概要
眼球を捧げよ、左の眼球を捧げし者は知を得て、右の眼球を捧げしものは力を得る。
――フラック公領教区ツーンド教会司教ハルヴィス・プリスバード
クラックは現象魔術師の中でも、片目に術式陣を貼った者のことであり、その術式陣の影響で通常の魔術師に比べて強力な
現象魔法を行使することが出来る者である。術式陣の影響によって目には陣の模様が浮かび上がるうえ、その目はほぼ失明状態になる。陣を取り除くことは可能で、視力は元に戻るが二度とクラックになることは出来ない。
また、強力な現実改変能力を持つ代償として、限度を超える魔術を行使した際に眼球が破裂する可能性があり、結果的にショック死する場合もある。現象魔術の弱点も加えて、高度な魔術的知識と精神力が必要であり、代償を気にせず覚悟がある者だけがこの特殊な魔術師になることが出来る。
文化上の関係
クラックは「最終戦争」を主導した魔術師の主力的地位に居たとされており、現代において個人がクラックであることを知られるのは迫害や忌避の可能性を意味するとされている。そのため、現代のクラックは眼帯をしている者が多く、泉域で目を怪我したなどと説明している場合が多い。クラック差別はラヴァンジェの問題の一つであるが、連合体自身がクラック個人の力を危険視しているために問題解決に積極的ではないということが言われている。
数とラヴァンジェの意識
現代においては、クラックは数億人に一人の人間軍隊というものであり、国家の管理を超えるような存在である。
ラヴァンジェ諸侯連合体はクラックの公的な登録(
クラック公的登録制度)を進めているが殆どのクラックは公的登録を受けていない。クラックが国外への渡航は厳しく規制されている。許可を得ずに国外に出たクラックは現象魔術師機関第3機動魔術部隊による終了が法によって定められている。
クラック公的登録制度に登録されたクラックは
アンクレットを付けることが義務付けられている。
存在しないはずの部隊
国境を超えて他国に入国した場合はラヴァンジェ政府は
文明共立機構の憲章に基づき、「内政不干渉の原則」が適用されるため名目上では対処ができなくなるとされている。しかし、公表されていない第5機動魔術部隊が追うとされている。これは公表されておらず世間は存在を噂話でしか知らないレベルである。第5機動部隊の話は公の場でされることもあるが、ラヴァンジェ政府のカバーストーリー工作が成功しており、一般社会では単なる陰謀論者として取り扱われる。
セトルラーム共立連邦や共立機構の保護プログラムを適用されているクラックを護衛する部隊との戦闘もあったとされているが、全て表沙汰にはされていない。
連合帝国政府の秘密部隊「帝国官房」などと協力する場合があり、その場合は仮装部隊名を名乗っている。
クラックの国際的人権に関して
ラヴァンジェは共立機構に加盟している全ての国家におけるクラックの国際的人権に対して協力な働きかけを行っている。クラックに対する厳しい政策をしているラヴァンジェがこのような運動をしているのは奇妙に見えるかもしれないが、クラックに対する差別がその母集合である現象魔術師への差別へと繋がるとして危惧しているからである。ラヴァンジェと共立機構は
セトルラーム共立連邦における非合法出国クラックに対する強硬的な法制を交渉において改善したという実績を持っている。
最終更新:2021年06月17日 01:59