叩きつけるは殴打の嵐。
迎え撃つはそそり立つ剛直の猛威。
戦場へ響くは歌姫のハーモニー。
平穏の二文字へ唾を吐き捨てる光景、最後に待つは生か死かの二択以外に有りえぬ戦場がそこにあった。
迎え撃つはそそり立つ剛直の猛威。
戦場へ響くは歌姫のハーモニー。
平穏の二文字へ唾を吐き捨てる光景、最後に待つは生か死かの二択以外に有りえぬ戦場がそこにあった。
「ドラララララララララララララララァッ!!!」
「ぬぅ…!」
「ぬぅ…!」
歌声に負けじと声を張り上げる拳闘士。
東方仗助のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドが此度も悪を打ち倒すべくラッシュを放つ。
数多の敵スタンド使いを撃破した半身は、今宵一味違うと仗助自身もはっきり分かった。
拳一発一発のキレが杜王町での戦闘時よりも増している。
元々破壊力とスピードは空条承太郎のスタープラチナにも引けを取らないが、今ならば冗談抜きに渡り合えると思ってしまう程。
後輩スタンド使いとしては少々生意気な事を思いつつも、攻撃の勢いは決して緩めさせない。
頭部、四肢、胴体、そして猛々しい男の象徴。
それら全てを余すことなく狙い打ち、再起不能へと持って行く。
スタンド使いでもない只の人間が生身でクレイジー・ダイヤモンドと戦り合うのは不可能。
そんな常識が通用する相手ではないのだから。
東方仗助のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドが此度も悪を打ち倒すべくラッシュを放つ。
数多の敵スタンド使いを撃破した半身は、今宵一味違うと仗助自身もはっきり分かった。
拳一発一発のキレが杜王町での戦闘時よりも増している。
元々破壊力とスピードは空条承太郎のスタープラチナにも引けを取らないが、今ならば冗談抜きに渡り合えると思ってしまう程。
後輩スタンド使いとしては少々生意気な事を思いつつも、攻撃の勢いは決して緩めさせない。
頭部、四肢、胴体、そして猛々しい男の象徴。
それら全てを余すことなく狙い打ち、再起不能へと持って行く。
スタンド使いでもない只の人間が生身でクレイジー・ダイヤモンドと戦り合うのは不可能。
そんな常識が通用する相手ではないのだから。
「気迫は見事だが…まだ足りぬ…」
「こんだけ殴ってそれかよ…タフ過ぎるんじゃあねぇのか?」
「こんだけ殴ってそれかよ…タフ過ぎるんじゃあねぇのか?」
重装甲の如き筋肉と、天を突きあげる巨大なペニスは決して見せかけに非ず。
イェーターランドの国王ベオウルフ、例え肉体のみであろうとも圧倒的な力に翳りは無し。
自らの男根を目にも止まらぬとしか形容できない速度で突き出し、クレイジー・ダイヤモンドの拳を全て防いだ。
その暴力的な腰使いは女を悦ばせ絶頂へと導く紳士とは程遠い。
性欲発散の為だけに穢れを知らぬ少女を壊す、外道の所業に他ならない。
自国の民ならず敵をも魅了し心火を滾らせた益荒男はここにおらず。
英雄の体を我が物とするは、千年を生きる悪鬼に魂を売り渡した異形の剣士。
上弦の壱・黒死牟。股間の聖剣を邪悪な魔剣へと変え、血を求める鬼である。
イェーターランドの国王ベオウルフ、例え肉体のみであろうとも圧倒的な力に翳りは無し。
自らの男根を目にも止まらぬとしか形容できない速度で突き出し、クレイジー・ダイヤモンドの拳を全て防いだ。
その暴力的な腰使いは女を悦ばせ絶頂へと導く紳士とは程遠い。
性欲発散の為だけに穢れを知らぬ少女を壊す、外道の所業に他ならない。
自国の民ならず敵をも魅了し心火を滾らせた益荒男はここにおらず。
英雄の体を我が物とするは、千年を生きる悪鬼に魂を売り渡した異形の剣士。
上弦の壱・黒死牟。股間の聖剣を邪悪な魔剣へと変え、血を求める鬼である。
スタンドだけで倒し切れないのなら手数を増やせば良い。
仗助とクレイジー・ダイヤモンドが黒死牟の左右に移動し、挟み撃ちの形で攻撃を仕掛ける。
完全再生の使用に支障が出る為、なるべく両腕を痛め付ける真似は控えたかったがそれはさっきまでの話。
ただでさえ超人的なアンチョビの身体能力がより上昇した今ならば問題無い。
己のスタンドにも劣らぬスピードで手刀を繰り出した。
仗助とクレイジー・ダイヤモンドが黒死牟の左右に移動し、挟み撃ちの形で攻撃を仕掛ける。
完全再生の使用に支障が出る為、なるべく両腕を痛め付ける真似は控えたかったがそれはさっきまでの話。
ただでさえ超人的なアンチョビの身体能力がより上昇した今ならば問題無い。
己のスタンドにも劣らぬスピードで手刀を繰り出した。
「ちょいと卑怯かもしんねえけどよ、フルチンで女の子を襲う変態が相手なら心も痛まねぇってもんだぜぇ~~!!」
二方向からの猛攻をも股間の剣一本を豪快に、それでいて精密に振るい対処。
多対一の状況など鬼狩りを相手に飽きる程経験して来た。
だが現在戦っているのは上弦という肩書に何の反応も見せなかったように、鬼殺隊の隊士ではない。
こうして急激に身体機能を強化したのも、呼吸でもなければ、まして痣を発現させたのとも違う。
理由は深く考えるまでも無い、原因を作ったのはこの珍妙な体の小僧とは別にいる。
死闘には場違いな歌声を響かせ続ける少女を睨んだ。
多対一の状況など鬼狩りを相手に飽きる程経験して来た。
だが現在戦っているのは上弦という肩書に何の反応も見せなかったように、鬼殺隊の隊士ではない。
こうして急激に身体機能を強化したのも、呼吸でもなければ、まして痣を発現させたのとも違う。
理由は深く考えるまでも無い、原因を作ったのはこの珍妙な体の小僧とは別にいる。
死闘には場違いな歌声を響かせ続ける少女を睨んだ。
――カミサマどうか背界で寄り添わせて
警戒交じりの視線も意に介さず、歌姫は仗助へと歌を届ける。
助けを求められたならば、手を差し伸べ力とならねばならない。
救世主として当然の行為。
呪いのように自分の奥底へ根付き、時には精神をすり減らした日も少なくはない。
しかし自分の歌を必要としてくれる者が、彼女にとっての救いとなったのもまた変えられない事実。
故にウタは歌い続ける事をやめない、やめられない。
助けを求められたならば、手を差し伸べ力とならねばならない。
救世主として当然の行為。
呪いのように自分の奥底へ根付き、時には精神をすり減らした日も少なくはない。
しかし自分の歌を必要としてくれる者が、彼女にとっての救いとなったのもまた変えられない事実。
故にウタは歌い続ける事をやめない、やめられない。
――サカサマの祈りを叩きつけて歌え!
