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  • セブンスカラー 第十話 交錯する想い

創作女児小学生ズ@wiki

セブンスカラー 第十話 交錯する想い

最終更新:2020年07月15日 12:43

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だれでも歓迎! 編集
セブンスカラー 第十話 交錯する想い
更新日:2020/07/15 Wed 12:43:21

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セブンスカラー 紫水龍香 魔龍少女



あらすじ

今回のあらすじ担当の火元です。前回は最凶のシードゥストゥバンの襲来により雪花ちゃんは重症を負い、龍香ちゃんも暴走形態で応戦するものの力及ばず親友のかおりちゃんを連れ去られちゃいました!
いよいよ本腰を入れたシードゥスの圧倒的力の差にまさしく絶体絶命!どうなる第十話!



「それで。被害はどれ位かしら。」
「最悪ね。」
山形の問いに風見が溜め息をつきながら答える。
トゥバンとの死闘の後、龍香、藍、嵩原は何とか生きて帰れたものの状況は酷いものであった。
「リコピンは体力の消耗が激しすぎて今は眠ってるわ。タカミーもあれから部屋に籠ってるし、強がってはいるケド負担はやっぱりスゴいみたい。まぁ、それよりも一番深刻なのは...」
風見は悲しそうに、ちょっと言いづらそうに口をモゴつかせるが声を絞り出すように言う。
「ユッキーね。左目負傷、右手は軽度の火傷、右脇腹に切り傷、今も目を覚まさないわ。“デイブレイク”も補修テープとかで応急措置をして戦線復帰出来るよう修理中だけど、どう見積もっても前線には出せないわ。」
「...藍はもう今回は戦闘に参加不可能ね。しかも人質を取られてて今動けるのは黒鳥君だけ...」
「マイマイが今は看病してるワ。」
「まさしく絶対絶命...ね。」
これ程までに追い詰められたのは二年前以来だ。流石は因縁の相手と言うことか。
「何にせよ、黒鳥君には単独で行動するのは控えさせて。龍香ちゃんが回復次第二人で連携を取ってあの怪物と戦って貰うわ。」
「了解したわ。」
山形の指示に風見は了承すると自分の作業場に戻って行く。一人残った山形は溜め息をつくと自分の持ち場に戻って行くのであった。










黒鳥は今嵩原の部屋の扉の前にいた。嵩原に呼ばれた黒鳥は何の用か疑問に思いながらも、恐らく龍香のカバーなどの話であろうと思い扉をノックする。
「嵩原さん。黒鳥です。」
「入ってくれ。」
扉の向こうから声が聞こえ、黒鳥はそれを聞いて部屋に足を踏み入れる。部屋の中にはやはり、嵩原が椅子に座って黒鳥を待っていた。笑みを浮かべているものの顔色は悪そうに見える。
「嵩原さん。具合の方は...」
「藍君に比べたら軽傷だよ。全く肝心な時に何もしてやれない自分が嫌になるね...。」
「いえ!嵩原さんがいなかったら藍の命は...」
嵩原の自虐を聞いて黒鳥が励ます。嵩原はしばらく笑みを浮かべていたが、黒鳥に向き直ると途端に表情が一変する。
「君を呼んだのは他でもないよ。今、“新月”の懐事情が厳しいのは君も知っているだろう?」
「えぇ。資金援助を失って、残った資材をやりくりしてますからね。」
「そうだ。けど本格的に戦い始めて二週間でもう僕達は苦しいところまで追い詰められた。このまま戦っても徐々に不利になっていくのは目に見えている。」
嵩原の目に黒鳥は何か危険なモノを徐々に感じ始める。それでも嵩原は続ける。
「となると今すぐ打てる手は一つ。心苦しいが...、」
嵩原は目を閉じ、まるで決意を固めるように言う。
「龍斗君を社長の座から引きずり落とす。本来は冴子さんに頼むつもりだったけど流石に彼女は警戒されているからね。」
「嵩原さん。何を...するつもりなんです。」
嫌な予感がした黒鳥が尋ねる。嵩原はそんな黒鳥に告げるように答える。
「僕があの会社に潜入してデータを洗う。大分派手にやっていたからね。証拠はあるハズさ。」
「で、でもあそこはもう敵の本拠地ですよ!?そこに単身突っ込む気ですか!?それに山形さんがそんな事認めるハズがない!」
自殺行為に等しい事を言う嵩原に黒鳥は思わず声を荒げる。とても正気とは思えなかった。
「そうだね。山形さんは認めなかった。けど今やるしかないんだ。それが今出来るのは僕だけだ。」
「...なら、なんでそれを俺に言うんですか...」
「...今僕を止められるのは君一人だけだ。僕がいないことに気づけば山形さんは君を差し向けるだろうね。」
嵩原は厳しい顔のまま一拍おいて、語り出す。
「僕は二年前からずっとあの日に囚われたままなんだ。あの日のことが僕を苛ませ続ける。龍那さんとの約束を守れなかったあの時からね。」
「龍那...?」
「龍香君のお母さんさ。僕が約束を守れていれば龍香君はお兄さんを、藍君はお姉さんを、そして君は緑山君を失うことはなかった。」
「!!...アイツが死んだのは、嵩原さんのせいじゃ...」
「サダルメリクからも目を受け取っていながらこのザマだ。...もうこんな思いはしたくない。だから、君にお願いするんだ。」
嵩原の真摯な瞳が黒鳥を見つめる。止めなければ、そうしなければならないと頭では分かっている。ここで止めなければみすみす死にに行かせるようなモノだ。今ここで嵩原を失っては...。黒鳥の手が震える。
「俺は...俺は...」
「...頼む。約束を守らせる最後のチャンスを僕に与えてほしい。」
嵩原の瞳に黒鳥の心が決まる。黒鳥は呟くようにか細い声で言う。
「...必ず生きて帰ると約束して下さい。」
「...あぁ。約束するよ。」
嵩原の言葉を聞いた黒鳥は部屋を出る。だが出る直前に嵩原に。
「...死んだら許しませんよ。」
「...分かっているよ。」
黒鳥は扉を閉める。残された嵩原はフッと自嘲気味に笑うと独りごちる。
「死ねない理由が出来た...か。」













