Stage2 氷結娘とワルツを
少女は近付きながら声を張り上げる。
「大妖精、大丈夫!!?」
二人の接触を避けるため、ディアボロも大換えを出す。
「他人の安否の前に自分の安否を案じたらどうだ?」
「うっさいボケ!変態!!あっちいけ!!」
「残念ながらここを抜けるためにはある条件が必要でな。
小娘、お前の名は?」
「うっさい、あたいは変態に名乗る名なんて持ってない!」
「当ててやろうか、チルノだろ」
少女は露骨に驚き、そしてつかず離れずの位置で滑空をやめる。
「な、何であたいの名前知ってんのよ!」 湖上の氷精 チルノ
「さあな、力ずくで聞き出してみたらどうだ?」
「うう、ケチョンケチョンにしてやる!!」 BGM~おてんば恋娘~
空中と水上で睨みあう二人。
先に攻撃に出たのは空中の少女、チルノだった。
瞬時に数本の氷柱を作り出し、それをディアボロの方へと放つ。
スピード、大きさ、タイミング、どれをとっても申し分ないほどの初弾。
先程の彼女の言動からは考えられない的確な攻撃に、ディアボロは心中舌を巻いた。
(ただ、単調!)
その攻撃をまるで読んでいたようにすり抜け、チルノの方へと駆けるディアボロ。
最初の複数の小さい奴戦然り、先のルーミア戦然り、彼はまず『見』に徹していた。
それは未知の能力との戦闘という状況下においては当然の判断だといえる。
しかし今、彼の思考にあるのは『攻』の一文字。
先の二戦で彼は気付いていた。この戦闘の肝が『いかに避けるか』ではなく、『いかに撃たせないか』にあることに。
(氷柱は確かにデカいし破壊力も高いだろう。しかし、その分飛んでくるのが一目瞭然。
そしてそのデカさが命取りだ)
そのまま一気に距離を詰め、チルノに拳を叩き込もうとする。
しかしその拳は結果としてチルノに触れることはなかった。
打ち込むより早くディアボロの姿勢が崩れたのだ。
その理由はいたって単純。
ディアボロの膝を小さな氷柱が貫通していた。
「クソッ、読まれていたか?」
しかし目の前のチルノは運が良かったというような顔をして詰められた距離を離す。
ディアボロは膝から生えている氷を膝頭の方から引き抜き、それをじっと観察する。
血が両側についている点から攻撃は背後から来ていると判断できる。
チルノの表情を見る限りでは攻撃をしたのは十中八九彼女ではない。
しかも彼女の愚直すぎるほどの豪快な攻撃。演技や作戦の可能性は低いだろう。
ならば残った可能性はひとつ。
「いい度胸だ、大妖精。後で後悔しても知らんぞ。」
膝をついた状態でそう呟き、穴をF・Fで埋め立ち上がる。
「ヘン、後悔するのはアンタの方だ!【氷符『アイシクルフォール』】!」
カードを突き上げた少女の宣言と同時に飛び交う氷柱の山。
(これを避けるのは簡単。だが)
一歩でも距離を詰めようとすれば後ろから小さな氷柱が飛んでくる。
「絶対に、させない!!」
後ろの大妖精を打とうにも、背を見せた瞬間。
「あんたの相手はあたい、余所見をするな!!」
大きな氷柱がわき腹を抉る。
正面のチルノに、背後の大妖精。
まさに挟み撃ちの形。どうやら今回も簡単にはいかないようだ。
彼は飛び交う大小の氷柱を避けながら打開策を考える。
しかしいい案が浮かぶわけもなく、結局防戦一方。
「よし、アレいくよ。大妖精!!」
「うん、チルノちゃん!!」
「「【凍符『パーフェクトフリーズ』】!!」」
凍えるような冷気の中で、滝のように汗を流しながら避けるディアボロを尻目にそう宣言する二人。
「やれやれ。真の覚悟はここから、か」
カードを天に掲げ高らかに宣言するチルノを見ながら、いつものようにボソリと呟く。
しかし、とここで彼はチルノを見ながら考える。
(ルーミアといいチルノといい、大技の前には決まってカードを取り出し宣言をする。
あのカードがそういうアイテムなのか、それともただ単に馬鹿なだけなのか)
