「人間の里で・・・・、教師をしたい?」
「はい、別に慧音のいる寺子屋ではなくても構いません。」
ハロウィンの翌日、リゾットは久々にぐっすり寝たおかげか、すっかり元気になっていた。
何せ、その日の晩はきちんと寝付いているのか交代でチームのメンバーが見に来たのだ。
目を覚ましていると、アロマだ、リラックス音楽だ、直触りだ!、だのなんだので無理に眠らせようとする。
なので嫌な事を思い出す暇も無く、彼はしっかり眠れた。
だが、毎晩こんな方法をとる訳にも行かない。
「もちろん、その間は休みを取らせていただきますが、その間の仕事はあいつらに任せてください。全員了承済みです。」
淡々と、リゾットはいつもの調子で言葉を続ける。
「・・・本当に、いいのですか?」
「はい、毒も、耐性が出来てしまえば意味はないですから。」
そう言ってリゾットはじっと映姫を見つめた。
「・・・・実は、この間里に行ったとき、貴方が洩矢の巫女に、英語を教えていると聞いて慧音が貴方に、里の子供達に英語を教えてほしいと。
最近は日本にも外国人が増えていますからね、幻想郷にもいつ迷い込むかわかりません。」
「好都合です、喜んで受けましょう。」
「では、しばらく出張扱いにしておきます。手続きが終わるまで二日ほどかかるので三日後・・・ちょうど休み明けの月曜日ですね、そこから始めましょう。」
そう言って映姫は、リゾットに書類を渡す。
リゾットは映姫に礼をしてから、映姫の執務室を出て行った。
そして、その日の晩。客人は一人もいなく久しぶりにチーム団欒と言った所である。
本日の晩御飯当番は、プロシュートとペッシである。
「おい?リゾットは?今日はせっかく俺が飯を作ったんだぞ。」
お玉を持ち、エプロンをつけたいかにも『私が料理しました』と言う顔で、プロシュートはリゾットを探す。
「ほとんど作ったのはペッシじゃないか・・・・・、お前なんて鍋掻き回すか野菜切るかくらいしかしてないだろ。」
テーブルの上をふきんで拭きながら、ジェラートが呟いた。
「何か言ったか?ジェラート?お前そんな生意気な口聞いていいと思ってるのか?」
コココココココッと小刻みにおたまでプロシュートはジェラートの頭をたたく。
「痛い痛い痛い痛い痛いっ!!」
「ほらほら、どうだ。相変わらずスタンドが使えないマンモーニが。」
「俺だって使いたくなくて使えないわけじゃないし!つーかやめろよ!!」
そう言ってジェラートはプロシュートの手からお玉を取り上げる。
「おい!メローネとギアッチョ!お前らも遊んでないでやれよ!!」
そしてTVの前で、旧型の携帯ゲームをしている二人をジェラートは必死に呼ぶ。
「いや、待って・・・・おい!頭部パーツ敵にとられちまったぞ!?」
「えぇっ?!そしたら変形できなくなるぜ!リセットしろギアッチョ!!」
「全然セーブしてないのにすすめちまったんだよ!!クソッ!クソッ!!」
二人は一向に、ゲームをしていてやめる気配がない。
「・・・ったく、しょうがねぇなぁ。とっととやめろ。」
「「あ。」」
次の瞬間、ホルマジオが強制的に、二人のゲーム機の電源を落とした。
「て・・・てめぇっ!!ホルマジオォォォォォォッ!!」
ギアッチョがぶちきれ、ホルマジオに殴りかかる。
「うおぉっ!!」
ホルマジオはとっさに身体を縮め、ギアッチョの攻撃を避ける。
「まてぇぇぇぇぇぇ!!」
そう言うとギアッチョは近くにあった新聞をまるめ、それでホルマジオを潰そうと追いかける。
ホルマジオは家具の陰に隠れたり、椅子の下を通ったりしてギアッチョの追撃をかわす。
「ドルチ!!」
「にゃあっ?!」
そして部屋の隅の籠で、寝ていたドルチの背中にホルマジオは飛び乗る。
「逃げろ!今すぐ廊下に飛び出ろ!!」
「りょ・・・・了解!!」
ホルマジオの切羽詰った様子に、ドルチは思わずとっさに駆け出した。