「うん...」
ようやく意識を取り戻したかおりが唸ると眼を擦りながら身体を起こす。目を覚ましたかおりが辺りを見回すと、どうやらそこは廃工場のようで、自分が少し薄汚れたソファーで寝ていたことに気づく。
「お、目が覚めたか。」
「えっ、キャァッ!化け物!?」
奥の方からのそっと、自分を気絶させた龍のような怪物が現れる。怪物の出現にかおりは悲鳴を上げてソファーから転げ落ちる。
「心配すんなよ。取って食いやしねぇって。」
怪物は怯えるかおりの目の前に何か湯気を立てる茶色の液体が入ったカップを置く。そのカップからは甘い香りが漂う。
「ほれ、飲めよ。人質に死なれちゃ困る。」
「....」
「毒なんて入ってねぇって。普通のこ、えっとなんだったか。こ...こ...?」
「ココア?」
「そう、ココアだ。飲みくさしで良いなら毒味してやっても良いぞ。」
「の、飲むわよ」
かおりはカップを手に取ると一瞬躊躇った後、意を決して飲む。口一杯に広がる甘味。どうやら嘘ではないらしい。
「そーそー、人からの親切は素直に受け取るモンだ。」
「...龍香と雪花さんもここにいるの?」
トゥバンにかおりが尋ねる。
「いや、ここにはいない。だが、オマエを取り返しにここに来るだろうな。それが狙いでもあるんだが。」
「...警察の人に言うと思うけど。」
かおりの返しにトゥバンはキョトンとした後大笑いし始める。急に笑い始めたトゥバンにかおりはギョッとする。
「警察!そうか警察かいたなそんなのアハハハハハ!」
「な、何が可笑しいのよ。」
かおりの話がツボに入ったのかトゥバンはドシンと座り込むとかおりに視線を合わせながら面白がるように言う。
「警察じゃ俺は倒せんぜ。それにアイツは必ず来る。何せアイツの兄を殺したのは...俺だからな。」
「貴方が...龍香のお兄さんを...」
かおりが絶句する。目の前にいる自分を拐った怪物が親友の心に深い傷を負わせた元凶なのだ。
「だからアイツは来る。俺を殺しに。オマエを取り返しにな。楽しみだハハハハ。」
「.....何笑ってんの。」
「ん?」
次の瞬間トゥバンの頬に平手打ちが炸裂する。
「...やめとけ。お前が痛いだけだぞ。」
トゥバンは殴られた頬を擦りもしない。現代兵器が通用しない表皮なのだからただの小学生の平手が効く訳がない。
だがかおりは痛みと恐怖に涙を流しながらもトゥバンを睨み続ける。先程までトゥバンに怯えていたとは思えない程だ。
「何笑ってんのよ!アンタのせいで...龍香がどれだけ傷ついたと思ってるの!?どれだけ悲しんで...怖がって...今度その事で笑ってみなさい!アンタを絶対に許さないんだから!」
「....。」
トゥバンはかおりを一瞥する。殺そうと思えば簡単に殺せる。だが自分の殺気に気絶し、怯えていた少女が友のために自分より遥かに強い相手に対して怒り、真っ向から立ち向かってくる。今までに遭遇したことがないタイプにトゥバンは好奇心を抱く。
「そうか。許さんか。」
トゥバンはそう呟くとスクッと立ち上がるとかおりを見下ろす。怯えながらもこちらを睨み付ける視線をトゥバンは受け止め、胸に指を当ててかおりに言う。
「その心地よい怒り、気に入ったぞ。なら俺をいつか殺しに来い。いつでも受けてやるよ。」
トゥバンはそう言うと部屋から出る。部屋から出たトゥバンは扉を一瞥するとフッと自嘲気味に笑う。
「他人のために怒れる人間...か。」
「トゥバン。いいですか。」
「なんだよ珍しく感慨に耽ってたのによ。」
ゲンマがトゥバンに話し掛けてくるとトゥバンは若干煩わしそうに返す。
「高速でこちらに接近してくるものを感知しました。」
ゲンマのその言葉にトゥバンはピクリと反応した後、先程とは打って変わって嬉しそうになると薙刀を取り出し肩に担ぐ。
「来たか!」











「山形さん!大変です!」
火元が慌てて山形の部屋に駆け込んでくる。その慌て具合に山形は嫌な予感を覚える。
「どうしたの?」
「り、龍香ちゃんが消えました!」
「何ですって!?」
山形は立ち上がって、歯噛みする。恐らく消えた先は予想がつく。山形はすぐに指示を飛ばす。
「黒鳥君に行かせて!行き先は恐らく廃工場よ!」
「りょ、了解!」
火元はすぐに部屋から出ると黒鳥のいる場所へと駆けていく。山形は額を押さえながら壁に寄りかかる。
「全く...どいつもコイツも...死に急ぐんじゃないわよ...。」