ばら撒かれるのはお世辞にも綺麗とはいえない粗の目立つ弾幕。
今の彼にとってそんなものを避けるのは造作もないことだ。
飛び交う弾を避けながら彼は思考を続ける。
(どちらにせよあのカードが発動キーに違いない。
あれを奪えればいいんだが、どうやって近づくか…)
思考の間にも次から次に迫りくる弾幕。
「えーい、うっおとしいわ!!」業を煮やしたディアボロは威嚇ついでにそう叫んで特攻しようとした。
が、
「な?」足が動かない。
動かないというよりは止められているといった方が正しいような感覚だ。
しかも止まっているのは彼の足だけではない。周りの波打つ水面、飛んでいる弾さえも止まっている。
「油断したな!どんなものでもあたいの冷気の前ではその運動をSTOPするのさ!!」
―やられた。
ディアボロは舌を打つ。
先の氷柱から分かっていたはずだ。彼女の能力が『凍結』であることは。
水上という地の利を考えても足場の凍結は考えられた。
しかしそれを気付かせないための初弾の氷柱、次弾の荒い弾幕。
見縊っていたというのもある。正直に言えば慢心もあった。
そこを見抜かれ、完全に出し抜かれたのだ。自分は、あの少女たちに。
「それじゃあ…」止まっていた時が、空気が、弾が動き出す。ただ止まるのは水面のみ。
「一斉放火!!」全ての弾は俺に向かって動き出す。
(どうする、どうやってこれ全てを避けきる!?)
頭の中でアイテムと能力を用い、いかにこの窮地を切り抜けるかの策を考える。
しかしやはり、いい案は浮かばない。
その時、彼の脳裏にひとつの記憶がよみがえる。
彼のものではない。別の人間の、少年の頃の記憶。
(『なに、ジョジョ。ダニーがおもちゃの鉄砲を離さないって?』)
「うあおぉおぉおおぉ!!」
咆哮をあげながら、弾の山に飲まれていく男。
「ヘン、あたいにかかればこんなもんさ!」
胸を張り、高らかに勝ち鬨を上げるチルノ。
そしていまだ下半身が鏡の中に取り込まれている大妖精のほうへと近づいていく。
「危なかったね、大丈夫?」
「う、うん。ちょっと怖かったけど」
そういいながら大妖精は目尻にたまった涙を拭う。
そんな彼女に手を伸ばすチルノ。
笑い合う二人。
この時二人はディアボロに確実に止めを刺したと思っていた。
それは先程までディアボロが持っていたものと同じ慢心。
そんな二人の夢のような時間を切り裂く銀色の円盤。
「あっ?」「へっ?」
二人が目を開いたときにはもう遅い。
ディスクはチルノの頭に深々と刺さってしまっている。円盤はずぶずぶと頭の中へと入り込んでいく。
「簡単なことだ。逆に考えればいいのだ。避けれないのならば無理に避ける必要はない。
そして『油断したな』。
俺は最後の最後まで諦めないことで有名なんだよ」
大妖精は声の方に目を向ける。そこにいたのは軽傷のディアボロであった。
「大妖精、大丈夫!!?」
二人の接触を避けるため、ディアボロも大換えを出す。
「他人の安否の前に自分の安否を案じたらどうだ?」
「うっさいボケ!変態!!あっちいけ!!」
「残念ながらここを抜けるためにはある条件が必要でな。
小娘、お前の名は?」
「うっさい、あたいは変態に名乗る名なんて持ってない!」
「当ててやろうか、チルノだろ」
少女は露骨に驚き、そしてつかず離れずの位置で滑空をやめる。
「な、何であたいの名前知ってんのよ!」 湖上の氷精 チルノ
「さあな、力ずくで聞き出してみたらどうだ?」
「うう、ケチョンケチョンにしてやる!!」 BGM~おてんば恋娘~
空中と水上で睨みあう二人。
先に攻撃に出たのは空中の少女、チルノだった。
瞬時に数本の氷柱を作り出し、それをディアボロの方へと放つ。
スピード、大きさ、タイミング、どれをとっても申し分ないほどの初弾。
先程の彼女の言動からは考えられない的確な攻撃に、ディアボロは心中舌を巻いた。
(ただ、単調!)
