永遠フレンズ

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永遠フレンズ ◆Z9iNYeY9a2


前回のパラレルワールド・バトルロワイヤル、織莉子編!

わた…最愛の友、呉キリカを看取った織莉子!

「私は―――――――――進みます」

その足は鹿目邸へと一直線に向かう!

―――わたし(あなた)の世界を救うためなら、私はどんな罪を背負う事になろうとも、構わない

そしてようやく見つけた抹殺対象・鹿目まどか、しかしその行く先を阻む憎き存在は小さな魔法少女・美遊。


「本当に、道化のような、哀れなお話」
「そんな犠牲のことを、絶対に救いとは認めない!!」

そして始まる織莉子と美遊の魔法少女対決。

(お願いキリカ、力を貸して――――!)

激闘の末、まどかに重症を追わせることには成功。でも疲れちゃってそのままダウンしちゃった。
一体どうなっちゃうんだ織莉子~?!頑張れ織莉子ー!


「ねえ、キリカ」
「何だい織莉子」

そこはのどかな昼下がりの、自宅の庭。
唯一の心許せる者との、安らぎの一時だった。

「あなたには夢はあるのかしら?」
「あははは、何を今更。私は織莉子といられるなら何も望まないよ」

何を分かりきったことを聞くのか、とでも言わんばかりに笑うキリカ。
そんないつも通りの彼女の姿に思わず微笑む織莉子。

「そういう織莉子、君はどうなんだい?
 鹿目まどかを殺した後のことは、どうするのかとか考えてるのかい?」
「私?私は……特に考えてないわね。彼女を殺すことに自分の全てをかけるつもりだし、もしそれが果たされるならこの生命が終わっても構わないと思ってるから」

そう答えると、キリカは突然織莉子の目の前に体をズイ、と乗り出す。

「そんなのダメだよ!織莉子はこれまでたくさん苦しんできたんだから!
 だから世界を救って皆を守ったんだったら、もっともっと幸せになる権利があるはずだよ!」
「でも、私はそれまでに色んな人を傷つけてきたわ。全を救うための犠牲と割りきって多くの無関係なはずの魔法少女達を傷つけ、殺して。
 世界を救うことはその贖罪よ。だから幸せになる権利なんて――――」
「全くもう!どうして君はそう、いつも自分のことを見ないんだ!」

うがー!と怒るように織莉子に迫るキリカ。
微笑ましくなる姿だが、キリカの言葉もあってあまりそんな気持ちにはなれない。

「織莉子、私にとって一番の幸せはね、君と一緒にいられることだけどさ。
 その次だって言えるくらいには君の笑顔が好きなんだよ」

キリカは真剣な表情で、じっとこちらを見据えてそう告げる。

「君と一緒にいられるなら、君が笑顔で居られるなら、例え世界の全てが敵に回ることがあっても織莉子の傍にいたいって、本気で思ってるんだからね」
「…ふふっ。でも本当に敵になられるってのも困りそうよね。何しろ私の守りたいもの全部が敵に回るんですもの」
「え、…あ、え~っと、それはあれだ、言葉の綾だよ!喩え話だよ!」
「本気で思ってるって言ってなかった?」
「も~!この話終わり!」

顔を真っ赤にして腕をブンブン振り回すキリカ。
そんな彼女の姿を見ていると自然と笑いがこみ上げてきた。

が、しばらく経ち落ち着くと、また真剣な顔になって織莉子の顔を見つめて話し始めた。

「まあ、そうは言っても一番の幸せだった織莉子の傍にいるってのは、もう無理になっちゃったわけだしさ。
 だからせめて、君には笑っていて欲しいんだ。
 辛いこともたくさんあるかもしれないけど、それでもきっと幸せになってて欲しいってさ」
「キリカ…?」
「うん、そろそろ時間のようだね。短い時間だったけど楽しかったよ。
 織莉子、私はずっと織莉子のこと見守ってるから。君は一人じゃないから。
 だから、こっちに来ようなんてことは絶対に思っちゃダメだからね」