社長室。完全に閉めきり、外部からの介入が不可能となった密室で龍斗の前に一人の女性と二体の怪物がいた。
「...なんだって擬態もなしにここに来たんだ。誤魔化すこちらの身にもなってくれ。」
「本来なら俺も来たくはない。だがプロウフの指示だから来た。」
「....。」
細長い身体に弓矢を装備した怪物、ルクバトと全身に円形の装飾物をつけた水晶のような一つ目の怪物、フィクスの隣にいる女性、擬態したアンタレスが代わりに答える。
「擬態能力を持つ者は少ないのです。彼らはしたくても出来ないんですよ。」
アンタレスの解答にふーんと龍斗は答える。
「それにしてもなんだってお前らをボスは派遣したんだ?」
「残念ながら龍斗様。貴方が従兄弟の龍香ちゃんの正体を見破ったと言うことは相手もこちらの関係に薄々感づいた事でしょう。ここのデータを抜き取られるのは何としても避けたい。だからこそ彼らをお呼びしたのですよ。」
「強いのか?」
「えぇ。ルクバトは我ら幹部の一人、そしてルクバトとフィクスのコンビからは生きて逃げることは不可能ですよ。ですがいいのですか?」
「何がだ?」
アンタレスは龍斗に対して意地悪そうに尋ねる。
「ご自身の可愛い身内を二回も殺すことになりますが。」
アンタレスの問いに龍斗はしばし黙った後顔を伏せて呟くように言う。
「...もう。いい。今更一回も二回も変わらん。どうせアイツが真実に近づけば殺さざるを得んのだから。」
「あら、そうですか。」
「なんだか知らんがそういうことなら早速仕込みを行わせて貰うぞ。」
ルクバトが指示するとフィクスは龍斗のデスクに近づくとグワシとパソコンを掴む。
「お、おい何を。」
フィクスは無言で掴んだ腕から光を放つ。するとパソコンに妙な円形の機械のような物が付着する。
「な、なんだこれは。」
「デコイセット完了。」
「いや、喋れんのかよ。」
フィクスは仕事は終わったとルクバトの隣に戻る。
「これで龍斗様以外がそのデスクに触れるとマーキングされ、マーキングしたものをフィクスが何処までも追跡可能になると言った代物です。」
「そしてそれを俺が狙い撃つと言った算段だ。」
ルクバトの言葉に龍斗は疑問を浮かべる。
「ホントに出来んのか?」
「出来る。」
ルクバトは自信たっぷりに即答する。
「俺とフィクスのコンビから逃げることは不可能だ。例えカノープスが相手でもな。」




