その攻撃をまるで読んでいたようにすり抜け、チルノの方へと駆けるディアボロ。
最初の複数の小さい奴戦然り、先のルーミア戦然り、彼はまず『見』に徹していた。
それは未知の能力との戦闘という状況下においては当然の判断だといえる。
しかし今、彼の思考にあるのは『攻』の一文字。
先の二戦で彼は気付いていた。この戦闘の肝が『いかに避けるか』ではなく、『いかに撃たせないか』にあることに。
(氷柱は確かにデカいし破壊力も高いだろう。しかし、その分飛んでくるのが一目瞭然。
そしてそのデカさが命取りだ)
そのまま一気に距離を詰め、チルノに拳を叩き込もうとする。
しかしその拳は結果としてチルノに触れることはなかった。
打ち込むより早くディアボロの姿勢が崩れたのだ。
その理由はいたって単純。
ディアボロの膝を小さな氷柱が貫通していた。
「クソッ、読まれていたか?」
しかし目の前のチルノは運が良かったというような顔をして詰められた距離を離す。
ディアボロは膝から生えている氷を膝頭の方から引き抜き、それをじっと観察する。
血が両側についている点から攻撃は背後から来ていると判断できる。
チルノの表情を見る限りでは攻撃をしたのは十中八九彼女ではない。
しかも彼女の愚直すぎるほどの豪快な攻撃。演技や作戦の可能性は低いだろう。
ならば残った可能性はひとつ。
「いい度胸だ、大妖精。後で後悔しても知らんぞ。」
膝をついた状態でそう呟き、穴をF・Fで埋め立ち上がる。
「ヘン、後悔するのはアンタの方だ!【氷符『アイシクルフォール』】!」
カードを突き上げた少女の宣言と同時に飛び交う氷柱の山。
(これを避けるのは簡単。だが)
一歩でも距離を詰めようとすれば後ろから小さな氷柱が飛んでくる。
「絶対に、させない!!」
後ろの大妖精を打とうにも、背を見せた瞬間。
「あんたの相手はあたい、余所見をするな!!」
大きな氷柱がわき腹を抉る。
正面のチルノに、背後の大妖精。
まさに挟み撃ちの形。どうやら今回も簡単にはいかないようだ。
彼は飛び交う大小の氷柱を避けながら打開策を考える。
しかしいい案が浮かぶわけもなく、結局防戦一方。
「よし、アレいくよ。大妖精!!」
「うん、チルノちゃん!!」
「「【凍符『パーフェクトフリーズ』】!!」」
凍えるような冷気の中で、滝のように汗を流しながら避けるディアボロを尻目にそう宣言する二人。
「やれやれ。真の覚悟はここから、か」
カードを天に掲げ高らかに宣言するチルノを見ながら、いつものようにボソリと呟く。
しかし、とここで彼はチルノを見ながら考える。
(ルーミアといいチルノといい、大技の前には決まってカードを取り出し宣言をする。
あのカードがそういうアイテムなのか、それともただ単に馬鹿なだけなのか)
ばら撒かれるのはお世辞にも綺麗とはいえない粗の目立つ弾幕。
今の彼にとってそんなものを避けるのは造作もないことだ。
飛び交う弾を避けながら彼は思考を続ける。
(どちらにせよあのカードが発動キーに違いない。
あれを奪えればいいんだが、どうやって近づくか…)
思考の間にも次から次に迫りくる弾幕。
「えーい、うっおとしいわ!!」業を煮やしたディアボロは威嚇ついでにそう叫んで特攻しようとした。
が、
「な?」足が動かない。
動かないというよりは止められているといった方が正しいような感覚だ。
しかも止まっているのは彼の足だけではない。周りの波打つ水面、飛んでいる弾さえも止まっている。
「油断したな!どんなものでもあたいの冷気の前ではその運動をSTOPするのさ!!」
―やられた。
ディアボロは舌を打つ。
先の氷柱から分かっていたはずだ。彼女の能力が『凍結』であることは。
水上という地の利を考えても足場の凍結は考えられた。
しかしそれを気付かせないための初弾の氷柱、次弾の荒い弾幕。
見縊っていたというのもある。正直に言えば慢心もあった。
そこを見抜かれ、完全に出し抜かれたのだ。自分は、あの少女たちに。
「それじゃあ…」止まっていた時が、空気が、弾が動き出す。ただ止まるのは水面のみ。
「一斉放火!!」全ての弾は俺に向かって動き出す。
(どうする、どうやってこれ全てを避けきる!?)
