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暴君主権

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匿名ユーザー

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暴君主権 ◆Z9iNYeY9a2



にらみ合ったまま膠着状態の三人。
草加雅人、長田結花、ロロ・ランペルージ。

長田結花は草加雅人――ファイズのことを乾巧と勘違いしており、それを利用したい草加としては可能な限り声を出すことは避けたかった。
しかし、目の前の少年――ロロの謎の力に警戒した草加には迂闊に動くことができなかった。
そして、結花もまた大きく疲労した精神では判断力が大きく削られ、ロロの突然の乱入にただただ動揺するだけだった。
一方でロロは特に考えを持って乱入したわけではない。
彼も彼とて放送で呼ばれた兄の名に、心ここにあらずとでもいうべき状態である。

(さて、どうしたものか…)

その中で最も冷静であった草加は、静かにこの情勢を見回していた。

最も考え、思考が読めないのは目の前の謎の少年。
能力も未知数ながら警戒必須である相手。
だが、こちらの命を狙っているにしては殺気が、敵意がない。じっとしており何か目的がありそうには見えない。
あくまで推測だが、この少年はこちらの存在を気にかけてはいないのではないだろうか。

もしそうなら、やりようはある。
が、下手に動けば何をするか分からないことは留意しておかねばならない。

どれほどの膠着状態が続いたかという頃。
草加は一か八かの賭けに出ることにした。
能力が分からないのは脅威ではあるが、少なくともその手の拳銃ではファイズの装甲は貫けないはずだ。
ベルトを奪われるかもしれないというリスクもあるが、このままずっと警戒しているよりはマシだ。


少年と長田結花は共にこちらを向いている。
つまり、彼らの背後を見ているのは自分だけ。
そこに向けて、草加は小さく、だが分かりやすく首を動かした。
まるで、そこに何者かが現れたかのように。それに視線を向けたかのように。


それを見た少年は、つられてそちらに振り向き。

その瞬間、草加は一気に駆け出した。

「…?!」

向かう先にいるのは、未だオルフェノクの姿を保っている長田結花。
驚く彼女は、身を庇うかのように咄嗟に羽で前面を包み込み。
そこに構わず、草加は右手でのパンチ、グランインパクトを叩き込んだ。

「っ…、あああっ!?」


赤き閃光と衝撃に羽が飛び散り、彼女の体をも大きく吹き飛ばした。
緑の原を転げ回る灰色の肉体は、やがて姿を見えなくなった。

周囲を探ってもその気配はない。どうやら逃げたらしい。
本来ならば即座にでも追撃をかけるところだが、今は逃げてくれたほうがありがたい。

振り返ると、焦点の合わない眼をしながらも驚いた表情をした少年がこちらを見ていた。
その顔を前に、草加はファイズフォンをゆっくりと外す。
スーツが消滅し生身の体が露になる。

「安心しろ。俺は君の敵じゃない」

そう、刺激をしないように告げる。
彼なりの、柔和に見える笑顔を軽く浮かべて。

「だから、聞かせてくれないか?何があったのか、君は誰なのかを」

問いかけると同時、視点は戻らないながらもポツポツと話し始めた。

「…ロロ・ランペルージ……」
「ロロ君、か」

それは聞いたことがある。
あの時会ったゼロと名乗る男から聞いた名だ。

「俺は草加雅人。なにがあったんだい?」
「…兄さんを、知りませんか?」

そう問いかけられる。

兄さん。
ふと記憶を掘り起こす。
先の放送の最中に名簿に印を付けた名前。
ランペルージ―――ルルーシュ・ランペルージ。

(そういうことか)
「残念だけど、俺は知らないんだ。
 知り合いかどうかは分からないけど、ゼロとユーフェミアという二人から君のことは聞いていた。それだけなんだ」
「ゼロ、とユーフェミア…?」