《おい龍香。やっぱ一旦黒鳥の奴を待って合流した方が良いんじゃないか?》
「何言ってるの!?かおりを早く助けなきゃいけないでしょ!?」
意識を取り戻した龍香は部屋を飛び出るとヴェロキカラーになり、素早く山道を駆けていた。
トゥバンは手を出さないとは言っていたが兄を殺した相手を何処まで信用出来るか。
一刻も早くかおりを助けることで頭がいっぱいいっぱいだった。
《勝算はあるのか?俺達はプテラ、ヴェロキを除いて奴には通じない事が分かっているんだぞ。》
「勝算は...あるよ。」
トゥバンは恐ろしい相手だ。正直龍香はプテラ、ヴェロキでは敵わない相手だと直感的に悟っていた。そんな龍香が取れる選択肢は一つ。
「あの力に賭けるしかない。カノープスもそれは予想してたでしょ?」
《それは...そうだが。》
だが、その力は未知の部分が多い諸刃の力。賭けるにはあまりにリスクが大きい。
「今の私達はあの力だけが希望なの。...お願いカノープス。私のワガママに付き合って。」
《....しようがあるまい。》
「...ありがと。」
そうしている間に龍香は廃工場に到着する。そしてそれは相手も分かっていたようで、かおりを連れたトゥバンが待ち構えていた。
「よく来たなカノープス!嬉しいぜ!」
「約束通り来たわ!早くかおりを返して!」
「いいとも。俺は約束を守る男だ。」
トゥバンはトンッとかおりを軽く押す。かおりは一瞬トゥバンに振り返るが、すぐに龍香の元へと駆け出す。
「あ、ありがとうございます。」
「後ろへと隠れてて!」
龍香はかおりを後ろの木に隠れるように指示するとトゥバンに向き直る。本当ならかおりの無事を確認したいが眼前の敵の前でそんな悠長な事は出来ない。
龍香は決意を決めると叫ぶ。
「カノープス!最初から全力で行くよ!!」
《ああ!》
龍香の瞳が赤く染まり、尻尾を生やした暴走形態へと姿を変貌させる。
「最初から全力か!思い切りが良い!」
トゥバンも薙刀を構える。暴走形態へと変貌した龍香はトゥバンに向かって一気に駆け出す。
「バアアアアアアアアアアア!!」
吼えながら龍香は凄まじい速度でトゥバンに蹴りかかる。
「ハハッ!コイツは良い殺気だ!」
トゥバンはその一撃を薙刀で受け止める。だが龍香の勢いは止まらず薙刀を足場に顔面に掴みかかる。
「何度も!」
トゥバンは薙刀から手を離し、龍香を捕らえようと掴みかかるが龍香は尻尾でトゥバンを叩いて後ろへと跳躍して拘束から逃れる。
「ウウウウウウウウウウウ!!」
「ハハッ!コイツはそうだな。」
トゥバンは薙刀をポイと捨てると拳を構える。
「こっちの方が都合が良いか!」
龍香は再びトゥバンに向けて駆け出す。だが今度はトゥバンも龍香へと向けて走り出す。
「ガアアアアア!」
龍香が拳を繰り出すがトゥバンはそれを冷静に避けると肘打ちを龍香に叩き込む。
「ガッ!」
怯んだ隙に龍香に対して今度は思い切り蹴りを叩き込む。龍香の身体が宙を浮く。その隙にトゥバンは龍香の頭を掴むと地面に叩きつける。
「たまにゃステゴロもイイモンだな!」
「ウウウウウウウウウウウ!!」
だが龍香は負けじとトゥバンの腕を足を絡ませて掴むと尻尾をトゥバンの首に巻き付け思い切り引っ張ってトゥバンを地面へと叩きつける。
「ぐおっ!」
「バアアアアアアアアア!!」
トゥバンを倒した龍香はそのまま腕ひしぎ十字固めでトゥバンを拘束する。渾身の力を込めた拘束にビキビキと嫌な音を立ててトゥバンの装甲にヒビが入る。
「カッ、アッハッハッハッ!!まさかここまでやるとはな!だがッ!」
トゥバンも吼えながら無理矢理立ち上がると腕を固めている龍香を持ち上げる。
「オオオオオオオオオオ!!」
トゥバンはそのまま龍香を地面に叩きつける。
「グゥッ!」
「サァッ!離さねぇと死んじまうぞ!」
トゥバンは再び腕を振り上げ地面に叩きつける。龍香の全身に再び痛みが走る。だが叩きつけたのにも関わらず龍香は手を緩めない。
それを見たトゥバンがさらに力を入れて龍香を叩きつけようとした瞬間だった。
龍香は足の拘束を緩めて身体を捻って足を腕から首と胴体に絡ませると尻尾も使ってトゥバンを再び地面へと叩きつける。
「んなッ」
予想外の反撃に龍香の顔を掴んでいたトゥバンの拘束が緩む。その隙を逃さずトゥバンの拘束を逃れると素早くポジションを変えてトゥバンの腕に乗るような位置を取ると腕を逆方向へと固める。
「ぐっおっ、オオオオオオオオオオ!!」
トゥバンの腕が悲鳴を上げる。完璧な関節技にトゥバンは思わず舌を巻く。
(チッ、やられたぜ。しょうがねぇ腕の一本はくれてやる!だが俺の腕を折った瞬間反撃に出てやる!)
「バアアアアアアアアアアア!!」
龍香が吼える。このまま力を込めてトゥバンの腕をへし折ろうとした瞬間だった。
プッと何かがキレる感覚。龍香の鼻腔を鉄の匂いがくすぐる。そして何かが自分の鼻から垂れる。
赤黒い粘度のある液体が地面に落ちる。それは血だった。
「ガッ....!?」
そして全身から力が抜ける。脱力した龍香はそのまま地面へと倒れる。
「????」
立ち上がろうとするが身体に全く力が入らない。モゾモゾと芋虫のようにのたうつだけだ。
《限界か!?》
「...なんだと。」
力を失い倒れた龍香から腕を解放されたトゥバンは立ち上がると、もはや満足に立つことすら出来ない龍香を見下ろす。
「...つまらん幕引きだな。腕の一本を失うかと思ったんだがホントに残念だ。」
トゥバンは薙刀を広い上げ、龍香の心臓の部分に狙いを定める。
「まぁここまで楽しませてくれた礼だ。せめて苦痛を感じる間もなく逝かせてやろう。」
《ヤバい!おい!トゥバン!目的は俺だろ!俺を殺せ!龍香に手を出すな!》
「カノープス。ソイツは出来ない相談だ。死力を尽くした相手は敬意を持って仕留めるのが俺のポリシーなんでな。」
カノープスの懇願も虚しくトゥバンが薙刀を振り上げ龍香に突き刺そうとした瞬間だった。
「ッ!?」
トゥバンが途端に苦しみ始める。薙刀を落とし、頭を抱えて悶える。
「ぐっ、うぉ!?お、おおおおおおお!?」
《な、何だ!?》
トゥバンの突然悶え始めたことに困惑する中、トゥバンから声がする。それはノイズ混じりであるが確実にトゥバンとは違う声であった。
「か、カノープス...龍...棚...07..0..9」
《な、何を...!!》
トゥバンから聞こえてきた声にカノープスの記憶の一部が呼び起こされる。
《こ、この数字は...》
「何をしているのですトゥバン!」
奥の方からゲンマが出てくる。どうやらトゥバンの様子がおかしいとゲンマも分かったようでこちらに近づいてくる。
《や、ヤバい!おい、龍香!歩けるか!?》
カノープスが逃げようと龍香に呼び掛けるが龍香は身体への負荷が凄まじかったのか再び気を失ってしまう。そのせいで龍香の変身が解ける。
《ま、マジか!?》
「えっ....」
その様子を木から隠れて見ていたかおりが自分を助けてくれた少女の正体が親友の龍香であることに衝撃を受ける。
「り、龍香が...何で...い、いや!」
かおりは木の陰から駆け出すと動けない龍香を抱えて一緒にこの場から逃げようとする。
「龍香!大丈夫!?」
《な、何してんだ!?》
かおりは龍香を抱えて逃げようとするが流石に意識を失った少女一人を抱えて逃げる筋力があるハズもなく、動かすのにも手間取る。
《お、おい!無理だ!お前だけでも》
「嫌!龍香を見捨てるなんて出来ない!私と龍香は友達なんだからー!」
かおりに気づいたゲンマはその意図に気づくとそうはさせないと光弾を放とうとした瞬間。上空から無数の黒い羽根が降り注ぎ、ゲンマを牽制する。
「な、何!?」
そして上空から猛スピードで急降下する影があった。黒翼をはためかせた黒鳥だ。黒鳥は勢いそのまま龍香とかおりを抱えるとその場から飛翔して一気に離れる。
「きゃっ!」
「龍香ちゃんは無事かカノープス!」
《遅いがナイスタイミングだ黒鳥!》
「掴まってろ!取り敢えずここから離れる!」
黒鳥は加速して廃工場から離れる。ゲンマは苦し紛れに光弾を放つがそれらは届く前に黒鳥達は射程外に出てしまい届くことはなかった。
「く、クソーッ!トゥバン!何をやっているのです!」
「ぐぅ、ウオオオオオオ....!」
トゥバンは頭を抱えながら膝まずく。そしてしばらくもがいた後、荒げた息を整え立ち上がると苛立ち紛れに近くの木を叩く。
「おいゲンマ!前アルレシャの野郎が行った山の位置を教えろ!」
「は、は?何故そんなことを...と言うより貴方さっきのは」
「良いから教えろ!!」
困惑するゲンマにトゥバンは頭を押さえながら怒鳴る。どうやらそろそろ“限界”らしい。だが、それよりも戦いをまたもや“邪魔”された怒りが彼を動かす。
「俺に残された時間は少ないって事か...!!」




