キリカの言葉の意味が分からない。
ただ、何か嫌な予感がしていた。

ここで彼女と別れたら、もう二度と会えないような――――

いや、待て。確か、キリカは…もう。


「体がなくなったとしても、私はずっと織莉子の傍にいるから。
 例え世界の全てが敵に回ったとしても永遠に君の、君だけの味方だからね。織莉子」
「待って、キリカ!まだあなたと―――――」

キリカの呟きと共に、彼女との距離が手を伸ばしても届かないほどに遠ざかっていき。
同時に、周囲の庭の風景も闇色に暗転していく。
まるでその光景は、最初から幻だったとでもいうかのように。

「だから、君は頑張って、君の幸せを見つけてくれ、織莉子」
「待って、キリカ!!」

遠ざかっていくキリカに向けて、織莉子は届かぬ手を伸ばし。


「――――キリカ!!」

ガバッと身を起こす織莉子。
そこは見知らぬ天井、見知らぬ部屋。
あの庭ではないし、己の家の部屋でもない。

見ず知らずの民家の、その一室で寝かされていたようだった。

「…ここは?」
「目が覚めたか」

そしてその部屋の隅で、ニドキングを呼び出した状態で支給品を広げているサカキ。

「全てが終わった様子だったから見に行けば、ボロボロになった家で君が気絶していたのでな。
 すぐ近くの家に移らせてもらった。
 しかしずいぶんと派手にやったものだな」

チラリと窓の外を見ると、鹿目邸が視界に移る。
そこにあった家には、2階部分は見る影もなくなり、その他の場所もところどころにヒビの入って窓は無事なものがない。
チラチラと壁に刺さっている岩は自分の使ったものだ。

「…、あの後家から飛び出したものはどこに向かって行ったか分かりますか?」
「方角的には西だろう。そこに向けてものすごい速さで飛び出していく光が見えたからな。
 しかしそれを追うのは諦めた方がいいだろう。何せ、君が眠ってから既に一時間近くの時間が経過している」
「…!そんなに……」

慌てて時計を取り出し時間を確認する織莉子。
すると確かにあの戦闘の前よりも一時間近くの時間を経ている。

今から追ったとしても見つけることは難しいだろう。

「で、どうする?追うというのなら別に止めはせんが」
「いえ、今は保留にしておきます。アレが飛び出す瞬間、私は確かに致命傷を入れたはず。
 次の放送で生存が確認できた際に、改めて探し出します」

あの傷は時間が経過すれば死に至るほどのもののはず。
もし彼女が命を落としてくれたなら、探すだけ時間の無駄だ。
不安こそあるが、次の放送で名前が呼ばれなかった時に改めて彼女を狙うとしよう。

もしそこに不安要素があるとすれば、あの場で口にしたことをキュウべえが耳にしていたら、ということだが。

だがそれも鹿目まどかの生存が確認できないうちに気にしていても仕方のないことだ。
未来視がはっきりと行えない現状の自分が疎ましい。
加えて、万が一生きていたとすればあの処置が間に合ったということ。
その場合これから向かう予定の病院に鹿目まどかの姿がある可能性は高い。

もしそこで生存を確認できたなら、そこで改めて決着をつけるだけだ。

「なるほど、では当面は君は目的を達成できたことにする、という認識でいいのかね?」
「はい。彼女に関しての行動は次の放送までは保留とします」
「ふむ。では、今後のことになるが」

サカキは織莉子が目的を達した後のことについての相談を始める。
予定としては市街地を巡った後で病院へと向かう予定のはずだった。

しかし、現状織莉子の目的が達された以上、市街地を探索する意味は果たしてあるのだろうか。

「…サカキさん、私が眠っている間、あそこに何者かが近付いてきた形跡はありましたか?」
「いや、特に誰もやってくるような様子はなかったな」
「では市街地の散策は無意味でしょう。
 あれだけの戦闘音を立てたのですから、もし誰かいるなら寄ってくるはずですし、そうでないならもう離れてるはずです。
 少なくとも他者を探す、という観点においてはこの市街地に留まる意味はないでしょう」
「そうか、ではもうしばらく休息をとった後で病院に向かうとするか」
「あ、いえ。もう大丈夫です。休憩ならもう十分です」

