桜仙飯店の探索
桜仙飯店・入口
翌日、貴方達は安祭と共に万屋へ出かけました。
安祭の本丸は万屋のある商店街にかなり近く、いつも散歩がてら徒歩で向かいます。
着いたのは昼の少し前、安祭は予約の品を店で受け取ると、
商店街の最奥、外れの方にある桜仙飯店へ歩みを進めました。
審神者向けの呉服屋や茶屋、菓子屋が並んだその道の果て、華美な中華装飾の小さな店が見えます。
入口の横には美味しそうな食品サンプルが並ぶショーケース、頭上には桜仙飯店と描かれた
綺麗な看板があり、大きなガラス窓から見える店内は、時間のせいもあって賑わっています。
また、ショーケースの上には「大人気!桜仙肉まんテイクアウトOK!」という紙が貼られています。
情報
これといって怪しい所はありません。
オープンからまだ二ヶ月程度なだけあって綺麗なお店です。
店の左右に建物は無く、木々が生い茂っています。
店の裏手は広大な森のようです。
窓から中を見ると、テーブルは満席のようですが、待機席があるので座って待てるようです。
店員は二名いるようで、ひとりはオレンジのエプロンをした博多藤四郎です。
もう一人は…ピンクのふりふりエプロンをした後ろ姿が見えます。
中華系香辛料の良い香りがしています。
今の所、何かおかしいと感じる物はないです。
桜仙飯店・店内
店へ入った途端…貴方達の鼻腔に中華料理独特の香辛料の匂いが流れ込みます。
安祭の部屋で嗅いだ匂いとよく似た、美味しそうな香りですが…
貴方達は、何か言い知れない胸騒ぎのような物を感じるでしょう。
空腹を刺激する良い匂い、だがしかし、何か…何かがおかしい。
貴方達が無意識に眉根を寄せたその時。
ようこそ桜仙飯店へ!
申し訳ありませんが現在満席となっておりますので、そちらのお席でお待ちください。
ふと気づけば、明るい笑顔を浮かべるピンクのふりふりエプロン姿の…
亀甲貞宗がすぐ近くに立っていました。
促されるままに、貴方達は待機用の椅子に腰掛け、待つことにします。
座り心地の良い椅子の横には小さなマガジンラックがあり、お店の料理メニューが入っていました。
肉まんテイクアウトだけにしようと思ったけど、折角だし食事していくかな。
情報
高級感ある中華装飾の施された明るい店内、綺麗に掃除されており華やかな印象です。
テーブルは大小含め8つあり、審神者とお付きの男士達が談笑しながら食事をしています。
壁際にある待機席も貴方達とその他の客で、既にほぼ満席状態です。
店の奥には厨房が見え、その手前のカウンターでは先程の亀甲貞宗と、
もう一人博多藤四郎がテイクアウトの肉まんを包んだりして、忙しそうに働いています。
テーブルからやや離れたカウンターには大きな蒸籠があり、白い湯気を立ち昇らせています。
また、横には出来立ての料理が並んでいて、亀甲達がが次々と運んでは空いた皿を下げていました。
カウンター隣には小さなドアが2つあり、取りつけられた小さな看板を見るに、
それが男女別の厠になっているとわかります。
明るく清潔感ある厨房が見え、中では一人の男が調理をしています。
どうやら他に店員はいないらしく、かなり忙しそうです。
厨房の更に奥へ目をやると僅かに開いた引き戸があり、合間から休憩スペースらしき部屋が見えます。
品数はかなり多く、前菜から肉料理、海鮮、麺類…と、肉まん以外にも本格的な中華料理が楽しめるようです。
中でも肉料理の種類が多く、それがこの店の自慢だと感じるでしょう。
肉まんもいくつか種類があり、ベースとなる桜仙肉まんの他、チャーシュー入り、フカヒレ入り、
ピリ辛に激辛と、多彩なメニューとなっています。
挽肉は様々な具材と共に、店主こだわりの特殊製法でブレンドしてあるそうです。
また、メニューの最後には店主の経歴が添えられており、彼が王埼という元審神者だとわかります。
審神者達は嬉しそうに食事をしています…が、
貴方達は食事を共にする男士達が、微妙な顔をしている事に気づきます。
笑顔でゆっくりと料理を口にしてはいますが、嬉しそうには見えません。
※クリティカルなら、刀達は皆海鮮や野菜料理ばかり食べていると気づきます。
坊主頭にメガネをした、年齢は30代くらいの大柄な男です。
貴方達が見たその時、男は大きな肉の塊を解体している所でした。
肉切り包丁を荒々しく肉に叩きつけるその姿は…どこか猟奇的に感じます。
チャイナ風の衣装にピンクのふりふりエプロンをまとった彼は、明るい表情で働いています。
刀である貴方は、彼がどの程度の練度の刀か察することができるでしょう。
彼は、このような場所でこのような仕事をするには不釣り合いなほどに高い練度の刀です。
クリティカルなら、更に極刀である事もわかります。
チャイナ風の衣装にシンプルなオレンジのエプロンをまとった彼は、元気そうに働いています。
刀である貴方は、彼がどの程度の練度の刀か察することができるでしょう。
彼は、このような場所でこのような仕事をするには不釣り合いなほどに高い練度の刀です。
クリティカルなら、更に極刀である事と、稀に疲れたような暗い瞳をしている事がわかります。
極稀にですが、精神的なストレスを抱えているような表情をします。
貴方は店内に充満する匂いに、何か霊的な気配のような物が絡んでいると気付きます。
なんだろう…と思案した貴方は、ふと、それが戦場で嗅ぐ血と死の気配だと気づいてしまいました。
人間では決して気づけない、刀である貴方達だけがわかる血と死の霊気や邪気とも言うべきもの。
食事を楽しむ場所には到底似つかわしくないその事実に、成功で0・失敗で1のSANチェック
※クリティカルであれば以下の通り。
血と死の気配に当てられた貴方の脳裏に、このような光景が浮かびます。
鮮血の海に折り重なる刀達の屍…それは遡行軍ではなく、皆貴方達と同じ刀剣男士です。
四肢は無く、肉を削ぎ落された裸の胴体、彼らの表情は深い嘆きと哀しみに満ちています。
そしてその屍の山に、突如黒く大きな人影が覆いかぶさり…漆黒の掌が血の滴る白い肉体を掴みました。
右手で掴んだ肉を齧り、左手で摘まんだ肉を飲み込み、やがて犬のような姿勢で肉の山を貪る闇の巨人、
その頭、切り裂かれた傷口のようにぬらめく赤い口内が、艶めかしい肉塊を咀嚼しては、
華やかに血を弾けさせ、貴方の視界を染め上げていきます…成功で1・失敗で1d3のSANチェックです。
次・桜仙飯店での食事に続く
最終更新:2019年10月19日 11:57