身軽に机や棚に飛び移り、ギアッチョの直線的な攻撃を華麗な身のこなしでかわして行く。
「なっ・・?!この猫・・!!」
「甘いなぁ!ギアッチョ!!ドルチは俺がこの姿になった時の足になってもらうため、訓練をつませてるのさ!!」
ふはははははとホルマジオが笑い、廊下へと逃走する。
「じゃあなぁ!ギアッチョ!!」
「悪いねぇ、こちとら飯を食わせてもらってるんで逆らえないんだわ。」
ホルマジオとドルチは、見事に逃走に成功した。
ギアッチョがクソックソッと辺りのものを殴りまくる。
「ホルマジオー、逃げるついでにリゾット呼んで来てくれー。」
逃走するホルマジオに、ソルベが料理を運びながら告げた。
「メローネ、レティ寒くなってきたからってはしゃいで外にいるはずだから呼んで来てギアッチョ止めろ。」
多分、今外に出れば、みなぎるレティが見れるはずだぜ、とプロシュートがメローネに告げた。
「うん、いやー。レティが来てくれてからギアッチョ止めるのが楽でいいね。」
そう言ってメローネは笑いながら、外に出て行った。
「うぉー、今頃レティがギアッチョ止めてくれてねぇかな。」
ホルマジオは寒い廊下を、ドルチを抱きかかえながら歩いていた。
この家は設備は妙にいいくせに、ところどころ隙間風が入ってくるのだ。
リゾットの部屋はメンバーの中で一人だけ一階にある。
防犯の為だと本人は言っていたが、実際は彼の部屋が一番小さくどうみても皆に広い部屋を譲っている。
「まったくあいつは・・、しょうがねぇなぁ。」
そう言ってホルマジオはリゾットの部屋の前まで行き、彼の部屋の扉をノックする。
「リゾットー!飯だぞー!!」
すると、リゾットは扉越しに答えた。
「分かった・・・・。授業で使うプリントが今刷り終わるから、それが終わったら行く。」
「りょーかい!」
リゾットの答えを聞いて、ホルマジオは今に戻る事にした。
「・・・・あいつプリントまで作ってるのかよ・・・・・。」
「プリントって何だ?」
猫のドルチが、ホルマジオに問いかける。
「あぁ、勉強するときに使う・・・・問題とか文法とか書いてあったりする紙だ。」
「ふーん、でも勉強するのって教科書とかいう本を使うんじゃなかったか?」
「その教科書の内容を補うために使う先生もいるし、教科書の内容が気に入らない先生がオリジナルで作ったりするな。」
「そうなのか、リゾットの大将は律儀だねぇ。」
そしてすぐに興味を失ったのか、ドルチはホルマジオの頭の上に乗って欠伸をした。
「まぁ、あいつはクソ真面目だからな。そういや最近ペットショップ見ないけどよぉ、知ってるか?」
「ペットショップの旦那なら最近は適当に過ごして、ここで飯と夜だけ過ごしているみたいだぜ。」
猫とホルマジオは、廊下を歩く。
居間からは、ギアッチョを叱るレティの声が漏れていた。
「はい、別に慧音のいる寺子屋ではなくても構いません。」
ハロウィンの翌日、リゾットは久々にぐっすり寝たおかげか、すっかり元気になっていた。
何せ、その日の晩はきちんと寝付いているのか交代でチームのメンバーが見に来たのだ。
目を覚ましていると、アロマだ、リラックス音楽だ、直触りだ!、だのなんだので無理に眠らせようとする。
なので嫌な事を思い出す暇も無く、彼はしっかり眠れた。
だが、毎晩こんな方法をとる訳にも行かない。
「もちろん、その間は休みを取らせていただきますが、その間の仕事はあいつらに任せてください。全員了承済みです。」
淡々と、リゾットはいつもの調子で言葉を続ける。
「・・・本当に、いいのですか?」
「はい、毒も、耐性が出来てしまえば意味はないですから。」
そう言ってリゾットはじっと映姫を見つめた。
「・・・・実は、この間里に行ったとき、貴方が洩矢の巫女に、英語を教えていると聞いて慧音が貴方に、里の子供達に英語を教えてほしいと。
