草木の生い茂った森を駆けずり回る一人の青年。
青年は赤と黒を基調としたコートを羽織っており、
意志の強い瞳をしてはいるものの、それは外見の都合で見えるだけだ。
今の彼は精神が別物故か、何処か格好のつかない表情で逃げ回っている。
青年は赤と黒を基調としたコートを羽織っており、
意志の強い瞳をしてはいるものの、それは外見の都合で見えるだけだ。
今の彼は精神が別物故か、何処か格好のつかない表情で逃げ回っている。
「遅い。」
後方から投げかけられた冷徹な言葉と同時に、
飛来する水の弾丸を咄嗟に転がるように飛び込むことで回避。
周囲に木々はあれど少し開けた場所へと辿り着くと相手もそこへ追いついた。
逆立った髪と青みのかかった黒い服が特徴的な青年が、指鉄砲を構えをしつつ。
遊んでるように見えてこれが彼の───否、相手の肉体の戦闘における構えであり、
そこから何が起きるかは、逃げていた以上嫌と言う程理解していた。
飛来する水の弾丸を咄嗟に転がるように飛び込むことで回避。
周囲に木々はあれど少し開けた場所へと辿り着くと相手もそこへ追いついた。
逆立った髪と青みのかかった黒い服が特徴的な青年が、指鉄砲を構えをしつつ。
遊んでるように見えてこれが彼の───否、相手の肉体の戦闘における構えであり、
そこから何が起きるかは、逃げていた以上嫌と言う程理解していた。
「クソッ、こんな時に加速がありゃ余裕なのに……ッ。」
追い込まれた青年の方に宿っている男の名は七原健。
元は社会的弱者とも言うべき立場にあった男ではあるが、
ある日を境に人ならざる者、ヴァンパイアの力を得た青年だ。
ヴァンパイアにおける彼の能力は『加速』で、文字通りの効果を持つ。
攻撃から防御に、優れた汎用性を誇る能力も、別人の身体では当然使えない。
元は社会的弱者とも言うべき立場にあった男ではあるが、
ある日を境に人ならざる者、ヴァンパイアの力を得た青年だ。
ヴァンパイアにおける彼の能力は『加速』で、文字通りの効果を持つ。
攻撃から防御に、優れた汎用性を誇る能力も、別人の身体では当然使えない。
「七原みたいな能力でも持ってたのか。
まあ、今の身体じゃあ使いようもないみたいだがな。」
まあ、今の身体じゃあ使いようもないみたいだがな。」
「! おい、なんで俺の名前───いや、ちょっと待て。まさかだよな?」
七原にとって自分の名前を知っている中で、
その口調と、今の指から弾丸を放つ攻撃をしてくる。
相手の精神がすぐに誰か気づいた。ありえないと思いたかった。
既に死んだ奴がこんな場所に、しかもあんな奴がいるこの状況に。
その口調と、今の指から弾丸を放つ攻撃をしてくる。
相手の精神がすぐに誰か気づいた。ありえないと思いたかった。
既に死んだ奴がこんな場所に、しかもあんな奴がいるこの状況に。
「やっぱりお前、七原なのか。因果なもんだな。」
「マジかよ、芭藤……!」
鋭い目つきで見下ろしてくるのは芭藤哲也。
多数のヴァンパイアを傘下にした組織、燦然党の幹部。
七原も元々は燦然党に入っており、芭藤は彼の指導係でもあった。
けれどそれは今や過去の話。燦然党の理念は弱者は真っ先に淘汰し、
弱者救済を願う七原は離反。そして彼は自身でとどめを刺して灰になったはず。
ヴァンパイアとの戦いと言う非日常の中で、様々な現実離れしたことを目にしてきた。
しかし、流石に死者の復活までは想定しておらず唖然とした表情で立ち上がる。
多数のヴァンパイアを傘下にした組織、燦然党の幹部。
七原も元々は燦然党に入っており、芭藤は彼の指導係でもあった。
けれどそれは今や過去の話。燦然党の理念は弱者は真っ先に淘汰し、
弱者救済を願う七原は離反。そして彼は自身でとどめを刺して灰になったはず。
ヴァンパイアとの戦いと言う非日常の中で、様々な現実離れしたことを目にしてきた。
しかし、流石に死者の復活までは想定しておらず唖然とした表情で立ち上がる。
「死んでも尚、お前に関わるとは思わなかったな。
俺が死人ってことは、燦然党にでもやられて此処にいるのか?」
俺が死人ってことは、燦然党にでもやられて此処にいるのか?」
「……さて、どうなんだろうな。」
