シチリアのとある港町に、一人の男の子がいました。
彼はとても熱くて、優しい心を持っていましたが、まだ少々気が弱く、他人に何かと振り回されやすい少年です。
例えるならば、鍛える前の、ドロドロの鉄。そんな少年でした。
少年は、両親と三人暮らしでしたが、近所に年の離れた従兄弟の女性が住んでいます。
彼女は外見こそは平凡でしたが、優しく歪まぬ芯を持った、強い女性でした。
少年は、彼女の事が大好きで、いわゆる「初恋の人」と言う奴でした。
しかし、悲しいかな。彼女は既に夫がおり、少年が小学校に行くようになる頃には子供まで出来ていました。
従兄弟の旦那さんはとてもいい人で、悔しかったですが、やはり彼の事も少年は大好きでした。
なので、少年がその従兄弟の子供である女の子を好きになるのも、当然です。
従兄弟夫婦は小さなレストランを、営んでいたのでよく女の子は少年の家に預けられました。
また、忙しい従兄弟夫婦の店を、少年が手伝いに行く事もありました。
少年と、女の子はまるで本当の兄と妹のように、育ったのです。
少年は女の子が大好きで、女の子も少年は大好きでした。
そんな普通の、ささやかな幸せの日常は、ある日突然終わってしまいます。
少年が14歳のとき、女の子が天国へ行ってしまうのです。
ここは、暗殺チーム邸玄関、真っ暗なそこで突然ガチャリ、と扉が開いた。
そして、しばらくすると今度は居間の扉がひとりでに、開く。
壁に掛かっている巨大な鏡に、波紋のような物が波打った。
そして、しばらくすると今度は居間の扉がひとりでに、開く。
壁に掛かっている巨大な鏡に、波紋のような物が波打った。
「ふあぁぁぁー・・・、ただいまぁ・・・・。」
へろへろになりながら鏡から、イルーゾォがにゅっと出てきた。
既に時計は夜中の三時、いつもだったらとっくに寝ている時間である。
「あら、お帰りなさい。イルーゾォ。」
居間には、酔いつぶれたらしいリゾットが突っ伏しており、レティが彼に毛布をかけていた。
辺りには皿やグラス、缶やワインが転がっている。
それ以外のみんなは、すっかり寝てしまったらしい。
「あれ?レティが大きい・・・・・・。」
そう言ってイルーゾォは、目をこする。
「ちょっと、これが元の大きさよ!冬が近くなってきたからね、だいぶ力が回復したわ。
それより、随分遅かったわね・・・・。いくら安全な鏡の中を通れるからって関心しないわよ。」
めっ!!とレティはイルーゾォは叱った。
すると、イルーゾォは拗ねたような表情になって訳を話し始めた。
なぜ、ここまで遅くなったかと言うと原因はもちろんアリスだ。
あの後、暴走する彼女を必死に追いかけたイルーゾォ。
そんな彼は、博麗神社まで辿りついた。
そして、そこで彼が見たのは。
仲良く、今晩2人で鍋でもしようと話している霊夢と魔理沙。
そして、つい空気を読んでしまって、話しに入るタイミングを見失い、何も言えなくなっているアリスだった。
既に時計は夜中の三時、いつもだったらとっくに寝ている時間である。
「あら、お帰りなさい。イルーゾォ。」
居間には、酔いつぶれたらしいリゾットが突っ伏しており、レティが彼に毛布をかけていた。
辺りには皿やグラス、缶やワインが転がっている。
それ以外のみんなは、すっかり寝てしまったらしい。
「あれ?レティが大きい・・・・・・。」
そう言ってイルーゾォは、目をこする。
「ちょっと、これが元の大きさよ!冬が近くなってきたからね、だいぶ力が回復したわ。
それより、随分遅かったわね・・・・。いくら安全な鏡の中を通れるからって関心しないわよ。」
めっ!!とレティはイルーゾォは叱った。
すると、イルーゾォは拗ねたような表情になって訳を話し始めた。
なぜ、ここまで遅くなったかと言うと原因はもちろんアリスだ。
あの後、暴走する彼女を必死に追いかけたイルーゾォ。
そんな彼は、博麗神社まで辿りついた。
そして、そこで彼が見たのは。
仲良く、今晩2人で鍋でもしようと話している霊夢と魔理沙。
そして、つい空気を読んでしまって、話しに入るタイミングを見失い、何も言えなくなっているアリスだった。
『あー、何だよアリス。まったく今日の待ち合わせ場所は洩矢神社だったろ♪』