頭に浮かんでくるのは知らない筈の歌詞。
ウタ自らが作詞作曲したのとは違う、なのに不思議と前から知っているような気がしてならない歌。
フレーズの一つ一つに想いを乗せて歌う。
助けてくれと縋り付いた少女へ応える様に、今も戦っている小さな彼を支えられるように。
ウタ自らが作詞作曲したのとは違う、なのに不思議と前から知っているような気がしてならない歌。
フレーズの一つ一つに想いを乗せて歌う。
助けてくれと縋り付いた少女へ応える様に、今も戦っている小さな彼を支えられるように。
「凄い……」
近くで見ていた郁代が思わず感嘆の言葉を呟く。
結束バンドでギターボーカルを担当し、まだまだプロには及ばずとも音楽の世界へ足を踏み入れたからこそ余計に魅せられた。
自分達が巻き込まれたのは正真正銘の殺し合いで、呑気な考えを抱いている余裕でないとは理解しつつも。
ウタの歌に感動する気持ちを抑えられない。
心が熱を帯び視線を逸らせない感覚には覚えがある。
台風の日に行われた結束バンドの初ライブ、大ピンチの空気を塗り替えた後藤ひとりのギター演奏。
間近で見たひとりのかっこよさとは違うけど、魂を揺さぶられたのは一緒。
まるでここら一帯がウタの為のライブステージと化したと錯覚してしまいそうだ。
結束バンドでギターボーカルを担当し、まだまだプロには及ばずとも音楽の世界へ足を踏み入れたからこそ余計に魅せられた。
自分達が巻き込まれたのは正真正銘の殺し合いで、呑気な考えを抱いている余裕でないとは理解しつつも。
ウタの歌に感動する気持ちを抑えられない。
心が熱を帯び視線を逸らせない感覚には覚えがある。
台風の日に行われた結束バンドの初ライブ、大ピンチの空気を塗り替えた後藤ひとりのギター演奏。
間近で見たひとりのかっこよさとは違うけど、魂を揺さぶられたのは一緒。
まるでここら一帯がウタの為のライブステージと化したと錯覚してしまいそうだ。
弾かれたように視線を仗助の方へと移す。
さっきまではフルチンの危険人物相手に叩きのめされるばかりだったのが、今ではどうだ。
互角に渡り合い、浮かべる笑みには余裕と力強さがハッキリ表れているではないか。
さっきまではフルチンの危険人物相手に叩きのめされるばかりだったのが、今ではどうだ。
互角に渡り合い、浮かべる笑みには余裕と力強さがハッキリ表れているではないか。
「これなら…!」
勝てるかもしれない。
ヒーローを応援する幼児の気分で拳を握り締め、郁代は食い入るように戦いを見つめる。
少女達の声援と期待へ応えんと、クレイジー・ダイヤモンドがラッシュの勢いを更に増し、
ヒーローを応援する幼児の気分で拳を握り締め、郁代は食い入るように戦いを見つめる。
少女達の声援と期待へ応えんと、クレイジー・ダイヤモンドがラッシュの勢いを更に増し、
『やあお前たち、約束の連絡の時間だ』
水を差す声が響いた。
空気を読めとブーイングを口にする観客はいない。
忘れてはならない、ここはライブ会場では無く殺し合いの地だ。
冷水を浴びせられ強張る郁代とは反対に、他三名が放送へ反応した様子は見当たらない。
男二人は眼前の敵へと意識を裂き、歌姫は自らの世界へと入り歌う事へ集中している。
タブレットの入ったデイパックから流れるくぐもった音声も、それぞれの動きを止める理由にはならず。
結局この場でタブレットを取り出したのは郁代一人だけだった。
空気を読めとブーイングを口にする観客はいない。
忘れてはならない、ここはライブ会場では無く殺し合いの地だ。
冷水を浴びせられ強張る郁代とは反対に、他三名が放送へ反応した様子は見当たらない。
男二人は眼前の敵へと意識を裂き、歌姫は自らの世界へと入り歌う事へ集中している。
タブレットの入ったデイパックから流れるくぐもった音声も、それぞれの動きを止める理由にはならず。
結局この場でタブレットを取り出したのは郁代一人だけだった。
『前に伝えた通り、お前たちに支給した"タブレット"に名簿と地図の"データファイル"というものを送った』
スタンドとスタンド使いによる二刀流のラッシュ。
敵が只の人間ならば既に数十回は殺されている殴打を、手加減抜きで打ち放つ。
敵が只の人間ならば既に数十回は殺されている殴打を、手加減抜きで打ち放つ。
『それから名簿についてはもう一つ、精神と身体の組み合わせ名簿の配布を予定している』
歴戦のスタンド使いと渡り合うは十二鬼月最強の鬼。
得物の数は敵に劣れど何のハンデにもなりはしない。
体中から男根を生やしたとしか思えない速度で拳と打ち合い、余波が周囲を破壊する。
得物の数は敵に劣れど何のハンデにもなりはしない。
体中から男根を生やしたとしか思えない速度で拳と打ち合い、余波が周囲を破壊する。
『ああ、そうだ。今言った通り、この一時間でもう既に誰かの殺害に成功した者も存在する』
「そ、そんな…!?」
何でもないように告げられた内容に、郁代は戦慄するばかり。
人が死んだ、それもたった一時間の間に。
仗助と陽キャらしく会話に花を咲かせている間にも、別の場所では平然と他者の命を奪う者が現れた。
今一度、これが悪ふざけの類では無いと思い知らされる。
人が死んだ、それもたった一時間の間に。
仗助と陽キャらしく会話に花を咲かせている間にも、別の場所では平然と他者の命を奪う者が現れた。
今一度、これが悪ふざけの類では無いと思い知らされる。
――背中合わせのハレルヤが飛んで行かないように!
無数のスピーカーとウタ本人の口から歌が響く中、もう一つの歌が流れる。
残酷で楽し気に、歌姫の体を得た鬼はそれを口遊む。
知らない名前と知らない人達の顔。
どう見ても人間でじゃあない者もいたけど、そんな存在も発表されたという事は既にこの世にはいない。
ニュース番組で事件が報道されるのとは違う、いつ自分がこの中に名を追加されてもおかしくはない恐怖。
ごくりと唾を飲みこむ郁代を無視し、死者の名が次から次へと呼ばれていく。
残酷で楽し気に、歌姫の体を得た鬼はそれを口遊む。
知らない名前と知らない人達の顔。
どう見ても人間でじゃあない者もいたけど、そんな存在も発表されたという事は既にこの世にはいない。
ニュース番組で事件が報道されるのとは違う、いつ自分がこの中に名を追加されてもおかしくはない恐怖。
ごくりと唾を飲みこむ郁代を無視し、死者の名が次から次へと呼ばれていく。
仗助と郁代の知っている者は一人もいない。
玉壺の名が聞こえても黒死牟が気を割く気配は皆無。
半天狗共々鬼狩りに敗れた上弦へ今更深く考え込む理由もない。
玉壺の名が聞こえても黒死牟が気を割く気配は皆無。
半天狗共々鬼狩りに敗れた上弦へ今更深く考え込む理由もない。
ここにいるのが三人だけなら、死者の名前に動揺する事は無かっただろう。
『シャンクス…その身体の名はじゃんけんするやつ』
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――え?」