『変身しろよ。ぶっ殺してやるからよぉ……!!』
此処に来る前の記憶と言えば、燦然党との二度目の戦いにおいて、
燦然党の党首である日ノ元士郎と出会ってしまったところだ。
満身創痍の中必殺技たるD・ナイトを使っても、当然真祖の日ノ元には届かず。
瀕死だったが生きてたような、或いは死んでしまったから記憶がないのか。
その辺は曖昧なまま、今こうして強面な月下で悪夢のような展開に見舞われている。
悪夢のような現実を見てきた以上、此処が悪夢でもさして変わらないが。
燦然党の党首である日ノ元士郎と出会ってしまったところだ。
満身創痍の中必殺技たるD・ナイトを使っても、当然真祖の日ノ元には届かず。
瀕死だったが生きてたような、或いは死んでしまったから記憶がないのか。
その辺は曖昧なまま、今こうして強面な月下で悪夢のような展開に見舞われている。
悪夢のような現実を見てきた以上、此処が悪夢でもさして変わらないが。
「正直どうなったか分かんねえけど、ただ一つ言えるのは……芭藤。
テメエだけはどんな理由があっても、生かしちゃいけねえってことだ。」
テメエだけはどんな理由があっても、生かしちゃいけねえってことだ。」
芭藤は幸福な人間を不幸にすることに愉悦を感じる。
たとえそれは自分の命が脅かされる状況であっても平然と行う。
だからこの男を生かすことは、此処の参加者全員を危険に晒すこと。
だったら殺すべきだ。身体の持ち主には悪いとは思うも芭藤の身体は、
生前の彼と同様、自分の身体から銃弾を発射できる類の能力を持っている。
慣れてるわけではないにしても、彼にとってはそれはお手の物だ。
手加減して勝てる相手ではないことは十分に理解できた。
たとえそれは自分の命が脅かされる状況であっても平然と行う。
だからこの男を生かすことは、此処の参加者全員を危険に晒すこと。
だったら殺すべきだ。身体の持ち主には悪いとは思うも芭藤の身体は、
生前の彼と同様、自分の身体から銃弾を発射できる類の能力を持っている。
慣れてるわけではないにしても、彼にとってはそれはお手の物だ。
手加減して勝てる相手ではないことは十分に理解できた。
「だろうな……お前はそういう奴だ、七原。」
どこか嬉しそうな笑みを浮かべながら、人差し指の先端に水が収束していく。
もっとも、善人の面とは言えない男の面でそれをやっても凶悪犯の類だが。
事実、彼の身体はレモネードと言う、とある世界のバンデットの一人だ。
元ヤクザであり、元燦然党だった彼らしくアウトローな人物とも言える。
もっとも、善人の面とは言えない男の面でそれをやっても凶悪犯の類だが。
事実、彼の身体はレモネードと言う、とある世界のバンデットの一人だ。
元ヤクザであり、元燦然党だった彼らしくアウトローな人物とも言える。
(とは言ったけど、こいつの身体には何があんだよ!?)
状況や来る前までの記憶に困惑するなど、
普通はそう言った行為で判断が遅れるものではある。
特に七原の場合は生死の瀬戸際。混乱もより大きいものになる。
だが芭藤は死者であり、死んだところで改心も葛藤もない灰色の男。
なので身体の戦い方さえ把握してしまえば、後は即座に行動できてしまう。
お陰で情報の差は歴然。名前以外を七原は何一つとして分かっていない。
放たれる弾丸をその身体が持つ身体能力と経験と運でなんとか凌いでいくが、
木々を遮蔽物にしようと穴を開けて貫いてくる威力のそれは当たればまず致命傷。
一発も被弾が許されぬそれに、焦りは当然あった。
普通はそう言った行為で判断が遅れるものではある。
特に七原の場合は生死の瀬戸際。混乱もより大きいものになる。
だが芭藤は死者であり、死んだところで改心も葛藤もない灰色の男。
なので身体の戦い方さえ把握してしまえば、後は即座に行動できてしまう。
お陰で情報の差は歴然。名前以外を七原は何一つとして分かっていない。
放たれる弾丸をその身体が持つ身体能力と経験と運でなんとか凌いでいくが、
木々を遮蔽物にしようと穴を開けて貫いてくる威力のそれは当たればまず致命傷。
一発も被弾が許されぬそれに、焦りは当然あった。
(だからって、諦められるかよ!!)
