「ふざける…なよ」
一人の青年が、目を見開き怒りの表情で呟いた。
「バグスターウイルス…俺が?俺は、バグスターだぞ」
バグスターウイルス感染症、通称ゲーム病。
それはコンピューターウイルスが変じて人間へ感染する病原体へと進化したものである。
そして、今ここにいる青年…パラドはその病原体が実体化した存在…バグスターという名の怪人であった。
それはコンピューターウイルスが変じて人間へ感染する病原体へと進化したものである。
そして、今ここにいる青年…パラドはその病原体が実体化した存在…バグスターという名の怪人であった。
「なんでバグスターの俺が、ウイルスに感染するんだよ!」
バグスターウイルスは、人間に感染するものだ。
自分たちバグスターは、ウイルスを与える側であって、与えられる側ではないはずだ。
それなのに、そんな自分が、ウイルスに感染?
自分たちバグスターは、ウイルスを与える側であって、与えられる側ではないはずだ。
それなのに、そんな自分が、ウイルスに感染?
「俺も、あんな風に死ぬっていうのか…!?」
最初の場所で消滅した男女を思い出す。
そして続けてパラドの脳裏に浮かぶのは、仮面ライダークロノスによって同胞であるバグスター、ラヴリカが絶版…消滅させられる光景。
そして続けてパラドの脳裏に浮かぶのは、仮面ライダークロノスによって同胞であるバグスター、ラヴリカが絶版…消滅させられる光景。
「……クソ!」
苛立ちに任せて、リュックを足下に投げつける。
ラヴリカが死んだときは、引きずりつつもまだ平静でいられた。
仲間であるグラファイトが自分を激励してくれた影響もあるかもしれない
しかし今、そばに同胞の姿はなく、自分自身に死が、それも50時間というタイムリミット付きで突きつけられ、彼の心にはどうしようもないほどの恐怖が湧き上がって来ていた。
怖い、死にたくない、生きたい。
ラヴリカが死んだときは、引きずりつつもまだ平静でいられた。
仲間であるグラファイトが自分を激励してくれた影響もあるかもしれない
しかし今、そばに同胞の姿はなく、自分自身に死が、それも50時間というタイムリミット付きで突きつけられ、彼の心にはどうしようもないほどの恐怖が湧き上がって来ていた。
怖い、死にたくない、生きたい。
「はあ、はあ、はあ…!」
呼吸が荒くなる。
落ち着け。
本当に自分が感染したのなら、活性化する原因はストレス。
鎮痛剤が働いているとはいえ、過度のストレスはそれすらも突き破って身体を蝕むかもしれない。
落ち着け。
本当に自分が感染したのなら、活性化する原因はストレス。
鎮痛剤が働いているとはいえ、過度のストレスはそれすらも突き破って身体を蝕むかもしれない。
「すう、はあ…」
息を整える。
少しだけ、落ち着いた。
そして何度かの深呼吸の後、改めて今の状況について考えてみる。
まず、自分たちは殺し合いの為に集められ、参加者にはバグスターウイルスが付与された。
ウイルスの鎮痛剤は50時間しかもたなく、それを過ぎるとウイルスにより消滅…
少しだけ、落ち着いた。
そして何度かの深呼吸の後、改めて今の状況について考えてみる。
まず、自分たちは殺し合いの為に集められ、参加者にはバグスターウイルスが付与された。
ウイルスの鎮痛剤は50時間しかもたなく、それを過ぎるとウイルスにより消滅…
「…あれ?」
そこで、違和感に気づく。
そうだ、よく考えてみればおかしい。
まず、バグスターウイルスに感染したとしても、すぐには消滅しない。
バグスターウイルスには、手順というものがある。
まず発症後、ストレスなどにより病状が進行すると、自分たちバグスターが患者から分離する。
分離したバグスターは、ストレスの原因となるものを襲ったり壊したりして、患者のストレスをさらに高めて病状を悪化させる。
そして患者の病状が末期にいたり、患者の身体が消滅すると、バグスターは完全体となる。
そうだ、よく考えてみればおかしい。
まず、バグスターウイルスに感染したとしても、すぐには消滅しない。