『あっ・・・!!そうだったわ、やっちゃった私☆』
『あっ・・・!!そうだったわ、やっちゃった私☆』
テヘッ☆
そして、イルーゾォは非常にナチュラルな流れで、アリスを博麗神社から救出したのだ。
ちなみに、その後。
『魔理沙、あの男の人、誰。』
『知らないのか?アリスの彼氏だよ。』
と言う会話を霊夢と魔理沙が繰り広げたのを二人は知らない。
その後の、アリスの落ち込みようは異常だった。
作戦が、始めから木っ端微塵だったのである。
さらに、どうやら魔理沙と霊夢が、会話の中で見事にお互いの好きなものを言い当てあっていたらしい。
すっかりアリスはやけくそである。
『こうなったらもう呑むわよ!!ヤケ酒よ!!イルーゾォ、この財布に入ってるだけの金で酒とつまみ買ってきなさい!!しないと殺す!!』
そして、イルーゾォはその後、何十回とパシられ。
ちなみに、その後。
『魔理沙、あの男の人、誰。』
『知らないのか?アリスの彼氏だよ。』
と言う会話を霊夢と魔理沙が繰り広げたのを二人は知らない。
その後の、アリスの落ち込みようは異常だった。
作戦が、始めから木っ端微塵だったのである。
さらに、どうやら魔理沙と霊夢が、会話の中で見事にお互いの好きなものを言い当てあっていたらしい。
すっかりアリスはやけくそである。
『こうなったらもう呑むわよ!!ヤケ酒よ!!イルーゾォ、この財布に入ってるだけの金で酒とつまみ買ってきなさい!!しないと殺す!!』
そして、イルーゾォはその後、何十回とパシられ。
『足りないわ、十秒で買ってきなさい。え?店がもう開いてない?アンタ地獄の住人でしょ!そっちで買ってきなさい!!』
何十回とつまみを作らされ。
『何これ?!あんた本当にイタリア人!!不味過ぎるわよ!!作り直しなさい!!』
何故か掃除をすることになったり。
『あーら?こんな所にまだ埃が残ってるわよ?!おーっほっほっほっほ!!』
くじけそうになる心を上海や蓬莱などドールズに慰められたりした。
『シャンハーイ。(あたまなでなで)』
『ホウラーイ。(かたぽんぽん』
『フラーンス。(髪についた埃を払う)』
『ロシアー。(顔についた汚れを拭う。)』
『オーランダー・・。(部屋に汚れが残っていないか確認している)』
『ロンドーン。(窓ガラスを拭いている)』
『キョーウ?(お茶を差し出す)』
『ありがとう・・みんなありがとう・・・・・。』
人形情の優しさに、思わずグスッと涙ぐむイルーゾォ。
ある意味、ハーレムである。
すると、突然バタンっと扉が開いた。
『オルレアーン!!』
『なにぃッ!!アリスが吐いたぁッ?!』
そして、そうしてる間に人形が何を言っているか理解できるようになったらしい。
『蓬莱、上海、仏蘭西、和蘭はアリスをシャワーまで運んで洗ってやれ!露西亜は着替えを用意!!倫敦と京は俺と一緒に吐いた部屋の掃除だ!!』
そう人形達に指示をして、イルーゾォは部屋を飛び出す。
その後ろを、人形達は素直についていく。
いつか、イルーゾォがアリスのスペルカードを使えるようになるかもしれない。
「でさぁ、その後またアリスが吐いたのが服につくしで・・・最悪だよ・・・・。」
「本当に、お疲れ様・・・・・。というか、着替えあったの?」
「いや、アリスの家に置いてあるから。着替え。」
「・・・・・・・・・・・・(この子達、この調子だと歯ブラシとかも置いてあるんじゃないの?)。」
そう言って、レティはイルーゾォにホットミルクを渡す。
もう力がそれなりに戻ってきているのか、すっかり熱いものも平気らしい。
「・・・・それにしても、あなたもよく我慢できるわね。」
「?」
イルーゾォはふーふーとあつあつのホットミルクを冷まして飲もうとする。
「好きな子に、ちっとも異性として認識されてないって、つらくない?」
「ぶふぉっ?!」
次の瞬間、イルーゾォは思いっきり牛乳を噴出した。
「汚いわねぇ。」
「な・・・・・なななななななな何を行き成り何を・・・・・・?!」
顔を真っ赤にして、イルーゾォはどもる。
全身は大いに震え、今にもマグカップを落としそうである。
「お・・落ち着きなさい・・・・リゾットが起きるわ。取り合えずマグカップを置いて、深呼吸しなさい。」
