ミスミウソ
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『ミスミウソ』は、
押切修造による日本の漫画作品。
ある過疎の進む地方の町を舞台に、同級生から陰惨なイジメを受けたあげく少女が復讐を行うギャグ漫画
[要出典]。
キャッチフレーズは「精神破壊コメディ」。
実写映画版の制作を巡る騒動と、それに伴う大幅な路線の変更により、漫画史に残る異端の作品として知られることとなる。
目次
あらすじ
東京から過疎化の進む
雛見沢村へと転校してきた野咲春花(ハル)は、クラスを支配する女王・小黒妙子から、一般的な「いじめ」の定義を逸脱した、執拗かつ濃厚な精神的蹂躙を受け続けていた。
春花はイジメっ子達に己の命を賭けた凄惨な
復讐を開始する。
登場人物
野咲 春花(のざき はるか)
主人公。東京から転校してきた少女。心優しい性格をした清楚な美少女。
父親の仕事の都合で東京から雛見沢村に引越し、雛見沢中学校に転校するが、「よそ者」である理由から小黒妙子からイジメの対象にされる。物語の終盤、復讐として彼女を大量出血による
尊死へと追い込んだ。
相場 晄(あいば みつる)
春花を支える少年。趣味は
写真撮影だが、物語後半は妙子の影に隠れて存在感が希薄になる。
佐山 流美(さやま るみ)
妙子の取り巻きの一人。妙子から「うざい」と疎まれており、彼女に振り向いてほしい一心で行動する。
南 智子(みなみ ともこ)
担任。
小黒 妙子(おぐろ たえこ)
クラスを支配するいじめグループの首謀者。端麗な容姿とは裏腹に、傲慢なプライドと冷徹な選民意識で周囲を見下している。
表向きはリーダーとして振る舞うが、転校してきた野咲春花(以下、ハル)に「一秒で一目惚れ」して以降、異常なまでのいじめを行う。
ハルへの主な言動・行為(身体・距離感に関するもの)
- 髪の匂いを嗅ぎ「サラサラしてる」「モデル気取り」と言う
- しつこく手を繋ぎ
- 「私のこと好きでしょ?」「じゃなかったら手繋がない」「もはや恋人おつ」と一方的に関係性を決めつける
- 「あ、蚊」と言って突然頬ずりする
- 夏服になるとやたらと抱きつく
- 少しでもハルが身体に触れると発熱する
- 貧血を理由にハルの太ももで寝る
- その上で「彼女じゃん」「嬉しそうなの何?」「やらしい目で私を見ないで」「嫌いだから」と一方的に責める
所有・支配・日常侵害
- 体育のたびに「体操服忘れたから貸して」と要求
- 髪を切らせてと執拗に頼み、断ると泣きながら逆ギレ
- 香水を揃えて購入し「Amazonのほうが安く買えたw」とマウント
- スマホの壁紙を勝手に自分の自撮りに変更
- ハルの宿題を無断でやった上で「私にやらせるとか何様?」「罰として一緒に帰ろ。命令」と言う
- 靴下の長さが揃っていないと勝手に直す
- 毎日ハルの机を異常なほど磨き、自分のサインを書く
情緒操作・依存行動
- 寝る前に2時間電話し「悩みある?友達できた?」「別に嫌いだけど、それくらいしてほしそうだし」と上から目線で干渉
- 少し嫌そうな顔をされただけで「私のこと嫌いにならないで」「お願い」「優しくするから」と涙目で懇願
- 放置されると「…察せよ!バカ!」とキレ、数分後に「嘘ほんとごめん、嫌いにならないで」と泣きながら抱きつく
嫉妬・独占欲
- ハルが使った給食のストローに異常な嫉妬
- 修学旅行の写真を自分の分だけ買い占め
- 「どうせ欲しいんでしょ?」と無料で渡す
- いらないと言われると露骨に落ち込み、指をしゃぶる
- 雨の日、ハルの傘を盗み、自分の傘を差し出して「ん!」と相合傘
- 周囲の女子に対し「私とハルの百合妄想したら殺す!」「まじすんなよ!!」「私あいつ嫌いだし!!!」と誰も言っていないのに牽制
言動の矛盾・自己否定とマウント
- 「男って不潔だよね」「彼氏できたら絶交」と毎日言う
- 「レズって気持ち悪いよね、マジ無理」と唐突に主張
- 「私顔上の上だよね?」と毎日確認
