけに行こう!!」
好奇心から問うが、返ってきたのは要領を得ない返事。なんだか誤魔化された気がしたが、これ以上聞いても答えは出ないだろう。
だからあの女、間桐桜のことを考える。
だからあの女、間桐桜のことを考える。
あのにっくき遠坂凛の妹、そして――自分の恋敵。
どうもあの女との因縁は彼女が死んで終わったわけでもなさそうだった。
美遊との合流を前にしても、その因縁は無視できるものではなかった。
それに美遊にはサファイアもついている様子。ちょっとやそっとのことで遅れは取らないだろう。なにしろこのルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの妹なのだから。
どうもあの女との因縁は彼女が死んで終わったわけでもなさそうだった。
美遊との合流を前にしても、その因縁は無視できるものではなかった。
それに美遊にはサファイアもついている様子。ちょっとやそっとのことで遅れは取らないだろう。なにしろこのルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの妹なのだから。
あの女には遠坂凛の妹であること、そして衛宮士郎に好意を持つことがどういう意味をもつのか叩き込んでやらなければ気がすまない。
無論、藤村大河の言葉でもどうにもならないことが分かればそのときは――殺すだけだ。
無論、藤村大河の言葉でもどうにもならないことが分かればそのときは――殺すだけだ。
それに大河からはまだ聞かなければならないことがある。
彼女の知る衛宮士郎、そしてセイバーとは何者なのかという事を。
彼女の知る衛宮士郎、そしてセイバーとは何者なのかという事を。
「ええ、では参りましょうか」
彼に妹を託したことを間違いではないと信じて、ルヴィアは因縁を清算する戦いに向けて出発した。
(そういえば、結局助けてもらったお礼、言えませんでしたわね…)
◇
あまりに混じり気のない、純粋というものは得てして染まりやすいものだ。
白という色に、少量でも別の色を混ぜるとそれは白ではなくなる。白という色はR、B、Gが均質であるが故、そのバランスを少しでも崩すと白とはいえなくなるだろう。
白という色に、少量でも別の色を混ぜるとそれは白ではなくなる。白という色はR、B、Gが均質であるが故、そのバランスを少しでも崩すと白とはいえなくなるだろう。
Nに平穏を与えていたという平和の女神は、彼の心をあまりにもピュアでイノセントと称した。
その心に不純物ともいえるだろうものが混じったのはおそらくあるトレーナーとの出会い。これまで人間に傷つけられたポケモンのみを見て過ごしてきたNにとっては大きな衝撃となった。
そして今、新たな不純物がその心に混じりつつあった。
その心に不純物ともいえるだろうものが混じったのはおそらくあるトレーナーとの出会い。これまで人間に傷つけられたポケモンのみを見て過ごしてきたNにとっては大きな衝撃となった。
そして今、新たな不純物がその心に混じりつつあった。
『N君ってさ、人に対して凄い偏見を持ってると思うのよね』
『君はそのポケモンっていう子達のことは理解してるみたいだけどさ、片方だけ理解していても共存なんて無理だと思うの』
『だってそれを目指すN君も、人間じゃない?』
『君はそのポケモンっていう子達のことは理解してるみたいだけどさ、片方だけ理解していても共存なんて無理だと思うの』
『だってそれを目指すN君も、人間じゃない?』
今まで人間というものはポケモンとは決して相容れないものと、そう考えて生きてきた。
だが、彼女はそんな人間を理解していなければならないと言った。
だが、彼女はそんな人間を理解していなければならないと言った。
今までこの理想を理解できず非難する多くのトレーナーの声も聞いてきたが、そのことごとくを人間の勝手と自分の中で切り捨ててきた。
だが、大河の言葉はそう言って切り捨てるには、Nは純粋すぎた。故にその内に小さくも確実に疑問を作りつつあった。
すなわち、『人間とは何なのか』、と。
だが、大河の言葉はそう言って切り捨てるには、Nは純粋すぎた。故にその内に小さくも確実に疑問を作りつつあった。
すなわち、『人間とは何なのか』、と。
(…うーん、やっぱちょっといきなりすぎたかな?)
