ローゼン幼稚園
~ほんわかストーリー~ ※グロ注意
【BGM】
第ichi話
水銀燈「うわ〜、また本読んでる〜。くら〜w」
真紅「……」
水銀燈「ねぇねぇしんく〜? なに読んでるの~~?w」
真紅「千法全書よ」
水銀燈「九百九十四次創作!?」
水銀燈「しんくってほんとブサイクw」
真紅「そう」
水銀燈「その態度がうざいんだけど!」
真紅「うざいと言われるほどあなたに干渉はしていないわ」
水銀燈「……は? そのしゃべり方やめて? キモいんだけど」
真紅「ごめんなさいね」
ぎりっ、と奥歯を噛む水銀燈。
水銀燈(泣かない。悔しがらない。おもしろくない……)
水銀燈「……あ、そうだ」
にやり、と笑う。
銀ちゃんは腹いせに、幼稚園で飼ってる金魚鉢を破壊。
金魚を握り潰し、真紅の本の上へ。
水銀燈「きゃああああああああ!! せんせぇえええええ!!」
先生「どうしたの!?」
水銀燈「しんくが!! しんくが金魚いじめたのぉおおお!! こわいよぉおお!!」
先生「な、なんだって!?」
真紅「……」
真紅「……大変申し訳ありません」
水銀燈「え?」
真紅「全責任は私にあります。後日、弁償および慰霊の手配をいたします。処罰は受けます」
先生「い、慰霊って……」
水銀燈「ちょ、え、ちが……」
真紅「水銀燈は悪くありません」
水銀燈「は?」
翌日
水銀燈「……ごめん」
真紅「あなたが罪を背負う必要はないわ。……みんなの心の中で生きているわ、あの子たちは」
水銀燈「……ぐすんっ」
第ni話
水銀燈「ゴミはゴミ箱に〜♪」
ぽいっ。
真紅の道具箱が、無造作にゴミ箱へ沈む。
水銀燈「お似合い♡ゴミにはゴミの家があるんだよぉ?」
真紅「……確かに」
水銀燈「は? 何それ。昨日覚えた言葉?」
真紅「それはそうね」
水銀燈「なにその開き直り!? ムカつく!!」
真紅は静かに立ち上がる。
ゴミ箱へ手を入れる。
水銀燈「うわ、やだ。ほんとに漁ってる。貧乏くさ─」
真紅「──『新しい道具箱』を手に入れてしまったわ」
水銀燈「は?」
真紅は指先で、ひらりと一枚取り出す。
500円玉。きらり。
水銀燈「……は? はぁ???!」
真紅「宝の山ね。まるでホークスのプロテクト外」
水銀燈「はぁああ!? ずるい!! ずるずるずる!!! それぎんが見つける予定だったし!!」
真紅「そう」
水銀燈「死ね!!!」
真紅「でも、いらないからあげるわ」
水銀燈「……は?」
真紅は、500円玉を差し出す。
真紅「私にはこのメダルの価値が分からないの。あなたにはお似合いだと思う」
水銀燈「な、なにそれ……」
水銀燈「……絶対、わかってるくせに……。しんくぅ……っ」
真紅「?」
第san話
水銀燈「ギンギラギンにさりげなく〜♫」
取り巻き共「うまーい!」「じょうず!」「デビュー確定!!」
水銀燈「どやぁ〜〜〜〜」
バカ男子「いや下手じゃね?ほいけんたじゃんw」
水銀燈「は?」
バカ男子「声、凛として時雨www蚊の鳴くような声www」
水銀燈「……」
水銀燈「──『開放』の刑、けってぇ〜〜」
昼休み。
バカ男子「ぐがぁぎゃあああっ!!! 脚が、足があああああああ!!!!」
周り「いやぁああああ!!!!」
バカ男子は足の骨が飛び出る──『開放骨折』をして早退。
水銀燈「るんっ♪ これで許してあげる♡」
数分後。