あっさりと。
呆気なく。
笑ってしまうくらい簡単に。
ウタの世界は壊れた。
呆気なく。
笑ってしまうくらい簡単に。
ウタの世界は壊れた。
歌声が止まる。
音楽も鳴り止み、スピーカーは煙みたいに消える。
コンセントを引き抜き無理やり電源を落としたように、歌は途切れてしまった。
戦場の空気を支配した歌姫のステージはもうどこにもない。
男達の怒声と叩きつける音だけが響き、全てが元に戻ってしまう。
音楽も鳴り止み、スピーカーは煙みたいに消える。
コンセントを引き抜き無理やり電源を落としたように、歌は途切れてしまった。
戦場の空気を支配した歌姫のステージはもうどこにもない。
男達の怒声と叩きつける音だけが響き、全てが元に戻ってしまう。
「シャンクス……?」
視界が郁代の持つタブレットを捉える。
そこに映った一枚の画像。
他の見知らぬ連中よりもいやにハッキリ見えた男を、ウタが知らない筈が無い。
自分の髪の毛の片方と同じ、綺麗な赤髪の彼を見間違えるなんて有り得ないのだから。
そこに映った一枚の画像。
他の見知らぬ連中よりもいやにハッキリ見えた男を、ウタが知らない筈が無い。
自分の髪の毛の片方と同じ、綺麗な赤髪の彼を見間違えるなんて有り得ないのだから。
画像が切り替わり、自分と同じ顔をした奴が何かを言っても。
ウタの耳には最早届かない。
タブレットを持つ禿げた老人も、真っ向からぶつかり合う男達すらいないもののように感じられた。
ウタの耳には最早届かない。
タブレットを持つ禿げた老人も、真っ向からぶつかり合う男達すらいないもののように感じられた。
「シャンクスが、死んだ…………」
自分で言って、悪い冗談としか思えなかった。
あのシャンクスが、赤髪海賊団を率いる船長が、誰よりも強い父親が。
こんな意味の分からない場所で、ウタの知らない所で命を落とした。
どこの誰とも知れない輩に殺されたなど、ジョークにしたって笑えない。
あのシャンクスが、赤髪海賊団を率いる船長が、誰よりも強い父親が。
こんな意味の分からない場所で、ウタの知らない所で命を落とした。
どこの誰とも知れない輩に殺されたなど、ジョークにしたって笑えない。
「そん、なの……!」
嘘だと言いたいのに、言葉は口から出てくれない。
エンムがデタラメを言っているだけだと鼻で笑えもしない。
そもそも自分はどうしてこんなに動揺しているのか。
シャンクスは悪い海賊だ。
自分を捨てて、エレジアの人々を殺し金銀財宝を奪った大悪党。
むしろ死んで清々する程の――
エンムがデタラメを言っているだけだと鼻で笑えもしない。
そもそも自分はどうしてこんなに動揺しているのか。
シャンクスは悪い海賊だ。
自分を捨てて、エレジアの人々を殺し金銀財宝を奪った大悪党。
むしろ死んで清々する程の――
「ちが、ちがう…だって……ああ違う…!」
違う、シャンクスは自分の為に罪を被った。
エレジアを滅ぼしたなんてやってもいない汚名を自ら被り、自分を守ろうとしてくれた。
本当に殺されるべきは、エレジアを火の海に変えた自分の方で――
エレジアを滅ぼしたなんてやってもいない汚名を自ら被り、自分を守ろうとしてくれた。
本当に殺されるべきは、エレジアを火の海に変えた自分の方で――
「あたしは…ちが…シャンクスは……」
考えが纏まらない。
頭の中に指を突っ込まれかき混ぜられてるように、ぐちゃぐちゃして気持ちが悪い。
頭の中に指を突っ込まれかき混ぜられてるように、ぐちゃぐちゃして気持ちが悪い。
シャンクスは自分を守ってくれた、大好きな家族
いや違う、海賊嫌いの歌姫がシャンクスを好きだなんて言って良い筈が無い
ファンの皆を失望させてしまう、でもシャンクスはライブに来てくれた
そうだ都合が良い、最後に決着をつけたかったんだ。向こうから来たなら好都合
あたしの新時代を否定するルフィを助けるような奴だ、きっとアイツも本当は悪い海賊で
違う本当は違う、信じ切れなくて謝りたかったもう一度あたしの歌を聞いて欲しい、なのに本当に言いたかったことは一つも言えずにシャンクスは
「違う…!シャンクスは…あ、あたし……う…うああああああああああああああ……!!!」
「ちょ、ちょっと、どうしたの…!?」
「ちょ、ちょっと、どうしたの…!?」
自分が何をしたかったのか。
本当はシャンクスに何を言いたかったのか。
それすら答えを出せず、ただシャンクスが死んだという事実だけが圧し掛かる。
心配気に声を掛ける郁代に言葉を返す余裕は無く、蹲って絶叫するしかなかった。
本当はシャンクスに何を言いたかったのか。
それすら答えを出せず、ただシャンクスが死んだという事実だけが圧し掛かる。
心配気に声を掛ける郁代に言葉を返す余裕は無く、蹲って絶叫するしかなかった。
「ぐああああああああああっ!!」
ウタをどうすれば良いのか郁代へ考えさせる暇は与えられない。
吹き飛ばされ目の前に叩きつけられた水色の小さな体。
傷だらけで転がる仗助の姿に息を呑む。
吹き飛ばされ目の前に叩きつけられた水色の小さな体。
傷だらけで転がる仗助の姿に息を呑む。
「奇怪な力を持っていようと…所詮は未熟な娘に過ぎぬか…」
魔剣を勃起させ悠々と近付く。
呆れと失望を口にする威圧感は、自分達の前に姿を見せてから全く衰えない。
仗助が黒死牟と互角に渡り合えたのはウタの、正確に言うと肉体であるリグレットの能力の恩恵。
当然歌が止まれば仗助のデジヘッド化も解除され、強化された能力は元に戻る。
そうなってしまえばさっきまでの光景の焼き直しだ。
襲い来る巨根への対処が追い付かず、殴打をその身に受けこの様である。
呆れと失望を口にする威圧感は、自分達の前に姿を見せてから全く衰えない。
仗助が黒死牟と互角に渡り合えたのはウタの、正確に言うと肉体であるリグレットの能力の恩恵。
当然歌が止まれば仗助のデジヘッド化も解除され、強化された能力は元に戻る。
そうなってしまえばさっきまでの光景の焼き直しだ。
襲い来る巨根への対処が追い付かず、殴打をその身に受けこの様である。
「ひ、東方くん…!」
「もっと下がってろ郁代…!このおっさんにゃあ『女の子に優しく』なんざ期待できねぇからよッ!」
「もっと下がってろ郁代…!このおっさんにゃあ『女の子に優しく』なんざ期待できねぇからよッ!」
背後を見ぬまま叫び、完全再生で皮を脱ぎ去る。
傷は癒えても状況は何一つとして良くならない。
詳しい原理は分からなくとも、急に自分の体の調子が良くなったのがウタの歌声による影響とは仗助も気付いた。
だが今の彼女にもう一度歌ってくれと頼んだ所で、承諾出来る精神状態では無いだろう。
傷は癒えても状況は何一つとして良くならない。
詳しい原理は分からなくとも、急に自分の体の調子が良くなったのがウタの歌声による影響とは仗助も気付いた。
だが今の彼女にもう一度歌ってくれと頼んだ所で、承諾出来る精神状態では無いだろう。
