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玲亜の色/七人の色 二話「金との遭逢」
その日の晩
結局自身の色が浮かばないまま時間が過ぎ
いつも就寝する時間が近くなっていた
いつも就寝する時間が近くなっていた
「どうしよう…明日までなのに理由どころか色までも浮かんでないよ…」
鼻の下と上唇の間に鉛筆を挟みタイヤ付勉強椅子でクルクルと回転しながら未だ宿題に悩んでいた
「赤、青、黄、緑、オレンジ、紫、藍色、白、ピンク…」
ブツブツと色を出していくがどれもピンとこない
自分らしいとは言い難かった
自分らしいとは言い難かった
「あーん!わかんないよー!」
自身の髪をグシャグシャとかき乱し
とぉ!っとベッドへとダイブする
とぉ!っとベッドへとダイブする
「私、そもそも自分がどんな性格かもわかんないや…」
考えれば考えるほどわからない…
というか、お布団の上に来たらちょっとうとうとしてきた…
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「――――――え?…」
気が付くと先ほどまでいた自分の部屋ではなく
周りに建物もない
そして雲一つない快晴の見渡す限りの草原に立っていた
「えぇえええええ!?ここどこ!?え!?」
先ほどまで自室で宿題に悩んでいたはずなのに
何がどうなっているのかさっぱりわからない状況にただただ戸惑うことしかできなかった
何がどうなっているのかさっぱりわからない状況にただただ戸惑うことしかできなかった
「まてよ…確かベッドに横になってうとうとし始めたから…」
自身の直近の行動を振り返る
「ひょっとして、夢?」
きっと夢だ!そうに違いない!と自分の中で納得させようとした
その時だった
「グルルルル…」
?
ぐるるるる?…
突然今度は後ろから動物のうなり声が聞こえた
玲亜は少しずつ頭から恐る恐る振り返る
玲亜は少しずつ頭から恐る恐る振り返る
「グワン!」
「ひぃ!」
振り返った先に居たのは一般の人が想像するような大型犬のさらに倍の大きさの獣が玲亜にうなり声を上げていたのだ
「でっか…」
"先ほど見渡した時には確かに居なかったはずなのにどうやって現れたのか"
「というか…絶対怒ってるよね…これって…」
という疑問より逃げなければという思いしかなかった
まずそっと逃げようと片足を浮かせ後ろにもっていこうとする
が
「グルルルル!…」
玲亜が逃げようとしていることを察知しうなり声を強くする
「どうしようどうしようどうしよう!…」
焦る玲亜に対し獣は玲亜を逃がすまいと一歩一歩近づきだす
「ひっ…」
するとポタポタと獣の口から涎が出てきた
「っ!」
その光景を見て食べられる!という恐怖と少しずつ近づいてくる獣の恐怖に耐えきれなり玲亜は思わず獣に背を向け全力で駆け出してしまう
「グワン!」
当然獣はそれを許すはずがなく玲亜を追いかける
「(だめだやっぱり追いかけてくるし早い!)」
小学生の走るスピードと四足歩行の大型の獣のスピード
どちらが早いかなど考えずともわかる
「(だめだ!もう追いつかれちゃう!)」
「誰か…誰か助けて!」
獣と玲亜の距離が目と鼻の先になったその時だった
「【炯然斬】!」
ドオオオオオオオオオオオオオン!
突然後ろから轟音が鳴り響き気付いたら玲亜の体は宙を舞っていた
「うわああああああああ!」
そのまま叫び声を上げ成す術なく地面に勢いよく叩きつけられてしまう
「うぅ…」
体中あちこちが激痛でただうずくまって堪えることしかできない
「ごめんなさい!今すぐ治しますからもうちょっとだけ耐えてください!」
突然誰かが話しかけてきた
誰かが話しかけてきたのはわかったが体中の激痛のせいでなんていっているかどんな声だったかもわからない
どうして夢なのに痛いの…私がちゃんと宿題やらなかったから?…
後悔が頭から出てくる
もっとあの時ああしてればこうしていればそんな後悔ばかり
もっとあの時ああしてればこうしていればそんな後悔ばかり
と考えていたのも束の間
「あれ?…」
"体中の激痛がなくなっていく"
堪えるのに必死で瞑っていた目を開ける
すると玲亜の前には金髪で目が青色とピンク色のオッドアイで玲亜と身丈がほとんど変わらない少女が居た
周りを見渡すと黄色の球体のようなもので自分が覆われていることに気が付く
周りを見渡すと黄色の球体のようなもので自分が覆われていることに気が付く
「ごめんなさい…助けるのに必死であなたまで吹き飛ばしてしまって…」
金髪の少女がそう言う
よく見ると彼女の右手のひらから黄色の球体が出てきていた
よく見ると彼女の右手のひらから黄色の球体が出てきていた
もうすっかり体中の痛みはなくなりむしろ軽くなったかのように良い気分だった
「もう大丈夫でしょう。立てますか?」
「あ、はい。ありがとう…ございます。」
お礼を言い慣れてないのか少し照れ臭そうに言う玲亜
「それより、貴方…"どうやってここに来たんですか"?」
「どうやってと言われても…気が付いたらここにいて、いきなりさっきの狼みたいなのが出てきて襲われて…」
自分に起こったことをありのまま説明する
「そうでしたか…やはり"ここの力も弱まっているようですね"…」
なにを言っているのかわからず思わず首をかしげる玲亜
「あっ、申し遅れました。私は■■■■と申します。」
なぜか大事な部分なだけ聞き取れずさらに険しい表情をする
「えっごめんなさいもう一度お願いします。」
すかさず聞き直そうとする
するとなぜか彼女はにこりと笑みを浮かべ
「その必要はありません。すぐに会えますから」と告げる
「えっ、それってどういう!…」
もっと色々聞きたいことがあるのに
だんだん目の前が真っ暗になる
だんだん目の前が真っ暗になる
最後に聞こえたのは
貴方の色、とっても素敵ですよ
というささやきだった
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