バグスターウイルスには、手順というものがある。
まず発症後、ストレスなどにより病状が進行すると、自分たちバグスターが患者から分離する。
分離したバグスターは、ストレスの原因となるものを襲ったり壊したりして、患者のストレスをさらに高めて病状を悪化させる。
そして患者の病状が末期にいたり、患者の身体が消滅すると、バグスターは完全体となる。
「…生まれるはずの仲間は、どこへいった?」
最初の場所で男女が消滅した時。
その手前で、バグスターが分離して実体化するなどということは起きなかった。
あれほど早く消滅したとなれば既にどこかでバグスター本体は発生しており、自分たちは全員消滅寸前の末期状態ということも考えられなくはないが。
もしそうだとして、やはりどこにいるのか。
主催者に、捕らえられているのか。
バグスターが主催者に協力している、というのは考えにくい。
自分が参加者にいるからというのもあるが。
バグスターが完全体になるには、患者がウイルスによる消滅による死を迎えなくてはならない。
それ以外の原因で死ぬ者がほとんどであろうこの殺し合いはバグスターの利害と一致しないからだ。
その手前で、バグスターが分離して実体化するなどということは起きなかった。
あれほど早く消滅したとなれば既にどこかでバグスター本体は発生しており、自分たちは全員消滅寸前の末期状態ということも考えられなくはないが。
もしそうだとして、やはりどこにいるのか。
主催者に、捕らえられているのか。
バグスターが主催者に協力している、というのは考えにくい。
自分が参加者にいるからというのもあるが。
バグスターが完全体になるには、患者がウイルスによる消滅による死を迎えなくてはならない。
それ以外の原因で死ぬ者がほとんどであろうこの殺し合いはバグスターの利害と一致しないからだ。
もしバグスターが主催者に捕らえられ利用されているなら話は単純だ。
奴らから取り返せばいいだけなのだから。
しかしパラドは、もう一つ別の可能性に思い至っていた。
奴らから取り返せばいいだけなのだから。
しかしパラドは、もう一つ別の可能性に思い至っていた。
「まさか…あいつら、俺達をウイルスから引き離したんじゃないだろうな!?」
実体化した自分たちバグスターの肉体を、ウイルスという病原菌と分離して。
感染者を消滅させるという結果だけが残るウイルスを開発した。
かなり飛躍した考えかもしれないが、しかしもしそうだとしたら自分がウイルスに感染した理由にも説明がつくのだ。
つまり自分はウイルスという存在から分離させられて、人間と似たような存在となった。
だから、ウイルスに感染したのではないか。
感染者を消滅させるという結果だけが残るウイルスを開発した。
かなり飛躍した考えかもしれないが、しかしもしそうだとしたら自分がウイルスに感染した理由にも説明がつくのだ。
つまり自分はウイルスという存在から分離させられて、人間と似たような存在となった。
だから、ウイルスに感染したのではないか。
「はは、は……はははははは!!」
乾いた笑いが、こだまする。
勿論ここまでの考察は、今のところ根拠の薄い憶測にすぎない。
バグスターは捕らえられてなどいないかもしれないし、ウイルスと分離されたというのも見当違いの推論かもしれない。
しかし、もし事実であるとすれば…
勿論ここまでの考察は、今のところ根拠の薄い憶測にすぎない。
バグスターは捕らえられてなどいないかもしれないし、ウイルスと分離されたというのも見当違いの推論かもしれない。
しかし、もし事実であるとすれば…
「心が、滾るな…!」
主催者たちへの怒りを込めて、吐き捨てる。
どちらの考察が当たっていようと、自分たちバグスターは人間どもにいいように利用されたということで。
特に後者の考察が事実であったならば、自分たちバグスターのアイデンティティを奪われたことになり、捨て置けない。
そしてどちらの考察も外れていようと、自分をこんな目に遭わせた連中を許す気はない。
どちらの考察が当たっていようと、自分たちバグスターは人間どもにいいように利用されたということで。