そう言って起き上がろうとする織莉子を、サカキは止める。

「まあ待て。現状の君にはそう行動を急がねばならない理由もない。
 ならば十分に休んで万全の状態で行動を始めるべきだろう。
 少なくとも疲弊して肝心な時に失敗するような同行者と一緒に行動したいと思う者はいないぞ」
「…………」

確かに鹿目まどかの件を現状保留とした以上、行動を急ぐ理由もないはずだ。
ソウルジェムを見ると、濁り自体は決して少ないものではないが、しかし魔力さえ節約できるならまだ余裕はある。
自分の魔力を用いて疲労を回復させるよりも、自然回復を待った方がいいだろう。

「そうですね、もうしばらくここで休ませてもらいます」
「懸命な判断だ」


そうしてしばらく、サカキは支給品に混じっていたわざマシンの操作に入り始めた。
先ほどニドキングが覚えたステルスロックという技ともう一つ。

あのステルスロックという技は、本来は入れ替わり毎に場に現れる相手のポケモンにダメージを与えるというものであり、バトルにおいては後退や逃走に対する心理的な圧力になるとか。
もう一つのわざマシンの方はマジカルシャインといい、ニドキングでは覚えることのできないものであるため使えないらしいが。

しかしそのわざマシンにはどうにも分からないことが多かった。
ジムリーダーを兼業している以上それなりにポケモンに関する知識を持っていたはずのサカキにも聞いたことのない技だ。
タイプもまた、フェアリータイプと聞き覚えのないものが登録されている。

もしかしたら自分の知らないポケモンのタイプか何かだろうか。
あるいはオーキド博士のようなポケモンに詳しい人間ならば何か情報を持っていたかもしれない。
その者も先の放送で名を呼ばれもうこの世にはいないのが惜しまれる。

「フェアリー…、妖精ですか。確かにこの子には不似合いに見えますが」
「こいつはこう見えても海上を泳いだり電撃を発したりという芸当も可能なのだよ。あまり外見で判断するのは関心せんな」
「ちなみにこれはどのような技なのですか?」
「強力な光を発して相手を攻撃するものらしい。攻撃範囲も広く、相手が複数なら一度にまとめて攻撃することも可能だとか」
「なるほど…。そういえばこの機械って、ポケモンにしか使えないものなのですか?」
「ああ、少なくとも人間が習得できるようなものではない」

それは、ほんの好奇心だったのかもしれない。
織莉子はその返答に対してこう答えていた。

「では、それをもし私のような魔法少女やそれに類する者が使った場合はどうなるのでしょう?」
「ハハハ、やってみるかね?」

受け取ったそれを、聞いた使い方通りに使用してみる織莉子。

トゥトゥ

わざマシンを起動した!
中にはマジカルシャインが記録されていた!
マジカルシャインを覚えさせますか?

はい

織莉子はマジカルシャインを覚えた!

テテテテーン

「……えっと、できたみたいです」
「…………」
「…………」
「ギャ?」

わけも分からず沈黙する織莉子と、絶句するサカキ。
そしてそんな2人を見て首をかしげるニドキング。

「…まあ、魔法少女は不条理を覆す存在だって言ってた者もいましたし」
「それが君がポケモンの技をわざマシンで覚えられた説明にはならないと思うのだが」
「ですよね」

どうやら美国織莉子の魔力を以って相手を攻撃する能力とそのマジカルシャインという技は相性がよかったらしい。
マジカルシャイン―――魔法の光。

世界を照らそうとする美国織莉子という輝き――――。

(なら、あるいは他にもポケモン以外にわざマシンを使える者がいるということか?)