水銀燈「ギンギラギンにさりげなく〜♫」
取り巻き「うまーい!!」「さすが!!」
水銀燈「どやぁ〜〜」
真紅「へただわ」
水銀燈「……は?」
真紅「北嶋徹。中村美代子」
水銀燈「時雨の本名言うな!!!だせーだろ!!」
水銀燈「……」
水銀燈「『身元不明』の刑、けってぇ〜─」
真紅「ちなみに凛として時雨(へた)の対義語は──『水銀燈』」
水銀燈「///////っ!!!! ぴょゆおおおおおおおおおおお~~~~~~!!!」
取り巻き「銀ちゃん?!」
水銀燈は大興奮のあまりソニー・ミュージックスタジオへ。
そのまま迷子。
『行方不明の刑』、執行完了。
第yon話
水銀燈「くっさw」
真紅「……」(平山夢明の本読んでる)
水銀燈「ねえしんくお風呂は入ってるぅ~?w 凄い臭いよ~~??」
真紅「彼女が、私を呼んでこないの」
水銀燈「風呂のアナウンスを彼女っつうな!!」
水銀燈「ほんと臭いw超きもいw犬みたいな臭いwwww」
真紅「……確かに。私はもしかしたら犬かもしれない」
水銀燈「死ねよパルボウイルスw」
真紅「それゆえ、さっきからあなたのいい匂いが気になっちゃう」
水銀燈「え?」
くんくんくんくんっ
水銀燈「ちょ///やめ、やめてぇ///あんま、髪かがないでぇ///」
くんくんくんっ
水銀燈「服もぉ///服もかぐなよぉ///」
くんくんっ
水銀燈「いやぁん///さわ、さわらないでぇ!!私の負けだから、勘弁してぇ〜///しんくぅ////」
真紅「探知結果。麻薬、なし」
水銀燈「ねぇよボゲ!!」
第go話
昼寝の時間。
教室はしん、と静まり返る。
水銀燈「……やらなきゃ意味ないよ」
男子「うぅ……」
男子は寝てる真紅の足へ。
ペンチを待ち、爪に向けて構える。
水銀燈「早く自殺すれば、こんな痛い思いせずすんだのにwかわいそうなしんくw」
男子「……」
水銀燈「早くして。ぎんは“独り言”言っただけだから。共犯じゃないし?」
男子「……」
水銀燈「……早くしろって!!!」
男子「し、真紅が……寝言……」
水銀燈「あ?」
真紅「ラリホー……ラリホーマ……」
真紅「スヤァ……」
水銀燈「いや寝てる奴が眠らせにくんな!!!」バシンっ
真紅「あ、おはよう」
水銀燈「あっ……」
男子「……」
真紅「午睡は午後のパフォーマンス向上に繋がるわ」
水銀燈「……は?」
真紅「水銀燈も一緒に寝ましょう。添い寝で」
水銀燈「……うんっ……」
水銀燈「……スー……」
男子「んだよこれ」
第roku話
水銀燈「みんな、ジュース〜♡」
取り巻き「おいしー!」「おいしー!」「おいしー!」「あ、さわやか!」
水銀燈「(……“さわやか”って言ったコ、ハブリ決定ぇ~~)」
水銀燈「ほら、真紅も!親友でしょ!」
真紅「え?ありがとう。ゴクゴク」
水銀燈「w」
水銀燈「(真紅のリンゴジュースだけ、道で拾った不法投棄注射器の中身いれたんよね〜〜www)」
しばらくして。
真紅「……うぅ」
取り巻き「しんちゃん!?」「目、赤いよ!?」「具合悪いの!???」
水銀燈「真紅……(ちなみに指紋つけてないから状況証拠しかありましぇーんw)」
真紅「血が……足りない……」
取り巻き「ひ、貧血?」
水銀燈「(貧血どころじゃ済まねーよバーカ)」
真紅「血を、飲まなきゃ……」
真紅、吸血鬼化。
水銀の首筋にかみつく。