頭の中でアイテムと能力を用い、いかにこの窮地を切り抜けるかの策を考える。
しかしやはり、いい案は浮かばない。
その時、彼の脳裏にひとつの記憶がよみがえる。
彼のものではない。別の人間の、少年の頃の記憶。
(『なに、ジョジョ。ダニーがおもちゃの鉄砲を離さないって?』)
「うあおぉおぉおおぉ!!」
咆哮をあげながら、弾の山に飲まれていく男。
「ヘン、あたいにかかればこんなもんさ!」
胸を張り、高らかに勝ち鬨を上げるチルノ。
そしていまだ下半身が鏡の中に取り込まれている大妖精のほうへと近づいていく。
「危なかったね、大丈夫?」
「う、うん。ちょっと怖かったけど」
そういいながら大妖精は目尻にたまった涙を拭う。
そんな彼女に手を伸ばすチルノ。
笑い合う二人。
この時二人はディアボロに確実に止めを刺したと思っていた。
それは先程までディアボロが持っていたものと同じ慢心。
そんな二人の夢のような時間を切り裂く銀色の円盤。
「あっ?」「へっ?」
二人が目を開いたときにはもう遅い。
ディスクはチルノの頭に深々と刺さってしまっている。円盤はずぶずぶと頭の中へと入り込んでいく。
「簡単なことだ。逆に考えればいいのだ。避けれないのならば無理に避ける必要はない。
そして『油断したな』。
俺は最後の最後まで諦めないことで有名なんだよ」
大妖精は声の方に目を向ける。そこにいたのは軽傷のディアボロであった。
「く!?」攻撃のために腕を正面に構える大妖精。
「スットロい!!」それに装備しなおした射撃用ディスクでディアボロも対抗する。
互いに向かって飛来する弾丸。お互い避けることなく正面から弾を受ける。
動いたのは大妖精だった。まるで突風にでも吹かれたように後方に大きく吹き飛ぶ。
もちろん風など吹いているはずがない、湖面はいまだに凪いでいる。
「『ドヒュウの尻尾文字』だ。挟み撃ちの形さえ抜ければどうって事ないんだよ」
大妖精は水面に顔を打ち付けながらも、自分の親友のために声を振り絞る。
「チルノちゃん、逃げて!!!」
しかし当のチルノは動かない。それどころか目の前のディアボロが見えていないかのようにきょろきょろしている。
「あれ、大妖精どこー?何でいきなり夜になったの?」
大妖精は気付いた、チルノが先に攻撃を受けていたことに。
大妖精の顔が真っ青に染まった。
ディアボロは隠そうともせず、豪快に笑みを作る。
目の見えない少女、動けない少女、それを見て笑う男。
傍から見れば間違いなく狂人視されるだろう。
しかしディアボロはこの程度で狂うほどやわな神経はしていない。
「足が凍り付いて避けられないのなら、避けられるようになるのを待つ。
詰めが甘いんだよ、貴様らは」
頭にディスクを差し込みながら彼はチルノへと近づく。
なぜディアボロがほぼ無傷で脱出できたのか、なぜディアボロが笑っているのか。
その理由はこの行動にある。
【スパイスガールのディスクを防御用に装備した】
そう、発動したのだ。クラフトワークの空間固定を。ディアボロは現在ほぼ自暴自棄状態である。
先の笑いだって、せっかく手に入れた防御5のアタリ装備が消えたことに対する自嘲だ。
しかしそんなことは露とも知らない大妖精はその笑みを危険信号と判断したらしく、大声を上げる。