少なくともこれまでの自分であればポケモン以外の、それも人間に対してそんなことが起こり得るなどという発想はすることなどなかっただろう。
そんな常識を、こんな子供にひっくり返されるなど。

(―――面白い)


「そういえば、まだ聞いていなかったが」
「はい?」
「君が殺さねばならないと言っていたターゲットは殺した……まあまだ分からないというがそう仮定しておこう。
 その後は君はこの殺し合いの儀式を打破したいと、そう言っていたな」
「はい」
「では、その後は何かあるのか?
 殺さねばならない相手は抹殺したとして、その後のことは」

サカキが聞きたいのは、おそらくその抹殺対象を殺した後で織莉子がやりたいと思っていることを聞いているのだろう。
今はまだいい。殺し合いの打破という目的を持っているのだから。
しかし、その後はどうするつもりなのだろうか。

「詳しい内容まで聞くつもりはない。ただあるかないかに対してイエスかノーかで答えてくれるだけでいい」
「……特に、考えてないですね。そもそも当初の目的のためになら命を投げ出す覚悟でしたし」
「なるほどな」

特に隠している、という様子もない。
別に隠していたところでそれを追求するつもりもない。ただそれを持っているかどうかという事実が重要だっただけだ。

持っていないのであれば、その先の話に繋げることができる。

「ではどうだろう?ここから抜け出した際には、私の部下――とは言わないが協力者になる、というのは」
「協力者、とは?」
「私はここに連れてこられる直前まで、私自身が作った組織を再建するための修行をしていてね。
 まだその時ではない、と思っていたのだが私を慕っていた部下に呼びかけられて、再度表舞台に出ようと思っていたところだったんだよ。
 もし何も考えてない、何もないと言うのなら私の組織を建て直すことに協力する、というのはどうだろう?」

それはロケット団に勧誘しようというものだった。
彼女を自分の組織に、という決断にはサカキなりの根拠がある。

ポケモンバトルにも応用することができる特殊能力。
まだ子供ながらも自分のような大人にも屈せずに腹芸を行える度胸。
若さ故か経験の浅さもないわけではないが、逆にいえばそれは可能性の塊ということだ。年齢が評価を下げる要因にはし難い。
実際自分を負かしロケット団を解散するという決断をさせた者はこの少女よりも年下の子供だったのだ。

「君の存在があれば、私の組織もまた違う形で変わることもできるのではないかと、そう思うのだよ」
「…サカキさんの組織に、ですか」
「ああ、別にすぐに返事を、とは言わんさ。この殺し合いから抜け出すまでに答えを出していてくれればいい」
「そうですね、少し考えさせて欲しいことではありますが、その前に。
 サカキさんの組織、というのは一体どのようなことをされているのですか?」



「お断りします」

そうして自分の組織・ロケット団について軽く掻い摘んで説明してみたところ、織莉子の返答はにべもなかった。
まあそういう反応自体も別に全く想像していなかったわけではないが。

「ははは、やはり悪事をやっている組織、というものは気に入らんか」
「そうですね、もしこのような場でなければ真っ先に敵対対象ともなったでしょう」

他者のポケモンや財産を奪うこと、そうして儲けた金でさらに組織を巨大化させ多くの街を、地域を制圧すること。
漠然としているが、やっていることはおそらく織莉子の知識でいうならばマフィアのそれとあまり変わりはしないだろう。
ただ、何となくそれが組織の目標だと言われれば納得してしまいそうな風格をサカキが備えていたのも事実だ。

しかしそれでも、元来強い正義感と正しくあるように心がけてきた織莉子にとっては、その組織は受け入れられるものではなかった。

「ふむ、一考にも値せんか?」
「はい」

その瞳には一欠片の迷いも感じられない。
まるでかつて自分を倒したあのトレーナーのようにも見える。

これ以上は無駄だろう。この話はここで終わりだ。

「分かった。じゃあこの話は無かったことにしよう。
 しかしどうして私がこんな話を持ちかけたか、君には分かるか?」

問題はここからだ。

「…いえ」
「君は未来を見ることができると言っていたが、しかしその割に君自身の未来というものは形を持っていない。
 特に目的というものを達した後のビジョンが君には無いようにも見える。
 それは生きる意思にも繋がる重要なものだ。特にこのような場所ではな。
 私とて死ぬわけにはいかない。生存確率は上げておく必要がある。
 ならば、同行者の不安要素は取り除いておきたいのだよ」

