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ジョジョの奇妙な東方~FF・of・fate~ 第二十一話

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第二十一話:魔理沙メイド隊?その②

妖怪共が妙に静かである。
ペッシが幻想卿にたどり着き、三途の川の渡しなどという仕事をやり始めてからまだ1年と少ししか経っていないが、それでも今の状態は異常であると彼自身感じていた。
【外の世界】での絶対の法則、【スタンド使いは引かれ合う】のと同じように【幻想卿】では、【妖怪(或いはそれに匹敵するもの)が異変を起こし、そして巫女や魔法使いがそれを退治する】という法則が存在する。
それは人外の存在にとっては最高の【生きがい】であり、常に暇を持て余している彼等の【暇潰し】であるはずなのだ。それなのに、この半年は巫女が動かなければならない異変が起こっていない。
少し前に起こった局地的大地震(博霊神社限定)は天人の仕業であるためか、兄貴と慕っている自分の上司――プロシュートは例外であると言っていた。
と言っても今のペッシにとって「そんなこと」はどうでもよかった。自分は頭脳労働には向いていない事は重々承知しているし、プロシュートや映姫が大丈夫と言ったら大丈夫であると勝手に思っているからである。
今、必要な事。それは、

「ちょ、ちょぉおっと待っててくれよぉ?今ちゃぁんとあの世に送ってやるからな!」

目の前の川原を埋め尽くさんとしている幽霊の山をどうやって効率的に向こう岸に送ってやれるかだった。
とかく、幽霊と言うものは面倒くさい事この上ない。何故なら三途の川は渡る幽霊によって長さがコロコロと変わってしまうのだ。半刻で渡る事の出来る幽霊もいれば、丸一日かかってもたどり着けない幽霊もいる。酷い時は川の途中で降ろさなければいけない幽霊もザラにいる。
先任の死神、小野塚小町の能力を持ってすれば一人で数体の幽霊の渡るべき長さを把握し、更にしっかりとあの世まで送る事が出来るのだが、残念ながらペッシのスタンド【ビーチボーイ】では一体が限界だ。
残念ながら小町は、映姫が休暇中であることを最大限利用して現在絶賛おサボり中だ。恐らく、今日は絶対に捕まらないだろう。

「は?どうしたんだよ?・・・娘と孫が殺人鬼に殺されるぅ?何時の話だよ?1999年ン?杜王町ォ?爺さん、今は2011年だぜぇ?」

律儀に幽霊達の未練を晴らしてやりながら船に乗せてやっているのが自分の仕事の遅さにつながっているのに彼が気付くのは何時の事になるやら・・・
良くも悪くも人が良すぎるのがペッシなのだった。



にとりの家は河の中流を少しいったところにある。周囲が樹木で覆われていて空から判別はつきにくいのが河童の家の特徴となっている。
ルーミアやリグルといった妖怪たちとの諍いを避ける為であるらしいが、探す方にとっては少々骨である。

「う~・・・パチュリー・・・貴方喘息なのによくこんな所歩いていられるわねぇ・・・」

河の淵から離れること数十分。【都会派】を自称しているアリスにとってこんな鬱蒼とした森の中を歩くのは面倒極まりない事だった。
おかしいのは彼女よりも体力が無く、外出の頻度も低いはずのパチュリーが平然としている事である。喘息で体力でもついたのだろうか・・・?

「そりゃ、何度も通ってるワケだし。それに・・・」

と、パチュリーはスカートをまくって自分の足を見せる。露出している部分と同じく病的なまでに白い足は地面についてはおらず、ふよふよと浮かんでいた。

「こうやってホバリングしてるからね。疲れる何てものとは無縁なのよ。」

何て横着な魔法使いだ・・・
都会派を名乗っている以上、引き篭もりに負けるわけにはいかないと意気込んでいた私の意志を返せ。と言いたくなるのを堪えて半眼になりながらもアリスはパチュリーの後ろをついていく。



「にとりや・・・起きなさい!にとりや・・・」

耳元でそう言われ、にとりは飛び起きる。
辺りを見回すと、見たことのないなんとも形容しがたい光景が眼前に広がっていた。それらの間に立つように黒いスーツ姿に黒いグラサンの気持ち悪い黒人のオッサン。
とりあえずソイツを無視して、他に何か無いか探し出す。あの黒いヤツと関わりあうとロクな事にならないだろうことは彼女自身何となく思っていた。

「あぁっ!ナチュラルに無視しないで欲しいのでウィルスミス!」

辺りを見回してもよく判らない物体がそこらへんを走り回っているばかりで話はできそうにない。仕方なく、本ッ当に仕方なくにとりはその黒人と向かい合った。
その黒人はこちらに視線が向いたのがよほどうれしいのか腰の銃のようなものを振り回しながら小躍りしている。益々関わりたくなかったが仕方ない・・・