弱い奴は負けて為す術もなく、強い奴は勝って好き放題する。
散々見てきた。ヴァンパイアの戦いでも、この世の基本法則だ。
幼い頃から七原と言う男は、常に弱い立場としての日々を過ごした。
クソみてーな人生で惨めな気分で生き、守りたいと思った人も守ることはできず。
慣れ親しんだ友人のような奴も死なせてしまった。嫌と言うほどに彼は味わい続けた。
何処まで行っても、世界とは黒と白で二分されている。強者の白と弱者の黒、
一方だけが陽の光を浴び続け、一方は陰の中でひっそりと死に絶える世界。
そんな世の中を変えたい。だからこそ彼は掲げた。『弱者救済』と言う理想を。
此処でもそうだ。自分達がたまたま戦えると言うだけで、他にも弱者はいるはずだ。
芭藤にも、燦然党のような弱者を捨て石にする奴にも絶対に殺させはしない。
散々見てきた。ヴァンパイアの戦いでも、この世の基本法則だ。
幼い頃から七原と言う男は、常に弱い立場としての日々を過ごした。
クソみてーな人生で惨めな気分で生き、守りたいと思った人も守ることはできず。
慣れ親しんだ友人のような奴も死なせてしまった。嫌と言うほどに彼は味わい続けた。
何処まで行っても、世界とは黒と白で二分されている。強者の白と弱者の黒、
一方だけが陽の光を浴び続け、一方は陰の中でひっそりと死に絶える世界。
そんな世の中を変えたい。だからこそ彼は掲げた。『弱者救済』と言う理想を。
此処でもそうだ。自分達がたまたま戦えると言うだけで、他にも弱者はいるはずだ。
芭藤にも、燦然党のような弱者を捨て石にする奴にも絶対に殺させはしない。
「!」
その願いに呼応するかのように、七原の身体に変化が訪れる。
植物の蔦や葉が全身を覆い、予期せぬ事態に芭藤は距離を取っていく。
『確実に殺せると踏まなければ前に出ない慎重派』とは七原の仲間に評されたが、
そう言った部分は死んでも変わることはなかった。
植物の蔦や葉が全身を覆い、予期せぬ事態に芭藤は距離を取っていく。
『確実に殺せると踏まなければ前に出ない慎重派』とは七原の仲間に評されたが、
そう言った部分は死んでも変わることはなかった。
(七原の身体の奴もヴァンパイアなのか?)
ある意味、その姿はヴァンパイアもと言えるだろうか。
黒、赤、黄の骨格のようなものに覆われたその異形の怪物の姿は。
頭部の二本の黒角が、より怪物であることを引き立たせてくれる。
黒、赤、黄の骨格のようなものに覆われたその異形の怪物の姿は。
頭部の二本の黒角が、より怪物であることを引き立たせてくれる。
その身体の持ち主は、弱者を嫌った。
弱いものは淘汰されると言う現実を知ったから。
弱いものは淘汰されると言う現実を知ったから。
その身体の持ち主は、とても強い信念を持っていた。
何度打ちのめされようとも、決してその心は折れはしない。
何度打ちのめされようとも、決してその心は折れはしない。
その身体の持ち主は、弱者が踏みにじられない世界を築こうとした。
故に、今の世界を滅ぼそうと黄金の果実を求め、理想を目指した男の果て。
故に、今の世界を滅ぼそうと黄金の果実を求め、理想を目指した男の果て。
───七原の精神を宿す器の名を、駆紋戒斗。
ヘルヘイムの実を食べて進化した、オーバーロードインベス『ロード・バロン』だ。
ヘルヘイムの実を食べて進化した、オーバーロードインベス『ロード・バロン』だ。
「なんじゃこりゃあ!?」
一番驚いていたのは当人ではあった。
ヴァンパイアに類する怪物とも言うべきその姿でそんな発言をしては、
ロード(支配者)の肩書きやバロン(貴族)も形無しになってしまうもの。
普段七原のヴァンパイア態によくあるデフォルメされた犬とは全く無縁のデザイン。
しかし、身体から感じる力が並大抵のものではないと言うことがすぐに分かる。
ヴァンパイアに類する怪物とも言うべきその姿でそんな発言をしては、
ロード(支配者)の肩書きやバロン(貴族)も形無しになってしまうもの。
普段七原のヴァンパイア態によくあるデフォルメされた犬とは全く無縁のデザイン。
しかし、身体から感じる力が並大抵のものではないと言うことがすぐに分かる。
「芭藤ォ!!」
何にせよ戦う力は出てきた。
拳を作りながら七原はそのまま直進する。
オーバーロードもまたヴァンパイア同様に人間離れした存在。
元の身体の加速程ではないにせよ、さっきとは比較にならない動き。
芭藤も距離を取りながら指から水の弾丸を連射していく。
拳を作りながら七原はそのまま直進する。