そして、イルーゾォは深呼吸しながらマグカップを机に置いた。
はーっはーっと息を落ち着かせて・・・・・・。
「違うっ!そんなんじゃないっ!!」
そして、レティの方を向いて全力で先ほどのレティの発言を否定する。
「・・・・じゃあ、どうしてあなたはそこまであの魔法使いに肩入れするの?」
「あ・・っあれは!!ほっとけないというか・・・妹!そう!妹みたいな感じなんだよ!!ホルマジオじゃねぇけど『しょうがねぇなー』って感じで!!」
そう言って、イルーゾォは必死に首を振って否定する。
「わ・・、解ったわ。ほっとけないのね?ね?」
レティがそう言うと、イルーゾォは何度もものすごい勢いで頷いた。
「お・・・・俺、俺寝るから!もう寝るから!明日アリス多分二日酔いになってるから様子見に行かなくちゃいけないから!!お休み!!」
そう言って、イルーゾォは鏡の中へと飛び込んでいった。
「あらあら・・・・・・。」
その様子を見て、レティはため息を付いた。
「ん・・・・・・・。」
もぞり、と寝ていたリゾットが動いた。
眠そうに目を擦り、身体を起こす。
「あ、起こしてしまったかしら?」
「いや・・・構わない・・・。イルーゾォが帰ってきたのか・・?」
「えぇ、疲れてたわ。若い子は大変ねぇ。」
そう言ってレティは、片づけの続きを始めた。
「すまない、俺も・・・・・・。」
リゾットは立ち上がろうとするが、フラリと倒れこみそうになる。
「あ・・・、だめよ!!私が勧めすぎたのもあるけど・・、今日は珍しくよく飲んでたから!!」
そう言ってレティはリゾットをイスに座らせ、台所の冷蔵庫からミネラルウォーターを取ってきて、リゾットに渡した。
「まったく・・・、あなた今日はおかしかったわよ?確かに今日、調子がおかしいってギアッチョが言っていたけど・・・・・。
メローネとプロシュートがしたことは確かにとんでもないわ、でも・・・・・・。」
「いや、違う。あの2人が・・・フランドールを連れてきたこと自体は、関係ない。」
そう言って、リゾットは一気にミネラルウォーターを流し込む。
「・・・・・・すまないが、レティ、今度からあの・・チルノと言う子はここに連れてこないようにしてくれないか・・・?」
「え・・・・?」
予想しなかった言葉に、レティは思わず言葉を失う。
「勘違いしないでくれ、あの子に問題があるわけじゃない・・・・。その・・・苦手なんだ、フランドールも含めて、子供が。」
そう言って、リゾットは顔を手で隠しながら、イスの背もたれに寄りかかる。
「どうして?騒がしいし、手が掛かるから?」
「違う、騒がしさも、手が掛かるのも、あいつらの方が遥かに上だからな。」
そう言って、リゾットは苦笑した。
酒が酷く入っているせいか、普段より警戒がゆるくなっている。
レティはそんなリゾット、まるで少年のようだと思った。
「駄目なんだ・・・子供は好きなんだが・・・・苦手なんだ・・・・。」
そう話しながら、リゾットは机に突っ伏してしまう。
「好きだけど・・苦手・・・・?」
レティを不思議そうな顔をして、その言葉を反芻する。
「思い出すんだ・・・・・・、・・のことを・・・・・。」
「え?」
レティは、リゾットの言葉を、よく聞き取れなかった。
「・・・・・、・・・・・よ。」
小声で、何事か呟くと、リゾットはそのまま寝息を立てて寝始めてしまった。
「まったく、しょうがないわねぇ。よっと・・・・。」
そう言ってレティは、リゾットを抱きかかえる。
妖怪である彼女にとって、巨体であるリゾットも運べない重さではない。
(・・・・ここにいる皆は何かしら影があるのは前から思っていたけど、やっぱり彼もそうなのね・・・・。)
そんな事を考えながら、レティは抱きかかえたリゾットの頭を撫でた。
「まったく・・・、いい年しといて・・・・・。自分を支えてくれるいい人くらい見つけなさいよ?」
そうレティは、眠るリゾットにそっと囁いた。
「・・・・・・悪いな、レティ。俺達より、お前の方がリーダー、気を使わないと思ったからよ・・・。」
「そんなことないわよ。私だって一応チームのメンバーなのよ?少しくらい役に立たなくちゃ。」
居間からでると、そこにはギアッチョが立っていた、壁に身体を預けている。