やはり大河にとってはあまり自信がなかった。なにしろ自分はあくまで教師でありカウンセラーではないのだから。
Nの夢を聞いたとき、正直外れていて欲しかった嫌な予感が事実であることに気付いてしまった。
もしあの部屋を見ていなかったら、大河とてNの違和感に気付けなかっただろう。
もしあの部屋を見ていなかったら、大河とてNの違和感に気付けなかっただろう。
Nの城。つまりさっきまでいたあの場所は彼が住んでいた場所なのだろう。
あの猛獣が暴れたかのような傷痕――彼の連れていた黒いキツネを見てわかった。きっとあのような生き物とずっと過ごさせられたのだろう。
おかしな遊ばれ方をしたおもちゃ、テレビも本もない部屋――それは人と隔離され、ずっと一人で過ごしていたということ。
プクちゃんの言葉が分かるというのもそれが原因かもしれない。何かの本で、狼に育てられた子供の話を読んだことがある。
全ては憶測でしかない。だがNが見ているものを知ってしまった時、それらの憶測が糸のように繋がったのだ。
おかしな遊ばれ方をしたおもちゃ、テレビも本もない部屋――それは人と隔離され、ずっと一人で過ごしていたということ。
プクちゃんの言葉が分かるというのもそれが原因かもしれない。何かの本で、狼に育てられた子供の話を読んだことがある。
全ては憶測でしかない。だがNが見ているものを知ってしまった時、それらの憶測が糸のように繋がったのだ。
今にして思えばぞっとする話だ。
虐待どころではない。あそこまでくると親にとって何か都合のいい人形か何かとして育てられたのではないかとさえ思えてくる。
虐待どころではない。あそこまでくると親にとって何か都合のいい人形か何かとして育てられたのではないかとさえ思えてくる。
きっと、Nは人とまともに付き合ったことはないのではないか、と大河は感じた。
長い間、そのポケモンという生き物だけと共に過ごし、人というものを知らないで育ったのではないか。そして、自分が人間であることすら知らずに育ったのではないか、と。
そこまで行くと考えすぎかもしれないし、できればそうであってほしいが。
長い間、そのポケモンという生き物だけと共に過ごし、人というものを知らないで育ったのではないか。そして、自分が人間であることすら知らずに育ったのではないか、と。
そこまで行くと考えすぎかもしれないし、できればそうであってほしいが。
自分には彼の夢は分からない。だから否定することはできない。
人間とそのポケモンという生き物の共存できる世界。よく分からない大河には大きく、立派な夢に思える。
だが、彼は人間を知らない。そしておそらく、自分も人間であるということも知らないのかもしれない。
だからせめてNに人間がどういうものなのかということを、いいところも悪いところも色々と教えてあげたかった。
人間とそのポケモンという生き物の共存できる世界。よく分からない大河には大きく、立派な夢に思える。
だが、彼は人間を知らない。そしておそらく、自分も人間であるということも知らないのかもしれない。
だからせめてNに人間がどういうものなのかということを、いいところも悪いところも色々と教えてあげたかった。
桜のことも心配だが、だからといってNを放っておくことなど大河にはできなかった。
こういうことは時間が必要だ。慌てても何も変わらない。それでも、きっかけぐらいは作ってあげたかった。
こういうことは時間が必要だ。慌てても何も変わらない。それでも、きっかけぐらいは作ってあげたかった。
間桐桜、N。
保護者として、教師として、そして一人の大人として助けなければいけない者達。
大河の戦いは始まったばかりだ。
保護者として、教師として、そして一人の大人として助けなければいけない者達。
大河の戦いは始まったばかりだ。
【C-4/フレンドリーショップ/一日目 朝】
【ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:魔力消耗(大)
[装備]:澤田亜希のマッチ@仮面ライダー555
[道具]:基本支給品、ゼロの装飾剣@コードギアス 反逆のルルーシュ
[思考・状況]
基本:殺し合いからの脱出
1:間桐桜を探し、どうにもならないなら引導を渡す
2:元の世界の仲間と合流する。特にシェロ(士郎)との合流は最優先!
3:プラズマ団の言葉が少し引っかかってる
4:オルフェノクには気をつける
5:あの女(桜)から色々事情を聞きたい
6:美遊のことは海堂に任せる
7:大河から詳しい話を聞く
[備考]
※参戦時期はツヴァイ三巻
※並行世界の認識。 『パラダイス・ロスト』の世界観を把握。
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
[状態]:魔力消耗(大)
[装備]:澤田亜希のマッチ@仮面ライダー555
[道具]:基本支給品、ゼロの装飾剣@コードギアス 反逆のルルーシュ
[思考・状況]
基本:殺し合いからの脱出
1:間桐桜を探し、どうにもならないなら引導を渡す
2:元の世界の仲間と合流する。特にシェロ(士郎)との合流は最優先!