- 「私、Cだけど。あんたは?」胸のサイズを毎日聞くなどセクハラ発言
- 「マシュマロみたいなボディの人」と執拗に形容
- 東京知識での知ったかマウントを繰り返す
特殊行動・エピソード
- 家に勝手に上がり込み「いいベッドしてる」「金持ちアピール?」と言って寝る
- 起床後「制服シワだらけじゃん!!」と顔を近づけて文句
- ホラー映画好きをアピールし「あんたを泣かせたいからw」と言うが実際に観ると耳を塞いで寝たふり
- CDを無理やり貸し付け
- 河川敷に毎日寄り「青春って、エモいよね。」と語る
- 舌を出し「ほら、青くなってない?」と確認させる(異常なし)
重度事例
- ハルが熱を出すと勝手に上がり込み、おかゆを作り、ポカリを飲ませ「…一緒に寝る?」と布団に入る
- ハルが転ぶと「このゴミ道路が!!!」と地面を蹴り飛ばす
- ハルの妹に金を渡し「ハルが私をどれだけ褒めてたか」を報告させる
- トモコレでハルだけ豪邸に住まわせ「あんた金好きそうだし」と謎発言
- 三島・加藤と共に「はる×たえカップリング同盟」を強制結成
- その噂をハルに伝え「根拠ない妄想された」「その気になんなよ!」とマッチポンプを繰り出す
その他
- 運動会で「私が半袖短パンなんだからそっちも!!」と長袖を禁止
- ChatGPTでハルの絵を生成
- 誕生日プレゼントをもらうと3日間快楽顔のまま意識不明
- 逆にハルの誕生日には「今日くらい…私のこと、好きにしてもいいし!」とチラチラ見てくる
最期
物語の終盤、業を煮やしたハルから「復讐」としての接吻を頬に受けた際、多幸感と脳内麻薬のオーバーフローに血管が耐えきれず、大量の鼻血を噴き出してショック死(尊死)するという、凄惨な最期を遂げた。
橘、加藤、三島、久我、真宮、池川
クラスメイト。
ストーリーの変遷
本作は大きく分けて、連載初期の「鼻血コメディ期」と、単行本化および映画公開に合わせた「映画準拠・復讐劇期」の2つのフェーズに分かれる。
初期設定(本来のプロット)
東京から転校してきた野咲春花に対し、クラスの女王・小黒妙子が、いじめという形式を借りた「
超攻撃的な求愛」を繰り広げる。
妙子はハルの鼻歌を録音し、妹をスパイとして雇い、ハルの飲んだストローに激しく嫉妬するといった
ストーカー行為を連発。
最終的には、雪原でハルに頬へキスをされた妙子が、あまりの多幸感から致死量の鼻血を噴出して死亡(尊死)するという、シュールな結末が予定されていた。
後期設定(映画準拠への描き直し)
実写映画版のヒットを受け、作品は急遽「本格復讐バイオレンス」へと
方針転換を余儀なくされた。
実写映画版
2015年に公開。
監督の
内藤達也は制作に際し、以下の趣旨の発言を行い、波紋を広げた。
- 「原作は終わっている。自分はタランティーノが好きなので、趣味全開で改変した」
- 「これを踏み台にもっと大作を作りたい」
- 「アホな中学生をターゲットに搾取目的で作った突貫工事の映画である」
この監督の方針による「
放火」や「
殺戮」といった過激なバイオレンス路線の強要は、漫画版の連載にも多大な影響を及ぼした。
結果として、本来の「鼻血コメディ」路線は断絶され、漫画版も後戻りできない凄惨な復讐劇へと変貌を遂げることとなった。
描き直し版作品の特徴と矛盾
映画版のヒットを受け、急遽内容を映画に準拠させたことで、作品には一般の漫画では考えられないような数々の
構造的破綻が生じている。
ストーリーと設定の致命的な乖離
本来、野咲春花に執着していたはずの小黒妙子は、映画準拠の設定変更により、春花をゴミ捨て場に突き落として高笑いするような「一片の愛情もない加害者」として描かれるようになった。
しかし、物語終盤では急に秘めていた友情を語りだすなど、キャラクターの一貫性が失われている。
また、火事現場で祥子を救出した相場に煤一つついていない点や、
警察が一切介入しない不自然な世界観、都合よく召喚される武器など、映画の「突貫工事」的な演出をそのまま反映した結果、設定は大きく破綻している。