仗助に言われ郁代はウタを無理矢理引っ張って距離を取る。
抵抗する様子も無くされるがままのウタへ、気を遣っていられる場面でもない。
抵抗する様子も無くされるがままのウタへ、気を遣っていられる場面でもない。
離れて行く二人を視界に収めつつ、黒死牟は興味無さ気にチラと視線をくれてやるのみ。
歌声を媒介にして他者を強化するという、血鬼術とは別の異能。
多少の興味もあったが蓋を開けてみれば何とも落胆せざるを得ない。
大方、親しい者が死者として名を呼ばれ戦意を喪失したのだろう。
これが鬼狩りであったなら無念も悲しみも刃に乗せ、死ぬまで戦いを投げ出さないというのに。
脆弱な心構えの娘などいつでも殺せる、何だったら自分が手を下すまでもなく野垂れ死ぬ可能性だって高い。
よって優先するのは依然変わらず水色の奇妙な参加者。
歌声を媒介にして他者を強化するという、血鬼術とは別の異能。
多少の興味もあったが蓋を開けてみれば何とも落胆せざるを得ない。
大方、親しい者が死者として名を呼ばれ戦意を喪失したのだろう。
これが鬼狩りであったなら無念も悲しみも刃に乗せ、死ぬまで戦いを投げ出さないというのに。
脆弱な心構えの娘などいつでも殺せる、何だったら自分が手を下すまでもなく野垂れ死ぬ可能性だって高い。
よって優先するのは依然変わらず水色の奇妙な参加者。
「折れぬ心意気は認めるが…いい加減に幕を引くとしよう…」
ここが殺し合いの地ではなく、自身も元の肉体ならば鬼に勧誘する選択もあった。
だが無惨が参加しているかは分からず、仮にいても他者の肉体では鬼に変える事は不可能。
少々惜しい気もするが、この辺りで命を刈り取らせてもらう。
だが無惨が参加しているかは分からず、仮にいても他者の肉体では鬼に変える事は不可能。
少々惜しい気もするが、この辺りで命を刈り取らせてもらう。
「ぬぅん…!!!」
傍らの人形で殴り掛かる隙は与えない。
巨体に見合わぬスピードで急接近し巨根を振り下ろす。
かの四皇、百獣の名を知らしめる大海賊にも引けを取らぬ迫力である。
男根の下には原型を留めぬ死体が――無い。
巨体に見合わぬスピードで急接近し巨根を振り下ろす。
かの四皇、百獣の名を知らしめる大海賊にも引けを取らぬ迫力である。
男根の下には原型を留めぬ死体が――無い。
「しぶとい小僧だ…」
「チ○ポに潰されて死ぬなんざ、あの世で爺ちゃんに笑われちまうからな…流石に御免だぜ」
「チ○ポに潰されて死ぬなんざ、あの世で爺ちゃんに笑われちまうからな…流石に御免だぜ」
自力での回避は難しいと判断。
クレイジー・ダイヤモンドで自らを蹴り飛ばし強引に脱出。
紙一重ながら避けられたものの、危機的状況であるのに変わりはない。
一度躱されたから何だと言う、死ぬまで男根を振るえば良いだけの話だろうに。
クレイジー・ダイヤモンドで自らを蹴り飛ばし強引に脱出。
紙一重ながら避けられたものの、危機的状況であるのに変わりはない。
一度躱されたから何だと言う、死ぬまで男根を振るえば良いだけの話だろうに。
だというのに仗助が浮かべるのは不敵な笑み。
悪戯の成功を喜ぶ悪童のようなしてやったりと言いたげな、しかし不思議と心強さを感じずにはいられない。
まるで彼の父、二代目『ジョジョ』を思わせる顔だ。
悪戯の成功を喜ぶ悪童のようなしてやったりと言いたげな、しかし不思議と心強さを感じずにはいられない。
まるで彼の父、二代目『ジョジョ』を思わせる顔だ。
「散々そのデカチンを振り回してくれたお陰でよぉ~~…ここら一帯モグラが出たみてぇにボロボロだよな?」
仗助に言われずとも見れば分かる。
木々がへし折れているのは言うまでも無く、地面はもっと酷い有様だ。
ただでさえ巨人の如き体躯のベオウルフと比べ、アンチョビの体は子どものように小さい。
必然的に攻撃は下向きで行われ、その度に地面はあちこちが大きく削られている。
木々がへし折れているのは言うまでも無く、地面はもっと酷い有様だ。
ただでさえ巨人の如き体躯のベオウルフと比べ、アンチョビの体は子どものように小さい。
必然的に攻撃は下向きで行われ、その度に地面はあちこちが大きく削られている。
そしてこの状況こそ仗助にとっては都合が良い。
「ドラララララララララララァッ!」
クレイジー・ダイヤモンドが地面を叩く。
勝てないと悟り自棄に出たのか?
否、荒れた地面が元の形を取り戻そうとする。
単に打撃を繰り出す人形としか見ていなかった黒死牟は目を見開き、地面と、何より自身に襲い来る変化を目撃した。
勝てないと悟り自棄に出たのか?
否、荒れた地面が元の形を取り戻そうとする。
単に打撃を繰り出す人形としか見ていなかった黒死牟は目を見開き、地面と、何より自身に襲い来る変化を目撃した。
「あんたは俺らをハメる気でいたんだろうが、逆にハメさせてもらうぜおっさんよッ!!」
叩きつけたままの巨根を巻き込み、地面が元の形へ修復される。
土や草に覆い隠された男根は最初から地面の一部だったかのように固定。
大地との意図せぬ融合を果たすも黒死牟に焦りは皆無。
男根に力を籠め引き抜けばそれで済む。
だがしかし、動きを止められたのには変わらない。
この戦闘において黒死牟は初めて、明確な隙を仗助に晒したのだ。
土や草に覆い隠された男根は最初から地面の一部だったかのように固定。
大地との意図せぬ融合を果たすも黒死牟に焦りは皆無。
男根に力を籠め引き抜けばそれで済む。
だがしかし、動きを止められたのには変わらない。
この戦闘において黒死牟は初めて、明確な隙を仗助に晒したのだ。
「ドララララララララララララララララララララララララララララララァーーーーーッ!!!!!」
「ぬぅううううう…!!!」
「ぬぅううううう…!!!」
咄嗟に両腕を交差し防御の構えを取った。
分厚い筋肉の装甲を襲うラッシュに、ダメージは最小限に抑えるも痛みは殺せない。
人の体でしか味わえない久しい感触。
殴っている仗助も敵の頑丈さには歯噛みする。
自慢のスタンドによる拳を受けて尚も耐えられるとは、全く敵ながら天晴というもの。
ならば、もう一つの武器を使わせてもらう。
分厚い筋肉の装甲を襲うラッシュに、ダメージは最小限に抑えるも痛みは殺せない。
人の体でしか味わえない久しい感触。
殴っている仗助も敵の頑丈さには歯噛みする。
自慢のスタンドによる拳を受けて尚も耐えられるとは、全く敵ながら天晴というもの。
ならば、もう一つの武器を使わせてもらう。
「光剣滅殺(デスライトニング)!」
手刀を作った右手から、名前の通り光の剣を出現させる。
完全再生だけがアンチョビの使える技ではない。
普段の姿の時の主力技は究極体になろうと変わらず使用可能。
完全再生だけがアンチョビの使える技ではない。
普段の姿の時の主力技は究極体になろうと変わらず使用可能。
(つくづくビックリ箱みたいだぜアンチョビくんの体は!)