オーバーロードもまたヴァンパイア同様に人間離れした存在。
元の身体の加速程ではないにせよ、さっきとは比較にならない動き。
芭藤も距離を取りながら指から水の弾丸を連射していく。
「……やっぱりお前は油断ならねえよ、七原。」
木々を貫通するはずの弾丸は今度はよく当たる。
しかし当たっても弾丸は骨格を貫くことはない。
当たってもダメージにはなってるが、多少怯ませるだけに終わっていた。
芭藤自身の元の身体のヴァンパイア態同様、強固なタイプの装甲を持つようだ。
攻撃は通ると言えば通るが、貫通しなければちゃんとしたダメージに足りえない。
しかし当たっても弾丸は骨格を貫くことはない。
当たってもダメージにはなってるが、多少怯ませるだけに終わっていた。
芭藤自身の元の身体のヴァンパイア態同様、強固なタイプの装甲を持つようだ。
攻撃は通ると言えば通るが、貫通しなければちゃんとしたダメージに足りえない。
右ストレート、飛び蹴り。
爪も加速もないせいでチンピラみたいな攻撃だが、
オーバーロードの攻撃力や速度を以てすれば並みの一撃ではない。
バンカーであるレモネードも相当人間離れしてはいると言っても、
受ければただでは済まないことは、躱した後七原が突っ込んで圧し折った大木でお察しだ。
爪も加速もないせいでチンピラみたいな攻撃だが、
オーバーロードの攻撃力や速度を以てすれば並みの一撃ではない。
バンカーであるレモネードも相当人間離れしてはいると言っても、
受ければただでは済まないことは、躱した後七原が突っ込んで圧し折った大木でお察しだ。
(あれは立花かそれ以上だな。)
優れたヴァンパイアは燦然党にもいたし、
この程度なら幹部であれば珍しいことではない。
だが、レモネードの身体を使っていてわかることがある。
水のリボルバーと言う水の弾丸は確かにできるが、水を常時射出し続け、
剣のように扱うと言った様々な応用に優れているのが彼の強みでもある。
けれど、できるのはほぼ水のリボルバー一辺倒。戦い方は慣れたものだが、
それもまた力が衰えてるようでならなかった。
この程度なら幹部であれば珍しいことではない。
だが、レモネードの身体を使っていてわかることがある。
水のリボルバーと言う水の弾丸は確かにできるが、水を常時射出し続け、
剣のように扱うと言った様々な応用に優れているのが彼の強みでもある。
けれど、できるのはほぼ水のリボルバー一辺倒。戦い方は慣れたものだが、
それもまた力が衰えてるようでならなかった。
(やはり慣れない身体にはついていけないか。)
いきなり身体能力もわからない人間の身体にされ、
十全な動きをすぐにできるかと言われれば当然ノーだ。
拳銃の扱い方を覚えさせた後に『狙撃銃を扱え』と言われ、
即座にそんなものが覚えられるような人間がいないのと同じである。
芭藤も慣れながら動いて、ようやく人並み外れた動きを手にしたばかり。
まだ発展途上。強くなるにはやはりそれなりの時間を要するだろう。
だからの猶予と言うべき時間だが、そんなことは彼にはどうでもよい。
たまたま運が良かっただけで幸せを噛み締めているバカ共を不幸にする。
きっとここにもいるのだろう。自由な体を手に入れて幸福を手にした奴が。
彼が即座に動けたのは、そういうところもあったのだろう。
十全な動きをすぐにできるかと言われれば当然ノーだ。
拳銃の扱い方を覚えさせた後に『狙撃銃を扱え』と言われ、
即座にそんなものが覚えられるような人間がいないのと同じである。
芭藤も慣れながら動いて、ようやく人並み外れた動きを手にしたばかり。
まだ発展途上。強くなるにはやはりそれなりの時間を要するだろう。
だからの猶予と言うべき時間だが、そんなことは彼にはどうでもよい。
たまたま運が良かっただけで幸せを噛み締めているバカ共を不幸にする。
きっとここにもいるのだろう。自由な体を手に入れて幸福を手にした奴が。
彼が即座に動けたのは、そういうところもあったのだろう。
「うお、植物も操れるのか!」
地面から突如生える蔦の一部が芭藤を掴まんとする。
咄嗟に樹木を蹴り、反動で回避を続けていく。
捕まればどうなるかは予想できないが、それは問題ない。
自分が扱いきれてないのだ。七原だって扱いきれてないはずだ。
事実、蔦は途中まではうまく言っていたのにもかかわらず、
あらぬ方向へと飛んでは細い木の枝を圧し折るだけに留める。
しかし当たらないとは限らない。
咄嗟に樹木を蹴り、反動で回避を続けていく。
捕まればどうなるかは予想できないが、それは問題ない。