甘噛。
ちゅーちゅーぺろぺろ。
水銀燈「〜〜〜〜〜////////」
真紅「血は血でしか報われない……ぺろぺろ」
水銀燈「シチリアンマフィアか〜////」
取り巻き「は、早く先生を!!」「十字架を!!教会を!!」「そしてそのまま結婚式へ!!!」
第NANA話
おっさん(俺の名前は地井 牛男。工場勤務。趣味はペット追悼系動画のコメ欄荒らすこと)
おっさん(友達ゼロ。彼女ゼロ。好感度マイナス。町内会でも浮いている)
おっさん(もはや俺被害者の会できてんじゃねってくらい、嫌われ人生だ)
おっさん(あー退屈だ。今日も仮面ライダー見て寝るか)
水銀燈「ねえw」
おっさん「あ?(え、俺の娘?)」
水銀燈「あそこにいる真紅って子、連れ去っていいよw」
おっさん「は?……でも犯罪……」
水銀燈「いやここ住宅街の路地。カメラも目撃者もいないけど?w」
水銀燈「どーせゴミみたいな人生なんでしょ? 悔い残すなよ。声かけるだけだしw」
水銀燈「やりなって。早く」
おっさん「……」
おっさん「ね、ねぇ〜真紅ちゃん〜?」
真紅「なにかしら」
おっさん「俺と『オハナシ』しよっか?」
1ヶ月後。
ニュース速報。
アナウンサー「無所属の地井 牛男(38)さん、自民党を破って当選確実です」
おっさん「生きてて……生きててよかった……(本気の涙)」
水銀燈「どんなマインドコントロールしたんじゃおのれは!!?」
真紅「またやってしまった。……私の悪癖ね」
第hachi話
真紅「誕生日おめでとう。プレゼントよ」
水銀燈「……え///」
一瞬だけ、素の顔。
すぐに戻す。
水銀燈「いやいらない。キモい。どうせ手編みマフラー(笑)でしょ?」
真紅「そう」
水銀燈「……でも可哀想だから貰ってあげるぅ〜www」
真紅「嬉しい気持ちだわ」
数分後。
水銀燈「例のあの子からもらったw」
取り巻き「きも」「中身こわい」「飼い犬が変な虫持ってくる系」
水銀燈「燃やしちゃえ!w」
取り巻き「面白いw」「面白いw」「面白いw」
外へ。
水銀燈「先生〜何燃やしてんの〜?」
先生「あぁ、焼き芋の準備だよ」
水銀燈「へぇ〜〜素敵www」
ひょい。
プレゼント箱を火のそばへ投げる。
バチバチ
次の瞬間。
ヒュー……ドンッ!!
全員「え?」
箱の中身が、一気に天へ昇る。
夜でもないのに、空で弾ける光。
色とりどりの火花が散り、空中に浮かぶ文字。
『Happy BIRTHDAY』
水銀燈「え」
先生「え」
取り巻き「え」「え」「え」
真紅「きれい……」
水銀燈「……ッ!!?」
真紅「あともう一つ。あげるね、手編みマフラー」
水銀燈「しんくぅ〜〜〜!!!(夏なのに即巻いて抱きつく)」
第Q話
水銀燈、ひょい。
真紅の手から写真を奪う。
真紅「あ……」
水銀燈「なにこれ?家族の写真??それとも昆虫図鑑の資料?www」
真紅「……返して」
水銀燈「え? なんで? こんなのまた撮ればいいじゃんw データ社会ですけどぉ?www」
真紅「お願いだから」
水銀燈「お願いだから? じゃあ今すぐ死んでくださーい。そしたら情状の奇妙な酌量w」
真紅「……」
水銀燈「どっちにしろ燃やすけどw」
近くの焚き火へ、ぽい。
ボッ。
真紅「あ、あぁ…」
写真は、灰になる。静寂。
そのとき。
ひゅう、と風が吹く。
どこからともなく声。