その言葉を聞いたロロの瞳に微かに光が宿ったように見えた。

「それは、どこの話ですか?」
「会ったのはここから西のエリアだ。そこからアッシュフォード学園って所に向かった。
 もし生きているならきっとその後で政庁に向かったはずだな」
「アッシュフォード…、政庁…」
「会いにいくというなら気をつけたほうがいい。
 向こうにはオルフェノクが、さっきの化物の仲間が―――」


草加の言葉は最後まで発されることなく、ロロの姿はその場から掻き消えた。
情報の礼も伝えることなく、足音も残さず、一瞬で。

「………ふぅ」

訳も分からない脅威が去ったことで一息つく。
あの少年、ロロが何をしたかったのかは分からない。だが何を求めたのかは大体想像がつく。
能力まで見出すことができなかったのは残念だが、今は生き延びることはできた。

「全く、気に食わないやつだったな」

あんな精神状態の者がいるなど危なっかしい話だが、真理や自分と関わらない限りどうでもいい。
向こうで木場とでも会って死んでくれればそれで終わる話なのだから。

さて、長田結花はもう姿が見えない。
だがオルフェノクを逃がす理由もない。
変な乱入もあったが殺せるオルフェノクなら可能な限り殺しておかないと。
あのダメージではそう遠くまでは逃げられまい。

そうして、偽りの仮面で周りを欺いた男はゆっくりと、その抹殺対象を探して歩き出した。


◇

ロロは走っていた。
向かう場所は西。
アッシュフォード学園に向かっているのか、それとも政庁に向かっているのかは分からない。

それでもただ、ひたすらに西に向かい続けた。

ゼロ。
それは兄、ルルーシュの仮の姿。
本当にそれがルルーシュであるかどうかまでを測ることはできない。
だが、そうである可能性はかなり大きい。

自分の知識では知り合いの中にゼロを語れる人間などそうはいない。
せいぜい咲世子くらいだが、彼女にユーフェミアを御せたとは思えない。
いや、それ以前に兄でなければユーフェミアに近寄ることすらしないはずだ。
何せ彼女はあの”虐殺皇女”と呼ばれた女なのだから。

もしかしたら、そうではない可能性も無くはない。
だが、今のロロにはその程度の状況証拠だけでも十分な行動指針となり得るほどに冷静さを欠いていた。

政庁かアッシュフォード学園。
そこで兄であるルルーシュ――ゼロは死んだのだ、と。

(兄さん…!)

行かなければならない。
何があったのか、何故兄が死ななければならなかったのか、確かめなくてはいけない。

そして、もしそこに兄を殺した者がいたとするならば――――

「許さない…」

そいつは決して生きていてはならない。
そいつには、この世の全ての苦しみを味あわせて殺さなければいけない。


兄への愛を、殺害者への憎しみへと昇華させ、ロロは走り続けた。
ただ一人、己の兄のいなくなった世界を。



【D-5/一日目 午前】


【草加雅人@仮面ライダー555】
[状態]:負傷(中)、疲労(中)
[装備]:ファイズギア@仮面ライダー555(変身中)
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~1(確認済み)
[思考・状況]
基本:園田真理の保護を最優先。儀式からの脱出
1:真理を探す。ついでにまどかに有る程度、協力してやっても良い
2:オルフェノクは優先的に殲滅する。そのためにLと組む
3:長田結花は殺しておく
4:鹿目家に向かった後、流星塾に向かう。その後、Lとの約束のため病院か遊園地へ
5:佐倉杏子はいずれ抹殺する
6:地図の『○○家』と関係あるだろう参加者とは、できれば会っておきたい
7:可能なら長田結花には俺(ファイズ)を乾巧と思わせておくのも面白いかもしれない
[備考]
※参戦時期は北崎が敵と知った直後~木場の社長就任前です
※自分の知り合いが違う人物である可能性を聞きました