手から光り輝く剣を出す芸当まで出来る。
漫画の主人公のような力には、仗助も高校生とはいえ「男の子」の部分がつい反応してしまう。
尤もすぐに切り替え、光剣を眼前の敵へ振るわんと動く。
殴って駄目なら斬ってみろというやつだ。
漫画の主人公のような力には、仗助も高校生とはいえ「男の子」の部分がつい反応してしまう。
尤もすぐに切り替え、光剣を眼前の敵へ振るわんと動く。
殴って駄目なら斬ってみろというやつだ。
「成程…」
敵への関心を籠めた呟きは、口にした黒死牟本人にしか聞き取れない。
力で及ばずとも頭を使い戦闘を有利に動かさんとする。
己の能力を熟知していなくては不可能、どうやら思った以上に戦い慣れているらしい。
してやられた事実を噛み締め、こちらも相応しき技で返してやらねば無礼に他ならない。
力で及ばずとも頭を使い戦闘を有利に動かさんとする。
己の能力を熟知していなくては不可能、どうやら思った以上に戦い慣れているらしい。
してやられた事実を噛み締め、こちらも相応しき技で返してやらねば無礼に他ならない。
「っ、なんだ…?」
空気が震える。
天変地異の前触れを予期させる不吉さは、対峙する大男が発する呼吸の音。
人の身でありながらも、柱や鬼にすら引けを取らぬ肺活量。
振動を起こし折れた木々を震わせる呼吸が齎すは、更なる活力を与えられた雄の象徴。
女の膣を掻き回し、男の菊門を嬲る。
最早性行為の域では到底収まらぬ、敵を屠る正真正銘の剣としての真髄が発揮されようとした。
天変地異の前触れを予期させる不吉さは、対峙する大男が発する呼吸の音。
人の身でありながらも、柱や鬼にすら引けを取らぬ肺活量。
振動を起こし折れた木々を震わせる呼吸が齎すは、更なる活力を与えられた雄の象徴。
女の膣を掻き回し、男の菊門を嬲る。
最早性行為の域では到底収まらぬ、敵を屠る正真正銘の剣としての真髄が発揮されようとした。
――月の呼吸 弐ノ型 珠華ノ弄月
地面が弾け飛び、眠れる怪物が再び目を覚ます。
振り上げられる男根の一撃、否、三撃。
本来、月の呼吸とは黒死牟の血鬼術と組み合わせて放つ、鬼殺隊の呼吸法とは違う技である。
刀を振るい不可視の斬撃を飛ばし、周囲にも三日月状の斬撃を纏わせる広範囲への攻撃。
ベオウルフがどれだけ優れた肉体であろうと、黒死牟本人で無い限り血鬼術は使えない。
まして振るう得物も己の能力で作った虚哭神去に非ず。
されど、元の月の呼吸とは違えども近付ける事は可能。
男根が三つ同時に放たれたと思わせる程の速さで腰を振った、今しがたの型のように。
振り上げられる男根の一撃、否、三撃。
本来、月の呼吸とは黒死牟の血鬼術と組み合わせて放つ、鬼殺隊の呼吸法とは違う技である。
刀を振るい不可視の斬撃を飛ばし、周囲にも三日月状の斬撃を纏わせる広範囲への攻撃。
ベオウルフがどれだけ優れた肉体であろうと、黒死牟本人で無い限り血鬼術は使えない。
まして振るう得物も己の能力で作った虚哭神去に非ず。
されど、元の月の呼吸とは違えども近付ける事は可能。
男根が三つ同時に放たれたと思わせる程の速さで腰を振った、今しがたの型のように。
「う、おおおおおおおおおおおおおっ!?」
僅か一瞬で重みを増した威圧感に急かされ、攻撃を中断。
光剣を盾にしながら後退した仗助の判断は間違っていない。
但し、それだけでやり過ごせる甘い相手では無いのだが。
直撃は避けつつも男根の完全回避とまではいかず、ワイヤーで引っ張られる勢いで吹き飛ばされた。
地面へ叩きつけられる痛みは、数えるのも嫌になる。
光剣を盾にしながら後退した仗助の判断は間違っていない。
但し、それだけでやり過ごせる甘い相手では無いのだが。
直撃は避けつつも男根の完全回避とまではいかず、ワイヤーで引っ張られる勢いで吹き飛ばされた。
地面へ叩きつけられる痛みは、数えるのも嫌になる。
(クソッタレ…チ○ポ振り回して出来る芸当じゃねぇだろうがよォ~~~!!!)
今更過ぎるが真っ当なツッコミを胸中で吐きながら、痛む体に鞭を打って立ち上がる。
黒死牟も、天を見上げる魔剣も不動。
エベレストよりも遥か高くへそびえる巨根は、一向に萎える様子が見当たらない。
あんだけ立派なモノをぶら下げているなら、体を使う当人もそれに相応しい性根であって欲しいと愚痴る。
黒死牟も、天を見上げる魔剣も不動。
エベレストよりも遥か高くへそびえる巨根は、一向に萎える様子が見当たらない。
あんだけ立派なモノをぶら下げているなら、体を使う当人もそれに相応しい性根であって欲しいと愚痴る。
「まぁ、言ったところでどうにもならねぇけどな…」
苦笑いと共に光剣を構え、傍らのクレイジー・ダイヤモンドも拳を握る。
未だ諦めを見せない敵へ容赦は無用、熱を増した亀頭を突き付け、鈴口が睨む。
未だ諦めを見せない敵へ容赦は無用、熱を増した亀頭を突き付け、鈴口が睨む。
「こんばんわ皆さん。良い夜ですね」
声がした。
戦場を更なる混沌へと引き摺り込む乱入者が、満面の笑みと共に現れた。
◆◆◆
全身が歓喜で打ち震える。
頬は初恋にときめく少女のように紅潮し、口の端からは涎が垂れそうだ。
抑え切れぬ興奮が逸物へ熱を送り、股座がいきり立つ様は繁殖行為に励む直前の如し。
頬は初恋にときめく少女のように紅潮し、口の端からは涎が垂れそうだ。
抑え切れぬ興奮が逸物へ熱を送り、股座がいきり立つ様は繁殖行為に励む直前の如し。
説明書を片手に四苦八苦しつつ、名簿を開き直ぐの事だ。
刺青囚人の辺見和雄がその名前を見付けたのは。
見間違いでは無い。
何度も何度も画面を穴が開くくらいに凝視して、求めて止まない「彼」がここいると確信を抱いた。
刺青囚人の辺見和雄がその名前を見付けたのは。
見間違いでは無い。
何度も何度も画面を穴が開くくらいに凝視して、求めて止まない「彼」がここいると確信を抱いた。
「ああ――やっぱりあなたもいるんですね、杉元さん!」
杉元佐一。
自分と同じ刺青囚人の白石と行動を共にし、金塊を狙う元軍人。
忘れもしない、鰊漁師として潜伏中に運命の出会いを果たした男。
杉元も殺し合いに参加している。
辺見と同じ地で、同じ月を見ている。
自分と彼を結ぶ糸は一度死しても断ち切れなかった、これを運命と呼ばずに何と言う。
自分と同じ刺青囚人の白石と行動を共にし、金塊を狙う元軍人。
忘れもしない、鰊漁師として潜伏中に運命の出会いを果たした男。
杉元も殺し合いに参加している。
辺見と同じ地で、同じ月を見ている。
自分と彼を結ぶ糸は一度死しても断ち切れなかった、これを運命と呼ばずに何と言う。
喜びに酔いしれるのも束の間、ふと顔色が曇る。
名簿によると杉元は正式な参加者では無く、「その他」に分類されるらしい。
二重人格や意思持ち支給品など、ある意味参加者以上にどんな体なのか予想が付かない。
もしかすると、自力では動けず喋る事しか出来ないような体になっているんじゃあないのか。
絶対にあり得ないとは言い切れない予想に、辺見の不安は加速する。
幾ら何でもあんまりだ、折角杉元がいてもまともに動けないのでは台無しも良いところ。
名簿によると杉元は正式な参加者では無く、「その他」に分類されるらしい。
二重人格や意思持ち支給品など、ある意味参加者以上にどんな体なのか予想が付かない。
もしかすると、自力では動けず喋る事しか出来ないような体になっているんじゃあないのか。
絶対にあり得ないとは言い切れない予想に、辺見の不安は加速する。
幾ら何でもあんまりだ、折角杉元がいてもまともに動けないのでは台無しも良いところ。
「…いえ、殺し合いを開いたのなら杉元さんの素晴らしさは理解しているはず」
魘夢だって杉元の情報を何も知らず、参加させた訳ではあるまい。
正式な参加者でなくとも、『不死身の杉元』としての本領が発揮出来るだけの体は与えたに違いない。
そうでなければ勿体ないじゃあないか。
あれ程に自分の命を煌めかせてくれた杉元を、無粋極まる身体に閉じ込める真似はしてくれるなと強く願う。
正式な参加者でなくとも、『不死身の杉元』としての本領が発揮出来るだけの体は与えたに違いない。
そうでなければ勿体ないじゃあないか。
あれ程に自分の命を煌めかせてくれた杉元を、無粋極まる身体に閉じ込める真似はしてくれるなと強く願う。
杉元以外にも興味を引く名前はあった。
殺し合いにて辺見に与えられた体の持ち主、吸血鬼のアーカード。
アーカードと因縁深い戦争狂の少佐。
彼らも参加者として会場の何処かにいるらしい。
自分の体が勝手に使われてると知り、アーカードはどうするのだろうか。
怒り狂うか?或いはそれもまた面白いと手を叩くのか?