「で、一体どういう事なの?何で龍香が...」
《あー、それはだな...。》
「って言うかヘアアクセサリー喋ってるし!!」
《今かよ!!ってまぁ突っ込んでる場合でも無かったなしな。うん。》
「まぁまぁ...。」
《何処から話したモンか...。》
龍香が眠る病室で一緒に連れて来られたかおりが事態の説明を求める。それに対してカノープスと火元は一連の流れを見られたし、もはや隠す意味はあるまいと全てをかおりに説明する。
その話を聞いてかおりは今も眠る龍香の寝顔を見つめる。
「龍香...ずっと戦ってたんだ...。」
《ああ。もうこの際だから言うがオマエが河原で見たと言った巨人。あれを倒して助けたのも龍香だ。》
「やっぱり夢じゃなかったんだ...。」
あの笑顔、龍香は自分を巻き込まないよう気を遣っていてくれたのだ。あの怪物関連になると言い淀む不自然な態度もに合点がいかなかったが事情を知ると説明がつく。
「...馬鹿ね。誤魔化すのホント下手なんだから。」
「そうね。ホント馬鹿だわ。」
「え?」
声がした方を振り返ると左目に眼帯をし、右腕に包帯を巻いた雪花がいた。
「ゆ、雪花さん?」
「全く、一般人に正体晒すなんてね。」
「い、いや。その怪我...」
「あぁ。気にしないで。万倍にして返してやるから。」
「あ、藍ちゃん。まだ安静にしてなきゃ。」
火元が藍に言うと藍はフンと鼻を鳴らす。
「全然平気よ。アイツをぶっ潰す策を思い付いたから風見と林張の奴と話し合いたいんだけど。」
そう言うと雪花は部屋を出て風見と林張を探しに行く。そんな雪花を見ながら火元はプリプリと怒る。
「あ、もう。」
「あら?藍がさっき出ていったけどもう良いの?」
雪花と入れ替わるように山形が入ってくる。山形はかおりを見ると軽く会釈をする。
「あら。貴方が龍香ちゃんのお友達ね。初めまして山形です。一応ここのリーダーやらせて貰ってるわ。」
「あ、桃井かおりです。」
「良い名前ね。ところで火元。龍香ちゃんの容態は?」
「身体への負担が凄いですわ。しばらく目は覚まさないでしょう。」
かおりも会釈し返す。山形は火元に龍香の容態を聞く。二人が話す中でかおりはカノープスに話し掛ける。
「...ねぇ、アクセサリーさん。」
《何だ嬢ちゃん。あと俺はカノープスな。》
「私に、何か出来ることはない?私、龍香に三回も助けて貰ったわ。だから今度は龍香の力になりたいの。」
《出来ること、かぁ。》
カノープスはしばし考え込んだ後、山形に話し掛ける。
《おい山形。》
「あら、何かしら。」
《一人、手の空いてる奴を寄越せ。この状況を打開出来るかも知れん物を取りに行く。》
