最近は日本にも外国人が増えていますからね、幻想郷にもいつ迷い込むかわかりません。」
「好都合です、喜んで受けましょう。」
「では、しばらく出張扱いにしておきます。手続きが終わるまで二日ほどかかるので三日後・・・ちょうど休み明けの月曜日ですね、そこから始めましょう。」
そう言って映姫は、リゾットに書類を渡す。
リゾットは映姫に礼をしてから、映姫の執務室を出て行った。
そして、その日の晩。客人は一人もいなく久しぶりにチーム団欒と言った所である。
本日の晩御飯当番は、プロシュートとペッシである。
「おい?リゾットは?今日はせっかく俺が飯を作ったんだぞ。」
お玉を持ち、エプロンをつけたいかにも『私が料理しました』と言う顔で、プロシュートはリゾットを探す。
「ほとんど作ったのはペッシじゃないか・・・・・、お前なんて鍋掻き回すか野菜切るかくらいしかしてないだろ。」
テーブルの上をふきんで拭きながら、ジェラートが呟いた。
「何か言ったか?ジェラート?お前そんな生意気な口聞いていいと思ってるのか?」
コココココココッと小刻みにおたまでプロシュートはジェラートの頭をたたく。
「痛い痛い痛い痛い痛いっ!!」
「ほらほら、どうだ。相変わらずスタンドが使えないマンモーニが。」
「俺だって使いたくなくて使えないわけじゃないし!つーかやめろよ!!」
そう言ってジェラートはプロシュートの手からお玉を取り上げる。
「おい!メローネとギアッチョ!お前らも遊んでないでやれよ!!」
そしてTVの前で、旧型の携帯ゲームをしている二人をジェラートは必死に呼ぶ。
「いや、待って・・・・おい!頭部パーツ敵にとられちまったぞ!?」
「えぇっ?!そしたら変形できなくなるぜ!リセットしろギアッチョ!!」
「全然セーブしてないのにすすめちまったんだよ!!クソッ!クソッ!!」
二人は一向に、ゲームをしていてやめる気配がない。
「・・・ったく、しょうがねぇなぁ。とっととやめろ。」
「「あ。」」
次の瞬間、ホルマジオが強制的に、二人のゲーム機の電源を落とした。
「て・・・てめぇっ!!ホルマジオォォォォォォッ!!」
ギアッチョがぶちきれ、ホルマジオに殴りかかる。
「うおぉっ!!」
ホルマジオはとっさに身体を縮め、ギアッチョの攻撃を避ける。
「まてぇぇぇぇぇぇ!!」
そう言うとギアッチョは近くにあった新聞をまるめ、それでホルマジオを潰そうと追いかける。
ホルマジオは家具の陰に隠れたり、椅子の下を通ったりしてギアッチョの追撃をかわす。
「ドルチ!!」
「にゃあっ?!」
そして部屋の隅の籠で、寝ていたドルチの背中にホルマジオは飛び乗る。
「逃げろ!今すぐ廊下に飛び出ろ!!」
「りょ・・・・了解!!」
ホルマジオの切羽詰った様子に、ドルチは思わずとっさに駆け出した。
身軽に机や棚に飛び移り、ギアッチョの直線的な攻撃を華麗な身のこなしでかわして行く。
「なっ・・?!この猫・・!!」
「甘いなぁ!ギアッチョ!!ドルチは俺がこの姿になった時の足になってもらうため、訓練をつませてるのさ!!」
ふはははははとホルマジオが笑い、廊下へと逃走する。
「じゃあなぁ!ギアッチョ!!」
「悪いねぇ、こちとら飯を食わせてもらってるんで逆らえないんだわ。」
ホルマジオとドルチは、見事に逃走に成功した。
ギアッチョがクソックソッと辺りのものを殴りまくる。
「ホルマジオー、逃げるついでにリゾット呼んで来てくれー。」
逃走するホルマジオに、ソルベが料理を運びながら告げた。
「メローネ、レティ寒くなってきたからってはしゃいで外にいるはずだから呼んで来てギアッチョ止めろ。」
多分、今外に出れば、みなぎるレティが見れるはずだぜ、とプロシュートがメローネに告げた。
「うん、いやー。レティが来てくれてからギアッチョ止めるのが楽でいいね。」
そう言ってメローネは笑いながら、外に出て行った。