どちらにしても殺しに来るなら、それは間違いなく素敵だ。
殺し合いにて辺見に与えられた体の持ち主、吸血鬼のアーカード。
アーカードと因縁深い戦争狂の少佐。
彼らも参加者として会場の何処かにいるらしい。
自分の体が勝手に使われてると知り、アーカードはどうするのだろうか。
怒り狂うか?或いはそれもまた面白いと手を叩くのか?
どちらにしても殺しに来るなら、それは間違いなく素敵だ。
それなら早速死を振り撒きに行かねばなるまい。
参加者を片っ端から惨たらしく殺し、理不尽の権化として君臨し、恐怖と警戒を集める。
きっと杉元を始め、怪物相手にも勇敢に立ち向かう人々が自分を殺しに来る筈。
人間を超えた化け物たちも興味を引かれ、我こそが勝者となるべく闘争に臨むだろう。
素晴らしい、人も化け物も死力を尽くして辺見を殺そうとする。
きっと生前以上の煌めきと出会え、これ以上無い程の幸福に包まれ死ねるんだ。
参加者を片っ端から惨たらしく殺し、理不尽の権化として君臨し、恐怖と警戒を集める。
きっと杉元を始め、怪物相手にも勇敢に立ち向かう人々が自分を殺しに来る筈。
人間を超えた化け物たちも興味を引かれ、我こそが勝者となるべく闘争に臨むだろう。
素晴らしい、人も化け物も死力を尽くして辺見を殺そうとする。
きっと生前以上の煌めきと出会え、これ以上無い程の幸福に包まれ死ねるんだ。
そうと決まればグズグズしていられない。
意気揚々と出発しようとし、おやと首を傾げた。
意気揚々と出発しようとし、おやと首を傾げた。
「いつの間にか歌が止まった…?」
魘夢が放送を行う少し前。
適当な参加者を求め歩いていた辺見の耳に届いたのは、少女の歌声。
音楽にさして興味を持たない辺見からしても、つい足を止め聞き惚れてしまうくらいには惹かれる声だった。
誰が歌っているのかは知らないが、自分のように歌声を聞き付けた者達が集まるかもしれない。
歌が聞こえる方へと小走りで近付き、放送が始まったのはその数分後のこと。
杉元の名前に興奮し気付くのが遅れたが、歌は既に聞こえなくなっている。
流石に放送を無視してまで歌いはしないのだろうと結論付け移動を再開。
代わりに聞こえて来たのは明らかに争い合う音。
隠れながら慎重に覗いてみた途端、辺見は興奮で逸物から先走り汁を溢れさせた。
適当な参加者を求め歩いていた辺見の耳に届いたのは、少女の歌声。
音楽にさして興味を持たない辺見からしても、つい足を止め聞き惚れてしまうくらいには惹かれる声だった。
誰が歌っているのかは知らないが、自分のように歌声を聞き付けた者達が集まるかもしれない。
歌が聞こえる方へと小走りで近付き、放送が始まったのはその数分後のこと。
杉元の名前に興奮し気付くのが遅れたが、歌は既に聞こえなくなっている。
流石に放送を無視してまで歌いはしないのだろうと結論付け移動を再開。
代わりに聞こえて来たのは明らかに争い合う音。
隠れながら慎重に覗いてみた途端、辺見は興奮で逸物から先走り汁を溢れさせた。
殺し合っていたのは男と異形。
水色の小さな体躯で、伝承に登場する小鬼にも見える者。
奇妙な人形を操る姿には驚きだが、もっと驚愕するのは相手の方だ。
大きい、刺青囚人の牛山辰馬をも凌駕し兼ねない巨体の大男。
何より注目すべきは下半身、天へと昇り雲を突き破る龍の如き迫力。
古来の神々が手にする神器もかくやと言わんばかりの神々しさ、あの部分にだけ神が降臨したと言われても納得するしかない。
水色の小さな体躯で、伝承に登場する小鬼にも見える者。
奇妙な人形を操る姿には驚きだが、もっと驚愕するのは相手の方だ。
大きい、刺青囚人の牛山辰馬をも凌駕し兼ねない巨体の大男。
何より注目すべきは下半身、天へと昇り雲を突き破る龍の如き迫力。
古来の神々が手にする神器もかくやと言わんばかりの神々しさ、あの部分にだけ神が降臨したと言われても納得するしかない。
(な、なんて人達なんだ……)
やはり思った通りだ。
この殺し合いではアーカードの体を持つ辺見の蹂躙劇にはならない。
彼らのような参加者がゴロゴロ存在するのなら、怪物相手にも殺し合いを成立させられる。
まさかいきなり自分を強く煌めかせてくれるだろう者を見付けられるとは思わなかった。
期待と股間を膨らませ、待ち切れずに戦場へ姿を現わす。
生前のように潜伏しながら殺して回る必要は無い。
何故なら今の自分は化け物、人間に殺されるべき不死の王。
堂々と己の存在を見せつけてこそ意味がある。
この殺し合いではアーカードの体を持つ辺見の蹂躙劇にはならない。
彼らのような参加者がゴロゴロ存在するのなら、怪物相手にも殺し合いを成立させられる。
まさかいきなり自分を強く煌めかせてくれるだろう者を見付けられるとは思わなかった。
期待と股間を膨らませ、待ち切れずに戦場へ姿を現わす。
生前のように潜伏しながら殺して回る必要は無い。
何故なら今の自分は化け物、人間に殺されるべき不死の王。
堂々と己の存在を見せつけてこそ意味がある。
(ああ、本当に――良い夜だ)
これより始まる闘争へ思いを馳せ、心の底からの笑みを浮かべた。
○
「お前は…」
唐突に現れた乱入者へ、黒死牟は目を細めた。
鬼狩りと同じ正義感の持ち主が助太刀に現れる。
若しくは漁夫の利を狙う姑息な輩が、ここぞという場面での介入を目論む。
そういった可能性は想定の内だがこの男はどちらでもない。
歓喜の笑みは真っ当な感性の持ち主とは程遠く、人が発して良いものとはかけ離れた気配。
姿形は人間のソレに相違なくとも、黒死牟には分かった。
「コレ」を人に当て嵌めるのは大間違いだと。
鬼狩りと同じ正義感の持ち主が助太刀に現れる。
若しくは漁夫の利を狙う姑息な輩が、ここぞという場面での介入を目論む。
そういった可能性は想定の内だがこの男はどちらでもない。
歓喜の笑みは真っ当な感性の持ち主とは程遠く、人が発して良いものとはかけ離れた気配。
姿形は人間のソレに相違なくとも、黒死牟には分かった。
「コレ」を人に当て嵌めるのは大間違いだと。
「なァあんた…」
仗助もまた突然出て来た男へどう対応すべきか悩む。
コートも帽子も、ついでにサングラスも赤という全身赤尽くしの怪しさはさておき。
自分達が行っていたのは命懸けの戦闘。
どう見ても気安く挨拶して登場する場面では無いだろうに、男は平然とやってのけた。
呑気を通り越し異常としか思えない。
何より仗助もまた、赤い男の纏う血の気の凍り付くような気配を感じるのだ。
今はもういない連続殺人鬼の薄気味悪さとはまた違う、ありきたりな言葉で言うなら嫌な予感。
仮に承太郎やジョセフがいたならば、ジョースター家の宿敵である帝王の姿を重ねただろう。
コートも帽子も、ついでにサングラスも赤という全身赤尽くしの怪しさはさておき。
自分達が行っていたのは命懸けの戦闘。
どう見ても気安く挨拶して登場する場面では無いだろうに、男は平然とやってのけた。
呑気を通り越し異常としか思えない。