「チルノちゃん、『ダイヤモンドブリザード』!!」
「へ?えと」
チルノは言われるがままにあたふたとカードを取り出し、それを天に掲げ宣言をあげようとする。
「【雪符『ダイヤモンド・・・】」
しかし、そうは問屋が卸さない。
「あれ、スペルカードがなくなったよ!?」
「違うチルノちゃん、右右!!そこの変態が持ってる!」
右と指示が出され、グルンと音が聞こえるほど力強く左を向き氷柱を打ち出すチルノ。
「違うから、そっち左だから!逆、逆!!」
逆、といわれその通りにチルノは振り返る。
目が見えなかったのは彼女にとってある意味で幸運だったかもしれない。
目の前にスペルカードを握り締めたディアボロの回し蹴りが迫っていたのだから。
「不意打ちディアボロキック!!!!」
ごすんという鈍い音と共に的確に少女のこめかみを捉えるディアボロの踵。
数瞬、チルノは力なくその場に倒れる。
二体と一人の争いに決着がついた瞬間だった。
【ディアボロのレベルが上がった。】テッテテテッテッテッテッテッテッテッテッテー
【どこかに紅魔館が現れたぞ!!】
―やはり、気絶か。
水面に浮かぶチルノの呼吸を確認して、ディアボロは確信した。
―フロアクリアの条件はボスの戦闘不能。
先のルーミア、今のチルノ。きっとこれはこのダンジョンをクリアするまで変わらないだろう。
彼としては条件は別に『対象の殺害』でも構わない。
人を統べる立場とは言ってもギャング。死を見るのには慣れている。
むしろそちらの方が後の禍根を絶てて楽でいいとさえ思っている。
しかし、とここで彼はチルノの身体をつかみ上げ、斜め後ろに向かって突き出す。
瞬間、死角から迫り自分の周辺を氷柱が通過する。
「くっ!!」
彼には読めている。助けようとすることも、傷つけられないことも。
彼の眼差しが攻撃の元、大妖精を射抜く。
少したじろぐが、負けじと睨み返す大妖精。
ディアボロはいつものように策を逡巡させる。
と、
(ん?)そこで彼はあることに気付いた。
気温の上昇から血が手足に巡り始め、それと同時に戦闘一色だった頭に別の色が見えてくる。
赤い霧。先程まで見えなかったのはきっと湖上霧の関係だろう。
(しかし、これはいったいどういう理屈で出てるんだ?)
チルノを抱えたまま、次はそのことに考えを傾けてみる。
赤い霧というのは視覚的に良くない、だの。
何とかこれも作戦に組みこめないか、だの。
なんだか知らんが興奮する、だの。
そんなくだらないことを考えながらも、彼は思考を続ける。
「スットロい!!」それに装備しなおした射撃用ディスクでディアボロも対抗する。
互いに向かって飛来する弾丸。お互い避けることなく正面から弾を受ける。
動いたのは大妖精だった。まるで突風にでも吹かれたように後方に大きく吹き飛ぶ。
もちろん風など吹いているはずがない、湖面はいまだに凪いでいる。
「『ドヒュウの尻尾文字』だ。挟み撃ちの形さえ抜ければどうって事ないんだよ」
大妖精は水面に顔を打ち付けながらも、自分の親友のために声を振り絞る。
「チルノちゃん、逃げて!!!」
しかし当のチルノは動かない。それどころか目の前のディアボロが見えていないかのようにきょろきょろしている。
「あれ、大妖精どこー?何でいきなり夜になったの?」