「うぉー、今頃レティがギアッチョ止めてくれてねぇかな。」
ホルマジオは寒い廊下を、ドルチを抱きかかえながら歩いていた。
この家は設備は妙にいいくせに、ところどころ隙間風が入ってくるのだ。
リゾットの部屋はメンバーの中で一人だけ一階にある。
防犯の為だと本人は言っていたが、実際は彼の部屋が一番小さくどうみても皆に広い部屋を譲っている。
「まったくあいつは・・、しょうがねぇなぁ。」
そう言ってホルマジオはリゾットの部屋の前まで行き、彼の部屋の扉をノックする。
「リゾットー!飯だぞー!!」
すると、リゾットは扉越しに答えた。
「分かった・・・・。授業で使うプリントが今刷り終わるから、それが終わったら行く。」
「りょーかい!」
リゾットの答えを聞いて、ホルマジオは今に戻る事にした。
「・・・・あいつプリントまで作ってるのかよ・・・・・。」
「プリントって何だ?」
猫のドルチが、ホルマジオに問いかける。
「あぁ、勉強するときに使う・・・・問題とか文法とか書いてあったりする紙だ。」
「ふーん、でも勉強するのって教科書とかいう本を使うんじゃなかったか?」
「その教科書の内容を補うために使う先生もいるし、教科書の内容が気に入らない先生がオリジナルで作ったりするな。」
「そうなのか、リゾットの大将は律儀だねぇ。」
そしてすぐに興味を失ったのか、ドルチはホルマジオの頭の上に乗って欠伸をした。
「まぁ、あいつはクソ真面目だからな。そういや最近ペットショップ見ないけどよぉ、知ってるか?」
「ペットショップの旦那なら最近は適当に過ごして、ここで飯と夜だけ過ごしているみたいだぜ。」
猫とホルマジオは、廊下を歩く。
居間からは、ギアッチョを叱るレティの声が漏れていた。
そして、リゾットが人間の里の寺子屋に、英語を教えに行く日がきた。
暗殺チームのメンバーはリゾットが大丈夫が気になって仕方がない。
「服は大丈夫か?」
「服はYシャツでいいだろうか?」
「そうしろ。スーツはむしろ幻想郷で浮く。」
リゾットは自分の恰好をよく人間の里の店にいくホルマジオに質問する。
「プリント持った?あとチョーク持つと手汚れるよ。」
「ガキ相手にメタリカ使うなよ!!」
「これ、昼飯。サンドイッチだけど構わないよな?」
「子供の扱いならチルノや妖精の友達で慣れてるから、こまったら相談してちょうだい」
「俺もアリスの家に行った後様子見に行くから!!」
「生意気な子供がいたら泣かせてやるから言ってよ!」
「幻想郷はどうだか知らないが、最近のガキより親だ、親が怖い。気をつけろよ。」
「まぁ、リーダーなら大丈夫だと思うけど、気をつけろよー。」
全員、玄関でリゾットを見送る。
内心、何でこんな盛大に見送られているのだろう、と思いつつもリゾットは黙って外へ出て行く。
そして、バタンと扉が閉じられた。
すると、全員バタバタと地下に降りる。
地下会議室の扉を開けると、そこにはたくさんのモニターがコードに繋がれ、さながらSFアニメの司令室のようになっていた。
「ソルベ、スタンドにカメラを持たせて、配置はOK?」
「あぁ、ばっちりだ。何処から何処でもリゾットをばっちり監視できるぜ。」
そう言ってソルベが指を鳴らすと、彼のスタンドが持った小型カメラの映像が、モニターに映し出される。
そこには、人間の里を歩くリゾットの姿が映っていた。
その目は普段の黒と赤ではなく、普通の人間の瞳に戻っていた。
「おっ、しっかりメタリカを抑えて、目を元に戻してるな。」
プロシュートが普通の瞳をしたリゾットを見て、意外そうに言った。
「あら、あの目スタンドの影響だったのね。人間にしては珍しい目だと思ったけど。」
「いや、リーダーは実は某旅団に目を目当てに殺された一族の末裔で・・・・。」
「メローネ、くだらない事いってるとはっとばすぞ。」
レティに嘘情報を教えようとしたメローネを、ギアッチョは脅す。