【ロロ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[状態]:ギアス使用による消耗(中)、精神的に疲弊
[装備]:デザートイーグル@現実、流体サクラダイト@コードギアス 反逆のルルーシュ(残り2個)
[道具]:基本支給品、デザートイーグルの弾、やけどなおし2個@ポケットモンスター(ゲーム)
[思考・状況]
基本:????
1:政庁かアッシュフォード学園へ向かい、兄の死の真相を確かめる
2:もし兄を殺したものがいるなら絶対に許さない
?:ロロ・ヴィ・ブリタニアを陥れる方法を考える?
?:ナナリーの悪評を振りまく?
[備考]
※参戦時期は、18話の政庁突入前になります
※相手の体感時間を止めるギアスには制限がかかっています
 使用した場合、肉体に通常時よりも大きな負荷がかかる様になっており、その度合いは停止させる時間・範囲によって変わってきます


◇

痛い。

打ち砕かれた羽のあった場所から血が落ちる。
折れた羽では彼女を空に飛ばすことも叶わず。
必死にその足で死から逃げ続けた。

乾巧になら殺されてもいいと。
そう思った気持ちは何処へ行ったか分からない。
裁かれたいという気持ちが大きく、自己嫌悪の思いが膨れ上がろうとも。
それでも死は怖かった。

既に二人の人間を殺しておきながら、都合のいい話だろうか。

「う…っ」

やがて走り続けた足は縺れ、地面にその身を投げ出してしまう。
早く逃げなければ。そう思う気持ちとは裏腹に、焦れば焦るほど足は言うことを聞かなくなる。
起き上がろうともがくうちに、やがてその灰色の肉体は人間のものへと戻ってしまっていた。
だが、そんなことを気にも止めずに体を支え、やがてどうにかバランス感覚を取り戻した。

そして頭を上げて前を向いたとき、そこにそれはいた。


「………」

全身真っ黒で、鎧を纏い、赤い線が所々に走った少女。
彼女の周囲を渦巻くどす黒い覇気が結花の知覚を刺激する。
そこにあるのは、ただ濃厚な悪意と殺意。

その瞳は冷たく無感情にこちらを見下ろしている。
そして、その手には彼女の黒き印象とは程遠い、芸術的な西洋剣。

「お前に恨みはないが、死んでもらう」

そう、感情もこめずに宣告を下した。

この人には、きっとオルフェノクに変身しても勝てないだろう。
そして、逃げを選んでも折れた翼では振り切れない。
ああ、ここまでなんだな、と心のどこかで感じ取った。




しかし、それを受け入れきることがどうしてもできなかった。



「…い、嫌…、助けて…、死にたくない…!」

震える声を発しながら、しりもちをついたまま後ろに下がる。
その恐怖はあの時デルタに襲われたときに感じたもの。
しかしここまで明確に迫った死の気配は、今の結花には受け止めるには重すぎた。

だが、一歩ずつ近付く足音は全く変わらない。

「ごめんなさい…、私が、私が悪かったです、だから、助けてください…。
 何でもします、何でもします…!……嫌…死にたく…」

今の結花には命乞いをすることしかできなかった。
地面に這い蹲り、怯える声で懇願を続ける結花。
そんな彼女を剣士はじっと見つめ、しかし無慈悲に振り下ろされる剣。


「いやぁっ!」

しかし、それが結花を切り裂くことはなかった。


「そこまで生きたいか?」
「…えっ?」
「そうやって地を這い、誇りを、尊厳を捨ててまで、貴様は生きたいのか、と聞いたのだ」

見下ろす視線は相変わらず冷たい。
しかし、発された言葉は小さくとも生きる希望だった。
肯定の意味を込めて、首を小さく縦に振る結花。


「ならば試してやろう」

と、剣士は黒い甲冑に包まれた足を結花の前に見せる。

「舐めろ」

告げられたのは3文字の言葉。
地面に蹲った結花の前に差し出された足。そしてなめろという言葉。

そういうことなのだろう。

ゆっくりと、その足に口を近づける。
結花にとってはこういったことは慣れた道だ。
人間として生きていたときは、ずっと養父母や義妹、友達に虐げられてきた。
多くの屈辱的な扱いもあった。肉体的な虐めもあった。
それらに比べれば、このくらいのことは何でもない。何でもないのだ。
そう、これは生きるために必要なこと。何もおかしなことはないのだから。