大妖精は気付いた、チルノが先に攻撃を受けていたことに。
大妖精の顔が真っ青に染まった。
ディアボロは隠そうともせず、豪快に笑みを作る。
目の見えない少女、動けない少女、それを見て笑う男。
傍から見れば間違いなく狂人視されるだろう。
しかしディアボロはこの程度で狂うほどやわな神経はしていない。
「足が凍り付いて避けられないのなら、避けられるようになるのを待つ。
詰めが甘いんだよ、貴様らは」
頭にディスクを差し込みながら彼はチルノへと近づく。
なぜディアボロがほぼ無傷で脱出できたのか、なぜディアボロが笑っているのか。
その理由はこの行動にある。
【スパイスガールのディスクを防御用に装備した】
そう、発動したのだ。クラフトワークの空間固定を。ディアボロは現在ほぼ自暴自棄状態である。
先の笑いだって、せっかく手に入れた防御5のアタリ装備が消えたことに対する自嘲だ。
しかしそんなことは露とも知らない大妖精はその笑みを危険信号と判断したらしく、大声を上げる。
「チルノちゃん、『ダイヤモンドブリザード』!!」
「へ?えと」
チルノは言われるがままにあたふたとカードを取り出し、それを天に掲げ宣言をあげようとする。
「【雪符『ダイヤモンド・・・】」
しかし、そうは問屋が卸さない。
「あれ、スペルカードがなくなったよ!?」
「違うチルノちゃん、右右!!そこの変態が持ってる!」
右と指示が出され、グルンと音が聞こえるほど力強く左を向き氷柱を打ち出すチルノ。
「違うから、そっち左だから!逆、逆!!」
逆、といわれその通りにチルノは振り返る。
目が見えなかったのは彼女にとってある意味で幸運だったかもしれない。
目の前にスペルカードを握り締めたディアボロの回し蹴りが迫っていたのだから。
「不意打ちディアボロキック!!!!」
ごすんという鈍い音と共に的確に少女のこめかみを捉えるディアボロの踵。
数瞬、チルノは力なくその場に倒れる。
二体と一人の争いに決着がついた瞬間だった。
【ディアボロのレベルが上がった。】テッテテテッテッテッテッテッテッテッテッテー
【どこかに紅魔館が現れたぞ!!】
―やはり、気絶か。
水面に浮かぶチルノの呼吸を確認して、ディアボロは確信した。
―フロアクリアの条件はボスの戦闘不能。
先のルーミア、今のチルノ。きっとこれはこのダンジョンをクリアするまで変わらないだろう。
彼としては条件は別に『対象の殺害』でも構わない。
人を統べる立場とは言ってもギャング。死を見るのには慣れている。
むしろそちらの方が後の禍根を絶てて楽でいいとさえ思っている。
しかし、とここで彼はチルノの身体をつかみ上げ、斜め後ろに向かって突き出す。
瞬間、死角から迫り自分の周辺を氷柱が通過する。
「くっ!!」
彼には読めている。助けようとすることも、傷つけられないことも。
彼の眼差しが攻撃の元、大妖精を射抜く。
少したじろぐが、負けじと睨み返す大妖精。
ディアボロはいつものように策を逡巡させる。
と、
(ん?)そこで彼はあることに気付いた。
気温の上昇から血が手足に巡り始め、それと同時に戦闘一色だった頭に別の色が見えてくる。
赤い霧。先程まで見えなかったのはきっと湖上霧の関係だろう。
(しかし、これはいったいどういう理屈で出てるんだ?)