「で、何で俺まで呼ばれてんだ。」
「良いじゃない。アンタも龍香に助けられたでしょ?」
「まぁそうだけど...と言うか龍香があの少女だったのか。...そー言われると確かに、って感じするなぁ。」
かおりの言葉に藤正が返す。そう、かおりに言われて来た藤正は最初こそ文句を言っていたが龍香のためであると言われた瞬間すぐさまやる気になった。
「藤正君、龍香ちゃんの事好きなんでしたっけ?」
「いい!?何で知って...!?」
流石に子供二人に行かせる訳にはいかないと念のため一緒に来た火元の言葉に藤正は顔を赤くする。
「うふふ。ホントに好きなのね。じゃあ頑張ってカッコいいとこ見せなきゃ。」
「う、うっす。」
《お喋りはそこまでにしとけ。今から入るぞ。》
かおりに握られているカノープスが喋る。
「えっ、あれこれ龍香のヘアアクセじゃねーか。って言うか喋った!?」
《うるせー。さっさと行くぞ。》
「しかもなんか冷たいんだけど!?」
そうこうしながらも三人はとある廃墟にたどり着く。草影や木々に隠れて良く見えなかったが近くまで来るとかなり長い年月放置されたモノと見受けられる。
「ここは...」
《龍賢の奴が残してた別荘...と言うか隠れ家だな。流石に二年も誰も来なけりゃ荒れもするか。》
「ここに龍香の力になれるモノが...?」
《あぁ。俺もさっき思い出した。》
「ホントに大丈夫かよ...まぁ行こうぜ。」
「そうね...!いけない隠れて!」
火元は何かに気づいたようでかおりと藤正を木の陰に隠す。
「な、何です?」
突然の行動に二人が困惑する中火元はシーッと指を唇に当てて黙るようにジェスチャーをする。
「家の中に、報告にあった黒い影がいます。」
火元は太腿のホルスターから拳銃を抜き取って構える。安全装置を外し、すぐに撃てるように構える。
「ど、どうします?」
《まさか先手を打たれてたとはな...》
「...二人とも。私が相手の注意を引き付けますのでその隙にカノープスの指示に従い目的の物を手に入れて下さい。通信機と、護身用の警棒も渡しますので目的のモノを手に入れたらすぐに連絡を入れて下さい。」
「は、はい。」
「わ、分かりました。」
流石に緊張する二人に火元は笑みを浮かべてポンと肩に手を置く。
「藤正君。男の子だからかおりちゃんを守ってあげて。かおりちゃん。龍香ちゃんのために勇気を出してね。カノープス。頼んだわよ。」
《任せろ。》
「じゃあ。また生きて会いましょう!」
そう言うと火元は物陰から飛び出し黒い影目掛けて拳銃を撃つ。銃声が響いて何かが倒れる音がする。それと同時に家から数体の黒い影が現れ火元へと向かっていく。
「こっちに来なさい木偶の坊!お姉さんが遊んであげる!」
銃声が木霊し、物音が遠ざかっていく。それを見た藤正とかおりはごくりと息を呑む。
「は、始まった...!」
「俺に任せろ。アイツら位シバいてやるよ。」
《よし...行くぞ!》
カノープスの指示で二人は家に突入する。三人の決死の作戦が幕を開けた。



















「にしても雪花ちゃんも無茶を言うッスね。“ヘオース”による超遠距離射撃であの怪物を仕留めるなんて。」
「“デイブレイク”の損傷具合からしてまぁ接近戦は無謀だから順当っちゃ順当だケド。」
林張と風見は作業をしながら話す。雪花の所持する武器の中で唯一効果があった“ヘオース”を基地の電源に直接接続出来るように改造を進める。
その作業風景を見ながら山形と黒鳥は今後の作戦について議論し合う。
「つまり、俺が藍の射程圏内にシードゥスを誘い込み、藍が長距離射撃で相手を仕留める、って算段ですね。」
「藍のサポートはこちらでするわ。貴方は常に正確な位置情報をこちらに伝えて。」
「分かりました。」
山形は計画を進めて行く中でふと、ある事に気づく。
「ところで黒鳥君。嵩原を知らない?部屋にもいなかったから何処かに行ったみたいなんだけど。」
「買い出しに行ってくるとか言ってましたよ。」
「あらそう。甘いもの買ってきてくれたら嬉しいんだけど。」
「そうですね。」
山形の嘘をつきながら黒鳥は冷や汗を流す。嵩原の事を山形だけには知られる訳にはいかない。知られれば確実に自分を向かわせるだろう。
「ん?」
そんなことを考えていると黒鳥の肩に1羽のカラスが止まりカァカァと鳴く。その言葉に黒鳥は目を丸くし山形に向き直る。
「山形さん。シードゥスがここの近くに現れたみたいです。」















日が沈み、漆黒が辺りを包み込み、建物の明かりが薄ぼんやりと照らす中、一人の男が町を駆けていく。
そしてその男はとある会社の前で止まる。
「....やるしかない。」
男...嵩原は会社へと潜入する。素早く移動し、裏の窓に近づくと素早く刀を抜刀し、小さな円を描くように切り抜いて取り外すと素早く手を突っ込んでる鍵を外して開けるとスッと侵入する。
そしてその部屋から廊下に出ると至るところにある監視カメラに嵩原は気づく。
「中々警戒心が高いね龍斗君。だけど。」
嵩原は素早く監視カメラの死角を素早く行き来して、写らないように移動する。そしてカメラがない非常階段に駆け込むと嵩原は社長室がある上階へと向かっていく。
何時、どこからシードゥスが仕掛けてくるか分からない恐怖と戦いながら進んでいく。
「...」
そして嵩原の警戒に反して特に何も起こる訳でもなく難なく社長室に辿り着く。
「....どういう事だ?」
嵩原は若干拍子抜けしながら社長室に入ると机の上にあるPCに近づき、USBを取り出しそのPCに触れる。
触れた瞬間ピリッとした感触が嵩原を襲う。だが嵩原は静電気か、と思い直すとPCを立ち上げ右目に着けた三つの目を持つ仮面を付け、PCを見る。
「さぁ。頼むよサダルメリク。」
三つの目がギョロギョロと動きPCを見つめる。そして嵩原はハッキングシステムをPCに打ち込む。
するとPCが起動する。PCを起動させると嵩原は怪しいデータを片っ端から保存していく。
そして嵩原が一通りデータを取り出し、そろそろ引き上げようかと取り出そうとした瞬間。天井から謎の射撃が襲い掛かる。
「!」
だが、いち早くその射撃に続いた嵩原は素早く跳んでその射撃を回避する。
相手も手応えの無さから侵入者を仕留めていないと察したのか次々と射撃が襲い掛かる。
「やっぱりいたか!」
嵩原はそう言いながら窓に向かって走ると刀を一閃。窓ガラスを綺麗に切断すると空中へと身を投げる。
「サダルメリク!」
嵩原が叫び、三つの目が光った次の瞬間宙に舞ったハズの嵩原が消え、影も形もなくなる。