そして、他の面々も、居間を出た先の廊下に立っている。
全員、気配を隠していない
「チルノ達は?」
「ドルチの奴が見ててくれるよ、おもちゃになってるみたいだけどな。」
吸血鬼であるフランは、本来だったら夜が活動時間である。
そのため、先ほどまで寝る事に対してブーブーと文句を言っていたのだ。
なので、そこで絵本とドルチを投入。激流に流れを任せる事にしたのだ。
「・・・・リゾットの奴、相当来てるな・・・・・。」
ホルマジオが苦い表情で呟いた。
「俺達が全員、廊下の外にいるってのに・・・・気づかないなんて。」
「普段ならリーダー、俺達ならすぐに分かって・・・明日に響くから早く寝ろって怒るのに・・・。何か今日おかしいよ!!」
ソルベが暗い表情で舌打ちをし、シュン・・とした様子で、ジェラートは眠っているリゾットを見つける。
「俺・・・リーダーが酔いつぶれてるところなんて、見たことありませんぜ・・?」
ペッシは今まで見たことのないリゾットの様子に、戸惑うばかりである。
「・・・・・まさか、ガキが一緒にいるだけでこんなにダメージ食らうとは・・・、思ってもみなかったぜ・・・。
あの猫のガキは何ともなかったから・・・あぁ、考えてみればあいつ、あのガキ避けてたかもな・・・。」
そう言ってプロシュートは、浅はかだった自分を呪った。
「・・ったく、人が出かけてる隙に何やってんだよ!お前ら!!」
イルーゾォはリゾットの話を外に待機していたメンバーから聞いたのか、怒っている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
いつも軽い調子のメローネも、俯いてずっと黙っている。相当、反省してるらしい。。
そして、レティはギアッチョにリゾットを渡す。
「うぉっ・・・・!!」
「大丈夫?私、持つわよ?」
「・・っ!!大丈夫だ!!」
フラフラとしながらも、ギアッチョはリゾットを運ぶ。
「おいおい、そんな調子でリゾット落とされちまったらたまんねーよ。」
そう言ってプロシュートはグレイトフルデッドを出現させ、そのパワーでリゾットを抱きかかえる。
と、言って二本の腕で移動できなくなったので、触手でうぞるうぞる移動しているのだが。
そしてレティは自身の姿を小さくし、フワンッとギアッチョの横に浮かんだ。
「・・・・・・ねえ、ギアッチョ。あなた、リゾットの昔の話って・・・聞いた事ある?」
「聞いた事あるもなにも、リゾットの奴、全員に話してあるぜ。」
「は?」
ケッと舌打ちをしたあと、ギアッチョが続ける。
「リゾットの奴、不器用にも程があるってのは、あんたも良く知ってんだろ?
こいつ、馬鹿だから信頼されるために隠し事は駄目だとでも思ってるのかぽんぽんと自分の事、話すんだよ。」
『シャンハーイ。(あたまなでなで)』
『ホウラーイ。(かたぽんぽん』
『フラーンス。(髪についた埃を払う)』
『ロシアー。(顔についた汚れを拭う。)』
『オーランダー・・。(部屋に汚れが残っていないか確認している)』
『ロンドーン。(窓ガラスを拭いている)』
『キョーウ?(お茶を差し出す)』
『ありがとう・・みんなありがとう・・・・・。』
人形情の優しさに、思わずグスッと涙ぐむイルーゾォ。
ある意味、ハーレムである。
すると、突然バタンっと扉が開いた。
『オルレアーン!!』
『なにぃッ!!アリスが吐いたぁッ?!』
そして、そうしてる間に人形が何を言っているか理解できるようになったらしい。
『蓬莱、上海、仏蘭西、和蘭はアリスをシャワーまで運んで洗ってやれ!露西亜は着替えを用意!!倫敦と京は俺と一緒に吐いた部屋の掃除だ!!』
そう人形達に指示をして、イルーゾォは部屋を飛び出す。
その後ろを、人形達は素直についていく。
いつか、イルーゾォがアリスのスペルカードを使えるようになるかもしれない。
「でさぁ、その後またアリスが吐いたのが服につくしで・・・最悪だよ・・・・。」
「本当に、お疲れ様・・・・・。というか、着替えあったの?」
「いや、アリスの家に置いてあるから。着替え。」
「・・・・・・・・・・・・(この子達、この調子だと歯ブラシとかも置いてあるんじゃないの?)。」
そう言って、レティはイルーゾォにホットミルクを渡す。