チルノを抱えたまま、次はそのことに考えを傾けてみる。
赤い霧というのは視覚的に良くない、だの。
何とかこれも作戦に組みこめないか、だの。
なんだか知らんが興奮する、だの。
そんなくだらないことを考えながらも、彼は思考を続ける。
「おい」「何!!」
ディアボロの何気ない問いかけにも、大妖精は噛み付かんばかりに答える。
「質問の続きだ。この霧はなんだ?」
最初のように質問をするディアボロ。
「私が質問に答えるとでも?」「答えたくなるさ」
指を折り曲げ、カウントが終わる。と同時に彼はチルノのリボンをほどく。
「へっ?」唖然とする大妖精。
「もう一度質問する。この霧はなんだ?」
もう一度そう告げ、指を折るディアボロ。心なしかカウントが早まっている気もする。
「な、何でチルノちゃんを…」
「時間切れだ。もう一枚」
言うやいなや、彼はスカートの中に手を突っ込み一気にパンティを引き摺り下ろす。
傍から見ればやはり変態だが彼はいたって冷静である。
今は脱がすことではなく、脅すことこそが目的となる。
ならば上を脱がすより、下を脱がした方が相手に危機感を与えることができる。
「分かった、答える、答えるからやめて!!」
「それでいい。で、この霧はなんだ?」
「詳しいことは分からない、でもあの館が関係してるみたい」
あせあせとそう答える大妖精を見てディアボロの心に疑惑が生まれる。
騙そうとしているのではないかという疑惑。
当たり前だ。彼女は今彼の手中にいるチルノのためならきっとなんでもするだろう。
そう、何でも。事実彼女はディアボロを殺そうとした。
裏切りが常だったギャングの長がそんな少女を簡単に信じられるはずもない。
「そうか」「うん、だからチルノちゃんを早く・・・」
「だったらお前の役割はもう終わりだ」
大妖精が最後に見たのは、黄色い円盤だった。
『ラァァリホ~~~』
ディアボロの何気ない問いかけにも、大妖精は噛み付かんばかりに答える。
「質問の続きだ。この霧はなんだ?」
最初のように質問をするディアボロ。
「私が質問に答えるとでも?」「答えたくなるさ」
指を折り曲げ、カウントが終わる。と同時に彼はチルノのリボンをほどく。
「へっ?」唖然とする大妖精。
「もう一度質問する。この霧はなんだ?」
もう一度そう告げ、指を折るディアボロ。心なしかカウントが早まっている気もする。
「な、何でチルノちゃんを…」
「時間切れだ。もう一枚」
言うやいなや、彼はスカートの中に手を突っ込み一気にパンティを引き摺り下ろす。
傍から見ればやはり変態だが彼はいたって冷静である。
今は脱がすことではなく、脅すことこそが目的となる。
ならば上を脱がすより、下を脱がした方が相手に危機感を与えることができる。
「分かった、答える、答えるからやめて!!」
「それでいい。で、この霧はなんだ?」
「詳しいことは分からない、でもあの館が関係してるみたい」
あせあせとそう答える大妖精を見てディアボロの心に疑惑が生まれる。
騙そうとしているのではないかという疑惑。
当たり前だ。彼女は今彼の手中にいるチルノのためならきっとなんでもするだろう。
そう、何でも。事実彼女はディアボロを殺そうとした。
裏切りが常だったギャングの長がそんな少女を簡単に信じられるはずもない。
「そうか」「うん、だからチルノちゃんを早く・・・」
「だったらお前の役割はもう終わりだ」
大妖精が最後に見たのは、黄色い円盤だった。
『ラァァリホ~~~』
「紅い霧、妖精、それにスペルカード…だったか。
本当にここは何処なんだ?」
チルノから奪ったカードを月に透かしながらまたもディアボロはそのことについて考える。
やはり答えは出てこない。
しかし情報は手に入った。
「空を飛ぶ紅白と白黒、骨董屋。
なんにせよ人間はいるんだ。そいつらに会って聞けばいい」
ここでディアボロは重大な勘違いを犯していた。
それは常識で物事を考えてしまったこと。
人間は家に住む物、逆に家には人間が住んでいるだろうという安易な発想。
彼の繰り返してきた無間地獄においてもそれは常識だったために見落としてしまったのだ。
家に住むのは人間だけではないのではないかという発想を。
陸が近づいてきた。
本当にここは何処なんだ?」
チルノから奪ったカードを月に透かしながらまたもディアボロはそのことについて考える。
やはり答えは出てこない。
しかし情報は手に入った。
「空を飛ぶ紅白と白黒、骨董屋。
なんにせよ人間はいるんだ。そいつらに会って聞けばいい」
ここでディアボロは重大な勘違いを犯していた。
それは常識で物事を考えてしまったこと。
人間は家に住む物、逆に家には人間が住んでいるだろうという安易な発想。
彼の繰り返してきた無間地獄においてもそれは常識だったために見落としてしまったのだ。
家に住むのは人間だけではないのではないかという発想を。
陸が近づいてきた。
ちなみに。
作品の容量の関係で作者の大好きな脱がしシーンはばっさりカットされたよ!