自分が扱いきれてないのだ。七原だって扱いきれてないはずだ。
事実、蔦は途中まではうまく言っていたのにもかかわらず、
あらぬ方向へと飛んでは細い木の枝を圧し折るだけに留める。
しかし当たらないとは限らない。
「一旦退くとするか。」
勝つのは難しい上に、長引けば長引く程七原は適応する。
芭藤は七原をずっと見続けてきた。日ノ元に矯正を進言するほどに。
恐らく、それは惨めな人生を歩んできた共感も含まれていたのだろう。
だが分かっていた。この男はやればできる奴なんだと。だから負けた。
故に逃げる。此処で仕留められないならば、一度退くしかないと。
準備を整え、確実に殺せる状態になるまで放置するのが得策だ。
芭藤は七原をずっと見続けてきた。日ノ元に矯正を進言するほどに。
恐らく、それは惨めな人生を歩んできた共感も含まれていたのだろう。
だが分かっていた。この男はやればできる奴なんだと。だから負けた。
故に逃げる。此処で仕留められないならば、一度退くしかないと。
準備を整え、確実に殺せる状態になるまで放置するのが得策だ。
「な、テメエ待ちやがれ!!」
無論逃がすつもりはない。
此処で逃がせばどうなるか分かり切っていること。
すぐさま接近するが、芭藤はあえて地面に水のリボルバーを放つ。
今までの弾丸とは別。砲弾のように溜めた水はさながら噴水の壁となる。
此処で逃がせばどうなるか分かり切っていること。
すぐさま接近するが、芭藤はあえて地面に水のリボルバーを放つ。
今までの弾丸とは別。砲弾のように溜めた水はさながら噴水の壁となる。
「じゃあな七原。救う間に何人死ぬかを考えるんだな。」
そんな捨て台詞と共に、すぐさま距離をとっていく。
水のリボルバーの回避のために逃げを選んだ森は、
逆に芭藤をすぐに見失ってしまう要因となってしまう。
元の七原にはあった嗅覚での追跡も今の身体では不可能だ。
ただ、何も追跡することが正解と言うわけではなかった。
水が消えた後、七原の身体が駆紋戒斗へと戻ってしまったからだ。
水のリボルバーの回避のために逃げを選んだ森は、
逆に芭藤をすぐに見失ってしまう要因となってしまう。
元の七原にはあった嗅覚での追跡も今の身体では不可能だ。
ただ、何も追跡することが正解と言うわけではなかった。
水が消えた後、七原の身体が駆紋戒斗へと戻ってしまったからだ。
(な、変身がもう切れたのか!?)
ロード・バロンはインベスの上位主であるオーバーロード、
その中でもトップクラスの強さを誇るスペックを持っている。
ただでさえ精神と身体は別物。変身時間は短くなっており、
今のままでは一分と持たない短さしか維持できなかった。
その中でもトップクラスの強さを誇るスペックを持っている。
ただでさえ精神と身体は別物。変身時間は短くなっており、
今のままでは一分と持たない短さしか維持できなかった。
「……クソッ。」
これでは芭藤を追うことはできない。
寧ろ何かしらの理由で戻ってくる前に、
此処から離れて自衛の手段を確保しなければならず、
七原もまた、一先ず撤退を選択せざるを得なかった。
寧ろ何かしらの理由で戻ってくる前に、
此処から離れて自衛の手段を確保しなければならず、
七原もまた、一先ず撤退を選択せざるを得なかった。
弱者救済と言う理想を掲げた七原。弱者のいない世界を望んだ戒斗。
同じに見えて違う。駆紋戒斗の臨んだ世界は確かに彼の理想と同じ。
だが、そのために今の世界を滅ぼし、弱者も淘汰するその考えは、
実力主義で弱者が真っ先に淘汰される日ノ元の思想と何が違うのだろうか。
そんな男の身体に宿った男は、果たしてどこまで弱者救済を掲げられるのか。
はたまた、弱肉強食の理論のような弱者は淘汰されてしかるべきに染まるのか。
同じに見えて違う。駆紋戒斗の臨んだ世界は確かに彼の理想と同じ。
だが、そのために今の世界を滅ぼし、弱者も淘汰するその考えは、
実力主義で弱者が真っ先に淘汰される日ノ元の思想と何が違うのだろうか。
そんな男の身体に宿った男は、果たしてどこまで弱者救済を掲げられるのか。
はたまた、弱肉強食の理論のような弱者は淘汰されてしかるべきに染まるのか。
【七原建@血と灰の女王】
[身体]:駆紋戒斗@仮面ライダー鎧武
[状態]:疲労(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]基本方針:弱者救済。絶対変わらねえ。
1:芭藤だけは絶対倒す。
2:俺の身体、これちょっとやばくね? なんだこれ。
3:善とかはいるのか?
