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東方黄金体験記  第六話

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第6話 人里の守護者 中編


夕日はもう落ちて、周りは既に真っ暗。
台所でトントンと、慧音の包丁がまな板を叩く音が耳に響く。
出来上がった夕食の味噌汁と焼き魚の匂いが台所から流れて、
一段と食欲をそそる。

「へ~~!アンタ見ない顔だと思ったら外来人だったんだねぇ。
外来人なんてめったに見ないからね~」

「ええ、まだ来て一週間余りですけど。他にも外来人がいるんですか?」

「いるよいるよ。神社ごとこっちに来た奴らもいるんだから。」

豪快に笑いながら少女は神社ごと来たらしい外来人の話を始めていた。

ジョルノに親しげに話をかけてきている少女の名は藤原妹紅。
背丈や外見の年齢は輝夜と同じくらい。もしくはちょっと下。
銀髪とも言っていい長い白髪にリボンをつけた、可愛らしく元気な女の子である。
ジョルノと会ってすぐに自己紹介を済ませ、幻想郷らしく親しげな彼女は
すぐにジョルノと打ち解けていた。

「その神社ごと来た人達は、自分達から?」

「みたいだね~。人、って言っても3人中二人は神様みたいだけど。」

ジョルノは溜息をつくように

「本当に…この幻想郷は『なんでもあり』ですね…」

妹紅も意味深な笑みを浮かべて

「そうだねぇ。『なんでもあり』だねぇ~」

ニカッ!っと笑顔で返事をした。

「二人とも~!ご飯出来たから運ぶの手伝ってくれ~!」

どうやら夕食の完成のようである。

「いただきまーす!」

座るとすぐに妹紅は元気よくパクパクと食べ始める。

「こら妹紅。頂きますはみんなで言うものだっていつもいってるだろ。」

「うっさいな~。いいじゃん、けーねは私のお母さんかっての。」

「なっ!お、お母さんって、私はお母さんじゃないぞ!」

黙々と二人の様子を見ながら、ジョルノも食事に箸を付ける。慣れれば
この沢庵も美味しく思えるようになってきた。納豆はさすがにまだ無理だが。
しかしこの二人はすごく似ている。輝夜と永琳に。
二人を思い出して、クスクスとジョルノの笑い声が漏れる。
演技じゃなく笑ったのはどれだけ振りだろう。

「……何を笑っているんだジョルノ君。」

「いえ、お母さんって言葉がここまで似合う人もそういないんじゃないかと思いましたので。」

「ブワッハッハッハ!けーね似合うってさ~!ヒー!腹痛てー!」

「君までそんなこと言うのか…私はまだ未婚なのに…ピチピチなのに…ナイスバディなのに…」

落ち込む慧音とジョルノのリアクションがツボにハマッたのか、ご飯粒を口から零しながら
妹紅は大爆笑している。

「そりゃけーねはいつも寺子屋で子供達の世話をしてるんだからお母さんでもいいじゃん。
それに世話を焼く性格もまさにお母さんだよ。人里の守護者ってお母さんみたいなものじゃないか。」

orzの字で落ち込んでいる慧音の背中をポンポンと叩いて、な、お母さん。と妹紅はまた笑う。
慧音も悔しいのか、妹紅を押し倒して背中をくすぐり始めた。

「妹紅ッ!オマエは悪い子だ!オマエは悪い子だ!」

「アヒャヒャヒャヒャヒャ!け、けーね!やめて!ひっひっひ!死ぬッ!!」

慧音もかなりムキになって暴れる。さすがにうっとおしくなって来たのか
ジョルノが二人に釘を刺す。

「二人とも食事中に暴れないで下さいよ。ほら、妹紅さんも口を拭いて。」

「「はい」」

ジョルノが一番お母さん役なのかもしれない。
食器を片付けて風呂の準備も整い、今風呂には妹紅が先に入っている。
この部屋にはさっきの事もあってか、少々恥ずかしさの残る慧音とジョルノの二人だけがいる。

「まあ、さっきは見せ苦しい所を見せてしまってその、申し訳なかった。」

「いいえ、御気にせずに。それと色々とお話したいのですが構わないでしょうか。」

「モチロン。喋れる事はなんでも喋るよ。」

「人里以外での幻想郷について、もっと詳しく聞きたいのです。そして
あなたが人里の守護者と呼ばれてる理由も、良ければ伺いたい。」



慧音はまず、自分は人間じゃない事を告げ、満月の時にだけ変身するワーハクタクと呼ばれる妖怪で
ある事を教えてくれた。話の最中妹紅も風呂を上がり、今度は慧音が風呂に入る。その間は妹紅が色々教えてくれた。
それと妹紅も人間ではあるが、色々あって不老不死になった事も。
さらに今住んでいる永遠亭の輝夜も不老不死で、おそらく永琳もそうである事。それと自分が
いつも輝夜と殺しあっている事。けど最近は余りやっていない事。
おまけに鈴仙のほうがてゐよりも年下な事。博霊神社や大結界の事。その他色々である。
本当に『なんでもあり』な幻想郷。もっと凄いものもあるのかも知れないが…

「ジョルノって輝夜達と住んでる割にはあまりあいつらの事詳しく知らないね。」

「あまり詮索するのは好きじゃありませんから。色々とありがとう妹紅さん。」

「私も色々話せて楽しいよ。そろそろ慧音がお風呂あがるからさ。アンタも入りなよ。
あ、それとも慧音のお風呂覗いて来る?」

あのいたずらウサギのような笑みを浮かべてグフフ笑いをする妹紅

「いいんですか?それじゃ遠慮なく覗いて来ます。」

素早くシュタ!っとジョルノは立ち上がり。

「コラッ!本当に行くなっての!アンタ無駄にノリいいね。」

ビシっと、妹紅の突っ込みがジョルノのハート部分に決まる。

「モチロン冗談です。ほら、もうお風呂上がってますよ慧音さん。」

首からタオルを垂らして、慧音は風呂から上がって廊下を歩いていた。
廊下を歩く慧音の肌は血色がよく、頬は赤くなり艶やかな肌と胸の谷間は
健康的な彼女の体を一層美しく見せている。いい体してるじゃねえかお姉ちゃん。
本当に覗いておけばよかったかもしれないな。


今のはなかった事にしよう。あれ?軽いデジャブ感が…


「上がったぞ。ジョルノ君も風呂に入って今日の疲れを癒すといい。」

「そう言う事だから風呂に行ってこ~い。お風呂上がったら今度はジョルノの
事や外の世界の事を教えてよ~」

「ええ、お風呂入ってきます。」


湯船に浸かる。体全体が温まり、なんとも言えない気持ちよさ。
体を洗い、風呂に入っている時でも、妹紅の言葉が頭から離れない。

「外の世界…か」

最近急がしくて忘れてしまいそうになっていた。
ここはいい所だが、のんびりしている訳にもいかない。
先ほどの話を要約すると、推測の域は出ないが
幻想郷に来た原因は、恐らく結界を司る誰かだと言う事。
博霊の巫女か。調べる必要がある。


ぐっすり休もう。今日は疲れた。





                                 TO BE CONTINUED…

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