「珍妙な術を使う。」
その会社の屋上でルクバトが呟く。外へ逃げたのだから地表に激突するか、移動できないところをルクバトが射抜くハズだったのだが目標は一瞬で消えてしまった。
だが、ルクバトは焦る訳でもなく後ろに控えているフィクスに尋ねる。
「目標は何処だ?」
「28-A。南西に向け逃走中。」
「了解だ。」
ルクバトは再び弓に矢をつがえ、射撃体勢を取る。
「逃げられると思うなよ侵入者。」











銃声が辺りに響く中、隠れ家に侵入したかおりと藤正の二人はカノープスが指示するままに家の中を進む。
「火元さん大丈夫かな...?」
「け、拳銃持ってたし大丈夫だろ!」
《それよりもこっちのが心配だ。今便りになるのが子供二人なんだからな。》
「そ、それはそうだけどさ...」
《それよりそこの階段から降りて右の部屋に行け。そこの棚に近づいてくれ。》
「わ、分かった。」
二人は警戒しながらも階段から下へと降りていく。そして右の部屋へと行こうとした瞬間。階段の横から黒い影が現れる。どうやら既にここまで侵入していたらしい。
「う、うわっ!この!」
藤正は警棒を取り出すと思い切り黒い影を叩く。黒い影は怯んだようで一瞬揺らぐ。
「桃井は先に行け!ここは俺がなんとかする。」
「う、うん!」
かおりはそう答えると部屋へと入る。そして部屋の中には奥の方に龍が彫られた棚があった。だが棚には厳重な鍵がかけてある。
「こ、これ!?」
《ああ!コイツの番号は0709だ!急げ早く!》
「ちょっ、焦らせないでよ!手元が狂う!」
かおりはカノープスに急かされながらも鍵の番号を合わせていく。そして合わせるとパキンと音がして解錠される。「開いた!」
《よくやった!》
かおりが急いで棚を開けるとそこには錆びた剣のようなものがあった。
「こ、これが龍香の力になるの?」
《ああ!今のアイツならこれを使いこなせるハズだ。急ぐぞ!》
かおりはその剣を抱える。見た目に反して意外と軽く、かおりでも楽々持ててしまう。
「これ、意外と軽いね!」
《まぁ俺を持ってるからな。俺がいなかったら重くてまともに持てんぞ。》
かおりが部屋から出ると、藤正が黒い影に押されていた。藤正も無茶苦茶に警棒を振って応戦するが、やはり喧嘩慣れしていないのもあり、まともに当たっていない。
「や、ヤァーッ!」
危ないと見たかおりは手に持った錆びた剣を振りかぶると黒い影に思い切り振り下ろす。
ゴキッ!と嫌な音がなり剣が影にめり込む。そして影は霧散して消えてしまう。
「た、助かった。」
「さぁ先を急ぐよ!」
「おう!」
二人は一気に階段を駆け上がる。そして二人が隠れ家から何とか脱出し、来た道を逃げようとした瞬間いきなり目の前に影が現れる。
「う、うわ!」
突然の出現に二人は面食らって身体が固まってしまう。そしてその隙に影が二人に襲い掛かろうとした瞬間。
バァンと目の前で大きな音が鳴り、影は霧散する。
「二人とも!大丈夫!?」
「ひ、」
「火元さん!」
そこには服のあちこちが破け、擦り傷だらけだが五体満足の火元がいた。火元はマガジンを代えながら二人に尋ねる。
「目的のモノは!?」
「て、手に入れました!」
「よくやったわ!じゃあ早くここから離れましょう!悪いけど私一人じゃ手に負えないわ!」
火元は二人を先導して駆け出す。どうやら黒い影を全てを倒した訳では無いらしく、出てくる影に向かって発砲を続ける。
「アイツらの足は遅いわ!慎重に!それでも急いで行って!」
「わ、分かりました!」
「きゃーーー!!」
三人は走って転がるようにして山の麓まで降りていく。そして停めておいた車に乗り込む。
「皆いる!?」
「い、います!」
「います!」
《俺もいるぞ!》
それを確認すると火元は車を走らせる。三人を乗せた車はどんどんとその場から離れていく。黒い影が追ってくる様子はなく、三人はホッと胸を撫で下ろす。
車は山を下り、“新月”基地へと向かって行った。





