『真紅、今までありがとう……』
水銀燈「は???!?」
真紅「……」
真紅は目を閉じる。
真紅「……私とこの写真は、赤ちゃんのころからの友達だった」
真紅「いつも一緒。寝るときも、お風呂も、食べるときも」
真紅「……また、いつか会おうね……写真くん……」
しみじみ。
水銀燈「いや魂宿らせんな!せめてぬいぐるみだろ!!!」
第juu話
水銀燈「大嫌い!」
真紅「……ごめんなさい」
水銀燈「は?w 何謝ってんの? ピーマンが嫌いって話だけど? 自意識過剰すぎwww」
真紅「これはうっかり八兵衛」
真紅「だい……好き」
水銀燈「あ? はぁ??!////」
水銀燈「……あ。……誰が好きなわけぇ〜?」
真紅「水銀燈……」
水銀燈「……!」
真紅「……のお母さん。その温かな胸元」
水銀燈「うわキモ?!やめろ!!!それならせめて私のこと好きになれ!!!!」
第juu^1話
水銀燈「かくれんぼしよ!鬼はぎん!」
取り巻き「はーい!」「はーい!」「はーい!」
真紅「はーい!」
水銀燈「(エコーか!)……じゃ、いーち、にー!」
真紅「この戦、勝てる」
タタタタ……
水銀燈「あ、みんな隠れなくていいよ」
取り巻き「え?」
水銀燈「そもそもこの遊び何が楽しいの?wあ、真紅(笑)は隠れるの大好きらしいけどw」
取り巻き「放置プレイ」「報知新聞」「ホー・チ・ミン」
水銀燈「ウケるwww(テメェら国語辞典の索引か)」
帰りのバスにて。
先生「……真紅さんがどこにいるか分かる子、いるかな~……?」
水銀燈「え?早退するとか言ってたけどw」
先生「あの子は……まったく」
水銀燈「(……wwwwww)」
その後。
親「ぎんちゃーん、お風呂よ〜」
水銀燈「はーい♪(アナウンスされたから分かるわアホ)」
風呂場。
水銀燈「ふんふふ〜ん♪」
浴槽を開ける。
そこには真紅。
真紅「みぃつかったぁ……」
水銀燈「」
水銀燈「逃走中のナレーターか!!」バシンっ
髪乾かしあう二人。
真紅「あぁ〜〜〜〜~~」
水銀燈「それ普通扇風機にな?!ドライヤーの風であぁ〜〜しても声変になんねーよ!!」
真紅「夏の風物詩。……すっかりのぼせてもはや赤面、私が鬼のようだわ」
水銀燈「はっきり言って不法侵入だからね。このゴミが!死ね!!」
水銀燈(し、真紅と……お風呂入っちゃったぁ〜////)
第juu^2話
取り巻き「いやぁああああ!!!」
絵本のページから、ぽとり。
そこに挟まっていたのは、幼稚園で飼っていたインコ。無残な死骸で見つかったのだ。
犯人は言わずもがな……、
水銀燈「見損なった。ねえ、冗談にならないんだけど。これさすがにやばいよ?真紅」
周り「(真紅を睨みつける)」
真紅「……無罪が圧で押し殺される形式ね」
水銀燈「ほんと、そういうとこ。……ねえこれ面白いと思った?全然面白くないよね?じゃあなんでこんなことしたの?あ、異常だからか~」
取り巻き「ひどい……」「怖い……」
水銀燈「笑えないから。先生に言うね。人生グッバイ」
真紅「待って」
水銀燈「……言い訳タイム入る?(待たねーよ、ぎんが犯人ってバレんだろ)」
真紅「『食用』とは」
水銀燈「は?」
真紅「食用薔薇、食用蛙。本来は口にしない対象に冠される形容」
水銀燈「だから何?」
真紅「ならばの話よ……」