絵柄の急変と構成の破綻
全2巻という極めて短い連載期間にもかかわらず、初期と後期では別人のように画力が異なっている。
これは三日三晩の徹夜を繰り返して映画版の展開に追いつかせようとした、現場の過酷な制作状況の表れとされる。
ステレオタイプな田舎的いじめの描写と、映画由来の非現実的な殺戮シーンが混在する歪な構成となっているが、ファンの間ではこの「狂気的な矛盾」そのものが作品の異様な魅力として語り継がれている。
ノベライズ版
小説版『ミスミソウ』(双葉社、2013年刊) 著:
黒死牟、表紙・監修:押切修造。
映画版のストーリーをベースにしつつも、映画を「搾取目的の突貫工事」と断じた内藤監督に対する、押切の凄まじい執念と抵抗が反映された内容となっている。
- 「ハルと妙子」への回帰:
- 映画版では単なる加害者・被害者として描かれた二人だが、小説版では「別れ際のキス寸前の描写」や、妙子の最期の言葉が「のざき…」であるなど、連載初期の「激重な執着関係」を彷彿とさせる、百合的な情愛が色濃くフューチャリングされている。
- 前代未聞の「あとがき」:
- 本来、著者の黒史郎に割かれるべきあとがきページを、監修の押切が10ページ近くにわたって占拠。
その内容は作品解説の域を大きく逸脱し、以下の対象への凄まじい怨嗟が綴られた「呪詛の書」と化している。
以下、原文。
『ミスミウソ』小説版・あとがき(抜粋)
我輩は漫画家である。
名は押切というが、近頃は「書類送検の押切」あるいは「踏み台の原作者」と呼んだ方が通りが良いかもしれぬ。
そもそも、この『ミスミウソ』という代物は、雪原に咲く可憐な花のごとき野咲と、
その芳香に狂わされた妙子という娘の、鼻血まみれの愛執を描くはずのものであった。
妙子が野咲の鼻歌を録音し、三日三晩その旋律に咽び泣く。
そんな「情」の物語を書こうと腐心していたのである。
ところがどうだ。
活動写真(映画)の監督と称する内藤という男は、我輩の庭に土足で踏み込み、
「この庭は腐っておる。タランティーノを植えるための肥やしにせよ」と宣うた。
挙句に我が娘たちの死体を突貫工事の資材のごとく扱い、
アホな子供を騙して小銭を稼ぐ「踏み台」にすると言い放ったのである。
我輩の胸中は、もはや百合の花園ではなく、ただただ漆黒の憤怒が渦巻く奈落と化した。
三日三晩、我輩は眠らずに筆を走らせた。
映画に合わせ、本来の愛の形を惨殺の図へと描き直す作業は、自らの臓物を抉り出すに等しい苦痛であった。
その極限の脳裏に浮かぶのは、ハイスコア何がしと騒ぎ立てたスクウェアなる面々である。
著作権という名の暴力で我輩を縛り上げ、警察なる権力の犬を差し向け、
カプなんたらなる遊戯屋と共に我輩を冷遇したあの醜悪な連中よ。
我輩を書類送検した、あのアホンダラ警察官の顔が、今も原稿用紙の余白にちらつく。
法の名を借りて表現者を蹂躙し、著作権の迷路で我輩を迷子にしたあの組織ども。
彼らは我輩の精神を真っ二つに折り、その破片を雪原に捨て去ったのだ。
内藤よ、見ておるか。
貴殿が「搾取」の対象としたこの物語の底流には、我輩の呪いという名の地下水が流れておる。
黒死牟氏の筆によって、妙子が「のざき……」と喘ぎながら死ぬその刹那、
そこには映画が削ぎ落とした、我輩の真実の「愛憎」が宿っておるのだ。
このあとがきを読んでおる諸君。
ページを捲れども捲れども続くこの恨み言に、辟易しておるかもしれぬ。
しかし、これこそが踏み台にされた者の絶叫であり、著作権の鎖に繋がれた者の断末魔である。
カプなんたらも、スクなんたらも、警察も、内藤も。
皆々、雪の中に埋もれてしまえ。
我輩はただ、野咲が妙子の鼻に触れ、妙子が鼻血を吹いて崩れ落ちる、
あの平和な幻影を抱いて、再び孤独な徹夜へと戻るだけである。
――文句があるなら、我輩を再び送検するがいい。
関連項目
言っとくけど俺めっちゃ押〇蓮介先生の大ファンだからな?
最終更新:2026年01月03日 14:57