[備考]
※参戦時期は139話、燦然党との戦いで日ノ元に敗北後。
※肉体の参戦時期は少なくともロード・バロンになれて以降。
※クラックでインベスは呼べません。
※ロード・バロンになれる時間は長くありません。
何かしらのきっかけや慣れで時間は増えると思います。
[身体]:駆紋戒斗@仮面ライダー鎧武
[状態]:疲労(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]基本方針:弱者救済。絶対変わらねえ。
1:芭藤だけは絶対倒す。
2:俺の身体、これちょっとやばくね? なんだこれ。
3:善とかはいるのか?
[備考]
※参戦時期は139話、燦然党との戦いで日ノ元に敗北後。
※肉体の参戦時期は少なくともロード・バロンになれて以降。
※クラックでインベスは呼べません。
※ロード・バロンになれる時間は長くありません。
何かしらのきっかけや慣れで時間は増えると思います。
「……」
逃げ切った後、芭藤はレモネードのプロフィールを見ていた。
元がマッシュ星の異星人シトロンと言った事実はあるがどうでもいい。
結局はチェリーと二人だけで惨めに生き続けてきた哀れな男と言うだけだ。
静かに眺め終えるとタブレットをしまってそのまま何処かへと歩き出す。
元がマッシュ星の異星人シトロンと言った事実はあるがどうでもいい。
結局はチェリーと二人だけで惨めに生き続けてきた哀れな男と言うだけだ。
静かに眺め終えるとタブレットをしまってそのまま何処かへと歩き出す。
(チェリーか、その代替が必要だな。)
どうやらレモネードにはD・ナイトに匹敵する技、
水のドラゴンとやらがあるそうだが、それには素体が必要。
レモネードの相棒となる生きたバンク、チェリーかそれに類する何かが必須。
今後の目的にしておきつつ、災厄を願う男は動き出した。
水のドラゴンとやらがあるそうだが、それには素体が必要。
レモネードの相棒となる生きたバンク、チェリーかそれに類する何かが必須。
今後の目的にしておきつつ、災厄を願う男は動き出した。
【芭藤哲也@血と灰の女王】
[身体]:レモネード@コロッケ!
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]基本方針:参加者を不幸にする。
1:因果なもんだな、七原。
2:誘える奴がいたら誘っておく。
3:チェリーとやらを探す。いるかどうかは知らないが、代替の奴でもいい。
[身体]:レモネード@コロッケ!
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]基本方針:参加者を不幸にする。
1:因果なもんだな、七原。
2:誘える奴がいたら誘っておく。
3:チェリーとやらを探す。いるかどうかは知らないが、代替の奴でもいい。
[備考]
※参戦時期は死亡後。
※肉体の方は現時点では不明。
※チェリーがいないので水のドラゴンは使用できません。
※水を常時出し続けて剣にする、と言ったこともまだできません。
※DS版の技、水のグレネードのようなものを覚えました。
他にも何かのきっかけでDS版の技も使えるかもしれません。
※参戦時期は死亡後。
※肉体の方は現時点では不明。
※チェリーがいないので水のドラゴンは使用できません。
※水を常時出し続けて剣にする、と言ったこともまだできません。
※DS版の技、水のグレネードのようなものを覚えました。
他にも何かのきっかけでDS版の技も使えるかもしれません。
| 65:救済の物語 | 投下順に読む | 67:お菓子を愛する者たち |