正直余計なお世話かもしれないし、これまで一線を引いてきた上では少し踏み込み過ぎた話かもしれない。
だが、この娘に対して興味深いものを感じたこと、それなりに高く買っていることも事実だ。

そして、そうした評価を下した自分の観察眼が間違ったものであるということも認めたいものではない。


「私の、ビジョンですか」
「ああ。私としては自殺志願者予備軍に近い者と一緒に行動したくはないからな」

言われて、織莉子は考える。
自分のやることは何か、と。

鹿目まどかを殺し。
この儀式を打破した後に何をするのか。

しかし、考えれば考えるほどに自分には何もないことに思い至ってしまう。
唯一あったものはキリカとの絆だったが、それももう望むべくもないものだ。

思い返せば、色んな未来を見てきはしたが、自分のもっと先の未来を見たことは一度もなかった。
せいぜい戦闘中の動きについてのものくらいだ。

(こんな時だったら、キリカは何ていうのかしらね…)

ふと思わず、もういないはずの友人に思いをはせてしまう。

やはりあの子がいなければダメなのだろうか、とそう思って手を下ろした時。
何か固いものに触れた。
何だろうと思いながらもそれを手に取る。
服に引っ付いていたものは真っ赤に濡れていた跡がある。おそらくは血がついていたのだろう。
そしてその血が乾いた影響で服とくっついてこの場まで持ってきてしまったということか。

それは、宝石の破片。
他でもない、鹿目まどかに一糸報いるために使われたもの。
そして織莉子にとっては大切な意味を持った、彼女の遺品。


―――――例え世界の全てが敵に回ったとしても永遠に君の、君だけの味方だからね。
―――――だから、君は頑張って、君の幸せを見つけてくれ、織莉子。


そんな会話をした覚えなどないというのに、何故かそんなことを言われた気がする。
私自身の幸せ。私としての願い。

キリカのいる世界を、あの子と共にいられる場所を守るため。

どこかで聞いたそんな言葉が本当にキリカの言ったものであるのならば。
私の守るべきものは――――

「そうですね…。いくら考えてもあなたの組織に協力などできませんね」

そこはきっと譲れないだろう。
だが。

「ですが、サカキさんの世界であなたの組織の活動を食い止めて人々を守る、くらいのことはできそうな気がします」

例え見えなくてもキリカがずっと傍にいるという言葉が夢でないというなら。
守るべきは自分自身。自分が自分でいられるような場所。

「フッ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

そんな返答を受けたサカキは笑っていた。
それはこの協力関係に終わりがくれば敵対する、という宣言であるはずなのに。

「やはり面白いやつだ、君は。
 ならば私は君に潰されるようなことのないような強い組織を作り直す必要があるな」
「ええ、ですが」
「分かっている。その前に今はこの状況を打開することが優先だ。それまでは協力関係は続く。
 それでいいんだろう?」
「それで問題ありません」

結局この一線を引いた距離感そのものはこの場では縮まることはないだろう。
だけど、距離は変わらずとも、その関係自体には若干の変化があったような、そんな気がしていた。


「さて、ではそろそろ出るか。
 向かう先は病院、でいいのだよな?」
「はい。しかしもし私が戦った彼女がまだ生きているということが分かれば、全てにおいてそちらを優先させていただきますが」
「構わんさ。だが他の目的を忘れてもらっては困るぞ?」
「その点に関してはご心配なく」

そうして2人は、病院に向けて出発した。
草加雅人が言っていた、Lなる人物と待ち合わせを予定している場所。
しかし織莉子の見た未来から、あるいは何かしらの危険な何かが発生している可能性もある。
あれから時間も経過してしまっている以上、収まっている可能性もあるが、まだ何かしらの危険が残っている可能性も逆に有り得る。