もう力がそれなりに戻ってきているのか、すっかり熱いものも平気らしい。
「・・・・それにしても、あなたもよく我慢できるわね。」
「?」
イルーゾォはふーふーとあつあつのホットミルクを冷まして飲もうとする。
「好きな子に、ちっとも異性として認識されてないって、つらくない?」
「ぶふぉっ?!」
次の瞬間、イルーゾォは思いっきり牛乳を噴出した。
「汚いわねぇ。」
「な・・・・・なななななななな何を行き成り何を・・・・・・?!」
顔を真っ赤にして、イルーゾォはどもる。
全身は大いに震え、今にもマグカップを落としそうである。
「お・・落ち着きなさい・・・・リゾットが起きるわ。取り合えずマグカップを置いて、深呼吸しなさい。」
そして、イルーゾォは深呼吸しながらマグカップを机に置いた。
はーっはーっと息を落ち着かせて・・・・・・。
「違うっ!そんなんじゃないっ!!」
そして、レティの方を向いて全力で先ほどのレティの発言を否定する。
「・・・・じゃあ、どうしてあなたはそこまであの魔法使いに肩入れするの?」
「あ・・っあれは!!ほっとけないというか・・・妹!そう!妹みたいな感じなんだよ!!ホルマジオじゃねぇけど『しょうがねぇなー』って感じで!!」
そう言って、イルーゾォは必死に首を振って否定する。
「わ・・、解ったわ。ほっとけないのね?ね?」
レティがそう言うと、イルーゾォは何度もものすごい勢いで頷いた。
「お・・・・俺、俺寝るから!もう寝るから!明日アリス多分二日酔いになってるから様子見に行かなくちゃいけないから!!お休み!!」
そう言って、イルーゾォは鏡の中へと飛び込んでいった。
「あらあら・・・・・・。」
その様子を見て、レティはため息を付いた。
「ん・・・・・・・。」
もぞり、と寝ていたリゾットが動いた。
眠そうに目を擦り、身体を起こす。
「あ、起こしてしまったかしら?」
「いや・・・構わない・・・。イルーゾォが帰ってきたのか・・?」
「えぇ、疲れてたわ。若い子は大変ねぇ。」
そう言ってレティは、片づけの続きを始めた。
「すまない、俺も・・・・・・。」
リゾットは立ち上がろうとするが、フラリと倒れこみそうになる。
「あ・・・、だめよ!!私が勧めすぎたのもあるけど・・、今日は珍しくよく飲んでたから!!」
そう言ってレティはリゾットをイスに座らせ、台所の冷蔵庫からミネラルウォーターを取ってきて、リゾットに渡した。
「まったく・・・、あなた今日はおかしかったわよ?確かに今日、調子がおかしいってギアッチョが言っていたけど・・・・・。
メローネとプロシュートがしたことは確かにとんでもないわ、でも・・・・・・。」
「いや、違う。あの2人が・・・フランドールを連れてきたこと自体は、関係ない。」
そう言って、リゾットは一気にミネラルウォーターを流し込む。
「・・・・・・すまないが、レティ、今度からあの・・チルノと言う子はここに連れてこないようにしてくれないか・・・?」
「え・・・・?」
予想しなかった言葉に、レティは思わず言葉を失う。
「勘違いしないでくれ、あの子に問題があるわけじゃない・・・・。その・・・苦手なんだ、フランドールも含めて、子供が。」
そう言って、リゾットは顔を手で隠しながら、イスの背もたれに寄りかかる。
「どうして?騒がしいし、手が掛かるから?」
「違う、騒がしさも、手が掛かるのも、あいつらの方が遥かに上だからな。」
そう言って、リゾットは苦笑した。
酒が酷く入っているせいか、普段より警戒がゆるくなっている。
レティはそんなリゾット、まるで少年のようだと思った。
「駄目なんだ・・・子供は好きなんだが・・・・苦手なんだ・・・・。」
そう話しながら、リゾットは机に突っ伏してしまう。
「好きだけど・・苦手・・・・?」
レティを不思議そうな顔をして、その言葉を反芻する。
「思い出すんだ・・・・・・、・・のことを・・・・・。」
「え?」
レティは、リゾットの言葉を、よく聞き取れなかった。
「・・・・・、・・・・・よ。」
小声で、何事か呟くと、リゾットはそのまま寝息を立てて寝始めてしまった。
「まったく、しょうがないわねぇ。よっと・・・・。」
そう言ってレティは、リゾットを抱きかかえる。