3:プラズマ団の言葉が少し引っかかってる
4:オルフェノクには気をつける
5:あの女(桜)から色々事情を聞きたい
6:美遊のことは海堂に任せる
7:大河から詳しい話を聞く
[備考]
※参戦時期はツヴァイ三巻
※並行世界の認識。 『パラダイス・ロスト』の世界観を把握。
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
【N@ポケットモンスター(ゲーム)】
[状態]:健康
[装備]:サトシのピカチュウ(体力:満タン、精神不安定、ゾロアークを牽制)@ポケットモンスター(アニメ)、サトシのリザードン(戦闘不能、深い悲しみ)@ポケットモンスター(アニメ)
ゾロアーク(体力:満タン、海堂と大河を警戒)@ポケットモンスター(ゲーム)、傷薬×6、いい傷薬×2、すごい傷薬×1
[道具]:基本支給品、カイザポインター@仮面ライダー555
[思考・状況]
基本:アカギに捕らわれてるポケモンを救い出し、トモダチになる
1:ポケモンセンターに向かう
2:タイガの言葉が気になる。
3:世界の秘密を解くための仲間を集める
4:人を傷付けはしない。なるべくポケモンを戦わせたくはない。
5:ミュウツーとは出来ればまた会いたい。
6:シロナ、サカキとは会って話がしてみたいな。
7:人間って、何なの?
[備考]
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
※並行世界の認識をしたが、他の世界の話は知らない。
[状態]:健康
[装備]:サトシのピカチュウ(体力:満タン、精神不安定、ゾロアークを牽制)@ポケットモンスター(アニメ)、サトシのリザードン(戦闘不能、深い悲しみ)@ポケットモンスター(アニメ)
ゾロアーク(体力:満タン、海堂と大河を警戒)@ポケットモンスター(ゲーム)、傷薬×6、いい傷薬×2、すごい傷薬×1
[道具]:基本支給品、カイザポインター@仮面ライダー555
[思考・状況]
基本:アカギに捕らわれてるポケモンを救い出し、トモダチになる
1:ポケモンセンターに向かう
2:タイガの言葉が気になる。
3:世界の秘密を解くための仲間を集める
4:人を傷付けはしない。なるべくポケモンを戦わせたくはない。
5:ミュウツーとは出来ればまた会いたい。
6:シロナ、サカキとは会って話がしてみたいな。
7:人間って、何なの?
[備考]
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
※並行世界の認識をしたが、他の世界の話は知らない。
【藤村大河@Fate/stay night】
[状態]:額に大きなこぶ、顔面強打
[装備]:タケシのピンプク@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:基本支給品、変身一発@仮面ライダー555 パラダイスロスト、不明支給品0~1(未確認)
[思考・状況]
基本:出来ることをする
1:桜ちゃんを助ける
2:Nをちゃんとした人にしてあげたい
3:士郎と桜を探す
4:セイバーも探す
[備考]
※桜ルート2月6日以降の時期より参加
※ミュウツーからサトシ、タケシ、サカキの名を聞きました
※Nの部屋から『何か』を感じました。(それ以外の城の内部は、ほとんど確認していません)
※間桐桜の状態がデルタギアの影響であると思っています
[状態]:額に大きなこぶ、顔面強打
[装備]:タケシのピンプク@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:基本支給品、変身一発@仮面ライダー555 パラダイスロスト、不明支給品0~1(未確認)
[思考・状況]
基本:出来ることをする
1:桜ちゃんを助ける
2:Nをちゃんとした人にしてあげたい
3:士郎と桜を探す
4:セイバーも探す
[備考]
※桜ルート2月6日以降の時期より参加
※ミュウツーからサトシ、タケシ、サカキの名を聞きました
※Nの部屋から『何か』を感じました。(それ以外の城の内部は、ほとんど確認していません)
※間桐桜の状態がデルタギアの影響であると思っています
※フレンドリィショップでは回復アイテムしか探していません。それ以外の物で使える道具があるかもしれません。
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| 075:少女地獄 序章 | 時系列順に読む | |
| 070:「Narrow」 | ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト | 084:Tiger&Cherry |
| 海堂直也 | 093:蛇の道は蛇 | |
| N | 084:Tiger&Cherry | |
| 066:悪夢→浸食~光の影 | 藤村大河 |