「そういやさ、何でいつもリーダーはあの目でいるの?俺、リーダーが普通の目なんて見たことないよ?」
ジェラートがふと浮かんだ疑問を呟いた。
「あー、メタリカの影響でああなっちまってるんだが、集中しないと直せないらしいし、直すとすぐにスタンドが発動できないんだってよ。」
そうホルマジオが解説すると、あー、とジェラートは納得したような声を上げた。
「・・・・・・あいつら・・・・・。」
しかし、リゾットは暗殺チームのリーダーである。
一同の仕掛けたこのストーキングに、すっかり気づいていた。
(バタフライによる監視は昔から良く使っていた手だ・・・。気づかないわけがないだろうに・・・・。)
平和ボケしたか、とリゾットはため息をつこうとして、やめた。
別に監視されても困るような事はしないし、自分を心配しての行動だろう。何より平和ボケなら、それが一番だ。
そもそも自分達の大半は、別に殺したくて暗殺者をしていたわけではない。そうしなければ生きられなかったからだ。
だから、誰も殺さずに、幻想郷の生ぬるい弾幕勝負になれて、平和ボケするのは、とてもいいことだ。とリゾットは思う。
(プロシュートに聞かれたら、直触りだな。)
そんな事を考えながら、リゾットは人間の里の中心部の近くにある、寺子屋の門の前へやってきた。
そこは慧音の人徳もあってか、木製ながら中々立派な建物となっていた。
「確か・・・・裏口から入れと言っていたか・・・・。」
そう言ってリゾットは寺子屋の塀をぐるーっと周り、裏手へ回る。
すると、そこには小さな入り口があった。
「ここか。」
リゾットが入り口を開けようとすると、突然そこが開く。
「あ・・・・・・。」
そこにいたのは、白い髪に金色の目をした眼鏡の男性だった。
「すみません、この寺子屋の教師の方でしょうか?自分は、今日からお世話になるリゾットと言うものです。」
リゾットはその男性を、あまり体格の良くないことから、慧音と同じ教師と判断した。
「いえ、僕は違います。自分は、森近霖之助といいます。魔法の森で、香霖堂と言う古道具屋を経営しています。
ここの慧音さんには書籍関連で色々贔屓してもらっていて、今回はたまたま慧音さんの欲しがっている本が手に入ったので、用事ついでに届けにきたんですよ。」
それを聞いてリゾットは、仲間の話を思い出した。
「あぁ、香霖堂の店主ですか。ソルベやイルーゾォから話は聞いています。外では手に入らないような、古く珍しい物が売っていると。」
「あの死神の方達のお知り合いですか?」
「上司です、閻魔様の元で普段は働いていますが、今日は特別教師として授業に。」 リゾットの言葉に、霖之助は興味を持ったらしい。
目を輝かせてリゾットを見る。
「へぇ!何を教えるのか、差し支えなかったら教えてくれませんか?」
「英語です。」
「異国の言葉ですか!確かに幻想郷には外国からも妖怪は流れてきますが、不思議と皆日本語を話しているんですよ。」
淡々と話すリゾットとは対照的に、霖之助はリゾットに興味を持ったのか、会話を弾ませる。
「あぁ、聞いたことがあります。今、自分の仲間にも一人妖怪がいますが彼女は元々は英語を話していたが、幻想郷に来てから勝手に喋れるようになったと。」
「と、いう事はやはり結界・・・・・、少なくとも博麗の結界ではありえないから、ということは八雲紫の・・・・。」
すると、霖之助は、一人でぶつぶつとなにやら呟き始めた。どうやら考え事を始めてしまったらしい。
入り口に立たれてしまって、リゾットはどうしたものかと途方にくれる。
「森近さん?まだ居たんですか?」
背後から声をかけられて、霖之助ははっとする。
彼の後ろには、青く銀色に輝く髪に青いワンピースの女性、慧音だった。
「あ、すみません!!少々考え込んでしまって。」
そう言って、霖之助は慌てて入り口の前から退く。