妖怪である彼女にとって、巨体であるリゾットも運べない重さではない。
(・・・・ここにいる皆は何かしら影があるのは前から思っていたけど、やっぱり彼もそうなのね・・・・。)
そんな事を考えながら、レティは抱きかかえたリゾットの頭を撫でた。
「まったく・・・、いい年しといて・・・・・。自分を支えてくれるいい人くらい見つけなさいよ?」
そうレティは、眠るリゾットにそっと囁いた。
「・・・・・・悪いな、レティ。俺達より、お前の方がリーダー、気を使わないと思ったからよ・・・。」
「そんなことないわよ。私だって一応チームのメンバーなのよ?少しくらい役に立たなくちゃ。」
居間からでると、そこにはギアッチョが立っていた、壁に身体を預けている。
そして、他の面々も、居間を出た先の廊下に立っている。
全員、気配を隠していない
「チルノ達は?」
「ドルチの奴が見ててくれるよ、おもちゃになってるみたいだけどな。」
吸血鬼であるフランは、本来だったら夜が活動時間である。
そのため、先ほどまで寝る事に対してブーブーと文句を言っていたのだ。
なので、そこで絵本とドルチを投入。激流に流れを任せる事にしたのだ。
「・・・・リゾットの奴、相当来てるな・・・・・。」
ホルマジオが苦い表情で呟いた。
「俺達が全員、廊下の外にいるってのに・・・・気づかないなんて。」
「普段ならリーダー、俺達ならすぐに分かって・・・明日に響くから早く寝ろって怒るのに・・・。何か今日おかしいよ!!」
ソルベが暗い表情で舌打ちをし、シュン・・とした様子で、ジェラートは眠っているリゾットを見つける。
「俺・・・リーダーが酔いつぶれてるところなんて、見たことありませんぜ・・?」
ペッシは今まで見たことのないリゾットの様子に、戸惑うばかりである。
「・・・・・まさか、ガキが一緒にいるだけでこんなにダメージ食らうとは・・・、思ってもみなかったぜ・・・。
あの猫のガキは何ともなかったから・・・あぁ、考えてみればあいつ、あのガキ避けてたかもな・・・。」
そう言ってプロシュートは、浅はかだった自分を呪った。
「・・ったく、人が出かけてる隙に何やってんだよ!お前ら!!」
イルーゾォはリゾットの話を外に待機していたメンバーから聞いたのか、怒っている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
いつも軽い調子のメローネも、俯いてずっと黙っている。相当、反省してるらしい。。
そして、レティはギアッチョにリゾットを渡す。
「うぉっ・・・・!!」
「大丈夫?私、持つわよ?」
「・・っ!!大丈夫だ!!」
フラフラとしながらも、ギアッチョはリゾットを運ぶ。
「おいおい、そんな調子でリゾット落とされちまったらたまんねーよ。」
そう言ってプロシュートはグレイトフルデッドを出現させ、そのパワーでリゾットを抱きかかえる。
と、言って二本の腕で移動できなくなったので、触手でうぞるうぞる移動しているのだが。
そしてレティは自身の姿を小さくし、フワンッとギアッチョの横に浮かんだ。
「・・・・・・ねえ、ギアッチョ。あなた、リゾットの昔の話って・・・聞いた事ある?」
「聞いた事あるもなにも、リゾットの奴、全員に話してあるぜ。」
「は?」
ケッと舌打ちをしたあと、ギアッチョが続ける。
「リゾットの奴、不器用にも程があるってのは、あんたも良く知ってんだろ?
こいつ、馬鹿だから信頼されるために隠し事は駄目だとでも思ってるのかぽんぽんと自分の事、話すんだよ。」
そして、少年の心は固まってしまいます。
あっけなく散ってしまった幼い命を見て、少年の心は、冷たく、固くなってしまいました。
もう、少年は誰にも揺るがされません。心にあるのは、誓い。
女の子と、女の子の死を悲しむ全ての人々への、誓いです。
『殺してやる、あの子を殺した、あいつを。』
それが、少年の誓いでした。冷たく、冷たく、悲しい、固い心は誰にも揺るがされません。
少年はその後、一旦立ち直ったように見えました。
そんな彼の姿を見て、従兄弟夫婦も、彼の両親も、励まされました。
だけど、違ったのです。
少年の心は、女の子が死んでから、そのままの形で固まっていたのです。