「さぁて。まさか誘き寄せるわけでもなく向こうからおいでなさるとはね。」
山形は司令室で監視カメラに映る怪物、トゥバンを睨む。風見と林張は周りの環境を解析し、雪花が最適に狙撃出来るように準備を進める。
「風見、あと何れくらいで行けそう?」
「後三分頂戴な。」
「黒鳥君!所定位置についた?」
「はい。接近した場合俺が妨害します。」
「藍!調子はどう?」
「まずまずよ。“デイブレイク”がボロボロなのはちょっとアレだケド。」
「応急処置だから勘弁してくれッス。」
雪花の装着している“デイブレイク”は左肩装甲があった場所は予備の強化プラスチック装甲を、切り傷を付けられた部分や右腕部には補修テープで補修されただけだ。
だが雪花はそれを纏うと長いチューブやコードを繋げた“ヘオース”を抱えるとスコープを覗いて構える。
「風速5km,磁場、大気の誤差修正範囲内、銃身高度0,048修正、目標との距離3500、障害物なし!」
「電圧、銃身温度安定。最終接続確認。エネルギー充填完了。システムオールグリーン。いつでも行けるワ!」
「よし、最終安全装置解錠。雪花。任せるわ。」
「了解。」
雪花はスコープ越しにこちらへと歩みを進めるトゥバンに照準を合わせる。
「仕返しはタップリとさせて貰うわ。」
雪花は舌なめずりをする。電子音が響き、スコープの照準がトゥバンを徐々に捉えていき、そして完全にロックオンをした際の甲高い音が鳴る。
「今!」
雪花がトリガーを押し込む。次の瞬間銃口が青白く輝き、必殺の蒼白の閃光がトゥバンに向けて翔んでいく。
「!」
トゥバンに閃光が炸裂する。着弾した瞬間大爆発が起こり、辺り一面が吹き飛ぶ。木々が薙ぎ倒され、火が地面を舐める。もうもうと上がる煙がその破壊力を物語っていた。
「目標に着弾!」
「やった!」
着弾報告に会議室が喜色に染まる。アレ程の一撃を諸に受けたのだから無事であるハズがない。だが、雪花は構えを解こうとしない。
「どうした?喜ばないのか?」
「ええ、だって。」
雪花は再びスコープを覗き込む。煙が晴れるとそこには現在のトゥバンがいた。
「何!!」
「まだ仕留めてないもの!!」
再び雪花はトリガーを押し込み、“ヘオース”を発射する。だがそれに気づいたトゥバンはすぐに跳躍してその一撃を回避する。
「外した!」
「狙撃ポイントがバレた!移動する!」
雪花は“ヘオース”を操作し、繋いでいたチューブやコードを切断すると“ヘオース”を抱えて移動を開始する。
「狙撃ポイントβに移動する!黒鳥!援護!」
「あぁ!」
黒鳥は翼を翻すと夜空へと飛翔する。雪花はこちらを睨み付けるトゥバンを睨みながら悪態をつく。
「チッ!さっきので死んでろってのクソトカゲ!!」












「あの一撃...やったのはあの金髪のガキか。」
トゥバンは身体についた埃を払いながら推測する。急に飛んできた一撃を何とか防御はしたものの、あちこちに焦げがついており、流石のトゥバンも全くの無傷と言う訳には行かなかった。
「狙撃相手は趣味じゃないんだがな!」
トゥバンは再び飛んできた一撃を跳躍して回避すると弾が飛んできた方へと全力で駆け出す。
恐らくこちらが到達する頃には移動されているだろうがあの攻撃の性質上発射する直前に光が発生する。ならば回避は難しくても防御なら間に合う。
「ゆっくりと付き合ってやってもいいが、今は時間がないからな...!」
トゥバンは駆け出しながら薙刀を構える。
「今度こそぶっ殺してやるよクソガキ!」















「ここまで来れば...」
社長室から情報を抜き出した嵩原は狙撃の的にならないように建物の陰を縫って移動していた。いくら狙撃のプロとも言えどこう建物が多い町中での狙撃は不可能だ。
能力を使用した事で痛む身体に耐えながら早く帰ってこの情報を精査しなければ...そう思っていた瞬間だった。
突然壁を突き破り、矢が嵩原目掛けて飛んでくる。気づいた嵩原はギリギリで回避を行うが左腕を矢が掠める。
「なっ」
完全に嵩原は建物の陰におり、そして矢が飛んできた方向からは嵩原の姿は見えないハズだ。なのにあまりにも正確な一矢。
「ま、まさか。」
続いて壁突き破りまたもや放たれた矢が嵩原を襲う。
「“見えているのか”!?」
今度は完璧に避けきるがこれ程正確に射たれた以上嵩原の姿を敵は何らかの方法で感知しているようだ。
会社からはそれなりの距離を取ったにも関わらず感知されていると言うことはこのまま基地に帰れば特定されることは間違いないだろう。
つまり、嵩原がやるべきことは狙撃する敵の位置を割り出し殲滅することだ。
「やるしかない...!」














「当たったか?」
「否定。敵健在。ですがこちらに向けて移動を開始した模様。ポイント28Aからポイント27Bへ移動。」
「建物に当たったせいでちょいとズレたか。それにどうやらアイツもこちらが感知していることには気づいたらしいな。」
ルクバトは再び弓を構え、こちらへと向かってくる目標に狙いを定める。
「修正は大体分かった。目標の位置を引き続き教えろフィクス。」








To be continued....

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