そして慧音は、リゾットに気づいた。
「ネエロさんももう来てらしたんですか。」
「あぁ、すまない。香霖堂の店主と話し込んでしまった。」
かまいませんよ、と慧音は答える。
「いえ、随分お早いお着きですね。」
「打ち合わせや一応、子供達について聞いておきたかったんだが、迷惑だったか?」
「とんでもありませんよ!むしろそこまで子供達と向き合おうとしてくれて、嬉しいです。」
そう言って、慧音は顔に微笑みを浮かべた。
「じゃあ、自分はここで失礼します。」
それを見て、霖之助はその場を立ち去ろうとする。
「今日はわざわざありがとうございました、霖之助さん。」
「いえいえ、それでは。」
そう言って霖之助は去っていった。
そして慧音は、リゾットの方を向く。
「それでは、リゾットさん。ようこそ、私の寺子屋へ。」
どこか誇らしげに、慧音はリゾットにそう告げた。
暗殺チームのメンバーはリゾットが大丈夫が気になって仕方がない。
「服は大丈夫か?」
「服はYシャツでいいだろうか?」
「そうしろ。スーツはむしろ幻想郷で浮く。」
リゾットは自分の恰好をよく人間の里の店にいくホルマジオに質問する。
「プリント持った?あとチョーク持つと手汚れるよ。」
「ガキ相手にメタリカ使うなよ!!」
「これ、昼飯。サンドイッチだけど構わないよな?」
「子供の扱いならチルノや妖精の友達で慣れてるから、こまったら相談してちょうだい」
「俺もアリスの家に行った後様子見に行くから!!」
「生意気な子供がいたら泣かせてやるから言ってよ!」
「幻想郷はどうだか知らないが、最近のガキより親だ、親が怖い。気をつけろよ。」
「まぁ、リーダーなら大丈夫だと思うけど、気をつけろよー。」
全員、玄関でリゾットを見送る。
内心、何でこんな盛大に見送られているのだろう、と思いつつもリゾットは黙って外へ出て行く。
そして、バタンと扉が閉じられた。
すると、全員バタバタと地下に降りる。
地下会議室の扉を開けると、そこにはたくさんのモニターがコードに繋がれ、さながらSFアニメの司令室のようになっていた。
「ソルベ、スタンドにカメラを持たせて、配置はOK?」
「あぁ、ばっちりだ。何処から何処でもリゾットをばっちり監視できるぜ。」
そう言ってソルベが指を鳴らすと、彼のスタンドが持った小型カメラの映像が、モニターに映し出される。
そこには、人間の里を歩くリゾットの姿が映っていた。
その目は普段の黒と赤ではなく、普通の人間の瞳に戻っていた。
「おっ、しっかりメタリカを抑えて、目を元に戻してるな。」
プロシュートが普通の瞳をしたリゾットを見て、意外そうに言った。
「あら、あの目スタンドの影響だったのね。人間にしては珍しい目だと思ったけど。」
「いや、リーダーは実は某旅団に目を目当てに殺された一族の末裔で・・・・。」
「メローネ、くだらない事いってるとはっとばすぞ。」
レティに嘘情報を教えようとしたメローネを、ギアッチョは脅す。
「そういやさ、何でいつもリーダーはあの目でいるの?俺、リーダーが普通の目なんて見たことないよ?」
ジェラートがふと浮かんだ疑問を呟いた。
「あー、メタリカの影響でああなっちまってるんだが、集中しないと直せないらしいし、直すとすぐにスタンドが発動できないんだってよ。」
そうホルマジオが解説すると、あー、とジェラートは納得したような声を上げた。
「・・・・・・あいつら・・・・・。」
しかし、リゾットは暗殺チームのリーダーである。
一同の仕掛けたこのストーキングに、すっかり気づいていた。
(バタフライによる監視は昔から良く使っていた手だ・・・。気づかないわけがないだろうに・・・・。)
平和ボケしたか、とリゾットはため息をつこうとして、やめた。
別に監視されても困るような事はしないし、自分を心配しての行動だろう。何より平和ボケなら、それが一番だ。