特に後者の考察が事実であったならば、自分たちバグスターのアイデンティティを奪われたことになり、捨て置けない。
そしてどちらの考察も外れていようと、自分をこんな目に遭わせた連中を許す気はない。
それならば、どうするか。
悔しいが、パラド一人でどうこうできる相手ではない。
なにしろ向こうは、指パッチン一つでこちらの命を奪うことができるのだ。
参加者の中にグラファイトたちバグスターの仲間がいるかどうかも分からない。
悔しいが、パラド一人でどうこうできる相手ではない。
なにしろ向こうは、指パッチン一つでこちらの命を奪うことができるのだ。
参加者の中にグラファイトたちバグスターの仲間がいるかどうかも分からない。
「するしかないか…協力プレイ」
他の参加者と協力して、主催者たちを出し抜き、倒す。
元々仮面ライダークロニクルの為に黎斗と組んでいたことだし、利害の為に他の人間と組むことに抵抗はない。
そうと決めたパラドは、先ほど投げつけたリュックを拾い、中身の一つを取り出す。
元々仮面ライダークロニクルの為に黎斗と組んでいたことだし、利害の為に他の人間と組むことに抵抗はない。
そうと決めたパラドは、先ほど投げつけたリュックを拾い、中身の一つを取り出す。
「こいつは没収されてなかったか…」
ガシャットギアデュアル。
パラドが、仮面ライダーパラドクスに変身するためのライダーガシャット。
右に回すことでパズルゲーマーレベル50、左に回すことでファイターゲーマーレベル50に変身できる。
パラドが、仮面ライダーパラドクスに変身するためのライダーガシャット。
右に回すことでパズルゲーマーレベル50、左に回すことでファイターゲーマーレベル50に変身できる。
「待っていろよ、羂索。お前たちを倒して…ノーコンティニューでクリアしてやるからな」
主催者への怒りを燃やすパラド。
しかし、彼の心には未だ死への恐怖は消えていない。
今は怒りで目を背けていられているが、再びその恐怖に取り憑かれた時、彼は立ち上がることはできるのか。
しかし、彼の心には未だ死への恐怖は消えていない。
今は怒りで目を背けていられているが、再びその恐怖に取り憑かれた時、彼は立ち上がることはできるのか。
【パラド@仮面ライダーエグゼイド】
状態:死の恐怖、主催者への怒り
服装:人間体での服装
装備:ガシャットギアデュアル@仮面ライダーエグゼイド
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン
思考
基本:主催者打倒。同胞やウイルスを奪われているなら取り戻す
01:とりあえず協力プレイできる奴を探す
参戦時期:33話あたり
備考
※主催者が自分たちバグスターを捕らえているか、あるいはバグスターの肉体をウイルスから分離して、自分がウイルス感染しているのは後者により人間に近い身体にされたからではと考えています。
上記考察が事実でなかったとしても、どっちみちこんなことに巻き込んだ主催陣を許す気はありません。
状態:死の恐怖、主催者への怒り
服装:人間体での服装
装備:ガシャットギアデュアル@仮面ライダーエグゼイド
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン
思考
基本:主催者打倒。同胞やウイルスを奪われているなら取り戻す
01:とりあえず協力プレイできる奴を探す
参戦時期:33話あたり
備考
※主催者が自分たちバグスターを捕らえているか、あるいはバグスターの肉体をウイルスから分離して、自分がウイルス感染しているのは後者により人間に近い身体にされたからではと考えています。
上記考察が事実でなかったとしても、どっちみちこんなことに巻き込んだ主催陣を許す気はありません。
候補作058:黒のトリガー | 投下順 | 候補作062:龍翔リベンジャーズ |
時系列順 | ||
GAME START | パラド | 032:使いこなすCard&Energy!! |