読みたいロリコンな人間は「ゆっくりしていってね」ってゆっくり書き込んでいってね!!
作品の容量の関係で作者の大好きな脱がしシーンはばっさりカットされたよ!
読みたいロリコンな人間は「ゆっくりしていってね」ってゆっくり書き込んでいってね!!
【綺麗なスペルカード、ぼやけたスペルカード、
氷白色の記憶ディスク、ホルス神のディスク(3)を手に入れた。】
中年祈祷中…
氷白色の記憶ディスク、ホルス神のディスク(3)を手に入れた。】
中年祈祷中…
おまけ?
ドッピオ「ドッピオの~大冒険研究部~」
ドッピオ「ドッピオの~大冒険研究部~」
ドッピオの大冒険研究部 №1 アイテム説明~その①~
ド「今回から始まりました、大冒険研究部。
このコーナーでは本作品の設定について説明をしていきたいと思います」
このコーナーでは本作品の設定について説明をしていきたいと思います」
ド「わかりにくい部分があったらお気軽に聞いてくださいね。
それでは行きましょう」
それでは行きましょう」
ド「本作品では原作『ディアボロの大冒険』よろしくディスクやアイテムを発動して冒険をします。
今回はそんなディスクやアイテムの発動について説明したいと思います」
今回はそんなディスクやアイテムの発動について説明したいと思います」
ド「まずはディスク。ご存知でしょうが、ダンジョンには三つのディスクが落ちてます。
見えますか?この黄色いのが能力、赤いのが射撃、銀色のが記憶ディスクです。
ボスはこれらを駆使してダンジョン制覇を目指します。
そしてこの黄色いディスクは特殊で、強く念じると…」
見えますか?この黄色いのが能力、赤いのが射撃、銀色のが記憶ディスクです。
ボスはこれらを駆使してダンジョン制覇を目指します。
そしてこの黄色いディスクは特殊で、強く念じると…」
『ラァリホォ~』
ド「このようにその中に眠っている能力を一度だけフルパワーで使うことができます。
この発動について本作では後付ですが少し独自設定を加えさせてもらいます」
この発動について本作では後付ですが少し独自設定を加えさせてもらいます」
ド「本作最初の発動能力となったチリペッパーのようにすべて発動がわかりやすいものなら良いんですが、
中にはわかりにくいのがありますよね。
例えばザ・ハンドのように効果と発動能力とが同じもの。
これについては『原作の能力を接触や攻撃以外で及ぼす場合』発動とみなします。
つまりはそれ以外はただの付加能力です」
中にはわかりにくいのがありますよね。
例えばザ・ハンドのように効果と発動能力とが同じもの。
これについては『原作の能力を接触や攻撃以外で及ぼす場合』発動とみなします。
つまりはそれ以外はただの付加能力です」
ド「次にアイテムについて。通常アイテムについては原作と一緒です。
しかし、本作には原作には無いアイテムが登場します。
そう、スペルカードです」
しかし、本作には原作には無いアイテムが登場します。
そう、スペルカードです」
ド「スペルカードについて、作者が考えた結果『縛り有りで発動可能』とします。
たとえば、マスタースパーク。これの発動には
1,術者(霧雨魔理沙・風見幽香)の記憶
2,発動できるアイテム(八卦炉・幽香の日傘)
3,精神力(規模に比例して消費。この場合は2)
が必要となります。わかってもらえましたか?」
たとえば、マスタースパーク。これの発動には
1,術者(霧雨魔理沙・風見幽香)の記憶
2,発動できるアイテム(八卦炉・幽香の日傘)
3,精神力(規模に比例して消費。この場合は2)
が必要となります。わかってもらえましたか?」
ド「それでは今回はこの辺で。
またお会いしましょう。さよーならー」
またお会いしましょう。さよーならー」