真紅「──お菓子で作ったこのインコは、果たして『食用』と冠するのが妥当なのかしらね」モグモグ
水銀燈「!!????!???!!??」
真紅「ただ、食用とはいえ鶏肉味ではないのが居た堪れないわ」
ポケットから本物のインコ「イタタマレナイ」
水銀燈「!?????????????????????????」
数日後。
インコ「スイギントー、カワイイ。ダイスキ。ステキな女の子。」
周り「かわい〜!」
水銀燈「おだてさせんな!! お前の仕込みだろ絶対!!! バカ真紅///」
真紅「バレてしまったわね」
インコ「スイギントー、このごろ流行りの女の子。お尻の小さな女の子」
水銀燈「いやあの歌褒めてるわけじゃねーからな?!!!」
第juu^3話
つか最終話(だから長い)
蒼星石「……しんちゃん、ちょっといい?」
真紅「時間なんて有り余ってんだ。好きに俺を使っておくれや」
蒼星石「誰が乗り移ってる。…………真面目な相談だよ」
裏庭。
風が少し冷たい。
真紅「いじめ?」
蒼星石「そうだ。……僕はもう、見てられない」
真紅「悪いわね。いじめられた覚えはないわ」
蒼星石「庇わなくていい」
蒼星石の声が震える。
蒼星石「僕は先生に水銀燈のことを言うつもりだ。……君はもうボロボロなんだよ」
真紅「話せば話すほどボロが出るものね」
蒼星石「いや、ボロ出るほど水銀燈庇いトークしてないだろ君」
蒼星石「……耐えなくていい。もう楽になっていいんだよ」
真紅「『楽になっていい』とは?」
蒼星石「違う意味ではないから一々ひっかからなくていい」
蒼星石「真紅、僕は君が……」
真紅「あなたは勘違いしてるわ。蒼星石」
蒼星石「……なんだって?」
真紅「私は水銀燈にいじめられていない」
蒼星石「……なぜ庇う」
真紅「庇ってない。これは客観的事実よ」
真紅「“そんなつもりでなくても、受け取る側がいじめだと思うならそれはいじめ”」
蒼星石「……」
真紅「だとしたら、これはいじめに当たらないんじゃないかしら。なにせ私は、傷ついていないもの」
蒼星石「……本心かい」
真紅「少なくとも、私はそう認識している」
蒼星石「僕は……本気で君のことを想って……」
真紅「だからやめてほしい」
真紅「水銀燈のことを悪く言わないでちょうだい。……お願いだから」
蒼星石「ストックホルム症候群すぎるだろ……」
蒼星石「明日、先生に言うからね。止めないでくれよ」
真紅「……止めるわ。何度拒まれようとも」
◆
翌日。
教室の空気はざわついている。
水銀燈「いじめ?w」
蒼星石「謝れ」
水銀燈「Je suis désolée」
蒼星石「僕にじゃない、真紅に謝れ。……それと教養アピールが鼻につく」
水銀燈「……ぎんのこと敵に回してどうなるかわかってる?w」
蒼星石「分からない。分からないから僕は試すまでだよ」
水銀燈「あ?」
蒼星石「……僕には失うものがない。相打ちも喜んだものさ」
教室、ざわ……。
取り巻き「空気やば」「今日ガチだ」
水銀燈「(……こいつ……ッ)」
水銀燈「(いや中身何歳?親、弁護士だっけ?異物すぎるわ)」
水銀燈「(バカばっかの園で、なんでこいつだけ法廷ドラマなんだよ)」
水銀燈「(何歳だか知らんけど……じゃあぎんが決めてやんよ)」
水銀燈「(てめぇの享年は今だっ!!!)」
水銀燈、自分の指こっそり思いっきり噛む。
血、ドバッ!