そもそも自分達の大半は、別に殺したくて暗殺者をしていたわけではない。そうしなければ生きられなかったからだ。
だから、誰も殺さずに、幻想郷の生ぬるい弾幕勝負になれて、平和ボケするのは、とてもいいことだ。とリゾットは思う。
(プロシュートに聞かれたら、直触りだな。)
そんな事を考えながら、リゾットは人間の里の中心部の近くにある、寺子屋の門の前へやってきた。
そこは慧音の人徳もあってか、木製ながら中々立派な建物となっていた。
「確か・・・・裏口から入れと言っていたか・・・・。」
そう言ってリゾットは寺子屋の塀をぐるーっと周り、裏手へ回る。
すると、そこには小さな入り口があった。
「ここか。」
リゾットが入り口を開けようとすると、突然そこが開く。
「あ・・・・・・。」
そこにいたのは、白い髪に金色の目をした眼鏡の男性だった。
「すみません、この寺子屋の教師の方でしょうか?自分は、今日からお世話になるリゾットと言うものです。」
リゾットはその男性を、あまり体格の良くないことから、慧音と同じ教師と判断した。
「いえ、僕は違います。自分は、森近霖之助といいます。魔法の森で、香霖堂と言う古道具屋を経営しています。
ここの慧音さんには書籍関連で色々贔屓してもらっていて、今回はたまたま慧音さんの欲しがっている本が手に入ったので、用事ついでに届けにきたんですよ。」
それを聞いてリゾットは、仲間の話を思い出した。
「あぁ、香霖堂の店主ですか。ソルベやイルーゾォから話は聞いています。外では手に入らないような、古く珍しい物が売っていると。」
「あの死神の方達のお知り合いですか?」
「上司です、閻魔様の元で普段は働いていますが、今日は特別教師として授業に。」 リゾットの言葉に、霖之助は興味を持ったらしい。
目を輝かせてリゾットを見る。
「へぇ!何を教えるのか、差し支えなかったら教えてくれませんか?」
「英語です。」
「異国の言葉ですか!確かに幻想郷には外国からも妖怪は流れてきますが、不思議と皆日本語を話しているんですよ。」
淡々と話すリゾットとは対照的に、霖之助はリゾットに興味を持ったのか、会話を弾ませる。
「あぁ、聞いたことがあります。今、自分の仲間にも一人妖怪がいますが彼女は元々は英語を話していたが、幻想郷に来てから勝手に喋れるようになったと。」
「と、いう事はやはり結界・・・・・、少なくとも博麗の結界ではありえないから、ということは八雲紫の・・・・。」
すると、霖之助は、一人でぶつぶつとなにやら呟き始めた。どうやら考え事を始めてしまったらしい。
入り口に立たれてしまって、リゾットはどうしたものかと途方にくれる。
「森近さん?まだ居たんですか?」
背後から声をかけられて、霖之助ははっとする。
彼の後ろには、青く銀色に輝く髪に青いワンピースの女性、慧音だった。
「あ、すみません!!少々考え込んでしまって。」
そう言って、霖之助は慌てて入り口の前から退く。
そして慧音は、リゾットに気づいた。
「ネエロさんももう来てらしたんですか。」
「あぁ、すまない。香霖堂の店主と話し込んでしまった。」
かまいませんよ、と慧音は答える。
「いえ、随分お早いお着きですね。」
「打ち合わせや一応、子供達について聞いておきたかったんだが、迷惑だったか?」
「とんでもありませんよ!むしろそこまで子供達と向き合おうとしてくれて、嬉しいです。」
そう言って、慧音は顔に微笑みを浮かべた。
「じゃあ、自分はここで失礼します。」
それを見て、霖之助はその場を立ち去ろうとする。
「今日はわざわざありがとうございました、霖之助さん。」
「いえいえ、それでは。」
そう言って霖之助は去っていった。
そして慧音は、リゾットの方を向く。
「それでは、リゾットさん。ようこそ、私の寺子屋へ。」
どこか誇らしげに、慧音はリゾットにそう告げた。