鎧は目と鼻の先まで近づき、その段階で結花は舌を出す。
そして、それが冷たい鎧に触れる。

その直前、足は後ろに下げられ舌が触れることはなかった。


「いいだろう、貴様は私の奴隷となってもらおう。
 支給品と食料の所有権はすべてこちらに渡してもらう。それと荷物持ちくらいはできるな?」
「…は…はい」
「あとは、そうだな。一応言っておこう。
 変な気を起こそうとするな。お前など、いつでも殺せるのだからな」

言葉通りに受け取るのであれば、どうやら自分は助かったらしい。
だが、安堵する心はなかった。

オルフェノクとなり、仲間と過ごしてきたことで忘れられた、あの虐げられてきた日々のことを思い出したから。
ああ、私はこんな姿になっても変われないんだ、と。

そんな思いが結花の心に影を落とし続けた。


◇

セイバーが彼女、長田結花を生かした理由。
特に深い理由があったわけではない。

本来ならば、弱った獲物など殺さない理由はない。
ただ、ほんの少し。
地を這い、己の尊厳を捨て、差し出された靴を舐めようとしてでも生きたいと思う気持ち。
それに気まぐれが働いただけのこと。

生前現れることなどなかった彼女の暴君としての王の属性が、一人くらいなら奴隷を侍らせてもいいなどと思いついただけのことだ。
殺そうと思えばいつでも殺せる相手。しかし従うつもりがあるのなら、無理に今殺す理由もない。
桜の指示があれば別だが、今は傍にはいない。
だから、一度くらいはこういうのもいいだろう。

それだけのこと。

彼女はただ気まぐれから生き延びているだけ。
逆にいうなら、もし彼女がセイバーを害するようなことがあれば。
その刃は彼女の肉体を灰にするだろう。
黒き騎士にとって、この人間の存在などその程度なのだから。



【D-6 町村付近/一日目 午前】

【セイバー・オルタ@Fate/stay night】
[状態]:健康、疲労(小)、黒化、魔力消費(小)
[装備]:グラム@Fate/stay night
[道具]:基本支給品、不明支給品0~1(確認済み)
[思考・状況]
基本:間桐桜のサーヴァントとして、間桐桜を優勝させる
1:人の居そうな場所に向かう
2:間桐桜を探して、安全を確保する
3:エクスカリバーを探す
4:間桐桜を除く参加者全員の殲滅。この人間(長田結花)は雑用係として使うが使えなくなったら殺す
5:クロエ・フォン・アインツベルンを探す
6:もし士郎たちに合った時は、イリヤスフィールが聖杯の器かどうかをはっきり確かめる(積極的には探さない)
[備考]
※間桐桜とのラインは途切れています
※プリズマ☆イリヤの世界の存在を知りました
 クロエ・フォン・アインツベルンという存在が聖杯の器に関わっていると推測しています

【長田結花@仮面ライダー555】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、翼にダメージ(オルフェノク態のダメージ)、仮面ライダー(間桐桜)に対する重度の恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本:???
1:死にたくない
2:黒い剣士(セイバー)に、殺されないために従う
3:仮面ライダー(間桐桜)に言われた通り、“悪い人”を殺す?
4:木場さんの為に、木場さんを傷つける『人間』を殺す?
5:乾さんに裁かれるなら―――?
[備考]
※参戦時期は第42話冒頭(警官を吹き飛ばして走り去った後)です
※自分を襲ったファイズが乾巧だと思っています



093:蛇の道は蛇 投下順に読む 095:スパークス
時系列順に読む
085:Lost the way 草加雅人 109:わたしの世界を守るため(前編)
ロロ・ランペルージ 104:無邪気な悪意
長田結花 096:美国織莉子、私の全て
076:私の光が全てを照らすわ セイバー


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