指、ブラブラ~~~。
水銀燈「うわぁああ〜〜〜ん!!!蒼星石がいじめるぅ〜〜〜〜!!!!」
蒼星石「な?!」
水銀燈「こわいよぉおおお!!! ぎん、なにもしてないのにぃい!!」
蒼星石「いじめっ子はお前だろ!!そもそも幼稚園でいじめは起こらないんだよ普通!!!」
水銀燈「いやぁ!!!いやぁー!!!!」
周り「先生呼ぼう!!」「蒼星石を捕まえて!!」
水銀燈「(wwwwwww)」
涙声の裏で、口元だけが笑っている。
水銀燈「こわいよぉおおお!!!」
蒼星石「……っ」
空気は完全に水銀燈側。
──そこに、とうとう。
真紅が歩み出る。
真紅「あ、水銀燈……」
水銀燈「痛い痛い、うわぁあああん!!!!」
蒼星石「真紅、違うんだ!……これは……」
真紅「……」
真紅「痛いの痛いの、とんでけ〜」
教室、凍る。
水銀燈「……え」
蒼星石「は?」
真紅「魔法の言葉」
真紅「水銀燈に涙は似合わないわ」
沈黙。
取り巻き、言葉を失う。
蒼星石も、固まる。
水銀燈の演技のスイッチが、切れる。
水銀燈「……」
蒼星石「……その“魔法の言葉”で収まる怪我じゃないんだよ真紅」
真紅は、水銀燈の傷口をそっと押さえた。
ハンカチで応急処置を施す。
そして、何事もなかったように頭を撫でる。
真紅「みんな、安心してちょうだい。もう解決したわ」
周り「え、でも蒼星石が……」
真紅「違う。私が噛みました。教室の外にいた私が、遠隔で指を噛み切りました」
水銀燈「……アガサ・クリスティみたいなトリックだな!」
蒼星石「心霊療法の悪用すぎんだろ」
真紅「ね。水銀燈、おやつ食べに行くわよ」
水銀燈「……」
一瞬だけ、目を伏せる。
それから。
水銀燈「痛い子、痛い子、とんでけ〜(笑)」
真紅「飛びます飛びます」
周り「wwwwwwwwwwww」
空気がほどける。
さっきまでの緊張は、跡形もなく。
平和に──。
◆
蒼星石「…………やれやれ」
蒼星石「……あいつらのはイジメじゃない。高度な知的遊戯だ」
蒼星石「僕がバカだったよ……」
???「そうだね」
蒼星石「え?誰?」
???「血には血を。目には目を。普通、いじめを受けたら復讐に走るのが人間」
???「ただ、その“普通”が、真紅からしたら飽き飽きしたものなのだろう」
蒼星石「……」
???「利得や損、承認欲。そういったものを彼女は放棄している」
???「ピエロとして、常に“普通人間”の餌であり続ける」
???「わずか五歳だぞ?……だからこそ恐ろしいよ」
蒼星石「……」
???「決して本人の得になる生き方ではないが……」
???「『人生の達人』とは、案外こういう人間なのかもしれないね」
???「いや、」
桜田ジュン「──『ローゼンメイデン』……は」
『ローゼンメイデン幼稚園』
『~銀ちゃんはあの子に構われたい~』
蒼星石「……どういうこと?なにもタイトル回収されてないですけど」
完。
第omake話
真紅「字幕映画を聴き流し〜いやいやよ〜〜〜」
真紅「いのちの電話に爆破予告〜いやいやよ〜〜〜」
水銀燈「うるさいしおもんないわ!」
水銀燈「ぎんの『享年』、……知りたい?」
真紅「知ってそのままハナタカ優越館に応募ね」
水銀燈「雑学じゃねぇよ!人の情報売り飛ばしてんじゃねぇよ!あととっくの昔に番組終了したわ!!」
水銀燈「ずばり27♪27歳で4-3-2の自殺打〜〜♪」
真紅「……」
水銀燈「ジミー・ヘンドリックス、ロバート・ジョンソン……“27クラブ”ってやつ。天才はみな27の呪縛に逆らえないの。ならぎんもXデーは27なんだよねぇ〜〜〜☆」
真紅「……」
真紅「……止めるわ」
水銀燈「あーあんたは我出さなくていいから。今、私の会話ターン」
真紅「絶対、止める」
水銀燈「うぜぇな。自殺止めれるもんならしてみなよ、バーカ!!!」
真紅「いいえ。自殺じゃなく、時間を止める」
水銀燈「は?」
真紅「齢にして──26歳364日の水銀燈と、私はずっといたいわ……」
水銀燈「…………死ね。ばか……///」
“27クラブ? 入会予定なし。”
最終更新:2026年02月28日 21:55