あるいはそれがあの黒き騎士によるものであるとするのならば。

(…落ち着きなさい美国織莉子、復讐に我を忘れては身を滅ぼすだけよ)

復讐に身を焦がして本来の目的を忘れることもまた愚行。
今の残り魔力を鑑みて配分も考えた上で、冷静に対処しなければならない。

死ぬためではない。生きるために。
キリカの生きた証として、私が生きていくために。


囚われた過去ではない、未来を生きていくために。



【D-6/町村地帯/一日目 午後】


【美国織莉子@魔法少女おりこ☆マギカ】
[状態]:ソウルジェムの穢れ(4割)、白女の制服姿、疲労(小)、ダメージ(小)
[装備]:グリーフシード(濁り:満タン)、砕けたソウルジェム(キリカ、まどかの血に染まっている)
[道具]:共通支給品一式、ひでんマシン3(なみのり)@ポケットモンスター(ゲーム)
[思考・状況]
基本:何としても生き残り、自分の使命を果たす。
1:鹿目まどかの抹殺を優先するのはその生存が確定されるまで保留。最遅でも次の放送。
2:優先するのは自分の使命。そのために必要な手は選ばない。しかし使命を果たした後のことも考えておく
3:キリカを殺した者(セイバー)を必ず討つ。そのために必要となる力を集める。
4:ポケモン、オルフェノクに詳しい人物から詳しく情報を聞き出す。
5:積極的に殺し合いに乗るつもりはない。ただし、邪魔をする者は排除する
6:サカキと行動を共にする。
7:美遊・エーデルフェルトの在り方に憤り。もし次にあったら―――――?
[備考]
※参加時期は第4話終了直後。キリカの傷を治す前
※ポケモン、オルフェノクについて少し知りました。
※ポケモン城の一階と地下の入り口付近を調査しました。
※キュゥべえが協力していることはないと考えていましたが、少し懐疑的になっています。
※鹿目まどかに小さくない傷を負わせたことは確信していますがその生死までは確信できていません。
未来視を以ってしても確認できない様子です。
※マジカルシャインを習得しました。技の使用には魔力を消費します。

【サカキ@ポケットモンスター(ゲーム)】
[状態]:左腕に裂傷(軽度)
[装備]:高性能デバイス、ニドキングのモンスターボール(ダメージ(小)疲労(小))@ポケットモンスター(ゲーム)
[道具]:共通支給品一式 、技マシン(ステルスロック)@ポケットモンスター(ゲーム)
[思考・状況]
基本:どのような手段を使ってでも生き残る。ただし、殺し合いに乗るつもりは今のところない
1:『使えそうな者』を探し、生き残るために利用する
2:織莉子に同行する。暫くは自由にさせるが主導権は渡さない。
3:病院へ向かう。
4:ポケモン、オルフェノク、魔女に詳しい人物から詳しく情報を聞き出す。
5:力を蓄えた後ポケモン城に戻る(少なくともニドキングとサイドンはどうにかする)
6:『強さ』とは……何だ?
7:高性能デバイスの存在は伏せておく。
8:他にわざマシンが存在しないか、またそれをポケモン以外の者が使えるかどうかも確認したい。
[備考]
※『ハートゴールド・ソウルシルバー』のセレビィイベント発生直前の時間からの参戦です
※服装は黒のスーツ、その上に黒のコートを羽織り、黒い帽子を頭に被っています
※織莉子の予知能力について大凡明確に理解しました。
※ポケモン城の一階と地下の入り口付近を調査しました。
※サイドンについてはパラレルワールドのものではなく、修行中に進化し後に手放した自身のサイドンのコピーだと思っています。

122:マドルチェプリンセスの憂鬱 投下順に読む 124:閃光の真実と深淵の影
時系列順に読む
112:Fragment Hope 美国織莉子 126:憎悪-Badblood mind
サカキ



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