何より仗助もまた、赤い男の纏う血の気の凍り付くような気配を感じるのだ。
今はもういない連続殺人鬼の薄気味悪さとはまた違う、ありきたりな言葉で言うなら嫌な予感。
仮に承太郎やジョセフがいたならば、ジョースター家の宿敵である帝王の姿を重ねただろう。
「一応言っとくけどよ、そこのフルチンのおっさんは『乗ってる』側なんで逃げた方が良いんスけどね」
「ご忠告ありがとうございます。でも逃げるなんてとんでもない」
「ご忠告ありがとうございます。でも逃げるなんてとんでもない」
念の為に促した警告もにニコニコ笑いながら受け流される。
仗助の中で男への警戒が猛烈に跳ね上がり、黒死牟に至っては股間を振るい仗助諸共仕留める気だ。
仗助の中で男への警戒が猛烈に跳ね上がり、黒死牟に至っては股間を振るい仗助諸共仕留める気だ。
両者の瞳が突き刺さるのをさぞ嬉しそうに受け止め、辺見の右腕が跳ね上がった。
「だって僕は、煌めき合い(ころしあい)に来たんですからぁ!!」
右手に握られた物が何なのか、理解と同時に仗助の頬が引き攣る。
銃だ、引き金を引けば弾を発射する、日本では限られた職種の人間しか携行を許可されない武器。
尤も辺見が手にしたのは、仗助の祖父も持っていたような警察官の拳銃とはどう見ても別物。
回転式のマズルを六つ備えた巨大なフォルム。
俗にガトリングガンと呼ばれるソレの正式名称はGX-05〈ケルベロス〉。
対未確認生命体・アンノウン用に開発された主力武器である。
銃だ、引き金を引けば弾を発射する、日本では限られた職種の人間しか携行を許可されない武器。
尤も辺見が手にしたのは、仗助の祖父も持っていたような警察官の拳銃とはどう見ても別物。
回転式のマズルを六つ備えた巨大なフォルム。
俗にガトリングガンと呼ばれるソレの正式名称はGX-05〈ケルベロス〉。
対未確認生命体・アンノウン用に開発された主力武器である。
「さぁ!僕を殺してください皆さん!」
熱の籠った叫びはけたたましい銃声に掻き消され、誰の耳にも届かない。
青い小鬼と下半身丸出しの巨漢へ大量の銃弾がばら撒かれる。
アンノウンの強固な外骨格をも破壊する特殊弾を、暴風もかくやの勢いで発射。
G3-Xという強化装甲服を装着した者ですら、両手でしっかりと構え撃つのを想定したのがケルベロスだ。
だというのに辺見はあろうことか、片手で棒切れのように振り回しながら乱射している。
生身でそんな扱い方をすれば腕が吹き飛ぶのは確実だが、アーカードの体が無茶な撃ち方を可能にした。
吸血鬼の中でも最上級の能力を持つアーカードは、当然桁外れの怪力の持ち主。
ケルベロス以上に凶悪な性能の銃を平然と連射した事もある故に、この程度は欠伸が出るくらいに容易い。
青い小鬼と下半身丸出しの巨漢へ大量の銃弾がばら撒かれる。
アンノウンの強固な外骨格をも破壊する特殊弾を、暴風もかくやの勢いで発射。
G3-Xという強化装甲服を装着した者ですら、両手でしっかりと構え撃つのを想定したのがケルベロスだ。
だというのに辺見はあろうことか、片手で棒切れのように振り回しながら乱射している。
生身でそんな扱い方をすれば腕が吹き飛ぶのは確実だが、アーカードの体が無茶な撃ち方を可能にした。
吸血鬼の中でも最上級の能力を持つアーカードは、当然桁外れの怪力の持ち主。
ケルベロス以上に凶悪な性能の銃を平然と連射した事もある故に、この程度は欠伸が出るくらいに容易い。
「イカレてんのかこのオッサンはよォ~~~!?」
慌ててまだ倒れていない木の後ろに隠れ、仗助は頭を抱える。
巨根を振り回して暴れる大男の次は、不気味な笑みと共に銃をぶっ放す赤男。
参加している男は自分以外こんなのばっかりなのか。
巨根を振り回して暴れる大男の次は、不気味な笑みと共に銃をぶっ放す赤男。
参加している男は自分以外こんなのばっかりなのか。
一方黒死牟の対処法は変わらず、ベオウルフの持つ最大の武器を活かした防御。
逃げ隠れする選択は無視し、真っ向から魔剣を振るい叩きのめす。
突風を受けた風車のように男根を高速回転させ、銃弾を叩き落としながら接近を試みる。
逃げ隠れする選択は無視し、真っ向から魔剣を振るい叩きのめす。
突風を受けた風車のように男根を高速回転させ、銃弾を叩き落としながら接近を試みる。
「来て!来てください!それを僕の中に突っ込んで!」
明治時代には存在しないオーバースペックの銃火器。
それを真正面から防ぎ斬りかかる巨漢へ股間を濡らしつつ、しかし大人しく殺されてはやらない。
この程度では辺見が求める煌めきには程遠い。
全力で殺しに行く、すると向こうも全力で殺しに来る。
弟がヒグマに食われる瞬間に見せた、無意味ながらも決死の抵抗と同じ、いやそれ以上の煌めきこそが辺見の目的なのだから。
それを真正面から防ぎ斬りかかる巨漢へ股間を濡らしつつ、しかし大人しく殺されてはやらない。
この程度では辺見が求める煌めきには程遠い。
全力で殺しに行く、すると向こうも全力で殺しに来る。
弟がヒグマに食われる瞬間に見せた、無意味ながらも決死の抵抗と同じ、いやそれ以上の煌めきこそが辺見の目的なのだから。
「むっ…!?」
銃撃を止め、跳躍した辺見が放つは顔面狙いの蹴り。
回転する男根の間を縫い、杭打機よりも鋭い一撃が黒死牟に迫る。
速度を緩めず回転させた魔剣の間を掻い潜るとは、蟻の尻穴に糸を通すよりも困難だろうに。
異様な雰囲気に違わず、発揮する能力もまた人間の限界を容易く凌駕しているらしい。
元より油断はしていなかったが、脅威の度合いをより高めた。
回転する男根の間を縫い、杭打機よりも鋭い一撃が黒死牟に迫る。
速度を緩めず回転させた魔剣の間を掻い潜るとは、蟻の尻穴に糸を通すよりも困難だろうに。
異様な雰囲気に違わず、発揮する能力もまた人間の限界を容易く凌駕しているらしい。
元より油断はしていなかったが、脅威の度合いをより高めた。
「だが甘い…」
されど黒死牟もまた、並の枠では決して収まらぬ怪物。
扱う体は怪物以上に怪物らしい人間。
たとえ不死の王(ノー・ライフ・キング)が相手であっても、簡単に勝利は譲ってやれない。
扱う体は怪物以上に怪物らしい人間。
たとえ不死の王(ノー・ライフ・キング)が相手であっても、簡単に勝利は譲ってやれない。
上体を後方に大きく倒し、下半身を突きあげた体勢となる。
所謂逆さブリッジのポーズ。
辺見の蹴りを避け、真下から男根による突き上げを繰り出したのだ。
所謂逆さブリッジのポーズ。
辺見の蹴りを避け、真下から男根による突き上げを繰り出したのだ。
「ああ!僕の足が!?」
蹴りを放ち伸ばしたままの脚は、男根に貫かれ引き千切られた。
片足が使い物にならなくなり、敵の機動力は自然と低下。
そういった展開は相手が常識の範囲内で計れる存在だったらの話。
撒き散らされた血が傷口へと戻り、ビデオの逆再生を見ているように足が元の形を取り戻す。
時間にすれば5秒と掛けずに完治。