「あのぅ・・・誰デスカ?そしてここはどこ?私は確か依頼された家電を家で修理してたはずなんだけど・・・」

「私はキミのスペルカード、【のび~るアーム】の精ですウィルスミス。」

引いた。ナチュラルに。というか逃げた。

「あぁ!待って!引かないで、っていうか逃げないでウィルスミス!今日は頑張るキミにこのワタクシ、応援をしにまいりました。さぁ、この精霊さまに何でも言ってみなさい。」

まぁ、それが本当かどうかはわからないが喋るだけならタダだし問題はないだろう・・・なんとなくETでも捕まえそうなカッコのオッサンに気になっていたことを聞いてみることにした。

「じ、じゃあ一ッコだけ・・・私、メインヒロインのハズなのに何故か最近出番が少なくて悩んでいます。作者もパチュリーメインっていいよね~とか言ってるし・・・この先もずっとこんな調子なんでしょうか・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まーね。」

このオッサンを叩き潰したくなったにとりは手元にあったスペカの使用宣言をしようとする。

「まッ!待ちなさいにとりッ!っていうか待って!今のナシッ!ウソッ!ノーカン!ていうかハードスペルのワタシにとってルナスペカは死亡フラグでウィルスミス!」

冷や汗をダラダラと流しながら静止をかけるオッサン。というかその語尾は一体何なのか。
とりあえずスペルカードを懐にしまう。取り返しがつかなくなる前に潰した方がいいんじゃあないのかとも思ったが、話が進まなそうなのでやめておく。

「そんな事よりよくお聞きにとり。寝ている場合じゃないのよ。今、キミの想い人にゴイスーなデンジャーが迫っているのだよ。」

「は?ごいす?でんじゃあ?」

「凄い危険って事。さぁ、起きなさい。パチュリーとアリスがキミを待っているでウィルスミス。」

そこで彼女の意識は途切れた・・・


「アリスって誰ッ!?意味がわからんッ!」

叫んで飛び起きる。辺りを見回すとあの奇妙な光景も気味の悪いオッサンもいない。どうやら自分は寝ていたのは間違いなさそうだ。
目の前には直しかけのW○i。ヌンチャクが壊れたから直してくれと紅魔館のメイドに言われたものだ。コードさえ何とかなれば大丈夫だとわかったので休憩していたのだが、うっかり昼寝になってしまったようだった。
にしてもあの夢は何だったのだろうか・・・魔理沙が危険だとかなんとか・・・

「お~い、にとり~」

夢の中のトラウマが蘇ったのか、急いで振り返る。気味の悪いオッサンではなく、見慣れた紫色の髪と帽子――パチェが見えた。隣にはパチェの知り合いだろうか、初めて見る金髪の人形のような整った感じの少女。
ひとまず夢の中ではないことを改めて認識しなおしてから彼女達を迎え入れる。

「パチェじゃない。珍しいわね?宴会も無いのにこっちに来るなんて・・・」

基本的に外に出る事を好まないパチェが自分の家にやってくることなど宴会以外では初めてのことだった。天狗や鬼が呼んだのか、とも思ったがそもそもパチェは文や萃香との面識は薄いはずだ。
それに気になるのは隣にいる人形のような金髪少女。匂いで自分やパチェと同じ存在であることだけはわかった(要はマリサスキー)が・・・

「えぇ。実は魔理沙の事で聞きたいことがあって。」

途端に夢の中の事が思い出される。あのオッサンは「想い人にゴイスーなデンジャーが迫っている」とか何とか言っていたが・・・

「魔理沙?魔理沙ならここ最近見てないよ?発明品もジャンクパーツも取られてないし・・・多分、来てないんじゃない?」

にとりの言葉に顔を曇らせるパチェともう一人。何か非常に嫌な予感がするのだが・・・

「ねぇパチュリー?他に心当たりは?」

「そうねぇ・・・守谷神社があるけれど・・・あそこの巫女は確か人里のほうに行っている筈だから、今は閉まってるはずよ?」

金髪少女の言葉に応えるパチェ。嫌な予感は今もなお広がっている・・・

「ね、ねぇパチェ?」

「何?」

「その人って、パチェの友達?」

言われてふとお互いを見交わす二人。似たような姿勢でう~ん、と唸った後同時に応えた。

「「恋敵よ。」」

「そういえばまだ紹介してなかったわね。」

「あ、そうか。会うのは初めてなんだっけ。ごめんなさい、パチュリーから貴方の事は聞いてはいたのよ。」

その先はあまり聞きたくない・・・何となくあの夢の中のオッサンがケタケタと笑っているビジョンがにとりの頭の中に浮かんだ。

「私はアリス・マーガトロイト。フリーの人形師よ。」

あぁ、やっぱり。あのオッサンの言った事は本当だったのか・・・ってことはあのオッサンがのび~るアームの精なんだ・・・
何だか今まで誇らしげにあのカード掲げてた自分をブン殴りたくなったわ・・・

「え、ちょ、にとり!?何で泣いてるのよ!?ねぇ!?」

「って何で私の名前聞いただけで泣かれるのよ!?」

[シャンハーイ]

「不吉なこと言わないで上海!!」

いくら魔法使いでも泣く子には弱い。二人はワケもわからず泣き出したにとりを前に取り乱すしかなかったのだった。

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