上弦の鬼にも匹敵する再生速度、敵が人では無いと分かってはいたがやはりこの程度の傷は無意味。
ならば両断してはどうだ、立ち上がり男根を横薙ぎに振るう。
片足が使い物にならなくなり、敵の機動力は自然と低下。
そういった展開は相手が常識の範囲内で計れる存在だったらの話。
撒き散らされた血が傷口へと戻り、ビデオの逆再生を見ているように足が元の形を取り戻す。
時間にすれば5秒と掛けずに完治。
上弦の鬼にも匹敵する再生速度、敵が人では無いと分かってはいたがやはりこの程度の傷は無意味。
ならば両断してはどうだ、立ち上がり男根を横薙ぎに振るう。
「おおっと!?」
落下の瞬間を狙い振るわれた男根は、辺見へ傷一つ付けられない。
再生したばかりの足で男根を踏み付け土台代わりにし跳躍。
僅かにでもタイミングがズレれば再び片足を失う羽目になる行動も余裕でこなした。
黒死牟の顔の位置まで跳び上がり、先程は届かなかった蹴りを放つ。
靴底に当たる硬い感触、交差した両腕でガードされたのだ。
筋肉が盛り上がり血管が脈動、男根ばかりが注目されがちだが鍛えられた全身もベオウルフの武器。
ガードを解除し剛腕を振るい辺見を吹き飛ばす。
何もしなければ大木に激突、運が悪ければ枝に心臓を貫かれて死亡。
そんなつまらな過ぎる死に方は御免だ、まだまだ己の欲する煌めきには程遠いのだから。
再生したばかりの足で男根を踏み付け土台代わりにし跳躍。
僅かにでもタイミングがズレれば再び片足を失う羽目になる行動も余裕でこなした。
黒死牟の顔の位置まで跳び上がり、先程は届かなかった蹴りを放つ。
靴底に当たる硬い感触、交差した両腕でガードされたのだ。
筋肉が盛り上がり血管が脈動、男根ばかりが注目されがちだが鍛えられた全身もベオウルフの武器。
ガードを解除し剛腕を振るい辺見を吹き飛ばす。
何もしなければ大木に激突、運が悪ければ枝に心臓を貫かれて死亡。
そんなつまらな過ぎる死に方は御免だ、まだまだ己の欲する煌めきには程遠いのだから。
「せはぁっ!」
ケルベロスを持つのとは反対の手で手刀を振るう。
大木を一刀両断にし激突を回避、ついでに陰に隠れていた小鬼も発見。
大木を一刀両断にし激突を回避、ついでに陰に隠れていた小鬼も発見。
「君も遠慮しないで、僕を煌めかせて!」
トチ狂ったとしか思えない言葉を吐き、真下へ踵落としを繰り出す。
踵の下には陥没した地面があるばかり、青い体は見当たらない。
真横からの敵意を察知、横目で見ると光り輝く右手を振り被る小鬼がいた。
各地で殺人を繰り返しながらの生活を続けていたのもあって、辺見は自分に向けられる敵意へ敏感だ。
体を大きく逸らし剣を避け、反対にケルベロスを突き付ける。
踵の下には陥没した地面があるばかり、青い体は見当たらない。
真横からの敵意を察知、横目で見ると光り輝く右手を振り被る小鬼がいた。
各地で殺人を繰り返しながらの生活を続けていたのもあって、辺見は自分に向けられる敵意へ敏感だ。
体を大きく逸らし剣を避け、反対にケルベロスを突き付ける。
「ドララララララララララララララァッ!!」
しかし弾は発射されなかった。
光剣を躱される事くらい仗助には十分予想の範囲内。
避けた体勢から復帰される前にクレイジー・ダイヤモンドを出現、ラッシュを叩き込む。
これ程までに接近してくれているのなら、射程距離の短さも問題にはならない。
殴り飛ばされ血を撒き散らしつつも、倒れはせずに二本足で踏み止まった。
光剣を躱される事くらい仗助には十分予想の範囲内。
避けた体勢から復帰される前にクレイジー・ダイヤモンドを出現、ラッシュを叩き込む。
これ程までに接近してくれているのなら、射程距離の短さも問題にはならない。
殴り飛ばされ血を撒き散らしつつも、倒れはせずに二本足で踏み止まった。
「グレートどころかクレイジーも良いとこだぜ、このおっさん…」
顔面からの出血も意に介さず、むしろ気持ちが良いとばかりに辺見は笑う。
こんな奴と対峙する真っ最中の仗助からしたら堪ったもんじゃあない。
片桐安十郎や吉良吉影とは別ベクトルで異常である。
とはいえげんなりし続けるのも程々にしなくては。
辺見はもとより、黒死牟も巨根を揺らし今この瞬間にも殺そうとしているのだから。
こんな奴と対峙する真っ最中の仗助からしたら堪ったもんじゃあない。
片桐安十郎や吉良吉影とは別ベクトルで異常である。
とはいえげんなりし続けるのも程々にしなくては。
辺見はもとより、黒死牟も巨根を揺らし今この瞬間にも殺そうとしているのだから。
「素敵です…やっぱり僕は殺し合いに参加して本当に良かった…!」
圧倒的な力を持つ怪物の蹂躙劇。
そんな安っぽい展開にはならず、抗い傷を付ける者達と殺し合う。
巻き込まれた当初は無粋極まると辟易したが、今となっては魘夢に感謝の念すらあった。
生前以上の煌めきも実現不可能なんかじゃない。
そんな安っぽい展開にはならず、抗い傷を付ける者達と殺し合う。
巻き込まれた当初は無粋極まると辟易したが、今となっては魘夢に感謝の念すらあった。
生前以上の煌めきも実現不可能なんかじゃない。
「でもまだ足りない…もっともっと本気で殺しに来てもらわないと、あの時の煌めきは越えられないじゃあないですか!」
黒死牟も仗助も強いのは分かった。
だが自分が最高の煌めきを発するには足りない、だってこっちはまだまだ余力を残している。
こちらの全力をぶつけ、それすらも上回る程の執念で相手が食らい付いてこそ、自分は煌めく事が出来る。
だが自分が最高の煌めきを発するには足りない、だってこっちはまだまだ余力を残している。
こちらの全力をぶつけ、それすらも上回る程の執念で相手が食らい付いてこそ、自分は煌めく事が出来る。
大きな銃を撃つ、怪力や再生能力を見せ付ける。
それだけじゃあ駄目だ、アーカードの力はそれっぽっちじゃないだろう。
彼らにはもっと本気を出してもらわねばならない。
それだけじゃあ駄目だ、アーカードの力はそれっぽっちじゃないだろう。
彼らにはもっと本気を出してもらわねばならない。
だから辺見がソレを口にするのに、何の躊躇も無かった。
「拘束制御術式
第3号
第2号
第1号
第3号
第2号
第1号
解放」
凍り付く。
その場に集まった全員が総毛立ち、空気が悲鳴を上げる。
脳が叫ぶ、肉体の司令塔が全力で警鐘を鳴らす。
その場に集まった全員が総毛立ち、空気が悲鳴を上げる。
脳が叫ぶ、肉体の司令塔が全力で警鐘を鳴らす。
恐ろしい事が起きる。
この化け物を放置すれば、恐ろしい事が起きてしまうと。
この化け物を放置すれば、恐ろしい事が起きてしまうと。
闇が溢れる。
アーカードと言う名の化け物が支配する。
辺見和雄と言う名の人間が混沌を引き起こす。
アーカードと言う名の化け物が支配する。
辺見和雄と言う名の人間が混沌を引き起こす。
「さぁ、僕と一緒に煌めき合いましょう」
『本当の吸血鬼の闘争』の幕開けだ。